JPS63130404A - 空気入りタイヤ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は自動車用空気入りタイヤにおいて特にそのベ
ルト部、チェーバーないしサイド部を補強する補強材の
改良に関するものでおる。

〔従来の技術） 従来、空気入りタイヤの補強材としては例えば特開昭６
１−１２９８９号及び実開昭５６−１３００３号公報開
示の鋼ワイヤーが用いられている。

すなわち断面形状が偏平状をした鋼ワイヤーである。そ
してこのいわゆる偏平ワイヤーは、走行温度、衝撃抵抗
、トレッド摩耗及び他の性能特性を改善できる点で好ま
しく、その実用化が期待されているのが実情である。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながらこの不ｆの偏平ワイヤーは、５．５ないし
５．０ｍｍ径のロンドをロールで圧延して楕円状とし、
さらにローラーダイスやローラーを用いて製造されるの
で、圧延時に上下から圧縮された際、残留歪がこの偏平
ワイヤー内部に生じるもので、従来はこの残留歪が残存
したままの状態においてタイヤのベルト部あるいはカー
カス等の補強材として使用されていた。従ってこの種の
偏平ワイヤーを用いたタイヤを走行させると、図面に示
す様に、残留歪が、タイヤ走行中に受ける繰り返しの応
力によって偏平ワイヤ−１内部に微少クラック２を発生
せしめ、延いては金属疲労を起し破壊させるに至る。従
ってこの種の偏平ワイヤーを用いた空気入りタイヤは、
走行初期では既述の通り優れた作用効果を発揮するもの
の、その後においては耐久性はなく、決して実用に耐え
得るものではなかった。

そこでこの発明の目的とするところは、いわば偏平ワイ
ヤー固有の好適な作用効果を具有させると同時に、実用
に耐え得る耐久性のある空気入りタイヤを提供するとこ
ろにある。

〔問題点を解決するための手段〕

従来のタイヤが耐久性を有しないのは既述のごとく、偏
平ワイヤーに、圧延加工に基づいて生じる残留歪がその
まま残存した状態において、これを補強材としてタイヤ
に使用したからに他ならない。そこでこの発明では従来
通り圧延等の加工を施し、偏平ワイヤーとした後、その
際発生した残留歪を格別に除去する手段を別途講じ、残
留歪のない鋼ワイヤーを得、これを補強材として空気入
りタイヤに適用したのである。残留歪を除去した補強材
は、炭素含有量が０．６５〜０．９０％で、１５０ｋＭ
ｍｍ２以上の引張強さと、３．６〜１０．０％の破断伸
びを有する偏平状もしくは楕円形状の鋼ワイヤーである
。なお残留歪を除去するには例えば加熱手段が採用でき
、４００〜６５０℃で加熱徐冷するのが好適である。４
００〜６５０℃で加熱徐冷すれば切断伸度が１．０〜３
．５％であったものが、３．６〜１０．０％に向上する
。なお偏平鋼ワイヤーの厚みに対する幅の比は、１．５
〜１５であることが好ましい。

〔作用〕

この発明は上記構成を採用したので、残留歪に起因する
微少クラヅクが、ワイヤー内部に発生し、成長発展する
ことはなくなり、因ってこの補強材を用いた空気入りタ
イヤにおいては、早期故障が全く生起せず、耐疲労性及
びタイヤ耐久性が飛躍的に改良される。

（実施例） 炭素含有量が０．７０〜０．７５％である５ＷＲ８７２
Ａのピアノ線材を圧延ロール及びローラーダイスを用い
て、幅０．６７ｍｍ、厚み０．３７ｍ１ｌｌの偏平ワイ
ヤーとし、このワイヤーを第１表に示す条件で加熱した
。第１表は各種の加熱条件におけるワイヤーの物性値及
びベルト疲労試験を示す。

なおサンプルＮ０１５は、加熱しないすなわち残留歪が
残留する従来のワイヤーである。

（以下次頁） 第１表から明らかなように、加熱処理しないサンプルＮ
ｏ、５と比較して、加熱処理を施したサンプルＮ０．１
〜４では破断伸びが向上しており、残留歪が除去されて
いる。従って特にサンプルＮｏ。

１〜３については、疲労寿命が、サンプルＮｏ、５に比
べ２桁以上もアップし、ワイヤーにおける耐久性の飛躍
的な向上が認められる。

次に、このサンプルＮ０．１の偏平ワイヤーをベルト部
の補強材として、２１５／６０Ｒ１５ラジアルタイ７に
適用し、実施例１としてタイヤ性能の測定試験をした。

その結果を第２表に示す。

なお比較のため、残留歪のあるサンプルＮＯ，５の偏平
ワイヤーと、一般的な補強材である１Ｘ５Ｘ０．２５ｍ
ｍスチールコードをそれぞれベルト部補強材として用い
た同ラジアルタイヤについても、比較例１及び２として
それぞれタイヤ性能試験を行なった。

第２表 一般に、スチールコードを用いた比較例２などでは、操
舵性を左右するコーナリングフォースがアップすると、
これに反して乗心地や騒音レベルが悪化するか、第２表
から明らかな様に、実施例１ではこの種の背反現象が認
められず、コーナリングフォースの向上とともに乗心地
や騒音レベルの性能も良好である。ざらにまた耐久性の
点でみると、実施例１のタイヤは、比較例１に比べ、砕
石及びじヤリ通の３００ｍ走行によるワイヤーの折れ指
数並びにその走行キロ数においても格段の向上が認めら
れ、また比較例２と比べても耐久性能は増大している。

なお上記実施例はベルト補強材に係るが、勿論これに限
定されるものではなく、ヂエーハーないしサイド部等の
補強材に適用できることはいうまでもない。

〔発明の効果〕

以上の様にこの発明は永久歪を除去した所定物性を有す
る偏平状もしくは楕円形状の鋼ワイヤーを補強材とした
空気入りタイヤであるため、使用初期において発揮する
偏平ワイＡ７−固有の好ましい効果を永続的に具有させ
た耐久性あるタイヤとしたもので、偏平ワイヤー補強材
を適用した空気入りタイヤの本格的実用化を可能とした
。

【図面の簡単な説明】

図面は従来の偏平ワイヤーの疲労試験後前面を模式的に
示す概略図でおる。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）断面形状が偏平もしくは楕円形状である鋼ワイヤ
   ーを補強材とした空気入りタイヤにおいて、補強材を、
   炭素含有量が０．６５〜０．９０％で、１５０ｋｇ／ｍ
   ｍ＾２以上の引張強さと３．６〜１０．０％の破断伸び
   を有する鋼ワイヤーで構成したことを特徴とする空気入
   りタイヤ。
2. （２）偏平鋼ワイヤーの厚みに対する幅の比が１．５〜
   １５である特許請求の範囲第１項記載の空気入りタイヤ
   。
3. （３）炭素含有量０．７０〜０．７５％のピアノ線材を
   偏平化した鋼ワイヤーを、４００℃〜６５０℃で加熱し
   、１７０ｋｇ／ｍｍ＾２以上の引張強さと３．６％以上
   の破断伸びをもたせた補強材でベルト部を補強してなる
   特許請求の範囲第１項記載の空気入りタイヤ。