JP2641082B2 - 高強度スチールコードの製造方法 - Google Patents

高強度スチールコードの製造方法

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JP2641082B2
JP2641082B2 JP3347704A JP34770491A JP2641082B2 JP 2641082 B2 JP2641082 B2 JP 2641082B2 JP 3347704 A JP3347704 A JP 3347704A JP 34770491 A JP34770491 A JP 34770491A JP 2641082 B2 JP2641082 B2 JP 2641082B2
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章文 川名
浩 大羽
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はトラック、バス、乗用車
などのゴム製タイヤ、あるいは動力伝達用のベルトなど
の補強用に使用される高強度で高延性の極細線を撚り合
わせた高強度スチールコードの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スチールコードは、熱間圧延後の調整冷
却によってパーライト組織とした後、伸線加工によって
30〜70%の加工を行い、パテンティング処理によっ
て加工の影響のないパーライト組織とし、さらに30〜
70%の加工を行い所定の線径のワイヤとし、最終湿式
伸線によって0.15〜0.35mmφのワイヤにし、
これを撚り合わせてスチールコードとして使用されてい
る。
【0003】熱間圧延後の調整冷却によってパーライト
組織を得る方法としては、特公昭60−56215号公
報、特公昭60−7004号公報に記載された方法など
がある。特公昭60−56215号公報には、C:0.
2〜1.0wt%、Si:0.30wt%以下、Mn:
0.3〜0.9wt%からなる鋼を熱間圧延後にKNO
3 、NaNO3 塩浴中に焼き入れ、微細パーライト組織
の線材を得ることによって1〜5mmφのワイヤ製品を
直接製造する線材の熱処理法が記載されている。また、
特公昭60−7004号公報には、C:0.75〜1.
0wt%、Si:0.5〜1.5wt%、Mn:0.6
〜1.3wt%、Al:0.1wt%以下、必要により
Cr:0.3wt%以下を含有する鋼を熱間圧延後に8
50℃に冷却した後、その後の冷却速度を7℃/sとす
る伸線加工性のすぐれた鋼線材の製造方法が記載されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】最近、エネルギー問題
から特に工業分野においては省エネルギーで製品を製造
することが必要とされており、鋼製品のように熱処理と
冷却を繰り返す工程においては、できるだけ熱処理工程
を省略する製造工程が必要とされている。スチールコー
ドの製造においても、熱間圧延後の伸線とパテンティン
グ処理を繰り返すことによって熱処理が行われている。
従って、できるだけ工程省略可能なスチールコードの製
造方法が期待されている。
【0005】本発明は、4.5〜6.5mmφの熱間圧
延線材から伸線加工によって高強度スチールコードを製
造する方法において、熱間圧延線材と最終ワイヤの間に
おいて最低限必要な1回のパテンティング処理によって
高強度スチールコードを製造する方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、重量%
で、 C 0.90%以上1.10%以下、 Si 0.4%以下、 Mn 0.5%以下、 Cr 0.10%以上0.30%以下 を含有し、残部鉄及び不可避的不純物よりなり、かつ、
不可避的に入るAl含有量を0.003%以下とした
4.5〜6.5mmφの熱間圧延線材に、線材横断面に
存在するアスペクト比が10以下であるセメンタイトの
存在率が80%以上となる調整冷却を行い、その後伸線
加工により0.8〜1.4mmφのワイヤとし、さらに
最終パテンティング処理を行い、ブラスめっき処理を行
った後、最終湿式伸線加工により0.10〜0.3mm
φで引張強さ3500MPa以上のワイヤとし、その後
撚り合わせてコードとすることを特徴とする高強度スチ
ールコードの製造方法である。但し、前記調整冷却とし
て、熱間圧延終了後の線材を800℃以上1100℃以
下の温度範囲から50℃/s以上の冷却速度で450℃
以上550℃以下の温度範囲で変態を終了させ、さらに
必要に応じて450℃以上に120s以内保持し、室温
まで冷却する。
【0007】
【作用】本発明の鋼組成の限定理由は下記のとおりであ
る。
【0008】通常のパテンティング処理においては、
0.8%近傍の共析成分においても旧オーステナイト粒
界に沿って初析フェライトが析出すること、またこの初
析フェライトが伸線後の延性低下の原因となることを本
発明者らは見いだした。Cは経済的かつ有効な強化元素
であるが、この初析セメンタイトの析出量低下にも有効
な元素である。従って引張強さ3500MPa以上の極
細線とし延性を高めるためには、Cの添加量を0.90
%以上とすることが必要であり、高すぎると延性が低下
し伸線性が劣化するのでその上限を1.10%とする。
【0009】Siは鋼の脱酸のために必要な元素であ
り、含有量が少なすぎると脱酸効果が不十分となる。ま
た、Siは熱処理後に形成されるパーライト中のフェラ
イト相に固溶してパテンティング後の強度を上げるが、
反面フェライトの延性を低下させ、伸線後の極細線の延
性を低下させるため0.4%以下とする。
【0010】Mnは鋼の焼き入れ性を確保するため添加
する。しかし、多量のMnの添加は偏析を引き起こし、
パテンティングの際にベイナイト、マルテンサイトとい
う過冷組織が発生し、その後の伸線性を害するため0.
5%以下とする。
【0011】過共析鋼の場合、パテンティング後の組織
においてセメンタイトのネットワークが発生しやすく、
セメンタイトの厚みのあるものが析出しやすい。この鋼
において高強度高延性を実現するためには、パーライト
を微細にし、かつセメンタイトネットワークや厚いセメ
ンタイトを無くす必要がある。Crはこの様なセメンタ
イトの異常部の出現を抑制し、さらにパーライトを微細
にする効果を持っている。しかし、多量の添加は熱処理
後のフェライト中の転位密度を上昇させるため、引き抜
き加工後の極細線の延性を著しく害することになる。従
って、Cr添加量はその効果が期待できる0.10%以
上とし、延性を害することの無い0.30%以下とす
る。
【0012】従来の極細鋼線と同様に、延性を確保する
ためSの含有量は0.020%以下とし、PもSと同様
に線材の延性を害するのでその含有量を0.020%以
下とするのが望ましい。
【0013】極細線の延性を低下させる原因として、A
2 3、MgO−Al2 3 等のAl2 3を主成分と
する非延性介在物の存在がある。従って、本発明におい
ては非延性介在物による延性低下を避けるために、Al
含有量を0.003%以下とする。
【0014】また、製造条件の限定理由は以下に述べる
とおりである。
【0015】調整冷却によってC含有量が0.82wt
%以上の鋼をパーライト組織とした場合、伸線性を向上
させるためにどのような組織としても、実用上の製造条
件においては、4.5〜6.5mmφの熱間圧延線材を
真ひずみで3.0以上に加工することは不可能であっ
た。これは、岡ら〔材料とプロセス、4(1991)2
042〕によって、パーライト組織とした場合、微細パ
ーライト組織とすれば加工硬化率が大きくなるため加工
性が低下し、粗いパーライト組織とすればセメンタイト
相の厚みが厚くなり加工性が低下するためとされてい
る。
【0016】そこで、本発明者らは熱間圧延後に形成さ
れるセメンタイトの形状に着目し、線材の横断面内に観
察されるアスペクト比が10以下であるセメンタイトの
存在率が多くなるほど加工硬化率が低下し、加工性を向
上できることを見いだした。
【0017】セメンタイトのアスペクト比を10以下と
するためには、例えば熱間圧延における仕上げ温度を8
50℃以上1100℃以下とし、その後、パーライト変
態を起こさないように50℃/s以上の冷却速度で恒温
変態温度まで冷却する。恒温変態温度は、変態温度が高
くなるとセメンタイトが球状化しにくいラメラー組織が
発達するため、上限を550℃とする。また、変態温度
が低くなると変態終了までの時間が長くなり生産性を低
下させるので、下限を450℃とする。
【0018】また、アスペクト比が10以下のセメンタ
イトの存在率を80%以上とするために、必要に応じ
て、変態終了後120s以内の範囲で変態温度以上に保
持することによってパーライト組織の球状化を促進する
ことができる。
【0019】熱間圧延後の一次伸線加工における仕上げ
径は、1.4mmφ以下にしたときにパーライト鋼との
差が表れるので上限を1.4mmφとする。また、一次
伸線において0.8mmφ未満に伸線加工すると一次伸
線における脆化によりその後の加工によるワイヤ特性を
劣化させるので、下限を0.8mmφとする。
【0020】
【実施例】表1に示す成分元素の鋼を用いて、表2に示
す製造条件に従ってスチールコードを製造した。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】試料番号1〜10は本発明例用の試料で、
試料番号11〜14は比較例用の試料である。
【0024】製造工程は図1に示す通りで、熱間圧延後
の調整冷却によって製造された4.5〜6.5mmφの
線材を伸線加工により最終パテンティング処理を行う線
径とした。このワイヤに最終パテンティング処理を行っ
た後、ブラスめっきを行い、さらに最終湿式伸線を行い
最終ワイヤとした。
【0025】表2の組織率は、線材横断面に存在するセ
メンタイトにおいて、そのアスペクト比が10以下とな
るセメンタイトの存在率を示している。
【0026】表2の一次伸線最終径実績は、伸線過程の
試料を取り出し、捻回試験においてデラミネーションの
発生しない限界のワイヤ試料径を示している。
【0027】表2の撚り線時の断線数は、試料4000
mを2本撚りで撚り線加工した際の断線回数を示してい
る。
【0028】本発明法に従って製造された試料番号1〜
10は、いずれも所定の線径で問題なく伸線が可能であ
り、撚り線加工においても断線を起こしていない。
【0029】試料番号11は添加成分が異なるため35
00MPa以上の強度が得られていない。
【0030】試料番号12は恒温変態温度が異なる水準
で変態温度が高いので層状構造が健全であるため120
sの保持においてラメラー組織の球状化が促進されず、
組織率が30%と低い値となっている。このため、デラ
ミネーションが一次伸線の1.53mmφで発生し、目
標のワイヤ径まで到達できなかった。
【0031】試料番号13は冷却速度が異なる水準で、
冷却速度が低いためパーライト組織が出現し、その後の
セメンタイトの分断が進んでいない。このため、デラミ
ネーションが一次伸線の1.40mmφで発生し、目標
の線径まで伸線加工はできたものの、ワイヤ内部に欠陥
を含んでいるため、強度と延性が低下している。
【0032】試料番号14は変態終了後の保持温度が4
50℃より低い水準で、変態後の保持温度が低いため、
組織率が低くなっている。このため、最終ワイヤまで製
造できてはいるが、撚り線加工における断線回数が多く
なっている。
【0033】
【発明の効果】4.5〜6.5mmφの熱間圧延線材か
らの伸線加工による高強度スチールコードの製造におい
て、熱間圧延線材と最終ワイヤの間において最低限必要
な1回のパテンティング処理によって素線の引張強さが
3500MPa以上の高強度スチールコードが製造可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造工程を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/18 C22C 38/18 (72)発明者 落合 征雄 千葉県君津市君津1 新日本製鐵株式会 社 君津製鐵所内 (56)参考文献 特開 平2−263951(JP,A) 特開 昭58−27926(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C 0.90%以上1.10%以下、 Si 0.4%以下、 Mn 0.5%以下、 Cr 0.10%以上0.30%以下 を含有し、残部鉄及び不可避的不純物よりなり、かつ、
    不可避的に入るAl含有量を0.003%以下とした
    4.5〜6.5mmφの熱間圧延線材に、線材横断面に
    存在するアスペクト比が10以下であるセメンタイトの
    存在率が80%以上となる下記の調整冷却を行い、その
    後伸線加工により0.8〜1.4mmφのワイヤとし、
    さらに最終パテンティング処理を行い、ブラスめっき処
    理を行った後、最終湿式伸線加工により0.10〜0.
    3mmφで引張強さ3500MPa以上のワイヤとし、
    その後撚り合わせてコードとすることを特徴とする高強
    度スチールコードの製造方法。前記調整冷却として、熱
    間圧延終了後の線材を800℃以上1100℃以下の温
    度範囲から50℃/s以上の冷却速度で450℃以上5
    50℃以下の温度に冷却した後450℃以上550℃以
    下の温度範囲で変態を終了させ、室温まで冷却する。
  2. 【請求項2】 前記調整冷却として、熱間圧延終了後の
    線材を800℃以上1100℃以下の温度範囲から50
    ℃/s以上の冷却速度で450℃以上550℃以下の温
    度に冷却した後450℃以上550℃以下の温度範囲で
    変態を終了させ、さらに450℃以上に120s以内保
    持し、室温まで冷却する、請求項1記載のスチールコー
    ドの製造方法。
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