JPH0718100B2 - タイヤ用スチールコードおよびタイヤ - Google Patents

タイヤ用スチールコードおよびタイヤ

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JPH0718100B2
JPH0718100B2 JP63207960A JP20796088A JPH0718100B2 JP H0718100 B2 JPH0718100 B2 JP H0718100B2 JP 63207960 A JP63207960 A JP 63207960A JP 20796088 A JP20796088 A JP 20796088A JP H0718100 B2 JPH0718100 B2 JP H0718100B2
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steel cord
tires
tire
wire
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敏明 宮内
敏明 清水
文雄 黒水
春雄 櫛部
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金井 宏之
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B1/00Constructional features of ropes or cables
    • D07B1/06Ropes or cables built-up from metal wires, e.g. of section wires around a hemp core
    • D07B1/0606Reinforcing cords for rubber or plastic articles
    • D07B1/066Reinforcing cords for rubber or plastic articles the wires being made from special alloy or special steel composition
    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B2201/00Ropes or cables
    • D07B2201/20Rope or cable components
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は主としてタイヤの補強材として使用され、高強
度、高靱性およびゴムとの接着性に優れたタイヤ用スチ
ールコードおよび上記タイヤ用スチールコードを補強材
として用いたタイヤに関するものである。
(従来の技術) 従来、一般にこの種のタイヤ用スチールコードは熱間圧
延後、調整冷却した素線径が5.0〜6.4mmを有する線材
を、伸線加工およびパテンティング処理を繰り返して伸
線し、プラスメッキを施した後、最終伸線加工によって
タイヤ用スチールコード用素線を形成し、上記素線を複
数本撚り合わせて形成されていた。
そして、上記タイヤ用スチールコードの複数本が平行に
引き揃えられた状態でゴム材より被覆され、タイヤやコ
ンベアベルト等に使用されている。
ところで、上記タイヤ用スチールコードをタイヤ用ゴム
補強材として使用したタイヤが様々な使用環境下におい
て十分な耐久性、経済性、乗心地性等を有するために
は、特にタイヤ用スチールコードの各素線自体が強度的
に優れていること、及びタイヤ用スチールコード並びに
各素線がゴム材とよく接着することが要求されている。
すなわち、タイヤ用スチールコードが補強材としての役
割を充分に果たすためには、高強度、高靱性でしかも完
全なゴムとの複合体になっていることが必要である。
タイヤの場合、まず、タイヤ用スチールコードが高強
度、高靱性であり、かつ接着状態のよいことが必要であ
る。タイヤ用スチールコードが高強度、高靱性を有する
ことにより、タイヤ用スチールコード単位重量当たりの
強力が向上し、その結果、乗心地および耐久性の向上が
図れる。しかるに、タイヤ用スチールコードとゴムとの
接着状態が悪いと、走行時にコードとゴム材とが剥離す
るいわゆるセパレーツ現象を起こし、タイヤの性能を著
しく阻害するという問題が生じる。
また、接着状態が悪いと、ゴム中の水分や外部より浸入
した水分、塩分等によって素線に錆が急速に発生し、コ
ードの強力が大巾に低下したり、セパレーツ現象を早め
て、タイヤの耐久性を著しく阻害するという問題があっ
た。
そこで、上記問題を無くすため、ゴムとの接着性を良く
するため、表面にブラスメッキを施した複数本の素線
(23)を第8図(イ)〜(ト)に示すような横断面形状
に撚り合わせたタイヤ用スチールコード(24)(撚り構
成1×3,1×4,1×5,1×3×0.20+6×0.38,1×12,3+
9,3+9+15で全てクローズ撚)が広く使用されてい
た。しかし、上記タイヤ用スチールコード(24)では各
素線(23)同士が互いに略密着して撚り合わされた構造
であるため、ゴム材で被覆したとき、ゴム材がタイヤ用
スチールコード(24)の中心空間Xや内部空間Y、Zに
まで浸入されず、ゴムとの接着が不十分であった。
このため、タイヤ用スチールコード(24)の中心や内部
にできた空間X、Y、Zに、ゴム中の水分および外部よ
り浸入した水分、塩分等が入り込み、空間X、Y、Zの
内部をタイヤ用スチールコード(24)の長手方向に伝播
し、錆の発生を促進するという問題点があった。このた
め、最近ではゴムの浸入性を良くした撚りのあまいいわ
ゆるオープンコードと称されるタイヤ用スチールコード
が提案され、使用されている。
(発明が解決使用とする課題) 最近のタイヤ用スチールコードにおいては、上述のよう
なオープン構造にすることにより、ゴムと接着性が改善
されたが、補強材としてのタイヤ用スチールコードの強
度、靱性の点で、未だ十分なものではなかった。
そこで、本発明者はタイヤ用スチールコードに用いられ
る素線の金属組成およびタイヤ用スチールコードの撚り
構造との組み合わせについて研究を重ねた結果、本発明
をなすに至ったものである。
本発明の目的は、高強度、高靱性で、かつ撚り加工性に
優れると共にゴムとの接着性も優れたタイヤ用スチール
コードと、耐久性、経済性、乗心地性に優れ、長寿命の
タイヤを提供するにある。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために、本発明の第1の発明である
タイヤ用スチールコードは、重量%で、C:0.75〜0.95
%,Si:0.45〜1.20%,Mn:0.30〜0.90%,Ni:0.05〜1.00%
を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物よりなる素線径
0.10〜0.50mmで少なくとも370kg/mm2の抗張力を持つ素
線を2本撚り合わせて成る。
第2の発明のタイヤ用スチールコードは、上記第1の発
明と同一の金属組成と素線径とを有する素線で以て2層
撚りにしたタイヤ用スチールコードであって芯ストラン
ドを3本の素線、側ストランド6本の素線で形成し、か
つ側素線の直径を芯素線の直径の略1.60〜1.80倍として
成る。
第3の発明のタイヤ用スチールコードは、前記第1の発
明と同一の金属組成と素線径とを有する素線で以て2層
撚りにしたタイヤ用スチールコードであって、芯を2本
の素線、側を6〜7本の素線で形成し、かつ芯素線と側
素線の直径を略同一にして成る。
第4の発明のタイヤ用スチールコードは、前記第1の発
明と同一の金属組成と素線径とを有する素線で以て2層
撚りにしたタイヤ用スチールコードであって、芯ストラ
ンドを3本の素線、側ストランドを9本の素線で形成
し、かつ芯素線の直径を側素線の直径の略1.05〜1.25倍
として成る。
第5の発明のタイヤ用スチールコードは、前記第1の発
明と同一の金属組成と素線径とを有する素線から成るタ
イヤ用スチールコードであって、2本の素線を撚り合わ
せた撚線群と2本の素線を撚り合わせてない素線束とを
上記撚線群と同一ピッチで撚り合わせ、かつ上記4本の
素線径を略同一にして成る。
第6の発明のタイヤ用スチールコードは、前記第1の発
明ど同一の金属組成と素線径とを有する素線で以て3層
撚りにしたタイヤ用スチールコードであって、コアを2
〜4本の素線、中間層を7〜9本の素線、外層を12〜15
本の素線で形成し、かつ中間層の各素線の中心を結ぶ線
上における各素線間の間隙の総和と、外層の各素線の中
心を結ぶ線上における各素線間の間隙の総和を、上記各
層の各素線の中心を結ぶ円周の長さの5〜20%として成
る。
ところで、少なくとも上記中間層と外層は各素線間に隙
間を有して撚り合わせて成るものである。
第7の発明であるタイヤは、上述のように構成されたタ
イヤ用スチール利己一度の複数本を、ベルト部、カーカ
ス部、チェーファ部の少なくとも一部に有して成る。上
記所定部分に設けると作業性が向上する。
次に、各添加元素の化学成分を上記のように限定した理
由について詳述する。
Cはこの種のタイヤ用スチールコードに要求される強度
を確保するために重要であり、0.75%以上が必要であ
る。しかし、C量を高めるほど高強度のタイヤ用スチー
ルコードが得られるが、高くしすぎると伸線時及び撚線
時に溶接部やC偏析部において断線が発生しやすく、ま
た熱処理においても初析セメンタイトが発生し、伸線、
撚線に悪影響をもたらすので、0.95%以下が好ましい。
Siは鋼の脱酸のため必要であり、またフェライトを固溶
強化するため、パテンティング処理材の引張強さを高め
るのに有効である。したがって、Cの場合と同様、所望
の引張強さを得るには、Si含有量は0.45〜1.20%を越え
てSiを多量に添加すると、フェライトの靱延性が劣化
し、SiO2系の非延性介在物が生成されるため、伸線時、
撚線時において破断頻度が高くなり好ましくない。
MnはSiと同様に脱酸のために必要であるが、同時に焼入
性を向上させ、引張高さを向上させるという効果があ
る。
上記効果を有効に発揮させるためには、Mn含有量は、0.
30%以上必要であるが、0.90%を越えると、成分の偏析
傾向が強くなり、靱性及び延性を低下させて好ましくな
いので、0.30〜0.90%の範囲が好適である。
次に、NiはSiと同様、フェライト中に固溶し、僅かにパ
テンティング処理材の引張強さを高める効果がある。
本発明者は、Niを適当量添加した鋼について、伸線実験
を行った結果、NiがCやNによる時効を遅らせ、鋼線の
靱延性を低下させることなく、高強度極細線を製造でき
ることを見出したのである。上記時効を遅らせるNiの効
果は、捻回試験における縦割れ発生を抑制するばかりで
なく、一定の極細線の引張強さのものにおいてでも、従
来の高炭素鋼線に比べて高い絞りを示すため、伸線時、
撚線時の断線度合を低減することができる。しかし、Ni
は鋼線の焼入性を上げるため、1.00%を越えて添加する
と、鉛パテンティング時に完全なパーライト組織が得ら
れず、マルテンサイトやベーナイト組織が発生し、伸線
加工、撚線加工が困難となる。またNiはMs点を下げるた
め、多量に添加すると、組織中の残留オーステナイト量
が増加し、伸線時、撚線時にこれらがマルテンサイトに
変態するので、伸線撚線がし難くなる。よって、Ni含有
量は0.05〜1.00%の範囲が好ましい。
次にタイヤ用スチールコードの構成について見てみる。
タイヤ用スチールコードの隣合う素線間の隙間は、ゴム
が浸入可能な範囲であればよいが、上記隙間が余り広す
ぎると、撚構成との関係で撚りが不安定となり、ゴムと
の複合材としてのモジュラスが低下するばかりか、強度
的にも不十分となる傾向になる。
よって、第2の発明においては、側素線の直径を芯素線
の直径の略1.60〜1.80倍とし、第3の発明においては、
芯を2本の素線、側を6〜7本の素線とし、第4の発明
では、芯素線の直径を側素線の直径の略1.05〜1.25倍と
し、更に、第6の発明では、中間層及び外層の各素線の
中心を結ぶ線上における各素線間の間隙の総和を、上記
中間層及び外層の各素線の中心を結ぶ円周の長さの5〜
20%にしたものである。
ところで、上記タイヤ用スチールコードは、一般的に、
表面にブラスメッキ、ブロンズメッキ等のメッキ処理を
施し、素線径が0.10〜0.50mmを有する素線を撚りピッチ
5.0〜20.0mmで撚り合わせるが、撚方向、撚りピッチは
適宜選択するもので、同方向撚り、同一ピッチでも可能
である。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
(実施例1) 第1図に示すように、化学成分が重量%で、C:0.83%,S
i:0.71%,Mn:0.52%,Ni:0.25%のほか、P:0.012%,S:0.
004%,Al:0.001%を含有し、残部が鉄及び不可避的不純
物から成、素線径0.30mmの素線(1)を1×2の撚り構
成で、撚りピッチ14.0mm、S撚りで撚り合わせてタイヤ
用スチールコード(2)を得た。
(実施例2) 化学成分が重量%で、C:0.82%,Si:0.84%,Mn:0.53%,N
i:0.52%のほか、P:0.011%,S:0.003%,Al:0.001%を含
有し、残部が鉄及び不可避的不純物ら成る素線径0.20mm
の芯ストランドとなる素線(3)と素線径0.36mmの側ス
トランドとなる素線(4)とを、3+6の撚り構成で、
撚りピッチ10.0/18.0mm、撚り方向S/S撚りで撚り合わせ
て、2層撚りのタイヤ用スチールコード(5)を得た
(第2図)。
(実施例3) 化学成分が重量%で、C:0.83%,Si:0.71%,Mn:0.52%,N
i:0.25%のほか、P:0.012%,S:0.004%,Al:0.001%を含
有し、残部が鉄及び不可避的不純物から成る素線径0.22
mmの素線(6)で以て、芯となる2本の素線束又は撚線
と側となる6本の素線とわ、2+6の撚り構成で、撚り
ピッチ12.0/12.0mm、撚り方向S/S撚りで撚り合わせて2
層撚りのタイヤ用スチールコード(7)を得た(第3図
(イ))。
また、化学成分が重量%で、C:0.86%,Si:0.97%,Mn:0.
53%,Ni:0.71%のほか、P:0.011%,S:0.004%,Al:0.001
%を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなる素線
径0.22mmの素線(8)で以て、2+7の撚り構成で、撚
りピッチ6.0/12.0mm、撚り方向S/S撚りで撚り合わせて
2層撚りのタイヤ用スチールコード(9)を得た(第3
図(ロ))。この場合、撚りピッチを同一、撚り方向を
相異することも可能である。
(実施例4) 化学成分が重量%で、C:0.82%,Si:0.84%,Mn:0.53%,N
i:0.50%のほか、P:0.010%,S:0.003%,Al:0.001%を含
有し、残部が鉄及び不可避的不純物らなる素線径0.20mm
の芯ストランドとなる素線(10)と素線径0.20mmの側ス
トランドとなる素線(11)とを、撚り構成3+9、撚り
ピッチ14.5/14.5mm、撚り方向S/Sよりで撚り合わせて2
層撚りのタイヤ用スチールコード(12)を得た(第4図
(イ))。
また第4図(ロ)は、化学成分が重量%で、C:0.86%,S
i:0.97%,Mn:0.53%,Ni:0.71%のほか、P:0.011%,S:0.
004%,Al:0.001%を含有し、残部が鉄及び不可避的不純
物からなる素線径(10)(11)とで以て上述と同一の撚
り構成3×0.22+9×0.20、撚り方向S/Sで、撚りピッ
チを6.0/12.0mmにして撚り合わせたタイヤ用スチールコ
ード(13)を示す。
(実施例5) 第5図に示すタイヤ用スチールコード(16)は、化学成
分が重量%で、C:0.82%,Si:0.62%,Mn:0.51%,Ni:0.49
%のほか、P:0.010%,S:0.003%,Al:0.001%を含有し、
残部が鉄及び不可避的不純物からなる素線径0.25mmの芯
ストランドとなる素線4本で以て、2本の素線束(14)
と撚り方向S撚り、撚りピッチ14.0mmで2本の素線を撚
った撚線(15)とを上記撚線と同一ピッチで撚り合わせ
て成る。
(実施例6) 第6図(イ)に示すタイヤ用スチールコード(20)は、
化学成分が重量%で、C:0.83%,Si:0.97%,Mn:0.53%,N
i:0.71%のほか、P:0.011%,S:0.004%,Al:0.001%を含
有し、残部が鉄及び不可避的不純物から成る素線径0.20
mmの素線(17)で以て、撚り構成3+8+12、撚り方向
S/S/Z撚り、撚りピッチ5/10.50/15.5mmで撚り合わせ、
かつ中間層(18)及び外層(19)の各素線(17)の中心
を結ぶ線上における各素線間の間隙の総和を、上記中心
を結ぶ円周の長さの5〜20%に構成したものである。
また、第6図(ロ)に示すタイヤ用スチールコード(2
2)は、化学成分が重量%で、C:0.79%,Si:0.86%,Mn:
0.51%,Ni:0.68%のほか、P:0.009%,S:0.005%,Al:0.0
02%を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなる素
線径0.20mmの素線で以て、撚り構成4+9+14、撚りピ
ッチ5/10.5/15.5mmで、撚り合わせ、かつ中間層及び外
層の各素線間の間隙の総和を中心を結ぶ円周の長さの5
〜20%に構成してなる。
ところで、この実施例6り場合、各層の素線本数は、コ
アが2〜4本、中間層が7〜9本、外層が12〜15本が適
当である。
(実施例7) 第7図に示すように、上記実施例1〜6で得られたタイ
ヤ用スチールコードのうち、例えば、実施例2のタイヤ
用スチールコード(5)複数本並列して配置してゴム材
により被覆して補強材(S)をタイヤのベルトぶ(T
a)、カーカス部(Tb)、に埋設して所望のタイヤ
(T)を構成する。
なお、上記補強材(S)は、タイヤのベルト部、カーカ
ス部、チェーファ部(Tc)の全部又は一部に配設するこ
とも可能である。
次に本発明のタイヤ用スチールコードと従来材を用いた
比較用タイヤ用スチールコードについて行った比較テス
トの結果について説明する。
第1表本発明用の改良線材と比較用としたタイヤ用スチ
ールコードの従来線材との主要化学成分を示す。
(表中:線材番号Aは従来材、同B−Fは改良線材であ
る。
上記線材(素線径5.5mm)A〜Fを、伸線加工、鉛パテ
ンティング処理を繰返し、ブラスメッキ処理を施した
後、最終湿式伸線加工によって、素線径0.25mmの素線
A′〜F′の夫々仕上げた。
そして、これら6種の素線A′〜F′について、引張強
さ、絞り及び捻回値の機械的性質を測定したところ、第
2表の如き結果を得た。
上記第2表から明らかなように、従来線材Aの素線A′
は引張強さ330KG/mm2、捻回値32回であったのに対し、
改良線材B〜Fの素線B′〜F′は、いずれも370KG/mm
2以上の高い引張強さを有すると共に絞りも十分にあ
り、しかもこのような高強度であっても40回以上の高い
捻回値を得ることが判明した。
次にこれらの素線A′〜F′を用いて、第3表の撚り構
成のタイヤ用スチールコード1〜24を作り、これらのタ
イヤ用スチールコード1〜24をゴムに埋設して接着およ
び疲労試験用サンプル1′〜24′を作り、引抜試験、発
錆度測定および疲労性測定を行ったところ、第4表に示
す如き結果を得た。
第4表において、引抜保持率とは、食塩水中に浸漬する
前にタイヤ用スチールコードをゴムから引き抜いた引抜
力と、20%食塩水中に一週間浸漬した後にタイヤ用スチ
ールコードをゴムから引き抜いた引抜力との関係を示し
たもので、タイヤ用スチールコードが未老化のときの比
率は100%であり、数値が大きい程老化(劣化)が少な
く、良好であることを示している。
また、接着劣化長さとは、ゴムに埋設したタイヤ用スチ
ールコード即ちサンプルを長さ15cmに切断し、一方の端
面を腐食液が浸透しないように合成樹脂塗料で被覆し、
室温下で濃度10%の水酸化ナトリウム水溶液に24時間浸
漬した後、タイヤ用スチールコードの腐食によりタイヤ
用スチールコードとゴム間の接着劣化した部分、すなわ
ちタイヤ用スチールコードとゴムが接着していない部分
の長さを測定し、その測定値をmmで表したものである。
150とは全長にわたって接着劣化しており、数値が大き
い程、錆の拡散が著しいことを示している。
更に、耐疲労性は従来品(サンプル番号1′)を100と
した場合の指数で示している。
第4表から明らかなように、従来の撚り構成のタイヤ用
スチールコードで従来線材からなる素線及び改良線材か
らなる素線を用いたサンプル1′〜12′は、本発明のも
の13′〜24′に比して引抜力保持率が極めて低く、また
錆の拡散が著しく、更に耐疲労性においても、はっきり
差がある。
次に、本発明のタイヤ用スチールコードをベルト部、カ
ーカス部に用いてタイヤを試作し、耐久性および運動性
能を測定した。
耐久性の評価は、長距離の実車走行テスト後、タイヤを
切断解析してタイヤ用スチールコードの破損状況、発錆
状況を測定した。また、運動性能評価は、コーナリング
パワーと乗心地性、経済性を測定した。
この結果、タイヤ用スチールコードをの破断及び発錆に
ついては、本発明のタイヤ用スチールコードを使用した
タイヤが従来タイヤに比して非常に効果があることが確
認されたが、コーナリングパワー、乗心地性については
余り大差はなかった。しかし、経済性については、本発
明のものは、高強度のため、タイヤ用スチールコードの
使用量が役12%減少することができ、タイヤの軽量化に
より、走行距離に対して燃料消費量の削減が可能となっ
た。
(発明の効果) 本発明は、特定の金属組成と撚り構造にしたので、伸
線、撚線時における塑性加工性が低下せず、すぐれた靱
性と強度を有し、またゴム浸入に優れ、素線表面がゴム
によって完全に被覆可能で、タイヤ用スチールコード内
部への水分等の浸入を防止できる。
また、引張強度が高いけれども捻回値が従来材に比して
高いので、撚線工程において撚加工が容易である。この
ため、特に素線間に隙間を設けるいわゆるオープン構造
のタイヤ用スチールコードの製造に適し、撚り工程にお
ける断線が少なく、またくせ付けも容易で所望の隙間
(オープン度)を形成できる。
更に、本発明のタイヤ用スチールコードをベルト部、カ
ーカス部、チェーファ部の全部又は一部に埋設したタイ
ヤは、経済性、乗心地性および耐久性が大巾に向上する
と共に軽量化が図れる。また、特に路面と直接接触する
トレツドに近いベルト部に設けた場合、著しい効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1のタイヤ用スチールコードの断面図、
第2図は実施例2のタイヤ用スチールコードの断面図、
第3図(イ)(ロ)は実施例3のタイヤ用スチールコー
ドの断面図第4図は(イ)(ロ)は実施例4のタイヤ用
スチールコードの断面図、第5図は実施例5のタイヤ用
スチールコードを示し、(イ)は正面図、(ロ)は
(イ)のI−I〜IV〜IV線の切断端面図、第6図(イ)
(ロ)は実施例6のタイヤ用スチールコードの断面図、
第7図は本発明のタイヤ用スチールコードを用いたタイ
ヤの一実施例を示し(イ)は概略断面図、(ロ)は
(イ)における補強材の概略説明図、第8図は(イ)
(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)(ヘ)(ト)は夫々従来の異
なるタイヤ用スチールコードの断面図である。 (1)(3)(4)(6)(8)(10)(11)(17)
(21)……素線、(2)(5)(7)(9)(12)(1
3)(16)(20)(22)……タイヤ用スチールコード、
(14)……素線束、(15)……撚線、(18)……中間
層、(19)……外層、T……タイヤ、Ta……ベルト部、
Tb……カーカス部、Tc……チェーファ部、S……補強材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−91947(JP,A) 特開 昭52−74057(JP,A) 特開 昭55−30499(JP,A) 特開 昭57−193253(JP,A) 実開 昭48−17462(JP,U) 実公 昭56−14396(JP,Y1)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、C:0.75〜0.95,Si:0.45〜1.20,M
    n:0.30〜0.90,Ni:0.05〜1.00を含有し、残部が鉄および
    不可避的不純物よりなる素線径0.10〜0.50mmで少なくと
    も370kg/mm2の抗張力を持つ素線を2本撚り合わせて成
    るタイヤ用スチールコード。
  2. 【請求項2】請求項1記載の金属組成と素線径とを有す
    る素線で以て2層撚りにしたタイヤ用スチールコードで
    あって、芯ストランドを3本の素線、側ストランドを6
    本の素線で形成し、かつ側素線の直径を芯素線の直径の
    1.60〜1.80倍としたタイヤ用スチールコード。
  3. 【請求項3】請求項1記載の金属組成と素線径とを有す
    る素線で以て2層撚りにしたタイヤ用スチールコードで
    あって、芯を2本の素線、側を6〜7本の素線で形成
    し、かつ芯素線と側素線の直径を略同一にしたタイヤ用
    スチールコード。
  4. 【請求項4】請求項1記載の金属組成と素線径とを有す
    る素線で以て2層撚りにしたタイヤ用スチールコードで
    あって、芯ストランドを3本の素線、側ストランドを9
    本の素線で形成し、かつ芯素線の直径を側素線の直径の
    略1.05〜1.25倍としたタイヤ用スチールコード。
  5. 【請求項5】請求項1記載の金属組成と素線径とを有す
    る素線から成るタイヤ用スチールコードであつて、2本
    の素線を撚り合わせた撚線群と2本の素線を撚り合わせ
    てない素線束とを上記撚線群と同一ピッチで撚り合わ
    せ、かつ上記4本の素線径を略同一にしたタイヤ用スチ
    ールコード。
  6. 【請求項6】請求項1記載の金属組成と素線径とを有す
    る素線で以て3層撚りにしたタイヤ用スチールコードで
    あって、コアを2〜4本の素線、中間層を7〜9本の素
    線、外層を12〜15本の素線で形成し、かつ中間層の各素
    線の中心を結ぶ線上における各素線間の間隙の総和と、
    外層の各素線の中心を結ぶ線上における各素線間の間隙
    の総和を、上記各層の各素線の中心を結ぶ円周の長さの
    5〜20%としたタイヤ用スチールコード。
  7. 【請求項7】請求項1、2、3、4、5又は6記載のタ
    イヤ用スチールコードをベルト部、カーカス部、チェー
    ファ部の少なくとも一部に有するタイヤ。
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