JP2004351944A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】乗り心地や操縦安定性を維持した上で、軽量化を図りながら耐外傷耐久性を向上し、かつ生産時の不良発生を低減した空気入りラジアルタイヤを安価に提供する。
【解決手段】ベルト層が、少なくともトレッド側の最外層ベルトプライが単線ワイヤから構成され、かつ前記単線ワイヤベルトプライのカーカス層側に内接するベルトプライがオープン構造の撚り線スチールコードから構成され、前記単線ワイヤは、円形断面又は偏平形断面を有し、該ワイヤの長手方向に沿って1方向又は2方向の波状の型付けが繰り返し施され、かつタイヤ径方向に配される該ワイヤの径が0.45mm以下である空気入りラジアルタイヤ。
【選択図】 図2
【解決手段】ベルト層が、少なくともトレッド側の最外層ベルトプライが単線ワイヤから構成され、かつ前記単線ワイヤベルトプライのカーカス層側に内接するベルトプライがオープン構造の撚り線スチールコードから構成され、前記単線ワイヤは、円形断面又は偏平形断面を有し、該ワイヤの長手方向に沿って1方向又は2方向の波状の型付けが繰り返し施され、かつタイヤ径方向に配される該ワイヤの径が0.45mm以下である空気入りラジアルタイヤ。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気入りラジアルタイヤに関し、ベルト層を構成するスチールコードを改善することで、軽量化を図りながらベルト耐久性を向上し、生産時の不良発生を低減した安価な空気入りラジアルタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
乗用車用空気入りラジアルタイヤは、カーカス層外周側のトレッドとの間に、スチールコードをタイヤ周方向に対し傾斜し配列した2枚のベルトプライをコードを交差させ積層して配置したベルト層を一般に有している。
【0003】
従来から、ベルト層に用いられるスチールコードとしては、複数本のスチールフィラメントを撚り合わせた撚り線コードが用いられ、乗用車用タイヤでは、例えば1×4,1×5構造のクローズタイプのスチールコードが広く使用されている。しかし、このスチールコードはコード内部へのゴム侵入性が不十分であるため耐腐蝕性に劣り、トレッド部外傷からの水分の侵入によりベルト層の接着低下やコードの腐食を起こし、セパレーション故障の要因となっている。
【0004】
そこで、ゴム侵入性に優れ耐腐蝕性を改善した過大な型付けをフィラメントに施した、1×4オープン,1×5オープンなどのルーズオープンコードが使用されるようになり、タイヤの耐久性を大幅に向上している。しかしながら、このルーズオープンコードでは、タイヤ加硫中のゴム流動によりコード内の空隙にゴムが充填されるため、コード空隙内にあった空気がタイヤ内の圧力分布の低い方向に移動しベルトプライ間やベルト層とトレッドゴムの間の最も圧力の低い特定場所、例えば加硫圧力のかかりにくいトレッドのリブやブロックの下に移動して溜まる「エアー入り不良」を発生しやすくなり、タイヤの耐久性を低下させるという問題がある。
【0005】
また、近年、タイヤの軽量化やコストダウンの要求から、撚り線スチールコードに代えて単線スチールワイヤをベルト層に用いることが提案されている。
【0006】
この単線ワイヤとしては断面が偏平形状であって、その長径方向と短径方向の少なくとも一方に繰り返し波状の型付けを有するもので、タイヤの軽量化を達成しながら操縦安定性や乗り心地、耐久性を向上するものである(例えば、特許文献1,2)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−18612号公報
【0008】
【特許文献2】
特開2001−30705号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような波状型付けワイヤは、断面の短径方向にも長径方向にも容易に変形する波状部を有するので、縦方向にも横方向にも曲がりやすくなり、これを用いたベルト層はエンベロープ効果によりある程度の乗り心地は得られるが撚り線コードほど良好ではなく、また走行中タイヤの回転に伴ってベルト層が径方向に繰り返し屈曲変形するとワイヤの波状部に曲げ応力が集中しワイヤの破断が発生しやすくなりタイヤの耐久性低下につながるという問題がある。この破断現象は非型付けワイヤの場合にも発生する問題であり、特に圧縮変形を受けやすい内層側のベルト層にワイヤの破断が生じやすくなる。
【0010】
本発明は、ベルト層の最外層ベルトプライに所定の単線ワイヤを用いることにより、乗り心地や操縦安定性を従来からの通常の撚り線コード並みに維持した上で、軽量化を図りながらベルト部の耐久性、特に耐外傷耐久性を向上し、かつ生産時の不良発生を低減した空気入りラジアルタイヤを安価に提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、トレッドのカーカス層外周側に、スチールコードをタイヤ周方向に対して傾斜し配列した少なくとも2枚のベルトプライからなり、ベルトコードを前記ベルトプライ間で交差させたベルト層を配置した空気入りラジアルタイヤにおいて、前記ベルト層が、少なくともトレッド側の最外層ベルトプライが単線ワイヤから構成され、かつ前記単線ワイヤベルトプライのカーカス層側に内接するベルトプライがオープン構造の撚り線スチールコードから構成されてなることを特徴とする空気入りラジアルタイヤである。
【0012】
本発明の空気入りラジアルタイヤによれば、外側のベルトプライに単線ワイヤを用い、それに内接するベルトプライにオープン構造の撚り線コードを用いることで、ベルト層に達する外傷やコード切れの発生、さらにカット部からの水分の侵入を受けても、ベルトコードが完全にゴム被覆されているためコード長手方向への水分の拡散を防止して、ゴムとの接着低下や腐食によるコード消失を防ぎ、ベルト部のセパレーション発生を防止しタイヤの耐久性を向上することができる。
【0013】
また、内側のベルトプライに撚り線コードをもちいることで、繰り返し屈曲変形による応力集中を受けても、単線ワイヤのようにコードの破断を起こすことがなくタイヤ寿命を向上することができ、かつベルト層全体のエンベロープ効果を確保し、乗り心地を通常の撚り線コード並みのタイヤに維持することができる。
【0014】
さらに、単線ワイヤはコード剛性が高くベルト剛性を得やすいことから撚り線コードより使用量を低減でき、さらに製造時の伸線や撚り線工程が省略できることから材料コストが安価となり、タイヤの軽量化、コストダウンを図ることができる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、前記単線ワイヤは、円形断面又は偏平形断面を有し、該ワイヤの長手方向に沿って1方向又は2方向の波状の型付けが繰り返し施され、かつタイヤ径方向に配される該ワイヤの径が0.45mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤである。
【0016】
この発明によれば、単線ワイヤに応力が作用したとき波状型付けが変形して伸びやすくなり外傷等の衝撃に対して耐久性を向上し、またベルトプライの剛性とエンベロープ効果を同時に得ることで乗り心地と操縦安定性とをバランスさせ維持することができる。
【0017】
請求項3に記載の発明は、前記オープン構造の撚り線スチールコードが、1×N構造(N=3〜6)のルーズ撚りスチールコードであることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りラジアルタイヤである。
【0018】
この発明によれば、1×N構造のルーズ撚りスチールコードを用いることで、コード内部へのゴム侵入を確保し耐久性向上した上で、コードの伸び特性によってベルト層全体の剛性を適度な範囲とし乗り心地や操縦安定性を維持するこができ、また、単線ワイヤからなる剛性の高い外側ベルトプライが加硫圧力の緩衝体となってそれに内接するベルトプライへの加硫圧力を分散し均一化することで、加硫中のルーズ撚りコード内に含まれた空気の移動を抑制し「エアー入り不良」の発生を大きく低減することができる。
【0019】
請求項4に記載の発明は、前記タイヤのベルト層から取り出した前記単線ワイヤの破断時伸びと前記撚り線スチールコードの破断時伸びとの差が1%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤである。
【0020】
この発明によれば、単線ワイヤを用いたベルトプライとそれに内接するベルトプライとのベルト剛性差を抑えることができ、ベルト層に応力が作用した時のベルトプライ間の剪断応力の発生(プライステア)を抑え操縦安定性を維持することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を実施の形態に基づいて説明する。
【0022】
図1は、本発明に従う乗用車用の空気入りラジアルタイヤT(以下、空気入りラジアルタイヤをタイヤという)の半断面図、図2はベルトの拡大部分断面図、図3は単線ワイヤの断面及び波状型付けの状態を示す説明図である。
【0023】
図1において、符号1はカーカス、2はベルト層、3はトレッドである。図1に示すように、タイヤTは、タイヤ周方向に対しほぼ90゜の角度で配列して両端をビードコア5に係止したカーカスコード4で補強されたカーカス1と、2枚のベルトプライ2a、2bが交差し積層されてカーカス1の外周側のトレッド3との間に配置されたベルト層2と、ベルト層2を覆うトレッド3とカーカス1のサイド部を覆うサイドウォール6を備えている。
【0024】
図2の断面図に示すように、ベルト層2外側のベルトプライ2bは、単線ワイヤ10をタイヤ周方向に対して所定の角度(15〜30°程度)で傾斜して平行に配列し、内側のベルトプライ2aは、4本のスチールフィラメント20aを過大な型付けを施してルーズに撚り合わせたスチールコード20をタイヤ周方向に対して所定の角度で傾斜して平行に配列し、それぞれ被覆ゴム11,21で被覆され互いのコードが交差するように積層されベルト層2を形成している。
【0025】
ベルトプライ2bを構成する単線ワイヤは、断面がトラック形の偏平ワイヤ10を長径方向と短径方向の2方向にワイヤ長手方向に沿って波状の型付けを繰り返し施したスチール製のワイヤであり、図に示すようにコード長径方向をベルトプライ2bの幅方向に揃えて平行に配列されている。
【0026】
この偏平ワイヤ10は、例えば、炭素含有量が0.70〜0.95重量%程度の高炭素鋼の線材から伸線とパテンティングを繰り返し行い、めっき処理を施された所定径の丸線ワイヤを圧延ロールに通して所定の形状(トラック形、楕円形など)と偏平率に押しつぶして得られるものである。
【0027】
この場合の偏平率は、特に制限されるものではないが、短径をDh、長径をDwとすると、偏平率Dh/Dwは0.50〜0.95程度が好ましく、0.60〜0.95にあることがより好ましい。高炭素鋼からなるワイヤをDh/Dwが0.50未満の高偏平率に圧延加工を行うと、圧延後ワイヤに割れが生じやすく強力や剛性、耐久性の低下を招きやすくなり、Dh/Dwが0.95を越えると長径方向と短径方向の剛性差がなくなり、タイヤの乗り心地と操縦安定性とのバランスが困難となるからであり、このことからも図2に示すようにコード長径方向をベルト層2の幅方向に揃えて配列し用いるのが好ましい。
【0028】
偏平ワイヤ10は、長手方向に沿って1方向又は2方向の波状の型付けが繰り返し施されているものが好ましく、その型付けは、型付けピッチPがコード径Dに対して2〜50倍程度、型付けの高さHがコード径Dに対して0.05〜0.5倍程度が好ましい。ピッチPが短すぎると、ワイヤの塑性加工度が大きくなり耐久性が低下し、逆に長すぎると伸び特性、耐久性などの型付けの効果が得られない。高さHも低すぎると型付けの効果が得られず、高すぎると型付けの効果は大きくなるがワイヤの塑性加工度が大きくなり強度、耐久性が低下し、またゴム厚みの増加にもつながり好ましくない。
【0029】
図3を用いて偏平ワイヤ10の波状型付け状態を具体的に説明すると、偏平ワイヤ10の短径方向型付けX1は型付けピッチP1が短径Dhに対して2〜50倍程度、型付けの高さH1は径Dhの0.05〜0.5倍程度であり、長径方向型付けX2は型付けピッチP2が長径Dwに対して2〜50倍程度、型付けの高さH2はDwの0.05〜0.5倍程度であって、P1とP2及びH1とH2の値は同一であっても異なっていてもよい。
【0030】
また、偏平ワイヤ10の波状型付けは、短径方向のみの型付け(図4(a))、或いは長径方向のみの型付け(図4(b))のいずれかの1方向であってもよいが、1方向のみの場合は伸びの設定が比較的低い範囲に制限されるので、伸びを必要とする場合は伸びの設定範囲の広い2方向に型付けすることが好ましく、またタイヤ径方向に作用する耐屈曲疲労性やエンベロープ効果の観点からは短径方向の型付けが、ベルト幅方向の剛性を確保し操縦安定性を向上する観点からは長径方向の型付けの影響が大きくなるので、両方向の型付け量を調整することで背反する両性能をバランスよく改善することができるようになる。
【0031】
偏平ワイヤ10の波状型付けは、一対の歯車間或いは一対のピン付きローラ間にワイヤ10を噛み込ませて弾性限以上の応力を加えて塑性加工し得られるもので、2方向に型付けする場合は連続して2方向に2回の塑性加工を行えばよい。
【0032】
1方向の型付けワイヤのみを用いる場合は、タイヤ径方向或いはベルト幅方向のいずれか1方向に波状の型付け方向を揃えて配列してもよいし、縦方向と横方向の波状ワイヤを規則的に混在させ用いてもよく、例えば縦波ワイヤと横波ワイヤとを交互に配列し用いてもよい。
【0033】
また、本発明では、断面円形のワイヤを用いることもでき、円形ワイヤの場合も上記偏平ワイヤの場合と同様の波状の型付けを施して使用することができる。
【0034】
この単線ワイヤの径は、タイヤ径方向に配されるワイヤ径が0.45mm以下であることが好ましく、タイヤ径方向にかかる繰り返し屈曲変形に対して耐疲労性を確保した上でエンベロープ特性を発揮させ、撚り線コードからなるベルトプライと積層し用いることで乗り心地を撚り線コード並みに維持することができ、またワイヤ径が大きくなると被覆ゴムの肉厚が増し軽量化の目的に反して好ましくない。
【0035】
本発明では、単線ワイヤの波状の型付けを上記の短、長径の2方向に施したもの以外に、ワイヤが螺旋状に型付けされたものでもよい。
【0036】
また、ベルトプライ2aに用いられる撚り線スチールコード20は、線径0.15〜0.40mmのフィラメント20aに過大な型付けを施し、その3〜6本を撚り合わせたもので、例えば1×4×0.25オープン、1×5×0.23オープンと呼ばれるルーズタイプのオープンコードが用いられる。
【0037】
このスチールコード20は、フィラメント20aに通常のコード場合よりも過大な型付けを施すことで、コード長手方向のフィラメント20a間に隙間が形成され、この隙間から加硫中に流動状態のゴムが侵入し、コードの耐腐食性を改善しタイヤの耐久性を向上することができ、またその伸び特性によって単線ワイヤからなるベルトプライと積層することで、ベルト層全体の剛性を適度な範囲とし乗り心地や操縦安定性を通常の撚り線コードのみを用いたタイヤ並みに維持することができ、さらに圧縮変形を受けやすい内側ベルトプライに耐疲労性に優れる撚り線スチールコードを用いることでベルトコードのコード破断を確実に防止し、タイヤの耐久性を向上することができる。
【0038】
ところが、このルーズタイプのスチールコード20は、カレンダー加工によるゴム被覆時にコード空隙内に空気を含み、従来技術で述べたようにタイヤ加硫中のゴム流動によりコード内から追い出された空気が特定場所に集まって溜まり「エアー入り不良」を発生しやすいという問題がある。
【0039】
この発明の空気入りラジアルタイヤでは、単線ワイヤからなるベルトプライをベルト層の外側に用いることで、ベルト幅方向に剛性の高い外側ベルトプライが加硫圧力の緩衝体となってそれに内接するベルトプライへの加硫圧力を均一に分散させることにより、ルーズオープンコード内に含まれた空気の移動を抑え特定の場所に空気が集中し溜まるのを防ぐことができ、上記の「エアー入り不良」の問題を解消することができる。
【0040】
本発明の空気入りラジアルタイヤは、ベルトプライ2bから取り出した単線ワイヤの破断時伸びと、ベルトプライ2aから取り出した撚り線スチールコードの破断時伸びとの差が1%以下であることが好ましい。
【0041】
この切断時伸びの差を1%以下とすることで、両ベルトプライを構成するコードの剛軟性に差を生じることがなくなり、ベルトプライの剛性差に起因するプライステアの発生を抑え操縦安定性の低下、例えばハンドル流れの発生を防止することができる。
【0042】
このコードの伸びの差は、偏平ワイヤの断面形状と波状の型付け条件、及び撚り線コードの撚り構造(フィラメント径と本数、撚りピッチ、型付け率など)により適宜調整することができる。
【0043】
本発明では、ベルトプライ2aのスチールコードとして、上記ルーズ撚りスチールコードに代えて1×2構造、M+N構造(M=1又は2、N=1〜6、具体的には1+2×0.28、2+2×0.25、2+3×0.23などが挙げられる)のようなゴム侵入性に優れる、所謂タイトオープンコードを使用しても勿論よく、乗り心地、操縦安定性の維持、耐久性向上の目的は達せられる。しかし、これらのコードは撚り効率が悪く生産性が低いためコードコストの上昇を伴うので、本発明では1×N構造のルーズオープンコードを用いるのがより好ましい。
【0044】
なお、上記単線ワイヤ及び撚り線スチールコードは、炭素含有量が0.70〜0.95重量%の高炭素鋼を線材として用いられ、さらには0.80〜0.95重量%程度の高炭素鋼をもちいるのが望ましく、ワイヤ及びコードの引張強度が3000〜3800MPaであることが、タイヤ軽量化の観点から好ましく、さらに少量のクロムやニッケルを添加した鋼材を用いてもよい。
【0045】
また、上記単線ワイヤ及び撚り線スチールコードは、ゴムとの接着性を得るため銅:亜鉛=64:36程度のブラス層を、付着量が4g/Kg程度になるようにめっき処理されたものが用いられ、ニッケルやコバルトを含む3元金属のめっき組成を用いてもよい。
【0046】
本発明の空気入りラジアルタイヤは、乗用車用タイヤを始めとして、トラック・バス用タイヤ、建設車両用タイヤ、産業車両用タイヤ、農耕用タイヤ、航空機用タイヤ、地下鉄やモノレール用タイヤなどの各種用途のタイヤに適用することができるのは勿論である。
【0047】
(実施例)
以下に実施例によって本発明を更に説明するが、本発明をこれらの実施例に限定するものでないことは言うまでもない。
【0048】
図1に示す構造を有するタイヤサイズ196/65R15の空気入りラジアルタイヤを、表1に示す仕様により試作し、各試作タイヤのベルトコードの切断時伸びの差、タイヤ重量、耐コード破断性、悪路耐久性、操縦安定性、エアー入り不良発生率を下記の方法により試験し、その結果を表1に示す。なお、ベルト層の内側(カーカス側)のベルトプライを#1ベルト、外側のベルトプライを#2ベルトとした。
【0049】
実施例に用いた単線ワイヤは、炭素含有量が0.82%の高炭素鋼材を用いて線径0.40mm(比較例3のみ0.49mm)の丸線ワイヤに伸線後、銅:亜鉛=64:34、付着量4g/Kgのブラスめっきを施した後、圧延ロールを備える偏平加工装置を用いて、短径×長径(mm)が0.38×0.43(比較例3のみ0.46×0.52)の偏平ワイヤ(偏平率H/W=88%)に加工した。さらに、偏平ワイヤの短径方向及び長径方向に型付け用歯車を備える型付け加工機を用いて波状の型付けを施した。波状の型付けの条件は、図3に基づき下記の通りである。
【0050】
型付け条件
・短径方向型付けX1:型付けピッチP1=3Dh、型付け高さH1=0.35Dh
・長径方向型付けX2:型付けピッチP2=4Dw、型付け高さH2=0.45Dwである。
【0051】
また、撚り線スチールコードは、炭素含有量が0.82%の高炭素鋼材を用いた、1×4×0.25HT構造のルーズオープンタイプ及び通常のクローズタイプのいずれも撚りピッチ10mmのコードである。
【0052】
なお、カーカスは1670dtex/2のポリエステルコードの1層を用い、ベルト層以外のその他部材、およびタイヤ構造は実施例および比較例の各タイヤで共通である。
【0053】
[ベルトコードの切断時伸びの差]
各試作タイヤのベルト層から取り出したスチールコードを、ゴム付きの状態でJIS G3510に記載の方法に準じて切断時全伸び(%)を測定し、#1ベルトコードと#2ベルトコードの差を求めた。
【0054】
[タイヤ重量]
各試作タイヤの重量を測定した。比較例5を基準とし、軽量化効果の有無を示した。
【0055】
[乗り心地]
各試作タイヤを乗用車に装着し、テストドライバーがタイヤテストコースの乾燥アスファルト路面を走行し、ゴツゴツ感、突き上げ、ダンピングなどを官能評価により5点法で評価した。点数が高いほど乗り心地が優れる。
【0056】
[操縦安定性]
各試作タイヤを乗用車に装着し、テストドライバーがタイヤテストコースの乾燥アスファルト路面を走行し、ハンドル流れを官能評価で評価した。
【0057】
[耐コード破断性]
各試験タイヤを乗用車の前輪に装着し、直径14mの円を2つ合わせた8の字のテストコースを600サイクル旋回した後、タイヤを取り外してトレッド部を解体しベルトコード破断の有無を観察した。
【0058】
[悪路耐久性]
各試作タイヤを乗用車に装着し、砂利路、泥路を含む悪路用テストコースをトレッドが完全摩耗するまで走行した後、トレッド部を解体しコードの錆発生、腐食による消失程度を含めセパレーション発生の有無を観察した。
【0059】
[エアー入り不良率]
各試作タイヤのトレッド部表面を目視によってエアー入り不良を観察し、エアー入り不良と判断したものはトレッド部を解体して確認を行い、不良発生率(%)を求めた。
【0060】
【表1】
【0061】
表から明らかなように、#1ベルトにルーズタイプの撚り線スチールコードを、#2ベルトに波状の型付けを施した偏平ワイヤを用いた実施例1のタイヤは、軽量化効果を得ながら乗り心地、操縦安定性及び耐コード破断性を比較例5の通常のクローズコードを用いたタイヤ並みに維持し、悪路耐久性を大幅に改善することができ、タイヤ特性と耐久性をバランスよく具えた空気入りラジアルタイヤとなることが分かる。
【0062】
一方、#1,#2ベルトに偏平ワイヤを用いた比較例1は、#1ベルトでコード破断が多発し耐久性が劣り、#1,#2ベルトコードの切断時伸びに1%以上の差がある比較例2はハンドル流れを起こし操縦安定性に不安があり、#2ベルトの偏平ワイヤがタイヤ径方向に厚い比較例3では乗り心地が極端に悪化し、軽量化効果も少ない。また、ルーズオープンコードを用いた比較例4は、通常のクローズコードを用いた比較例5に比べ悪路耐久性を改善することはできるが、エアー入り不良が多発し問題となる。比較例1〜4のタイヤはいずれも比較例5よりも耐久性を向上することはできるが、何らかの欠点を有し本発明実施例1のタイヤには及ばない。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による空気入りラジアルタイヤは、ベルト層が、少なくともトレッド側の最外層ベルトプライが単線ワイヤから構成され、かつ前記単線ワイヤベルトプライのカーカス層側に内接するベルトプライがオープン構造の撚り線スチールコードから構成されているので、軽量化効果を得ながら乗り心地、操縦安定性及び耐コード破断性を通常のクローズコードを用いたタイヤ並みに維持し、悪路耐久性を大幅に改善することができ、タイヤ特性と耐久性をバランスよく具えた空気入りラジアルタイヤを安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の空気入りラジアルタイヤの半断面図である。
【図2】実施例のベルト層の部分拡大断面図である。
【図3】実施例の単線ワイヤの波状の型付けの説明図である。
【図4】単線ワイヤの短径方向及び長径方向の波状の説明図である。
【符号の説明】
1……カーカス
2……ベルト層
2a,2b……ベルトプライ
3……トレッド
10……単線ワイヤ
20……撚り線スチールコード
6……サイドウォール
T……空気入りラジアルタイヤ
Dh……偏平ワイヤの短径
Dw……偏平ワイヤの長径
P……波状の型付けピッチ
H……波状の型付け高さ
X1……短径方向の波状型付け
X2……長径方向の波状型付け
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気入りラジアルタイヤに関し、ベルト層を構成するスチールコードを改善することで、軽量化を図りながらベルト耐久性を向上し、生産時の不良発生を低減した安価な空気入りラジアルタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
乗用車用空気入りラジアルタイヤは、カーカス層外周側のトレッドとの間に、スチールコードをタイヤ周方向に対し傾斜し配列した2枚のベルトプライをコードを交差させ積層して配置したベルト層を一般に有している。
【0003】
従来から、ベルト層に用いられるスチールコードとしては、複数本のスチールフィラメントを撚り合わせた撚り線コードが用いられ、乗用車用タイヤでは、例えば1×4,1×5構造のクローズタイプのスチールコードが広く使用されている。しかし、このスチールコードはコード内部へのゴム侵入性が不十分であるため耐腐蝕性に劣り、トレッド部外傷からの水分の侵入によりベルト層の接着低下やコードの腐食を起こし、セパレーション故障の要因となっている。
【0004】
そこで、ゴム侵入性に優れ耐腐蝕性を改善した過大な型付けをフィラメントに施した、1×4オープン,1×5オープンなどのルーズオープンコードが使用されるようになり、タイヤの耐久性を大幅に向上している。しかしながら、このルーズオープンコードでは、タイヤ加硫中のゴム流動によりコード内の空隙にゴムが充填されるため、コード空隙内にあった空気がタイヤ内の圧力分布の低い方向に移動しベルトプライ間やベルト層とトレッドゴムの間の最も圧力の低い特定場所、例えば加硫圧力のかかりにくいトレッドのリブやブロックの下に移動して溜まる「エアー入り不良」を発生しやすくなり、タイヤの耐久性を低下させるという問題がある。
【0005】
また、近年、タイヤの軽量化やコストダウンの要求から、撚り線スチールコードに代えて単線スチールワイヤをベルト層に用いることが提案されている。
【0006】
この単線ワイヤとしては断面が偏平形状であって、その長径方向と短径方向の少なくとも一方に繰り返し波状の型付けを有するもので、タイヤの軽量化を達成しながら操縦安定性や乗り心地、耐久性を向上するものである(例えば、特許文献1,2)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−18612号公報
【0008】
【特許文献2】
特開2001−30705号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような波状型付けワイヤは、断面の短径方向にも長径方向にも容易に変形する波状部を有するので、縦方向にも横方向にも曲がりやすくなり、これを用いたベルト層はエンベロープ効果によりある程度の乗り心地は得られるが撚り線コードほど良好ではなく、また走行中タイヤの回転に伴ってベルト層が径方向に繰り返し屈曲変形するとワイヤの波状部に曲げ応力が集中しワイヤの破断が発生しやすくなりタイヤの耐久性低下につながるという問題がある。この破断現象は非型付けワイヤの場合にも発生する問題であり、特に圧縮変形を受けやすい内層側のベルト層にワイヤの破断が生じやすくなる。
【0010】
本発明は、ベルト層の最外層ベルトプライに所定の単線ワイヤを用いることにより、乗り心地や操縦安定性を従来からの通常の撚り線コード並みに維持した上で、軽量化を図りながらベルト部の耐久性、特に耐外傷耐久性を向上し、かつ生産時の不良発生を低減した空気入りラジアルタイヤを安価に提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、トレッドのカーカス層外周側に、スチールコードをタイヤ周方向に対して傾斜し配列した少なくとも2枚のベルトプライからなり、ベルトコードを前記ベルトプライ間で交差させたベルト層を配置した空気入りラジアルタイヤにおいて、前記ベルト層が、少なくともトレッド側の最外層ベルトプライが単線ワイヤから構成され、かつ前記単線ワイヤベルトプライのカーカス層側に内接するベルトプライがオープン構造の撚り線スチールコードから構成されてなることを特徴とする空気入りラジアルタイヤである。
【0012】
本発明の空気入りラジアルタイヤによれば、外側のベルトプライに単線ワイヤを用い、それに内接するベルトプライにオープン構造の撚り線コードを用いることで、ベルト層に達する外傷やコード切れの発生、さらにカット部からの水分の侵入を受けても、ベルトコードが完全にゴム被覆されているためコード長手方向への水分の拡散を防止して、ゴムとの接着低下や腐食によるコード消失を防ぎ、ベルト部のセパレーション発生を防止しタイヤの耐久性を向上することができる。
【0013】
また、内側のベルトプライに撚り線コードをもちいることで、繰り返し屈曲変形による応力集中を受けても、単線ワイヤのようにコードの破断を起こすことがなくタイヤ寿命を向上することができ、かつベルト層全体のエンベロープ効果を確保し、乗り心地を通常の撚り線コード並みのタイヤに維持することができる。
【0014】
さらに、単線ワイヤはコード剛性が高くベルト剛性を得やすいことから撚り線コードより使用量を低減でき、さらに製造時の伸線や撚り線工程が省略できることから材料コストが安価となり、タイヤの軽量化、コストダウンを図ることができる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、前記単線ワイヤは、円形断面又は偏平形断面を有し、該ワイヤの長手方向に沿って1方向又は2方向の波状の型付けが繰り返し施され、かつタイヤ径方向に配される該ワイヤの径が0.45mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤである。
【0016】
この発明によれば、単線ワイヤに応力が作用したとき波状型付けが変形して伸びやすくなり外傷等の衝撃に対して耐久性を向上し、またベルトプライの剛性とエンベロープ効果を同時に得ることで乗り心地と操縦安定性とをバランスさせ維持することができる。
【0017】
請求項3に記載の発明は、前記オープン構造の撚り線スチールコードが、1×N構造(N=3〜6)のルーズ撚りスチールコードであることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りラジアルタイヤである。
【0018】
この発明によれば、1×N構造のルーズ撚りスチールコードを用いることで、コード内部へのゴム侵入を確保し耐久性向上した上で、コードの伸び特性によってベルト層全体の剛性を適度な範囲とし乗り心地や操縦安定性を維持するこができ、また、単線ワイヤからなる剛性の高い外側ベルトプライが加硫圧力の緩衝体となってそれに内接するベルトプライへの加硫圧力を分散し均一化することで、加硫中のルーズ撚りコード内に含まれた空気の移動を抑制し「エアー入り不良」の発生を大きく低減することができる。
【0019】
請求項4に記載の発明は、前記タイヤのベルト層から取り出した前記単線ワイヤの破断時伸びと前記撚り線スチールコードの破断時伸びとの差が1%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤである。
【0020】
この発明によれば、単線ワイヤを用いたベルトプライとそれに内接するベルトプライとのベルト剛性差を抑えることができ、ベルト層に応力が作用した時のベルトプライ間の剪断応力の発生(プライステア)を抑え操縦安定性を維持することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を実施の形態に基づいて説明する。
【0022】
図1は、本発明に従う乗用車用の空気入りラジアルタイヤT(以下、空気入りラジアルタイヤをタイヤという)の半断面図、図2はベルトの拡大部分断面図、図3は単線ワイヤの断面及び波状型付けの状態を示す説明図である。
【0023】
図1において、符号1はカーカス、2はベルト層、3はトレッドである。図1に示すように、タイヤTは、タイヤ周方向に対しほぼ90゜の角度で配列して両端をビードコア5に係止したカーカスコード4で補強されたカーカス1と、2枚のベルトプライ2a、2bが交差し積層されてカーカス1の外周側のトレッド3との間に配置されたベルト層2と、ベルト層2を覆うトレッド3とカーカス1のサイド部を覆うサイドウォール6を備えている。
【0024】
図2の断面図に示すように、ベルト層2外側のベルトプライ2bは、単線ワイヤ10をタイヤ周方向に対して所定の角度(15〜30°程度)で傾斜して平行に配列し、内側のベルトプライ2aは、4本のスチールフィラメント20aを過大な型付けを施してルーズに撚り合わせたスチールコード20をタイヤ周方向に対して所定の角度で傾斜して平行に配列し、それぞれ被覆ゴム11,21で被覆され互いのコードが交差するように積層されベルト層2を形成している。
【0025】
ベルトプライ2bを構成する単線ワイヤは、断面がトラック形の偏平ワイヤ10を長径方向と短径方向の2方向にワイヤ長手方向に沿って波状の型付けを繰り返し施したスチール製のワイヤであり、図に示すようにコード長径方向をベルトプライ2bの幅方向に揃えて平行に配列されている。
【0026】
この偏平ワイヤ10は、例えば、炭素含有量が0.70〜0.95重量%程度の高炭素鋼の線材から伸線とパテンティングを繰り返し行い、めっき処理を施された所定径の丸線ワイヤを圧延ロールに通して所定の形状(トラック形、楕円形など)と偏平率に押しつぶして得られるものである。
【0027】
この場合の偏平率は、特に制限されるものではないが、短径をDh、長径をDwとすると、偏平率Dh/Dwは0.50〜0.95程度が好ましく、0.60〜0.95にあることがより好ましい。高炭素鋼からなるワイヤをDh/Dwが0.50未満の高偏平率に圧延加工を行うと、圧延後ワイヤに割れが生じやすく強力や剛性、耐久性の低下を招きやすくなり、Dh/Dwが0.95を越えると長径方向と短径方向の剛性差がなくなり、タイヤの乗り心地と操縦安定性とのバランスが困難となるからであり、このことからも図2に示すようにコード長径方向をベルト層2の幅方向に揃えて配列し用いるのが好ましい。
【0028】
偏平ワイヤ10は、長手方向に沿って1方向又は2方向の波状の型付けが繰り返し施されているものが好ましく、その型付けは、型付けピッチPがコード径Dに対して2〜50倍程度、型付けの高さHがコード径Dに対して0.05〜0.5倍程度が好ましい。ピッチPが短すぎると、ワイヤの塑性加工度が大きくなり耐久性が低下し、逆に長すぎると伸び特性、耐久性などの型付けの効果が得られない。高さHも低すぎると型付けの効果が得られず、高すぎると型付けの効果は大きくなるがワイヤの塑性加工度が大きくなり強度、耐久性が低下し、またゴム厚みの増加にもつながり好ましくない。
【0029】
図3を用いて偏平ワイヤ10の波状型付け状態を具体的に説明すると、偏平ワイヤ10の短径方向型付けX1は型付けピッチP1が短径Dhに対して2〜50倍程度、型付けの高さH1は径Dhの0.05〜0.5倍程度であり、長径方向型付けX2は型付けピッチP2が長径Dwに対して2〜50倍程度、型付けの高さH2はDwの0.05〜0.5倍程度であって、P1とP2及びH1とH2の値は同一であっても異なっていてもよい。
【0030】
また、偏平ワイヤ10の波状型付けは、短径方向のみの型付け(図4(a))、或いは長径方向のみの型付け(図4(b))のいずれかの1方向であってもよいが、1方向のみの場合は伸びの設定が比較的低い範囲に制限されるので、伸びを必要とする場合は伸びの設定範囲の広い2方向に型付けすることが好ましく、またタイヤ径方向に作用する耐屈曲疲労性やエンベロープ効果の観点からは短径方向の型付けが、ベルト幅方向の剛性を確保し操縦安定性を向上する観点からは長径方向の型付けの影響が大きくなるので、両方向の型付け量を調整することで背反する両性能をバランスよく改善することができるようになる。
【0031】
偏平ワイヤ10の波状型付けは、一対の歯車間或いは一対のピン付きローラ間にワイヤ10を噛み込ませて弾性限以上の応力を加えて塑性加工し得られるもので、2方向に型付けする場合は連続して2方向に2回の塑性加工を行えばよい。
【0032】
1方向の型付けワイヤのみを用いる場合は、タイヤ径方向或いはベルト幅方向のいずれか1方向に波状の型付け方向を揃えて配列してもよいし、縦方向と横方向の波状ワイヤを規則的に混在させ用いてもよく、例えば縦波ワイヤと横波ワイヤとを交互に配列し用いてもよい。
【0033】
また、本発明では、断面円形のワイヤを用いることもでき、円形ワイヤの場合も上記偏平ワイヤの場合と同様の波状の型付けを施して使用することができる。
【0034】
この単線ワイヤの径は、タイヤ径方向に配されるワイヤ径が0.45mm以下であることが好ましく、タイヤ径方向にかかる繰り返し屈曲変形に対して耐疲労性を確保した上でエンベロープ特性を発揮させ、撚り線コードからなるベルトプライと積層し用いることで乗り心地を撚り線コード並みに維持することができ、またワイヤ径が大きくなると被覆ゴムの肉厚が増し軽量化の目的に反して好ましくない。
【0035】
本発明では、単線ワイヤの波状の型付けを上記の短、長径の2方向に施したもの以外に、ワイヤが螺旋状に型付けされたものでもよい。
【0036】
また、ベルトプライ2aに用いられる撚り線スチールコード20は、線径0.15〜0.40mmのフィラメント20aに過大な型付けを施し、その3〜6本を撚り合わせたもので、例えば1×4×0.25オープン、1×5×0.23オープンと呼ばれるルーズタイプのオープンコードが用いられる。
【0037】
このスチールコード20は、フィラメント20aに通常のコード場合よりも過大な型付けを施すことで、コード長手方向のフィラメント20a間に隙間が形成され、この隙間から加硫中に流動状態のゴムが侵入し、コードの耐腐食性を改善しタイヤの耐久性を向上することができ、またその伸び特性によって単線ワイヤからなるベルトプライと積層することで、ベルト層全体の剛性を適度な範囲とし乗り心地や操縦安定性を通常の撚り線コードのみを用いたタイヤ並みに維持することができ、さらに圧縮変形を受けやすい内側ベルトプライに耐疲労性に優れる撚り線スチールコードを用いることでベルトコードのコード破断を確実に防止し、タイヤの耐久性を向上することができる。
【0038】
ところが、このルーズタイプのスチールコード20は、カレンダー加工によるゴム被覆時にコード空隙内に空気を含み、従来技術で述べたようにタイヤ加硫中のゴム流動によりコード内から追い出された空気が特定場所に集まって溜まり「エアー入り不良」を発生しやすいという問題がある。
【0039】
この発明の空気入りラジアルタイヤでは、単線ワイヤからなるベルトプライをベルト層の外側に用いることで、ベルト幅方向に剛性の高い外側ベルトプライが加硫圧力の緩衝体となってそれに内接するベルトプライへの加硫圧力を均一に分散させることにより、ルーズオープンコード内に含まれた空気の移動を抑え特定の場所に空気が集中し溜まるのを防ぐことができ、上記の「エアー入り不良」の問題を解消することができる。
【0040】
本発明の空気入りラジアルタイヤは、ベルトプライ2bから取り出した単線ワイヤの破断時伸びと、ベルトプライ2aから取り出した撚り線スチールコードの破断時伸びとの差が1%以下であることが好ましい。
【0041】
この切断時伸びの差を1%以下とすることで、両ベルトプライを構成するコードの剛軟性に差を生じることがなくなり、ベルトプライの剛性差に起因するプライステアの発生を抑え操縦安定性の低下、例えばハンドル流れの発生を防止することができる。
【0042】
このコードの伸びの差は、偏平ワイヤの断面形状と波状の型付け条件、及び撚り線コードの撚り構造(フィラメント径と本数、撚りピッチ、型付け率など)により適宜調整することができる。
【0043】
本発明では、ベルトプライ2aのスチールコードとして、上記ルーズ撚りスチールコードに代えて1×2構造、M+N構造(M=1又は2、N=1〜6、具体的には1+2×0.28、2+2×0.25、2+3×0.23などが挙げられる)のようなゴム侵入性に優れる、所謂タイトオープンコードを使用しても勿論よく、乗り心地、操縦安定性の維持、耐久性向上の目的は達せられる。しかし、これらのコードは撚り効率が悪く生産性が低いためコードコストの上昇を伴うので、本発明では1×N構造のルーズオープンコードを用いるのがより好ましい。
【0044】
なお、上記単線ワイヤ及び撚り線スチールコードは、炭素含有量が0.70〜0.95重量%の高炭素鋼を線材として用いられ、さらには0.80〜0.95重量%程度の高炭素鋼をもちいるのが望ましく、ワイヤ及びコードの引張強度が3000〜3800MPaであることが、タイヤ軽量化の観点から好ましく、さらに少量のクロムやニッケルを添加した鋼材を用いてもよい。
【0045】
また、上記単線ワイヤ及び撚り線スチールコードは、ゴムとの接着性を得るため銅:亜鉛=64:36程度のブラス層を、付着量が4g/Kg程度になるようにめっき処理されたものが用いられ、ニッケルやコバルトを含む3元金属のめっき組成を用いてもよい。
【0046】
本発明の空気入りラジアルタイヤは、乗用車用タイヤを始めとして、トラック・バス用タイヤ、建設車両用タイヤ、産業車両用タイヤ、農耕用タイヤ、航空機用タイヤ、地下鉄やモノレール用タイヤなどの各種用途のタイヤに適用することができるのは勿論である。
【0047】
(実施例)
以下に実施例によって本発明を更に説明するが、本発明をこれらの実施例に限定するものでないことは言うまでもない。
【0048】
図1に示す構造を有するタイヤサイズ196/65R15の空気入りラジアルタイヤを、表1に示す仕様により試作し、各試作タイヤのベルトコードの切断時伸びの差、タイヤ重量、耐コード破断性、悪路耐久性、操縦安定性、エアー入り不良発生率を下記の方法により試験し、その結果を表1に示す。なお、ベルト層の内側(カーカス側)のベルトプライを#1ベルト、外側のベルトプライを#2ベルトとした。
【0049】
実施例に用いた単線ワイヤは、炭素含有量が0.82%の高炭素鋼材を用いて線径0.40mm(比較例3のみ0.49mm)の丸線ワイヤに伸線後、銅:亜鉛=64:34、付着量4g/Kgのブラスめっきを施した後、圧延ロールを備える偏平加工装置を用いて、短径×長径(mm)が0.38×0.43(比較例3のみ0.46×0.52)の偏平ワイヤ(偏平率H/W=88%)に加工した。さらに、偏平ワイヤの短径方向及び長径方向に型付け用歯車を備える型付け加工機を用いて波状の型付けを施した。波状の型付けの条件は、図3に基づき下記の通りである。
【0050】
型付け条件
・短径方向型付けX1:型付けピッチP1=3Dh、型付け高さH1=0.35Dh
・長径方向型付けX2:型付けピッチP2=4Dw、型付け高さH2=0.45Dwである。
【0051】
また、撚り線スチールコードは、炭素含有量が0.82%の高炭素鋼材を用いた、1×4×0.25HT構造のルーズオープンタイプ及び通常のクローズタイプのいずれも撚りピッチ10mmのコードである。
【0052】
なお、カーカスは1670dtex/2のポリエステルコードの1層を用い、ベルト層以外のその他部材、およびタイヤ構造は実施例および比較例の各タイヤで共通である。
【0053】
[ベルトコードの切断時伸びの差]
各試作タイヤのベルト層から取り出したスチールコードを、ゴム付きの状態でJIS G3510に記載の方法に準じて切断時全伸び(%)を測定し、#1ベルトコードと#2ベルトコードの差を求めた。
【0054】
[タイヤ重量]
各試作タイヤの重量を測定した。比較例5を基準とし、軽量化効果の有無を示した。
【0055】
[乗り心地]
各試作タイヤを乗用車に装着し、テストドライバーがタイヤテストコースの乾燥アスファルト路面を走行し、ゴツゴツ感、突き上げ、ダンピングなどを官能評価により5点法で評価した。点数が高いほど乗り心地が優れる。
【0056】
[操縦安定性]
各試作タイヤを乗用車に装着し、テストドライバーがタイヤテストコースの乾燥アスファルト路面を走行し、ハンドル流れを官能評価で評価した。
【0057】
[耐コード破断性]
各試験タイヤを乗用車の前輪に装着し、直径14mの円を2つ合わせた8の字のテストコースを600サイクル旋回した後、タイヤを取り外してトレッド部を解体しベルトコード破断の有無を観察した。
【0058】
[悪路耐久性]
各試作タイヤを乗用車に装着し、砂利路、泥路を含む悪路用テストコースをトレッドが完全摩耗するまで走行した後、トレッド部を解体しコードの錆発生、腐食による消失程度を含めセパレーション発生の有無を観察した。
【0059】
[エアー入り不良率]
各試作タイヤのトレッド部表面を目視によってエアー入り不良を観察し、エアー入り不良と判断したものはトレッド部を解体して確認を行い、不良発生率(%)を求めた。
【0060】
【表1】
【0061】
表から明らかなように、#1ベルトにルーズタイプの撚り線スチールコードを、#2ベルトに波状の型付けを施した偏平ワイヤを用いた実施例1のタイヤは、軽量化効果を得ながら乗り心地、操縦安定性及び耐コード破断性を比較例5の通常のクローズコードを用いたタイヤ並みに維持し、悪路耐久性を大幅に改善することができ、タイヤ特性と耐久性をバランスよく具えた空気入りラジアルタイヤとなることが分かる。
【0062】
一方、#1,#2ベルトに偏平ワイヤを用いた比較例1は、#1ベルトでコード破断が多発し耐久性が劣り、#1,#2ベルトコードの切断時伸びに1%以上の差がある比較例2はハンドル流れを起こし操縦安定性に不安があり、#2ベルトの偏平ワイヤがタイヤ径方向に厚い比較例3では乗り心地が極端に悪化し、軽量化効果も少ない。また、ルーズオープンコードを用いた比較例4は、通常のクローズコードを用いた比較例5に比べ悪路耐久性を改善することはできるが、エアー入り不良が多発し問題となる。比較例1〜4のタイヤはいずれも比較例5よりも耐久性を向上することはできるが、何らかの欠点を有し本発明実施例1のタイヤには及ばない。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による空気入りラジアルタイヤは、ベルト層が、少なくともトレッド側の最外層ベルトプライが単線ワイヤから構成され、かつ前記単線ワイヤベルトプライのカーカス層側に内接するベルトプライがオープン構造の撚り線スチールコードから構成されているので、軽量化効果を得ながら乗り心地、操縦安定性及び耐コード破断性を通常のクローズコードを用いたタイヤ並みに維持し、悪路耐久性を大幅に改善することができ、タイヤ特性と耐久性をバランスよく具えた空気入りラジアルタイヤを安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の空気入りラジアルタイヤの半断面図である。
【図2】実施例のベルト層の部分拡大断面図である。
【図3】実施例の単線ワイヤの波状の型付けの説明図である。
【図4】単線ワイヤの短径方向及び長径方向の波状の説明図である。
【符号の説明】
1……カーカス
2……ベルト層
2a,2b……ベルトプライ
3……トレッド
10……単線ワイヤ
20……撚り線スチールコード
6……サイドウォール
T……空気入りラジアルタイヤ
Dh……偏平ワイヤの短径
Dw……偏平ワイヤの長径
P……波状の型付けピッチ
H……波状の型付け高さ
X1……短径方向の波状型付け
X2……長径方向の波状型付け
Claims (4)
- トレッドのカーカス層外周側に、スチールコードをタイヤ周方向に対して傾斜し配列した少なくとも2枚のベルトプライからなり、ベルトコードを前記ベルトプライ間で交差させたベルト層を配置した空気入りラジアルタイヤにおいて、
前記ベルト層が、少なくともトレッド側の最外層ベルトプライが単線ワイヤから構成され、かつ前記単線ワイヤベルトプライのカーカス層側に内接するベルトプライがオープン構造の撚り線スチールコードから構成されてなる
ことを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。 - 前記単線ワイヤは、円形断面又は偏平形断面を有し、該ワイヤの長手方向に沿って1方向又は2方向の波状の型付けが繰り返し施され、かつタイヤ径方向に配される該ワイヤの径が0.45mm以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。 - 前記オープン構造の撚り線スチールコードが、1×N構造(N=3〜6)のルーズ撚りスチールコードである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りラジアルタイヤ。 - 前記タイヤのベルト層から取り出した前記単線ワイヤの破断時伸びと前記撚り線スチールコードの破断時伸びとの差が1%以下である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
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