JP3572993B2 - 鋼線材、鋼線及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼線材、鋼線及びその製造方法に関する。より詳しくは、例えば、自動車のラジアルタイヤや、各種産業用ベルトやホースの補強材として用いられるスチールコード、更には、ソーイングワイヤなどの用途に好適な鋼線材と、前記の鋼線材を素材とする鋼線及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のラジアルタイヤや、各種のベルト、ホースの補強材として用いられるスチールコード用鋼線、あるいは、ソーイングワイヤ用の鋼線は、一般に、熱間圧延後調整冷却した線径(直径)が5〜6mmの鋼線材(以下、「鋼線材」を単に「線材」という)を、1次伸線加工して直径を3〜4mmにし、次いで、パテンティング処理を行い、更に2次伸線加工して1〜2mmの直径にする。この後、最終パテンティング処理を行い、次いで、ブラスメッキを施し、更に最終湿式伸線加工を施して直径0.15〜0.40mmにする。このようにして得られた極細鋼線を、更に撚り加工で複数本撚り合わせて撚鋼線とすることでスチールコードが製造される。
【0003】
一般に、線材を鋼線に加工する際や鋼線を撚り加工する際に断線が生ずると、生産性と歩留りが大きく低下してしまう。したがって、上記技術分野に属する線材や鋼線は、伸線加工時や撚り加工時に断線しないことが強く要求される。
【0004】
更に、スチールコードの製造の場合、熱間圧延した直径5〜6mmの線材を直径が1〜2mmの鋼線にするのに多くの中間処理工程を要し、製造コストの上昇を招いている。したがって、最終製品の性能を低下させることなく、製造工程を簡略化したいとする産業界からの要望が大きくなっている。このため、C含有量が0.7%未満の比較的強度の低い炭素鋼線材などでは、中間処理を省略して、例えば直径5.5mmから1.7mmまで直接に伸線する技術が開発されている。なお、前記伸線における真歪量は2.35である。ここで、真歪(ε)は線材の直径(d0 )と伸線後の鋼線の直径(d)を用いて下記の(i)式で表されるものである。
【0005】
ε=2loge(d0/d)・・・(i)
一方では、近年、種々の目的からスチールコードなどを軽量化する動きが高まってきた。このため、前記の各種製品に対して高強度が要求されるようになり、上記のC含有量が0.7%未満の炭素鋼線材などでは、所望の高強度が得られなくなっている。このため、C含有量が高くて鋼線に高い強度を確保させることができ、しかも前記の中間処理を省略できるような伸線加工性に優れた線材に対する要求が極めて大きくなっている。
【0006】
上記した近年の産業界からの要望に対して、偏析やミクロ組織を制御して線材の伸線加工性を高める技術が提案されている。
【0007】
例えば、特公平7−11060号公報には、線材のMnの偏析を制御する「伸線加工性のすぐれた高強度鋼線材」が開示されている。しかし、この公報で提案された技術は、線材におけるMnの偏析ピーク幅を小さくするために、(1)鋳片サイズを大きくとって圧減比を高める、(2)中心偏析を改善するために鋳造時の溶鋼過熱度を低めとする、(3)鋳型内電磁攪拌を行う、(4)凝固末期に鋳片に圧下をかける、(5)鋳片を均熱炉中で加熱し偏析元素を拡散させる、などの特殊な処理を必要とする。このため、線材の製造工程や製造設備が異なる場合には、必ずしも適用できないものであるし、たとえ適用できたとしても製造コストが嵩むものであった。更に、Mnの偏析を制御しても、熱間圧延した線材の絞りの向上には寄与するが、前記した中間処理としてのパテンティングを省略するには不十分であった。
【0008】
特開平6−145895号公報には、特定の化学組成を有する鋼材からなり、初析セメンタイトの含有平均面積率、更には、非金属介在物組成をも規定した「高強度高靱性鋼線材、該鋼線材を用いた極細鋼線およびその製法並びに撚り鋼線」が開示されている。しかし、鋼の製造、特に工業的規模での鋼の製造においては、製鋼原料が変わることによる非金属介在物組成の大きな変化を避け難い。このため、非金属介在物の組成を一定範囲内に制御するのは容易なことではない。なお、たとえ非金属介在物の組成制御が行えたとしてもコストが嵩むし、更に、必ずしも前記した中間処理の工程を省略できるというものでもない。
【0009】
前記の特公平7−11060号公報や特開平6−145895号公報で提案された技術によれば、一応は伸線加工性に優れた線材を得ることができる。しかし、既に述べたように、設備コストや製造コストが嵩むし、必ずしも前記した中間処理の工程を省略できるというものでもないという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑みなされたもので、その目的は、スチールコードやソーイングワイヤなどの用途に好適な伸線加工性などの冷間加工性に優れた線材を得るとともに、前記の線材を素材とする鋼線を高い生産性の下に歩留り良く廉価に提供することである。なお、前記の鋼線としては、特に、素材である線材に真歪量で2.35以上の冷間加工を施したものが対象である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、下記(1)〜(3)に示す線材、(4)に示す鋼線及び(5)に示す鋼線の製造方法にある。
【0012】
(1)重量%で、C:0.75〜0.92%、Si:0.1〜1.0%、Mn:0.1〜1.0%、Cr:0〜1.0%、Cu:0〜0.5%、Ni:0〜1.0%、Co:0〜2.0%、Mo:0〜0.5%、W:0〜0.5%、V:0〜0.2%、Nb:0〜0.1%、REM(希土類元素):0〜0.03%、Ca:0〜0.003%、Mg:0〜0.003%、B:0〜0.005%を含有し、残部はFe及び不可避不純物から成り、不純物中のAlは0.0020%以下、insol.Alは0.0012%以下、Tiは0.0020%以下、Nは0.005%以下、Pは0.012%以下、Sは0.01%以下、O(酸素)は0.0020%以下で、更に、下記(1)式で表されるfn1の値が6×10-6以下、且つ、下記(2)式で表されるfn2の値が0.0035%以下を満足する鋼線材。
【0013】
fn1=Ti(%)×N(%)・・・・・(1)
fn2=N(%)−1.3B(%)−0.3Ti(%)・・・・・(2)
(2)重量%で、不純物として更に、Snが0.005%以下、Asが0.003%以下、Sbが0.003%以下である上記(1)に記載の線材。
【0014】
(3)上記(1)又は(2)に記載の化学組成を有し、直径が4〜6mmで、引張強さが1120{C(%)/0.9}1/2〜1300{C(%)/0.9}1/2MPaである線材。
【0015】
(4)上記(1)〜(3)に記載の線材を2.35以上の真歪で冷間加工した鋼線。
【0016】
(5)上記(1)〜(3)に記載の線材を冷間加工後に、最終熱処理、メッキ処理、湿式伸線加工をこの順に施す鋼線の製造方法。
【0017】
ここで、「insol.Al」とは、所謂「酸不溶Al」で、本発明においてはAl2O3としてのAlを指す。
【0018】
又、「線材」とは、棒状に熱間圧延された鋼で、コイル状に巻かれた鋼材を指し、所謂「バーインコイル」を含むものである。
【0019】
線材を鋼線に加工するための「冷間加工」には、通常の穴ダイスを用いた伸線加工だけでなく、ローラダイスを用いた伸線加工、所謂「2ロール圧延機」、「3ロール圧延機」や「4ロール圧延機」を用いた冷間圧延加工を含む。
【0020】
真歪(ε)は加工前の線材や鋼線の直径(d0 )と加工後の鋼線の直径(d)を用いて下記の(i)式で表されるものである。
【0021】
ε=2loge(d0/d)・・・(i)
「最終熱処理」とは、最終のパテンティング処理を指す。又、「メッキ処理」は、ブラスメッキ、Cuメッキ、Niメッキなどのように、次の湿式伸線の過程における引き抜き抵抗の低減や、スチールコード用途の場合におけるようなゴムとの密着性を高めることなどを目的に施されるものをいう。
【0022】
以下、上記の(1)〜(5)に記載のものをそれぞれ(1)〜(5)の発明という。
【0023】
本発明者らは、線材の化学組成と機械的性質が伸線加工性や冷間圧延加工性といった冷間加工性(以下、簡単のために単に「伸線加工性」という)に及ぼす影響について調査・研究を重ね、その結果、下記の知見を得た。
【0024】
(a)引張強さ(以下、TSという)を高めるためには、C、Si、Mn、Crなどの合金元素の含有量を増やせばよいが、これら合金元素の含有量の増加は伸線加工性の低下、つまり、伸線加工時の限界加工度の低下を招く。
【0025】
(b)伸線加工時の限界加工度を高めるためには、不純物元素であるAl、Ti、N、S、O(酸素)の含有量を厳しく制限すればよい。
【0026】
(c)不純物元素のなかのTiとNの含有量について、前記(1)式で表されるfn1が特定の値以下の場合、TiNの析出する温度が低くなってTiNが微細化するので、伸線加工性が低下することはない。
【0027】
(d)不純物元素としてのNを、同じ不純物元素であるTiと結合させて微細なTiNとして固定することに加えて、Bを添加してBNを形成させてNを固定すれば、鋼中の固溶N(所謂「フリーN」)量が大きく減少するので、伸線加工性が大きく向上する。
【0028】
(e)O(酸素)の含有量を低くして酸化物系介在物の総量を減らすことに加えて、硬質の酸化物系介在物であるAl2O3の生成量、換言すればinsol.Alの量を低減すれば、伸線加工性が大きく向上する。
【0029】
(f)不純物元素としてのSn、As及びSbの含有量を厳しく制限すれば、伸線加工性が極めて高くなる。
【0030】
(g)線材のTSをC含有量に応じた特定の範囲にすれば、極めて良好な伸線加工性が得られる。
【0031】
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものである。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各要件について詳しく説明する。なお、各元素の含有量の「%」表示は「重量%」を意味する。
【0033】
(A)化学組成
C:0.75〜0.92%
Cは、線材の強度を高めるのに有効な元素である。しかし、その含有量が0.75%未満の場合には、例えばTSで3200MPaといった高い強度を安定して最終製品に付与させることが困難である。一方、Cの含有量が多すぎると鋼材が硬質化して伸線加工性の低下を招く。特に、C含有量が0.92%を超えると、初析セメンタイト(つまり、旧オーステナイト粒界に沿うセメンタイト)の生成を防止するために熱間圧延後の冷却速度を速くする必要があるが、前記の冷却速度を速くすることによって熱間圧延された線材の強度が大幅に上昇するため伸線加工性が大きく低下し、後述の不純物元素を規定の含有量まで低減しても、真歪で2.0以上となる加工度で伸線加工を行うと、断線が頻発する。したがって、Cの含有量を0.75〜0.92%とした。
【0034】
Si:0.1〜1.0%
Siは、強度を高めるのに有効な元素である。更に、脱酸剤として必要な元素でもある。しかし、その含有量が0.1%未満では添加効果に乏しく、一方、1.0%を超えると伸線加工での限界加工度が低下する。したがって、Siの含有量を0.1〜1.0%とした。
【0035】
Mn:0.1〜1.0%
Mnは、強度を高める作用に加えて、鋼中のSをMnSとして固定して熱間脆性を防止する作用を有する。しかし、その含有量が0.1%未満では前記の効果が得難い。一方、Mnは偏析しやすい元素であり、1.0%を超えると特に線材の中心部に偏析し、その偏析部にはマルテンサイトやベイナイトが生成するので、伸線加工性が低下してしまう。したがって、Mnの含有量を0.1〜1.0%とした。
【0036】
Cr:0〜1.0%
Crは添加しなくてもよい。添加すれば、パーライトのラメラ間隔を小さくして圧延後及びパテンティング後の強度を高める作用を有する。又、伸線加工を初めとする冷間加工時の加工硬化率を高める働きがある。こうした効果を確実に得るには、Crは0.1%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、その含有量が1.0%を超えると、パーライト変態が終了するまでの時間が長くなり、熱間圧延後の線材の中心部にマルテンサイトやベイナイトが生成するため、伸線加工中の断線頻度が増加する。したがって、Crの含有量を0〜1.0%とした。
【0037】
Cu:0〜0.5%
Cuは添加しなくてもよい。添加すれば耐食性を高める作用がある。この効果を確実に得るには、Cuは0.05%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、その含有量が0.5%を超えると結晶粒界に偏析して鋼塊の分塊圧延や線材の熱間圧延など熱間加工時における割れや疵の発生が顕著になる。したがって、Cuの含有量を0〜0.5%とした。
【0038】
Ni:0〜1.0%
Niは添加しなくてもよい。添加すれば、フェライト中に固溶してフェライトの靱性を向上させる効果を発揮する。この効果を確実に得るには、Niは0.1%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、その含有量が1.0%を超えると、焼入れ性が高くなり過ぎてマルテンサイトが生成し易くなり伸線加工性が劣化する。したがって、Niの含有量を0〜1.0%とした。
【0039】
Co:0〜2.0%
Coは添加しなくても良い。添加すれば、初析セメンタイトの析出を防止し、更にパーライトを微細化して強度を高める作用を有する。この効果を確実に得るには、Coは0.2%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、2.0%を超えて含有させても前記の効果は飽和し、コストが嵩むばかりである。したがって、Coの含有量を0〜2.0%とした。
【0040】
Mo:0〜0.5%
Moは添加しなくてもよい。添加すれば、セメンタイト、フェライト中に固溶し、強度を高める作用がある。この効果を確実に得るには、Moは0.05%以上の含有量とすることが好ましい。一方、0.5%を超えると、焼入れ性が高くなり過ぎてマルテンサイトが生成し易くなり伸線加工性が劣化する。したがって、Moの含有量を0〜0.5%とした。
【0041】
W:0〜0.5%
Wは添加しなくてもよい。添加すれば、セメンタイト、フェライト中に固溶し、強度を高める作用がある。この効果を確実に得るには、Wは0.05%以上の含有量とすることが好ましい。一方、0.5%を超えると、焼入れ性が高くなり過ぎてマルテンサイトが生成し易くなり伸線加工性が劣化する。したがって、Wの含有量を0〜0.5%とした。
【0042】
V:0〜0.2%
Vは添加しなくてもよい。添加すれば、オーステナイト結晶粒を微細化させ、延性及び靱性を高める作用を有する。この効果を確実に得るには、Vは0.05%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、0.2%を超えて含有させても前記の効果は飽和し、コストが嵩むばかりである。したがって、Vの含有量を0〜0.2%とした。
【0043】
Nb:0〜0.1%
Nbは添加しなくてもよい。添加すれば、オーステナイト結晶粒を微細化させ、延性及び靱性を高める作用を有する。この効果を確実に得るには、Nbは0.01%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、0.1%を超えて含有させても前記の効果は飽和し、コストが嵩むばかりである。したがって、Nbの含有量を0〜0.1%とした。
【0044】
REM(希土類元素):0〜0.03%
REMは添加しなくてもよい。添加すれば、熱間加工性を高める作用を有する。この効果を確実に得るには、REMは0.001%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、REMを0.03%を超えて含有させても前記の効果は飽和し、コストが嵩むばかりである。したがって、REMの含有量を0〜0.03%とした。なお、本発明でいう「REMの含有量」は、「REMの合計の含有量」を指す。
【0045】
Ca:0〜0.003%
Caは添加しなくてもよい。添加すれば、熱間加工性を高める作用を有する。この効果を確実に得るには、Caは0.0001%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、Caを0.003%を超えて含有させても前記の効果は飽和し、コストが嵩むばかりである。したがって、Caの含有量を0〜0.003%とした。
【0046】
Mg:0〜0.003%
Mgは添加しなくてもよい。添加すれば、熱間加工性を高める作用を有する。この効果を確実に得るには、Mgは0.0001%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、Mgを0.003%を超えて含有させても前記の効果は飽和し、コストが嵩むばかりである。したがって、Mgの含有量を0〜0.003%とした。
【0047】
B:0〜0.005%
Bは添加しなくてもよい。添加すれば、鋼中に固溶したNと結合してBNを形成し、固溶Nを低減して、伸線加工性を向上させ、更に最終伸線後の捻回試験での縦割れ発生を抑制する効果がある。この効果を確実に得るには、後述するように不純物元素としてのN、Tiの含有量にもよるが、0.0003%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、Bを0.005%を超えて含有させると、粗大なBNが生成して、伸線加工性が低下する。したがって、Bの含有量を0〜0.005%とした。
【0048】
更に、(1)の発明においては、不純物元素であるAl、Ti、N、P、S、Oの含有量を下記のとおりに制限する。
【0049】
Al:0.0020%以下
AlはAl2O3を主成分とする酸化物系介在物を形成して伸線加工性を低下させてしまう。特にその含有量が0.0020%を超えると、前記酸化物系介在物が粗大化して、伸線加工中に断線が多発し、伸線加工性の低下が著しくなる。したがって、Alの含有量を0.0020%以下とした。
【0050】
insol.Al:0.0012%以下
既に述べたように、「insol.Al」とは所謂「酸不溶Al」で、本発明においてはAl2O3としてのAlを指す。トータルのAl含有量を前記の0.0020%以下に制限した上で、insol.Al量を0.0012%以下に制限すれば、断線の頻度が低下して工業的な規模で十分な生産性を確保することができる。したがって、insol.Al量を0.0012%以下とした。
【0051】
Ti:0.0020%以下
TiはNと結合してTiNを形成する。このTiNが粗大な場合、伸線加工中の断線起点となるので伸線加工性が低下してしまうが、後述のように、TiとNの含有量について前記(1)式で表されるfn1が6×10-6以下の場合には、TiNの析出する温度が低くなってTiNが微細化するので、伸線加工性が低下することはない。しかし、fn1の値を6×10-6以下にするために、Nの含有量を0.003%程度を下回って低くすることは製鋼コストが嵩んで経済性に欠ける。このため、Tiの含有量を低く制限するのがよいので、Tiの含有量を0.0020%以下とした。
【0052】
N:0.005%以下
Nは冷間での伸線加工中に転位に固着して鋼線の強度を上昇させる反面で、伸線加工性を低下させてしまう。特に、その含有量が0.005%を超えると伸線加工性の低下が著しくなる。したがって、Nの含有量を0.005%以下とした。
【0053】
P:0.012%以下
Pは粒界に偏析して伸線加工性を低下させてしまう。特に、その含有量が0.012%を超えると伸線加工性の低下が著しくなる。したがって、Pの含有量を0.012%以下とした。
【0054】
S:0.01%以下
Sは伸線加工性を低下させてしまう。特に、その含有量が0.01%を超えると伸線加工性の低下が著しくなる。したがって、Sの含有量を0.01%以下とした。
【0055】
O(酸素):0.0020%以下
Oは酸化物系介在物を形成して伸線加工性を低下させてしまう。特に、Oの含有量が0.0020%を超えると、酸化物系介在物が粗大化するので伸線加工性の低下が著しくなって、伸線加工中に断線が多発する。したがって、Oの含有量を0.0020%以下とした。
【0056】
fn1:6×10-6以下
TiはNと結合してTiNを形成する。このTiNが粗大な場合、伸線加工中の断線起点となるので伸線加工性が低下してしまう。上記TiNのサイズは鋼中での析出温度と密接な関係を有し、高温で析出するほど粗大になる。TiNの析出温度は前記した(1)式で表されるfn1で決定され、この値が6×10-6を超えると、TiNの析出する温度が高くなってTiNが粗大化し、伸線加工性が低下する。このためfn1の値を6×10-6以下とした。
【0057】
fn2:0.0035%以下
鋼材の素地(マトリックス)中に固溶したNは、冷間での伸線加工中に転位に固着して鋼線の強度を上昇させる反面で、伸線加工性を低下させてしまう。Nは、Ti、Bと結合してTiN、BNを形成する傾向が強いため、上記の固溶N量は前記した(2)式で表されるfn2で見積もることができ、この値が0.0035%を超えると伸線加工性の低下が大きい。したがって、fn2の値を0.0035%以下とした。
【0058】
不純物元素としてのSn、As及びSbの含有量を制限すれば、伸線加工性を一層高めることができる。このため、極めて優れた伸線加工性が要求される場合には、前記した各種元素に加えてSn、As及びSbの含有量を厳しく制限するのがよい。したがって、(2)の発明においては、不純物元素であるSn、As及びSbの含有量を下記のとおりに制限する。
【0059】
Sn:0.005%以下
Snは、特に製鋼原料にスクラップを用いる場合に不純物元素として混入するが、その含有量を0.005%以下に制限すると極めて良好な伸線加工性が得られる。したがって、Snの含有量を0.005%以下とした。
【0060】
As:0.003%以下
Asは、特に製鋼原料にスクラップを用いる場合に不純物元素として混入するが、その含有量を0.003%以下に制限すると極めて良好な伸線加工性が得られる。したがって、Asの量を0.003%以下とした。
【0061】
Sb:0.003%以下
Sbも、特に製鋼原料にスクラップを用いる場合に不純物元素として混入するが、その含有量を0.003%以下に制限すると極めて良好な伸線加工性が得られる。したがって、Sbの含有量を0.003%以下とした。
【0062】
(B)線材の直径とTS
前記(A)項の化学組成に加えて、(3)の発明の線材ではその直径とTSも規定する。
【0063】
スチールコード用鋼線やソーイングワイヤ用の鋼線を製造する際、中間処理の工程を省略してコストを低減するためには、冷間加工を施される線材の直径はできるだけ小さくすることがよく、特に、6mm以下とするのがよい。一方、線材の直径を小さくすれば生産性が低下するし、熱間圧延中に断線したり疵の発生が多発するので、直径の下限は4mmにするのが良い。
【0064】
線材のTSをC含有量に応じた特定の範囲にすれば、つまり、後述の実施例の表3、表4で示す結果を用いて、(2)の発明の化学組成を満たす鋼に関して、縦軸にTS(MPa)、横軸にC含有量をとって整理した図1から分かるように、TSを1120{C(%)/0.9}1/2〜1300{C(%)/0.9}1/2MPaにすれば極めて良好な伸線加工性が得られる。
【0065】
したがって、(3)の発明においては、前記(A)項の化学組成を有する線材の直径を4〜6mm、TSを1120{C(%)/0.9}1/2 〜1300{C(%)/0.9}1/2 MPaとした。なお、実施例に示したように、引張試験における絞りの値も伸線加工性と関連を有し、絞りが35%以上になれば伸線加工性が向上するので、線材は前記範囲のTSに加えて、35%以上の絞りを有するものであることが一層好ましい。
【0066】
前記(A)項に記した化学組成を有する線材、又は、前記(A)項に記した化学組成及び(B)項に記した直径とTSを有する線材に、穴ダイスを用いた伸線加工、ローラダイスを用いた伸線加工、所謂「2ロール圧延機」、「3ロール圧延機」や「4ロール圧延機」を用いた冷間圧延加工など通常の冷間加工を施して鋼線が加工される。この冷間における加工量を真歪で2.35とすれば、スチールコード用鋼線やソーイングワイヤ用鋼線の素材として現在常用されている直径5.5mmの線材を1.7mmの鋼線に加工することができるので、多くの場合、既に述べた中間処理工程の省略が可能となる。したがって、(4)の発明においては鋼線の冷間加工量の下限を真歪で2.35とした。更に、冷間加工量が真歪で3.0であれば、常用される直径5.5mmの線材を直接1.2mmの鋼線に加工することができるので、真歪は3.0以上とするのがよい。
【0067】
スチールコード用やソーイングワイヤ用の極細鋼線は、(5)の発明の方法で製造される。つまり、前記(A)項に記した化学組成を有する線材、又は、前記(A)項に記した化学組成及び(B)項に記した直径とTSを有する線材に、通常の冷間加工を施した後、通常の方法で、最終熱処理(パテンティング処理)及び、ブラスメッキ、Cuメッキ、Niメッキなど、次の湿式伸線の過程における引き抜き抵抗の低減や、ゴムとの密着性の向上などを目的とするメッキ処理を施し、更に湿式伸線を行うことで極細鋼線が製造される。
【0068】
こうして得られた極細鋼線は、この後所定の最終製品へと加工される。例えば、極細鋼線を更に撚り加工で複数本撚り合わせて撚鋼線とすることでスチールコードが成形される。
【0069】
以下、実施例により本発明を詳しく説明する。
【0070】
【実施例】
表1、表2に示す化学組成を有する鋼A〜Z及び鋼A1〜F1を150kg真空溶解炉を用いて溶製した。表1における鋼B〜D、鋼F〜O及び表2における鋼A1〜F1は化学組成が本発明で規定する含有量の範囲内にある本発明例である。一方、表1における鋼A、鋼E及び表2における鋼P〜Zは成分のいずれかが本発明で規定する含有量の範囲から外れた比較例である。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
次いで、これらの鋼を通常の方法で熱間鍛造して直径80mmの丸棒とした後、1150℃に加熱してから圧延仕上げ温度880℃で直径5.5mmの線材に熱間圧延し、その後4種類の条件で冷却した。すなわち、熱間圧延終了後、放冷、弱風冷、中風冷及び強風冷の4条件で冷却した。上記の各冷却条件における800〜600℃の平均冷却速度は、順に5℃/秒、12℃/秒、18℃/秒、25℃/秒であった。
【0074】
常温まで冷却した各線材について引張特性と組織を調査した。なお、走査型電子顕微鏡で観察した組織は、すべての線材についてパーライトを主とするものであった。
【0075】
次に、上記のようにして得た線材を通常の方法で酸洗してデスケーリングし、潤滑処理としてリン酸亜鉛被膜処理を行った後、各ダイスでの減面率が平均で20%となるパススケジュールで、直径1.0mmまで乾式伸線を行った。この際、直径1.7mm以下まで伸線加工を行っても断線しない場合に、伸線加工性が良好であると評価した。ちなみに、直径5.5mmから直径1.7mmまで伸線した場合の真歪は2.35である。
【0076】
表3及び表4に、直径5.5mmに熱間圧延した線材の冷却条件と前記の各調査結果をまとめて示す。なお、表3及び表4において、線材の冷却条件は条件aからdの順に放冷、弱風冷、中風冷、強風冷であることを示す。又、図1に(2)の発明の化学組成を満たす鋼に関して、縦軸にTS(MPa)、横軸にC含有量をとって伸線加工性に及ぼす影響を整理して示す。
【0077】
【表3】
【0078】
【表4】
【0079】
表3、表4及び図1から明らかなように、比較例の鋼A、鋼E及び鋼P〜Zを用いた試験番号の場合、つまり、C含有量は0.73%と低いがAlとinsol.Alの含有量がそれぞれ0.0020%、0.0012%を超える試験番号1、C含有量が0.92%を超える試験番号14〜17、B含有量が0.005%を上回る試験番号37、P含有量が0.012%を上回る試験番号38、Al含有量が0.0020%を超える試験番号39、insol.Alの含有量が0.0012%を上回る試験番号40、N含有量が0.005%を上回る試験番号41、前記(1)式で表されるfn1の値が6.0×10-6を超える試験番号42〜44、前記(2)式で表されるfn2の値が0.0035%を上回る試験番号45、46、O含有量が0.0020%を超える試験番号47は伸線加工性が低く、直径1.7mmより太い線径で断線した。
【0080】
上記の比較例に対して、本発明例の鋼を用いた試験番号、つまり、試験番号2〜13、18〜36及び48〜53の場合には、伸線加工性が良好であり、直径5.5mmから1.7mmまで伸線しても断線を生じなかった。
【0081】
上記の本発明例の鋼を用いた試験番号のうちでも、鋼中不純物元素としてのSn、As、Sbの含有量が低くそれぞれ0.005%以下、0.003%以下、0.003%以下であるか、あるいは、線材のTSが1120{C(%)/0.9}1/2〜1300{C(%)/0.9}1/2MPaである場合(試験番号2、6、10、21、24、25、49、51及び53)には、直径5.5mmから1.5mmまで伸線しても断線を生じず、一層伸線加工性に優れていた。更に、鋼中不純物元素としてのSn、As、Sbの含有量がそれぞれ0.005%以下、0.003%以下、0.003%以下で、しかも、線材のTSが1120{C(%)/0.9}1/2〜1300{C(%)/0.9}1/2MPaである場合(試験番号3〜5、7〜9、11〜13、18〜20、22、23、30〜36、48、50及び52)には、直径5.5mmから1.2mmまで伸線しても断線を生じず、伸線加工性が極めて優れていた。
【0082】
【発明の効果】
本発明の線材は伸線加工性に優れるので、この線材を素材としてスチールコードやソーイングワイヤなどを高い生産性の下に歩留り良く提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた鋼の一部について、縦軸にTS(MPa)、横軸にC含有量をとって伸線加工性に及ぼす影響を整理した図である。
Claims (5)
- 重量%で、C:0.75〜0.92%、Si:0.1〜1.0%、Mn:0.1〜1.0%、Cr:0〜1.0%、Cu:0〜0.5%、Ni:0〜1.0%、Co:0〜2.0%、Mo:0〜0.5%、W:0〜0.5%、V:0〜0.2%、Nb:0〜0.1%、REM(希土類元素):0〜0.03%、Ca:0〜0.003%、Mg:0〜0.003%、B:0〜0.005%を含有し、残部はFe及び不可避不純物から成り、不純物中のAlは0.0020%以下、insol.Alは0.0012%以下、Tiは0.0020%以下、Nは0.005%以下、Pは0.012%以下、Sは0.01%以下、O(酸素)は0.0020%以下で、更に、下記(1)式で表されるfn1の値が6×10-6以下、且つ、下記(2)式で表されるfn2の値が0.0035%以下を満足する鋼線材。
fn1=Ti(%)×N(%)・・・・・(1)
fn2=N(%)−1.3B(%)−0.3Ti(%)・・・・・(2) - 重量%で、不純物として更に、Snが0.005%以下、Asが0.003%以下、Sbが0.003%以下である請求項1に記載の鋼線材。
- 請求項1又は2に記載の化学組成を有し、直径が4〜6mmで、引張強さが1120{C(%)/0.9}1/2〜1300{C(%)/0.9}1/2MPaである鋼線材。
- 請求項1〜3に記載の鋼線材を2.35以上の真歪で冷間加工した鋼線。
- 請求項1〜3に記載の鋼線材を冷間加工後に、最終熱処理、メッキ処理、湿式伸線加工をこの順に施す鋼線の製造方法。
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