JPH076145B2 - スチールコードおよびタイヤ - Google Patents

スチールコードおよびタイヤ

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JPH076145B2
JPH076145B2 JP63208652A JP20865288A JPH076145B2 JP H076145 B2 JPH076145 B2 JP H076145B2 JP 63208652 A JP63208652 A JP 63208652A JP 20865288 A JP20865288 A JP 20865288A JP H076145 B2 JPH076145 B2 JP H076145B2
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cord
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wire
rubber
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敏明 清水
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金井 宏之
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はタイヤやコンベアベルト等の補強材として使用
され、強度,靭性,耐腐食性およびゴムとの接着性に優
れたスチールコードおよび上記スチールコードを補強材
として用いた耐久性,経済性および乗心地性に優れたタ
イヤに関するものである。
〔従来の技術〕 従来、一般にこの種のスチールコードは熱間圧延後、調
整冷却した素線径が5.0〜6.4mmを有する線材を、伸線加
工およびパテンティング処理を繰り返して伸線し、プラ
スメッキを施した後、最終伸線加工によってスチールコ
ード用素線を形成し、上記素線を複数本撚り合わせて形
成されていた。
そして、上記スチールコードの複数本が平行に引き揃え
られた状態でゴム材により被覆され、タイヤやコンベア
ベルト等に使用されている。
ところで、上記スチールコードをゴム補強材として使用
したタイヤやコンベアベルト等の種々の製品が様々の使
用環境下において十分な耐久性,経済性,乗心地性等を
有するためには、特にスチールコードの各素線自体が耐
腐食性および強度的に優れていること及び、スチールコ
ード並びに各素線がゴム材とよく接着することが要求さ
れている。すなわち、スチールコードが補強材としての
役割を充分に果すためには、高強度,高靭性で、しかも
完全なゴムとの複合体になっていることが必要である。
例えば、タイヤの場合、まず、スチールコードが高強
度,高靭性であり、かつ接着状態のよいことが必要であ
る。スチールコードが高強度,高靭性の有することによ
り、スチールコード単位重量当りの強力が向上し、その
結果、タイヤへの打込本数が減少し、タイヤの軽量化,
乗心地性および耐久性の向上が図れる。しかるに、スチ
ールコードとゴムとの接着状態が悪いと、走行時にコー
ドとゴム材とが剥離する、いわゆるセパレーツ現象を起
し、タイヤの性能を著しく阻害するという問題が生じ
る。
また、接着状態および耐腐食性が悪いと、ゴム中の水分
や外部より進入した水分,塩分等によって素線に錆が急
速に発生し、コードの強力が大巾に低下したり、セパレ
ーツ現象を早めてタイヤの耐久性を著しく阻害するとい
う問題があった。
上記問題をなくすため第8図(イ)に示すように、ゴム
との接着性を良くするため、表面にプラスメッキを施し
た素線(7)を複数本撚り合わせた1×3、1×5のス
チールコード(8)が広く使用されていた。しかし、上
記スチールコード(8)では各素線(7)同士が互いに
密着して撚り合わされているため、ゴム材で被覆した
時、ゴム材がスチールコード(8)の中心部の空間Aま
で浸入せず、しかも各素線(7)も夫々完全にゴム材で
被覆されず、ゴムとの接着が不十分であった。
このため、スチールコード(8)の中心にできた空間A
に、ゴム中の水分および外部より浸入した水分,塩分等
が入り込み、空間Aの内部をスチールコード(8)の長
手方向に伝播し、錆の発生を促進するという問題点があ
った。
この問題点を除くため、最近では第8図(ロ)に示すよ
うに、複数本の素線(7)を撚りのあまい部分Eと締っ
た部分Fとが交互にあらわれるよう撚り合わせ、撚りの
あまり部分における素線(7)間に隙間Bを形成した、
いわゆるオープンコードと称されるスチールコード
(9)が考案され、使用されている(実公昭58−48392
号公報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
最近のスチールコードにおいては、上述のようなオープ
ン構造にすることにより、ゴムとの接着性が改善された
が、スチールコードの強度,靭性の点で、未だに十分な
ものではなかった。そこで、本発明者はスチールコード
に用いられる素線の線材組成およびスチールコードの撚
り構成との組み合わせについて研究を重ねた結果、本発
明をなすに至ったものである。
本発明の目的は、高強度,高靭性で、かつ撚加工性に優
れると共に、耐腐食性およびゴムとの接着性も優れたス
チールコードおよび耐久性,経済性,乗心地性に優れた
タイヤを提供するにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明の第1の発明である
スチールコードは、重量%で、C:0.75〜0.95、Si:0.45
〜1.20%、Mn:0.30〜0.90%、Ni:0.05〜1.00%を含有
し、かつV:0.05〜1.0%、Cu:0.10〜0.50%の1種又は2
種を含有するか、若しくはCu:0.10〜0.50%およびS:0.0
1〜0.04%を含有すると共に、残部が鉄及び不可避的不
純物よりなる素線径0.10〜0.50mmの素線を3乃至5本、
クローズ撚りのコード径(D2)よりも大きなコード平均
径(D1)となるように同一方向、同一ピッチで撚り合わ
せて成る。上記スチールコードはその任意の断面におい
て隣り合う素線間の少なくとも一ケ所に隙間を設けて形
成したが、各素線間に隙間がなく、密着した部分が部分
的に現われるのを妨げるものではない。
また、上記スチールコードはコード平均径(D1)がクロ
ーズ撚りのコード径(D2)の1.1〜1.5倍となるよう構成
するのが好ましいものである。
次に、第2の発明であるタイヤは上記のように構成され
たスチールコードの複数本をベルト部、カーカス部、チ
ェーファ部の少なくとも一部に設けて成り、上記所定本
数のスチールコードは予めゴムに配列埋設して略ベルト
状の補強材にして、タイヤの所定部分に設けると作業性
が向上する。
次に、各添加元素の化学成分を上記のように限定した理
由について詳述する。
Cはこの種のスチールコードに要求される強度を確保す
るために重要であり、0.75%以上が必要である。しか
し、C量を高めるほど高強度のスチールコードが得られ
るが、高くしすぎると伸線時及び撚線時に溶接部やC偏
析部において断線が発生しやすく、また熱処理において
も初析セメンタイトが発生し、伸線,撚線に悪影響をも
たらすので0.95%以下が好ましい。
Siは鋼の脱酸のため必要であり、またフェライトを固溶
強化するため、パテンティング処理材の引張強さを高め
るのに有効である。したがって、Cの場合と同様、所望
の引張強さを得るには、Si含有量は0.45〜1.20%の範囲
が好ましい。1.20%を越えてSiを多量に添加すると、フ
ェライトの靭延性が劣化し、SiO2系の非延性介在物が生
成されるため、伸線時,撚線時において断線頻度が高く
なり好ましくない。
MnはSiと同様に脱酸のために必要であるが、同時に焼入
性を向上させ、引張強さを向上させるという効果があ
る。
上記効果を有効に発揮させるためには、Mn含有量は、0.
30%以上必要であるが、0.90%を越えると、成分の偏析
傾向が強くなり、靭性及び延性を低下させて好ましくな
いので、0.30〜0.90%の範囲が好適である。
次に、NiはSiと同様にフェライト中に固溶し、僅かなパ
テンティング処理材の引張強さを高める効果がある。
本発明者は、Niを適当量添加した鋼について伸線実験を
行った結果、NiやCやNによる時効を遅らせ、鋼線の靭
延性を低下させることなく高強度極細線を製造できるこ
とを見出したのである。上記時効を遅らせるNiの効果
は、捻回試験における縦割れ発生を抑制するばかりでな
く、一定の極細線の引張強さのものにおいてでも、従来
の高炭素鋼線に比べて高い絞りを示すため伸線時,撚線
時の断線度合を低減することができる。しかし、Niは鋼
線の焼入れ性を上げるため、1.00%を越えて添加する
と、鉛パテンティング時に完全なパーライト組織が得ら
れず、マルテンサイトやベーナイト組織が発生し、伸線
加工,撚線加工が困難となる。またNiはMs点を下げるた
め、多量に添加すると、組織中の残留オーステナイト量
が増加し、伸線時,撚線時にこれらがマルテンサイトに
変態するので、伸線,撚線ができ難くなる。よって、Ni
含有量は0.05〜1.00%の範囲が好ましい。
Vは微細な炭窒化物として分散して、オーステナイト粒
度やノジュールサイズを粗大化させず、パーライトラメ
ラ間隔も狭くする効果を有し、結晶粒界の腐食防止に効
果があり、各素線の耐腐食性を向上させるとともに、伸
線加工性を向上させる。
上記効果を発揮させるためには0.05%以上含有させるこ
とが必要であるが、1.0%を越えて過多に含有させると
靭性や延性を劣化させる。
よって、V含有量は0.05〜1.0%の範囲が好ましい。
CuはH2より貴な金属であり、水素発生型の腐食を防止
し、空気中で錆が発生しにくい性質があり、耐候性を有
している。
上記効果を発揮させるためには0.10%以上が必要である
が、過多になると脆くなる。
よって、Cu含有量は0.10〜0.50%の範囲が好ましい。
なお、V及びCuは少なくとも一種を含有すればよいが、
V,Cuの2種を含有すれば耐腐食性を一層向上することが
できる。
SはPと同様に有害元素で、熱間脆性をおこす性質があ
ると、Cuと共に適量に添加することによりCuとSが結合
し、不動態化して腐食効果が発揮される。しかし、0.04
%を越えると脆化が著しいので、SはCuと同時に添加
し、0.01〜0.04%の範囲とするのが好ましい。次に、ス
チールコードの構成についてみる。
スチールコードの隣り合う素線間の隙間は、ゴムの浸入
が可能な範囲であればよく、スチールコードの長手方向
におけるコード平均径(D1)がクローズ撚りのコード径
(D2)の1.1〜1.5倍とするのが好ましい。
D1/D2が1.1倍未満であると、ゴムの浸入が不十分とな
り、ゴムと素線とが完全に接着せず、素線に錆を発生さ
せる原因となりやすい。また、1.5倍を越えると撚りが
長手方向で不均一となり、ゴムが浸入したとしても、逆
にその複合材としてのモジュラスが低下し、圧縮曲げ疲
労性が悪くなるものである。また、スチールコードを構
成する複数本の素線が一体としての効果を発揮せず、特
に応力を受け易い1〜2本の素線が極端に早く切断する
可能性がある。
なお、上記スチールコードは、表面にプラスメッキ、プ
ロンズメッキ等のメッキを施し、素線径が0.10〜0.50mm
を有する素線を撚りピッチ5.0〜20.0mmで撚り合わせた
ものが一般的に使用される。
以下、本発明の一実施例を図面に基いて説明する。
〔実施例1〕 第1図に示すように、化学成分が重量%でC:0.80%、S
i:0.87%、Mn:0.58%、Ni:0.68%のほか、P:0.012%、
S:0.003%、V:0.56%、Cu:0.15%を含有し、残部が鉄及
び不可避的不純物から成り、素線径が0.25mmを有し、か
つ表面にプラスメッキを施した素線(1)を、所要の撚
りピッチで撚り合わせて1×5の撚り構成で、コード径
の平均径(D1)がクローズ撚りとした場合のコード径
(D2)の1.3倍となるように形成して、ゴムの浸入可能
な、いわゆるオーブンコードのスチールコード(2)を
得た。
上記スチールコード(2)は素線(1)間の隙間Cが第
1図(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)、(ヘ)
に示すように、スチールコード(2)の長手方向におけ
る各断面或いは任意断面において、少くとも1以上有す
るもので、各隙間のパターンは一定で規則的に現われた
り、不特定に現われることがあり、しかも第1図(ト)
に示されるクローズ撚り部が部分的に現われることを必
ずしも妨げるものではなく、コードの中心部Pにゴムが
浸入個所から両方向に浸入できるものであればよいもの
である。
〔実施例2〕 化学成分が重量%でC:0.81%、Si:0.84%、Mn:0.58%、
P:0.01%、S:0.007%、Ni:0.21%、Cu:0.33%を含有
し、残部が鉄及び不可避的不純物から成り、素線径が0.
25mmを有し、かつ表面にブロンズメッキを施した素線
を、所要の撚りピッチで撚り合わせて1×4の撚り構成
で、コード径の平均径がクローズ撚りとした場合のコー
ド径の1.25倍となるように形成して、実施例1と同様の
ゴムの浸入可能な、いわゆるオーブンコードのスチール
コードを得た。
〔実施例3〕 化学成分が重量%でC:C:0.77%、Si:0.56%、Mn:0.48
%、P:0.007%、S:0.003%、Ni:0.50%、V:0.61%を含
有し、残部が鉄及び不可避的不純物から成り、素線径が
0.25mmを有し、かつ表面にプラスメッキを施した素線
を、所要の撚りピッチで撚り合わせて1×5の撚り構成
で、コード径の平均径がクローズ撚りとした場合のコー
ド径の1.3倍となるように形成して、実施例1と同様の
ゴムの浸入可能な、いわゆるオーブンコードのスチール
コードを得た。
〔実施例4〕 化学成分が重量%でC:C:0.85%、Si:0.97%、Mn:0.51
%、P:0.008%、S:0.015%、Ni:0.84%、Cu:0.26%を含
有し、残部が鉄及び不可避的不純物から成り、素線径が
0.25mmを有する素線を、所要の撚りピッチで撚り合わせ
て1×4の撚り構成で、コード径の平均径がクローズ撚
りとした場合のコード径の1.5倍となるように形成し
て、実施例1と同様のゴムの浸入可能な、いわゆるオー
プンコードのスチームコードを得た。
なお、この場合、バナジウムが適当含有してもよいもの
である。
〔実施例5〕 第2図(イ)及び(ロ)に示すように、上記実施例1と
同様にして得られたスチールコード(2)を複数本並列
に配置してゴム材(3)により被覆して補強材(4)を
形成し、上記補強材(4)をタイヤのベルト部(5)に
配設してタイヤ(6)を構成する。
なお、上記タイヤ(6)は補強材(4)をベルト部
(5)に設けたが、スチールコードをベルト部,カーカ
ス部,チェーファ部の全部又は一部に設けることも可能
である。
次に、本発明のスチールコードと従来材を用いた比較的
スチールコードについて行なった比較テストの結果につ
き説明する。
第1表は本発明用の改良線材と比較用としたスチールコ
ードの従来線材との主要化学成分を示す。
上記線材(素線径5.5mm)1.〜9.を、伸線加工、鉛パテ
ンティング処理を繰返し、プラスメッキ処理を施した
後、最終湿式伸線加工によって、素線径0.25mmの素線
〜に夫々仕上げた。そして、これら9種の素線〜
について、引張り強さ、絞り及び捻回値の機械的性質を
測定したところ、第2表の如き結果を得た。
上記第2表から明らかなように、従来線材1の素線は
引張り強さ330kg/mm2、捻回値31回であったのに対し、
改良線材2〜9の素線〜は、いずれも370kg/mm2
上の高い引張り強さを有すると共に絞りも十分にあり、
しかもこのような高強度であっても40回以上の高い捻回
値を得ることが判明した。
次に、これらの素線〜を用いて、第3表の撚り構成
のスチールコードI〜XIIを作り、これらのスチールコ
ードI〜XIIをゴムに埋設して接着および疲労試験用サ
ンプルI〜XIIを作り、引抜試験、発錆度測定および耐
疲労性測定を行なったところ、第4表に示す如き結果を
得た。
第4表において、引抜力保持率とは、食塩水中に浸漬す
る前にスチールコードをゴムから引き抜いた引抜力と、
20%食塩水中に一週間浸漬した後にスチールコードをゴ
ムから引き抜いた引抜力との関係を示したもので、スチ
ールコードが未老化のときの比率は100%であり、数値
が大きい程老化(劣化)が少なく、良好であることを示
している。
また、接着劣化長さとは、ゴムに埋設したスチールコー
ド、即ちサンプルを長さ15cmに切断し、一方の炭面を腐
食液が浸透しないように合成樹脂塗料で被覆し、室温下
で濃度10%の水酸化ナトリウム水溶液に24時間浸漬した
後、スチールコードの腐食によりスチールコードとゴム
間の接着劣化した部分、すなわちスチールコードとゴム
が接着していない部分の長さを測定し、その測定値をmm
で表わしたものである。150mmとは全長にわたって接着
劣化しており、数値が大きい程錆の拡散が著しいことを
示している。
更に、耐疲労性は従来品(サンプル番号I)を100とし
た場合の指数で示している。
第4表から明らかなように、従来のクローズ然りで素線
及び素線を用いたサンプルI,iiiは、引抜力保持率
が24%,46%と極めて低く、また接着劣化長さも123mm,8
3mmと長く、錆の拡散が著しく、更に耐疲労性において
も、サンプルIV〜XIIとはっきり下がある。ところで、
素線でオープン撚りをしたサンプルIIは、サンプルIV
〜XIIに比して引抜力保持率、接着力劣化長さ及び耐疲
労性において劣るばかりか、撚加工の容易性(第3表参
照)に難点があり、撚線工程中、断線を生じるという問
題がある。これに対して、本発明のスチールコードは、
金属組成と撚り構造との相乗効果によって著しい効果を
有していることが判明した。
次に、本発明のスチールコードをベルト部、カーカス部
に用いてタイヤを試作して、耐久性及び運動性能を測定
した。
耐久性の評価は、長距離の実車走行テスト後、タイヤを
切断解析してスチールコードの破損状況、発錆状況を測
定した。また、運動性能評価は、コーナリングパワーと
乗心地性,経済性を測定した。
この結果、スチールコードの破断及び発錆については、
本発明のスチールコードを使用したタイヤが従来タイヤ
に比して非常に効果があることが確認されたが、コーナ
リングパワー、乗心地性については余り大差はなかっ
た。しかし、経済性については、本発明のものは高強度
のため、スチールコードの使用量が約12%減少すること
ができ、タイヤの軽量化により、走行距離に対して、燃
料消費量の削減が可能となった。
〔発明の効果〕
本発明は、特定の金属組成と撚り構造にしたので、伸
線,撚線時における塑性加工性が低下せず、すぐれた靭
性と強度及び耐腐食性を有し、またゴム浸入に優れ、素
線表面がゴムによって完全に被覆可能で、スチールコー
ド内部への水分等の浸入を防止できる。
また、引張り強度が高いけれども捻回値が従来材に比し
て高いので、撚線工程において撚加工が容易である。こ
のため、特に素線間に隙間を設ける、いわゆるオープン
構造のスチールコードの製造に適し、撚工程における断
線が少なく、また、くせ付けも容易で所望の隙間(オー
プン度)を形成できる。
更に、本発明のスチールコードをベルト部,カーカス
部,チェーファ部の全部又は一部に埋設したタイヤは、
経済性,乗心地性および耐久性が大巾に向上すると共に
軽量化が図れる。
また、特に路面と直接接触するトレッドに近いベルト部
に設けた場合、著しい効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)、
(ヘ)、(ト)は夫々本発明のスチールコードの一実施
例における任意位置の切断端面図、第2図(イ)は本発
明のスチールコードを用いたタイヤに使用する補強材の
一実施例を示す一部破断拡大断面図、同図(ロ)は
(イ)における補強材をタイヤのベルト部に用いたタイ
ヤの一実施例を示す要部説明図、第3図(イ),(ロ)
は夫々従来の異なるスチールコードを示し、(イ)は切
断端面図、(ロ)は一部破断正面図である。 (1)(7)……素線 (2)(7)(9)……スチールコード (3)……ゴム材 (4)……補強材 (5)……ベルト部 (6)……タイヤ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−157391(JP,A) 特開 昭62−256950(JP,A) 特開 昭58−3928(JP,A) 特開 昭53−56122(JP,A) 特開 昭62−141144(JP,A) 特開 昭63−130404(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、C:0.75〜0.95、Si:0.45〜1.2
    0、Mn:0.30〜0.90、Ni:0.05〜1.00を含有し、かつV:0.0
    5〜1.0、Cu:0.10〜0.50の1種又は2種を含有すると共
    に、残部が鉄及び不可避的不純物よりなる素線径0.10〜
    0.50mmの素線を3乃至5本、クローズ撚りのコード径
    (D2)よりも大きなコード平均径(D1)となるように同
    一方向、同一ピッチで撚り合わせて成るスチールコー
    ド。
  2. 【請求項2】重量%で、C:0.75〜0.95、Si:0.45〜1.2
    0、Mn:0.30〜0.90、Ni:0.05〜1.00を含有し、かつCu:0.
    10〜0.50およびS:0.01〜0.04を含有すると共に、残部が
    鉄及び不可避的不純物よりなる素線径0.10〜0.50mmの素
    線を3乃至5本、クローズ撚りのコード径(D2)よりも
    大きなコード平均径(D1)となるように同一方向、同一
    ピッチで撚り合わせて成るスチールコード。
  3. 【請求項3】コード平均径(D1)をクローズ撚りのコー
    ド径(D2)の1.1〜1.5倍とした請求項1又は2記載のス
    チールコード。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3記載のスチールコード
    をベルト部、カーカス部、チェーファ部の少なくとも一
    部に設けて成るタイヤ。
JP63208652A 1988-08-23 1988-08-23 スチールコードおよびタイヤ Expired - Lifetime JPH076145B2 (ja)

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