JP3061918B2 - 疲労特性の優れたスチールコードの製造方法 - Google Patents
疲労特性の優れたスチールコードの製造方法Info
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- D—TEXTILES; PAPER
- D07—ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
- D07B—ROPES OR CABLES IN GENERAL
- D07B1/00—Constructional features of ropes or cables
- D07B1/06—Ropes or cables built-up from metal wires, e.g. of section wires around a hemp core
- D07B1/0606—Reinforcing cords for rubber or plastic articles
- D07B1/062—Reinforcing cords for rubber or plastic articles the reinforcing cords being characterised by the strand configuration
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Description
などのゴム製タイヤの補強用に使用されるスチールコー
ドあるいはベルトの補強用に使用されるベルトコードな
どの高強度の細径ワイヤを撚り合わせることによって得
られるスチールコードの製造方法に関し、詳しくは伸線
によって得られる0.5mm以下、引張強さ3400M
Pa以上のワイヤを撚り合わせることによって得られる
疲労特性の優れたスチールコードの製造方法に関する。
イヤあるいはベルトコードなどは、補強のためにスチー
ルコード、ベルトコードなどを埋め込んで使用されてい
る。タイヤやベルトなどは、繰り返しの曲げ加工を受け
るため補強用ワイヤに高強度で高疲労特性のワイヤが必
要とされている。一般的には高炭素鋼線を伸線加工して
得られる引張強さが3000MPa程度で線径が0.1
5〜0.4mmφのワイヤが使用されている。例えば、
疲労特性を向上させる方法として、特開昭63−241
136号公報に開示されているのは、重量%でC:0.
70〜0.90%、Si:0.15〜2.0%、Mn:
0.20〜2.0%、Al:0.005%以下、酸素:
0.005%以下、残部Feおよび不可避的不純物から
なる化学組成を有し、パテンティング処理により、上部
ベイナイト組織とした線材を冷間伸線して成る耐疲労特
性に優れた高強度細線材である。
性を向上させる方法として特公平1−12817号公報
がある。これは、C:0.75〜1.00%、Si:
0.80〜3.0%、Mn:0.30〜0.80%必要
によりC:0.10〜0.50%添加し、製造上からく
る不可避的不純物を含み、残部がFeからなる高炭素鋼
線材をパテンティング処理することにより微細パーライ
ト組織を生じさせ、引張強さ143〜162kg/mm
2、伸線回数7〜16回、伸線速度50〜550m/m
in、伸線加工度70〜93%の条件で、各伸線ごとに
直ちに水冷して伸線することを特徴とする高強度高靱性
鋼線の製造方法が告示されている。
よって2つに分類され素線に撚りの1ピッチあたり36
0度の捻りがはいるバンチャータイプと、素線に入る捻
りを抑えて撚りを行なうストランダータイプに分けられ
る。ストランダータイプは、主に0.6mmφ以上の径
の撚り構成が複雑な場合に用いられている。一方、バン
チャータイプは素線に捻りを加えながら撚り線を行なう
ため、ストランダータイプに比べ生産性が2〜4倍上が
る長所があるが、複雑な撚り線の構成を取れない欠点が
ある。スチールコードやベルトコードの場合、撚り線の
構成があまり複雑でないことと生産性をできるだけ上げ
るため、バンチャータイプの撚り線加工機が使用されて
いる。
に使用されるスチールコードは、使用中に繰り返しの曲
げ加工を受けるため、高強度であるとともに高疲労特性
のコードの出現が期待されている。具体的には、引張強
さ3400MPa以上のワイヤを撚り合わせたコードに
おいて疲労特性の優れたスチールコードの出現が要望さ
れている。本発明は、このような要望を充足するスチー
ルコードの製造法を提供することを目的とする。
り、かつ、不可避的に入るAl含有量を0.003%以
下を特徴とする熱間圧延線材を用いて、最終パテンティ
ング後の強度を1350〜1600MPaとし、その
後、引き抜き加工により真ひずみで3.2以上の加工を
行ない、直径0.5mm以下であって、引張強さ 2800−1200×Logd(MPa)以上 (d:ワイヤの直径)のワイヤとし、さらに素線に入る
捻り角が、 0<d・θ/1≦π/250 [1:1ピッチの長さ(mm)、θ:1ピッチで入る捻
り角(ラジアン)]となる撚り線加工を行なうことを特
徴とするスチールコードの製造方法である。
る。通常のパテンティング処理においては0.8%近傍
の共析成分においても旧オーステナイト粒界に添って初
析フェライトが析出すること、またこの初析フェライト
が伸線後の延性低下の原因となることを本発明者らは見
いだした。Cは経済的かつ有効な強化元素であるが、こ
の初析セメンタイトの析出量低下にも有効な元素であ
る。従って引張強さ360kgf/mm2以上の極細線
とし延性を高めるためには、Cの添加量を0.90%以
上とすることが必要であり、高すぎると延性が低下し伸
線性が劣化するのでその上限を1.10%とする。Si
は鋼の脱酸のために必要な元素であり、従ってその含有
量があまりに少ない時、脱酸効果が不十分となる。また
Siは熱処理後に形成されるパーライト中のフェライト
相に固溶しパテンティング後の強度を上げるが、反面フ
ェライトの延性を低下させ伸線後の極細線の延性を低下
させるため0.4%以下とする。Mnは鋼の焼き入れ性
を確保するために小量のMnを添加することが望まし
い。しかし、多量のMnの添加は偏析を引き起こしパテ
ンティングの際にベイナイト、マルテンサイトという過
冷組織が発生しその後の伸線性を害するため0.5%以
下とする。
添加するものとする。本発明の様な過共析鋼の場合、パ
テンティング後の組織においてセメンタイトのネットワ
ークが発生しやすくセメンタイトの厚みのあるものが析
出しやすい。この鋼において高強度高延性を実現するた
めには、パーライトを微細にし、かつ先に述べた様なセ
メンタイトネットワークや厚いセメンタイトを無くす必
要がある。Crはこの様なセメンタイトの異常部の出現
を抑制しさらにパーライトを微細にする効果を持ってい
る。しかし、多量の添加は熱処理後のフェライト中の転
位密度を上昇させるため引き抜き加工後の極細線の延性
を著しく害することになる。従ってCr添加量はその効
果が期待できる0.10%以上としフェライト中の転位
密度を増加させ延性を害することの無い0.30%以下
とする。
よりその効果を発揮する0.10%以上添加する。Ni
も添加量が多くなりすぎるとフェライト相の延性を低下
させるので、上限を1.00%とする。Cuはワイヤの
腐食疲労特性を向上させる元素であるのでその効果を発
揮する0.10%以上添加することが望ましい。Cuも
添加量が多く成りすぎるとフェライト相の延性を低下す
るので、上限を0.80%とする。従来の極細鋼線と同
様に延性を確保するためSの含有量を0.020%以下
とし、PもSと同様に線材の延性を害するのでその含有
量を0.020%以下とするのが望ましい。極細線の延
性を低下させる原因としてAl2O3、MgO−Al2O3
等のAl2O3を主成分とする非延性介在物の存在があ
る。従って、本発明においては非延性介在物による延性
低下を避けるために、Al含有量を0.003%以下と
する。本発明の製造方法の限定理由は以下に述べる通り
である。
ある。最終パテンティング処理においては、式以上の
引張強さを得るためには少なくとも1350MPa以上
の強度に調整する必要があり、引張強さを上げすぎると
ベイナイトの析出により延性が著しく低下するので上限
を1600MPaとする。パーライト鋼に真ひずみで
3.2以上の伸線加工を行なった材料の場合、セメンタ
イトが伸線方向に長く伸ばされている。このため、フェ
ライト相とセメンタイト相の界面がワイヤの長て方向に
存在している。捻りを加えると、この界面が捻じられる
ことになり、ワイヤの長て方向の引張力に対して常にこ
のフェライト−セメンタイト界面に垂直な引張応力成分
が働くことになり、素線の引張強さを向上した場合に、
ワイヤの軽度の延性低下が、疲労特性を著しく低下させ
ることになる。しかし、実際の撚り線加工においては、
筒型撚り線加工機を用いたとしても捻りが入らないよう
撚り線加工を行なうことは困難であり、多少の捻じれを
許容する必要がある。
を製造するためには引張強さが 2800−1200×Logd(MPa)・・・・・・・・ (d:ワイヤの直径) 式を越えた場合、ワイヤの表層の延性が低下するた
め、撚り線加工中に捻りを加えると延性が著しく低下す
る。このため、疲労特性を向上させるためには、撚り線
中の捻り角が、 0<d・θ/1≦π/250 ・・・・・・・・・・・ [1:1ピッチの長さ(mm)、θ:1ピッチで入る捻
り角(ラジアン)] 式を満たす必要がある。
よび特性)に示されるように、本発明法に基ずく1〜1
0の製造方法と比較のために製造方法11〜15を用い
てスチールコードを製造した。製造工程は図1に示す通
りで、熱間圧延によって製造された5.5mmφの線材
を伸線加工とLP処理により最終パテンティング処理を
行なう線径とする。このワイヤに最終パテンティング処
理を行なった後、ブラスメッキを行ない、さらに最終湿
式伸線を行ない最終ワイヤとした。その後、1×2の撚
り線加工を行ないスチールコードとしゴムを付着後、1
インチのロールを用いた3ロール疲労試験を行ない、3
0000サイクルを越えた場合を○それ以下の場合を×
で表示した。番号1〜10は、表1および表2に示され
るように本発明法にしたがって製造されており、引張強
さ、疲労特性ともに優れた特性を示す。番号11は、本
発明法と鋼成分がことなる場合で、式以上の引張強さ
を得ることが出来ない。番号12は、本発明法に比べ最
終パテンティング後の引張強さが低い製造方法で、この
ため、式以上の引張強さを得ることが出来ない。番号
13は、本発明法に比べ最終パテンティング後の引張強
さが高い製造方法で、このため、疲労特性が悪くなって
いる。番号14は、本発明法に比べ加工ひずみが少ない
製造方法で、式以上の引張強さを得ることが出来な
い。番号15は、本発明法に比べ撚り線加工の際に導入
された捻じり角が大きい製造方法で、このため、疲労特
性が悪くなっている。
m以下であって引張強さ3400MPa以上の疲労特性
の優れたスチールコードを得ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】重量%で C :0.90%以上1.10%以下 Si:0.4%以下 Mn:0.5%以下 さらに Cr:0.10以上0.30%以下 Ni:0.10以上1.00%以下 Cu:0.10以上0.80%以下 の1種以上を添加し、残部鉄及び不可避的不純物よりな
り、かつ、不可避的に入るAl含有量を0.003%以
下を特徴とする熱間圧延線材を用いて、最終パテンティ
ング後の強度を1350〜1600MPaとし、その
後、引き抜き加工により真ひずみで3.2以上の加工を
行ない、直径0.5mm以下であって、引張強さ 2800−1200×Logd(MPa)以上 (d:ワイヤの直径)のワイヤとし、さらに素線に入る
捻り角が、 0<d・θ/1≦π/250 [1:1ピッチの長さ(mm)、θ:1ピッチで入る捻
り角(ラジアン)]となる撚り線加工を行なうことを特
徴とするスチールコードの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4009711A JP3061918B2 (ja) | 1992-01-23 | 1992-01-23 | 疲労特性の優れたスチールコードの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4009711A JP3061918B2 (ja) | 1992-01-23 | 1992-01-23 | 疲労特性の優れたスチールコードの製造方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1011199A Division JP3157500B2 (ja) | 1992-01-23 | 1999-01-19 | 疲労特性の優れた熱間圧延線材および鋼線 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05195455A JPH05195455A (ja) | 1993-08-03 |
JP3061918B2 true JP3061918B2 (ja) | 2000-07-10 |
Family
ID=11727840
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4009711A Expired - Lifetime JP3061918B2 (ja) | 1992-01-23 | 1992-01-23 | 疲労特性の優れたスチールコードの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3061918B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6146760A (en) * | 1989-10-02 | 2000-11-14 | The Goodyear Tire & Rubber Company | High strength cord |
US6293326B1 (en) | 1992-10-13 | 2001-09-25 | The Goodyear Tire & Rubber Company | Load range C and D tires including metallic cords of 2X or 3X construction |
US6273160B1 (en) | 1992-10-13 | 2001-08-14 | The Goodyear Tire & Rubber Company | Tires with high strength reinforcement |
US6247514B1 (en) | 1994-12-20 | 2001-06-19 | The Goodyear Tire & Rubber Company | Tires with high strength reinforcement |
US5779829A (en) | 1995-08-24 | 1998-07-14 | The Goodyear Tire & Rubber Company | Pneumatic tire having a single carcass ply reinforced with metallic cords, a high ending ply, turnup and locked bead construction |
-
1992
- 1992-01-23 JP JP4009711A patent/JP3061918B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05195455A (ja) | 1993-08-03 |
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