JP2642547B2 - 延性に優れた高強度ビードワイヤの製造方法 - Google Patents
延性に優れた高強度ビードワイヤの製造方法Info
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- JP2642547B2 JP2642547B2 JP3267369A JP26736991A JP2642547B2 JP 2642547 B2 JP2642547 B2 JP 2642547B2 JP 3267369 A JP3267369 A JP 3267369A JP 26736991 A JP26736991 A JP 26736991A JP 2642547 B2 JP2642547 B2 JP 2642547B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車タイヤ用高強度
ビードワイヤ、さらに詳しくは引張強さ250Kgf/mm2
以上を有し、かつ、伸びおよび捻回特性に優れた高強度
ビードワイヤの製造方法に関する。
ビードワイヤ、さらに詳しくは引張強さ250Kgf/mm2
以上を有し、かつ、伸びおよび捻回特性に優れた高強度
ビードワイヤの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビードワイヤは、通常、高炭素鋼線にパ
テンティング処理を施して微細パーライト組織としたの
ち、伸線加工およびブルーイング処理工程を経て製造さ
れている。このビードワイヤ等の高炭素鋼線の強度を上
げる方策として、C含有率を上げることは、安価で高い
効果が得られるため工業的には最も望ましい方法であ
る。しかし、過共析領域、すなわち通常、Cが0.9%
を越える領域では、パテンティング時に旧オーステナイ
ト粒界に沿って脆い初析セメンタイトがネットワーク状
に生成する。このため、伸線加工時、初析セメンタイト
に沿った粒界われが発生しやすくなり、高減面率の伸線
加工は不可能となる。
テンティング処理を施して微細パーライト組織としたの
ち、伸線加工およびブルーイング処理工程を経て製造さ
れている。このビードワイヤ等の高炭素鋼線の強度を上
げる方策として、C含有率を上げることは、安価で高い
効果が得られるため工業的には最も望ましい方法であ
る。しかし、過共析領域、すなわち通常、Cが0.9%
を越える領域では、パテンティング時に旧オーステナイ
ト粒界に沿って脆い初析セメンタイトがネットワーク状
に生成する。このため、伸線加工時、初析セメンタイト
に沿った粒界われが発生しやすくなり、高減面率の伸線
加工は不可能となる。
【0003】従来、過共析鋼の伸線加工性を向上させる
方法として、熱処理ないしは合金元素の添加により初析
セメンタイトの生成を抑制する方法、あるいは伸線方法
を工夫することにより初析セメンタイト起因の延性劣化
を防止する方法が開発されている。
方法として、熱処理ないしは合金元素の添加により初析
セメンタイトの生成を抑制する方法、あるいは伸線方法
を工夫することにより初析セメンタイト起因の延性劣化
を防止する方法が開発されている。
【0004】たとえば、特公昭56−8893号公報に
は、熱処理により組織を粒状セメンタイトの分散したパ
ーライト組織に変える方法が開示されている。これは過
共析鋼線をオーステナイト化後、油焼き入れ処理してマ
ルテンサイト組織とした後、770〜930℃の温度域
に急速加熱して粒状セメンタイトを析出せしめ、目標加
熱温度に到達後直ちに535〜660℃の温度でパテン
ティング処理する方法である。この方法は、伸線加工限
度を高める方法としてはすぐれているが、粒状化したセ
メンタイトは層状に発達したセメンタイトと異なり、強
化への寄与が小さい(パテンティング後の強度が低く、
伸線時の加工硬化も小さい)ため、C含有率を高めた効
果を生かすことができない。
は、熱処理により組織を粒状セメンタイトの分散したパ
ーライト組織に変える方法が開示されている。これは過
共析鋼線をオーステナイト化後、油焼き入れ処理してマ
ルテンサイト組織とした後、770〜930℃の温度域
に急速加熱して粒状セメンタイトを析出せしめ、目標加
熱温度に到達後直ちに535〜660℃の温度でパテン
ティング処理する方法である。この方法は、伸線加工限
度を高める方法としてはすぐれているが、粒状化したセ
メンタイトは層状に発達したセメンタイトと異なり、強
化への寄与が小さい(パテンティング後の強度が低く、
伸線時の加工硬化も小さい)ため、C含有率を高めた効
果を生かすことができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来技術では過共析鋼を高強度ビードワイヤの製造に供す
ることはできない。本発明の目的は、過共析鋼における
粒界初析セメンタイトの生成を完全に阻止し、かつ、熱
処理材の組織を改良することによりビードワイヤ用高強
度鋼線の製造技術を提供することにある。
来技術では過共析鋼を高強度ビードワイヤの製造に供す
ることはできない。本発明の目的は、過共析鋼における
粒界初析セメンタイトの生成を完全に阻止し、かつ、熱
処理材の組織を改良することによりビードワイヤ用高強
度鋼線の製造技術を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】すなわち、本
発明はC:0.90〜1.10、Si:0.15〜0.
5%、Mn:0.3〜1.0%、Cr:0.1〜1.0
%、残余をFeおよび不可避的不純物からなる鋼線を加
熱してオーステナイト化したのち、450〜500℃に
保存された冷媒中に焼き入れ、引き続き該冷媒中で恒温
変態を完了させることにより初析セメンタイトを含まな
いベイナイト組織としたのち加工度94〜97%で伸線
加工を施し、さらに伸線加工後の鋼線を350〜450
℃でブルーイングすることを特徴とする延性に優れた高
強度ビードワイヤの製造方法である。
発明はC:0.90〜1.10、Si:0.15〜0.
5%、Mn:0.3〜1.0%、Cr:0.1〜1.0
%、残余をFeおよび不可避的不純物からなる鋼線を加
熱してオーステナイト化したのち、450〜500℃に
保存された冷媒中に焼き入れ、引き続き該冷媒中で恒温
変態を完了させることにより初析セメンタイトを含まな
いベイナイト組織としたのち加工度94〜97%で伸線
加工を施し、さらに伸線加工後の鋼線を350〜450
℃でブルーイングすることを特徴とする延性に優れた高
強度ビードワイヤの製造方法である。
【0007】以下に、本発明を詳細に説明する。はじめ
に、本発明の成分限定理由について説明する。Cはベイ
ナイトの強度を上げるための有効かつ経済的な元素であ
り、本発明の最も重要な元素の一つである。C含有率を
上げるに伴ない、ベイナイト組織の強度ならびに伸線時
の加工硬化量が増大する。したがって、伸線加工により
高強度伸線を得るためには、C含有量は高い方が有利で
あり、本発明では、0.90%以上とする。一方、C含
有率が1.10%を超した場合、旧オーステナイト粒界
にフィルム状の初析セメンタイトが発生し、伸線加工性
が著しく劣化する。このため、C含有率の上限は1.1
0%とする。
に、本発明の成分限定理由について説明する。Cはベイ
ナイトの強度を上げるための有効かつ経済的な元素であ
り、本発明の最も重要な元素の一つである。C含有率を
上げるに伴ない、ベイナイト組織の強度ならびに伸線時
の加工硬化量が増大する。したがって、伸線加工により
高強度伸線を得るためには、C含有量は高い方が有利で
あり、本発明では、0.90%以上とする。一方、C含
有率が1.10%を超した場合、旧オーステナイト粒界
にフィルム状の初析セメンタイトが発生し、伸線加工性
が著しく劣化する。このため、C含有率の上限は1.1
0%とする。
【0008】Siは脱酸剤として0.15%以上添加す
る。一方、Siは合金元素として、フェライトに固溶し
て顕著な固溶強化作用を示す。また、フェライト中のS
iは伸線後の溶融亜鉛めっきやブルーイング時の強度低
下を低減させる効果を有するため、高強度鋼線の製造に
は不可欠な元素である。しかし、本発明のように、高度
の伸線加工を施す場合には、伸線後の鋼線の延性を確保
するため、0.5%を上限とする。
る。一方、Siは合金元素として、フェライトに固溶し
て顕著な固溶強化作用を示す。また、フェライト中のS
iは伸線後の溶融亜鉛めっきやブルーイング時の強度低
下を低減させる効果を有するため、高強度鋼線の製造に
は不可欠な元素である。しかし、本発明のように、高度
の伸線加工を施す場合には、伸線後の鋼線の延性を確保
するため、0.5%を上限とする。
【0009】Mnも脱酸剤として0.3%以上添加す
る。また、Mnは焼入れ性向上効果が大きいため、線径
が大きい場合には、Mn含有率を上げることにより断面
内の均一性を高めることが可能であり伸線後の鋼線の延
性向上に有効である。しかし、1.0%を超えると、中
心偏析部にマルテンサイトが生成し伸線加工性が劣化す
るため、1.0%を上限とする。
る。また、Mnは焼入れ性向上効果が大きいため、線径
が大きい場合には、Mn含有率を上げることにより断面
内の均一性を高めることが可能であり伸線後の鋼線の延
性向上に有効である。しかし、1.0%を超えると、中
心偏析部にマルテンサイトが生成し伸線加工性が劣化す
るため、1.0%を上限とする。
【0010】CrはTTT線図のノーズ温度を上昇せし
めることによりパーライトの生成を抑え、逆にベイナイ
トの生成を促進させる効果を有する。このため、0.1
%以上添加する。0.1%未満ではその効果が十分でな
く、一方、1.0%を超えるとベイナイト変態に要する
時間が長くなり、生産性が著しく低下するため、1.0
%を上限とする。
めることによりパーライトの生成を抑え、逆にベイナイ
トの生成を促進させる効果を有する。このため、0.1
%以上添加する。0.1%未満ではその効果が十分でな
く、一方、1.0%を超えるとベイナイト変態に要する
時間が長くなり、生産性が著しく低下するため、1.0
%を上限とする。
【0011】以上の組成の鋼線を加熱しオーステナイト
化したのち、450〜500℃に保持された冷媒中に焼
き入れ、ベイナイト変態させる。冷媒には、溶融鉛、溶
融塩、流動層等が使用される。本発明者らは、ベイナイ
トを構成する炭化物粒子の大きさを選択することによ
り、熱処理後高度の伸線加工を行っても鋼線の捻回値の
低下が小さいことを新たに見いだした。すなわち、45
0〜500℃でベイナイト変態させた場合、炭化物粒子
は伸線加工に最適な大きさとなる。このようなベイナイ
ト組織は、強度の点からは微細パーライトや、より低温
で生成したベイナイトより低いが、伸線加工の加工度
(断面減少率)を大きくとれるため、加工硬化量が大き
く、最終的には製品(ビードワイヤ)の高強度化を達成
できるわけである。450℃未満では、ベイナイトを構
成する炭化物粒子が小さいため、熱処理後、高度の伸線
加工が行えない。このため、450℃を下限温度とす
る。一方、500℃を超えると、ベイナイト組織中に微
細なパーライトが混入し、伸線後の捻回値が低下するた
め、500℃を上限とする。
化したのち、450〜500℃に保持された冷媒中に焼
き入れ、ベイナイト変態させる。冷媒には、溶融鉛、溶
融塩、流動層等が使用される。本発明者らは、ベイナイ
トを構成する炭化物粒子の大きさを選択することによ
り、熱処理後高度の伸線加工を行っても鋼線の捻回値の
低下が小さいことを新たに見いだした。すなわち、45
0〜500℃でベイナイト変態させた場合、炭化物粒子
は伸線加工に最適な大きさとなる。このようなベイナイ
ト組織は、強度の点からは微細パーライトや、より低温
で生成したベイナイトより低いが、伸線加工の加工度
(断面減少率)を大きくとれるため、加工硬化量が大き
く、最終的には製品(ビードワイヤ)の高強度化を達成
できるわけである。450℃未満では、ベイナイトを構
成する炭化物粒子が小さいため、熱処理後、高度の伸線
加工が行えない。このため、450℃を下限温度とす
る。一方、500℃を超えると、ベイナイト組織中に微
細なパーライトが混入し、伸線後の捻回値が低下するた
め、500℃を上限とする。
【0012】次に、本発明における熱処理後の加工条件
について説明する。恒温変態によりベイナイト組織とし
た鋼線に、断面減少率94〜97%の伸線加工を施す。
94%未満では、加工硬化量が不足し目標とする強度が
得られないため、94%を下限とする。一方、97%を
超えると延性が低下し、ブルーイング後の鋼線(ビード
ワイヤ)の伸びおよび捻回値が不足するため、97%を
上限とする。
について説明する。恒温変態によりベイナイト組織とし
た鋼線に、断面減少率94〜97%の伸線加工を施す。
94%未満では、加工硬化量が不足し目標とする強度が
得られないため、94%を下限とする。一方、97%を
超えると延性が低下し、ブルーイング後の鋼線(ビード
ワイヤ)の伸びおよび捻回値が不足するため、97%を
上限とする。
【0013】伸線後の鋼線にはブルーイングを行なう。
ブルーイングの目的は、鋼線に必要な伸びを付与するこ
とであり、通常、鋼線を溶融鉛ないしは流動層中を連続
的に通過せめる方法で行われる。ブルーイング温度は、
350℃未満では必要な伸びが得られず、一方、450
℃を超えると強度が低下するのみならず、捻回値も低下
する。このため、ブルーイング温度の下限および上限
は、それぞれ、350℃および450℃とする。
ブルーイングの目的は、鋼線に必要な伸びを付与するこ
とであり、通常、鋼線を溶融鉛ないしは流動層中を連続
的に通過せめる方法で行われる。ブルーイング温度は、
350℃未満では必要な伸びが得られず、一方、450
℃を超えると強度が低下するのみならず、捻回値も低下
する。このため、ブルーイング温度の下限および上限
は、それぞれ、350℃および450℃とする。
【0014】
【実施例】以下、250Kgf/mm2 以上の引張強さを有す
る高強度ビードワイヤの製造結果について説明する。な
お、ビードワイヤの目標とする延性は、伸びが7%以
上、捻回値が35回以上である。表1に示す化学成分の
直径3.80〜6.35mmの鋼線を、鉛浴中で恒温変態
後、伸線加工により直径1.00mmの細線を製造した。
次に、これらを340〜460℃に保持した鉛浴中で1
5sブルーイングし、その後、置換めっき法によりブロ
ンズめっきを行なって高強度ビードワイヤを製造した。
る高強度ビードワイヤの製造結果について説明する。な
お、ビードワイヤの目標とする延性は、伸びが7%以
上、捻回値が35回以上である。表1に示す化学成分の
直径3.80〜6.35mmの鋼線を、鉛浴中で恒温変態
後、伸線加工により直径1.00mmの細線を製造した。
次に、これらを340〜460℃に保持した鉛浴中で1
5sブルーイングし、その後、置換めっき法によりブロ
ンズめっきを行なって高強度ビードワイヤを製造した。
【0015】表1には、鋼の化学成分、恒温変態温度、
伸線加工度、ブルーイング温度、およびビードワイヤの
機械的性質を示す。A、B、C、Dの各群は、主とし
て、それぞれC、Si、Mn、Cr含有率の影響を示し
たものである。
伸線加工度、ブルーイング温度、およびビードワイヤの
機械的性質を示す。A、B、C、Dの各群は、主とし
て、それぞれC、Si、Mn、Cr含有率の影響を示し
たものである。
【0016】C含有率が0.87%(A−1)では、目
標強度が得られず、一方、1.15%(A−7)では初
析セメンタイトが生成し、伸線できなかった。Si含有
率の増加により強度は増大するが、0.60%(B−
4)では延性不足となり、めっき鋼線の伸びおよび捻回
値が低下した。Mnが1.06%(C−3)の場合は、
中心偏析部に生成したマルテンサイトにより、めつき鋼
線の伸びおよび捻回値は著しく低下した。Cr含有率は
0.06%(D−1)では、その効果が小さく、目標と
する伸びおよび捻回値が得られない。一方、1.15%
(D−7)では、変態時間不足のためパテンティング組
織にマルテンサイトが発生したため、断線が頻発し、伸
び、捻回値も著しく劣化した。
標強度が得られず、一方、1.15%(A−7)では初
析セメンタイトが生成し、伸線できなかった。Si含有
率の増加により強度は増大するが、0.60%(B−
4)では延性不足となり、めっき鋼線の伸びおよび捻回
値が低下した。Mnが1.06%(C−3)の場合は、
中心偏析部に生成したマルテンサイトにより、めつき鋼
線の伸びおよび捻回値は著しく低下した。Cr含有率は
0.06%(D−1)では、その効果が小さく、目標と
する伸びおよび捻回値が得られない。一方、1.15%
(D−7)では、変態時間不足のためパテンティング組
織にマルテンサイトが発生したため、断線が頻発し、伸
び、捻回値も著しく劣化した。
【0017】従来法(E−1およびF−1)は、特公昭
56−8893号公報に開示された方法であり、過共析
鋼線をオーステナイト化後油焼き入れ処理し、その後、
高周波加熱により910℃に急速加熱して粒状化セメン
タイトを析出せしめた、ただちに600℃で鉛パテンテ
ィング処理を行なった。
56−8893号公報に開示された方法であり、過共析
鋼線をオーステナイト化後油焼き入れ処理し、その後、
高周波加熱により910℃に急速加熱して粒状化セメン
タイトを析出せしめた、ただちに600℃で鉛パテンテ
ィング処理を行なった。
【0018】A−6は、鉛浴温度が450℃未満の場
合、また、A−5は、鉛浴温度が500℃を超える場合
である。いずれも、強度は目標値を満足したが伸びおよ
び捻回値が不足した。A−3は、伸線加工度が94%未
満の場合、また、D−4は伸線加工度が97%を超える
場合であり、前者は強度、後者は伸びおよび捻回値が目
標値を下まわった。D−3は、ブルーイング温度350
℃未満の場合、また、B−2およびD−6はブルーイン
グ温度が450℃を超える場合であり、前者は伸びおよ
び捻回値が不足し、一方、後者はいずれの特性とも目標
を下まわった。
合、また、A−5は、鉛浴温度が500℃を超える場合
である。いずれも、強度は目標値を満足したが伸びおよ
び捻回値が不足した。A−3は、伸線加工度が94%未
満の場合、また、D−4は伸線加工度が97%を超える
場合であり、前者は強度、後者は伸びおよび捻回値が目
標値を下まわった。D−3は、ブルーイング温度350
℃未満の場合、また、B−2およびD−6はブルーイン
グ温度が450℃を超える場合であり、前者は伸びおよ
び捻回値が不足し、一方、後者はいずれの特性とも目標
を下まわった。
【0019】本発明法で製造されたビードワイヤは、い
ずれも250Kgf/mm2 以上の強度を有し、従来法で製造
されたものに比べて強度が高く、かつ、高強度であるに
もかかわらず、伸びが8%以上、捻回値が35回以上と
延性に優れている。
ずれも250Kgf/mm2 以上の強度を有し、従来法で製造
されたものに比べて強度が高く、かつ、高強度であるに
もかかわらず、伸びが8%以上、捻回値が35回以上と
延性に優れている。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明法によれ
ば、従来より強度が高く、かつ、伸びおよび捻回値の優
れたビードワイヤを製造することが可能である。
ば、従来より強度が高く、かつ、伸びおよび捻回値の優
れたビードワイヤを製造することが可能である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/18 C22C 38/18 (72)発明者 川名 章文 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株 式会社 君津製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭63−65020(JP,A) 特開 平2−125813(JP,A) 特開 平3−215623(JP,A) 特開 平3−140438(JP,A) 特公 昭57−34333(JP,B2)
Claims (1)
- 【請求項1】 重量比で C :0.90〜1.10% Si :0.15〜0.50% Mn :0.3 〜1.0% Cr :0.1 〜1.0% 残余をFeおよび不可避的不純物からなる鋼線を加熱し
てオーステナイト化したのち、450〜500℃に保存
された冷媒中に焼き入れ、引き続き該冷媒中で恒温変態
を完了させることによりベイナイト組織としたのち、加
工度94〜97%で伸線加工を施し、さらに伸線加工後
の鋼線を350〜450℃でブルーイングすることを特
徴とする延性に優れた高強度ビードワイヤの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3267369A JP2642547B2 (ja) | 1991-10-16 | 1991-10-16 | 延性に優れた高強度ビードワイヤの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3267369A JP2642547B2 (ja) | 1991-10-16 | 1991-10-16 | 延性に優れた高強度ビードワイヤの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05105965A JPH05105965A (ja) | 1993-04-27 |
JP2642547B2 true JP2642547B2 (ja) | 1997-08-20 |
Family
ID=17443879
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3267369A Expired - Lifetime JP2642547B2 (ja) | 1991-10-16 | 1991-10-16 | 延性に優れた高強度ビードワイヤの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2642547B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5124113B2 (ja) * | 2006-08-04 | 2013-01-23 | 株式会社ブリヂストン | 金属線材の延性回復方法 |
CN114589952A (zh) * | 2022-02-24 | 2022-06-07 | 江苏兴达钢帘线股份有限公司 | 一种胎圈钢丝及制造方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5734333A (en) * | 1980-08-08 | 1982-02-24 | Hitachi Ltd | Proximity system double face exposure device |
JPS6365020A (ja) * | 1986-09-04 | 1988-03-23 | Daido Steel Co Ltd | 急速加熱焼入用表面硬化処理鋼の製造方法 |
JPH02125813A (ja) * | 1988-11-01 | 1990-05-14 | Sugita Seisen Kojo:Kk | ばね用オイルテンパー硬引丸鋼線並びにばねの製造方法 |
-
1991
- 1991-10-16 JP JP3267369A patent/JP2642547B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05105965A (ja) | 1993-04-27 |
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