JPH076143Y2 - 液体容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、異なる２種類の液体を混合して用いる液体
化粧品等を収容する液体容器に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、乳液のような液体化粧品等を収容する液体容器
は、首部外周にねじ部が刻設された容器本体と、内周面
に上記ねじ部とら合できるねじ部が刻設されたキヤツプ
とで構成されている。そして、上記液体容器の不使用時
には、キヤツプのねじ部を容器本体のねじ部にら合させ
ることにより容器本体の開口部をキヤツプで閉塞し、使
用時には、そのら合を解除してキヤツプを外し、容器本
体内の液体化粧品等を取り出し使用するようになつてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記のような液体化粧品等には、２種類の異なる液体を
混合して使用するものがあり、この場合、上記２種類の
液体を１個の容器に収容することが行われている。この
ような２種類の液体は、容器が静止状態に保持されてい
るときには、比重の違いから上下二層に分離するため、
使用時に容器を振つて充分に撹拌することが行われてい
る。

しかしながら、上記２種類の液体からなる液体化粧品等
には、未使用時には２液を隔離した状態にしておき、使
用時の容器開封の際に、初めてその２液を混合すること
が好ましいものがある。その場合、２液をそれぞれ別の
容器に収容しておき、使用時に、それぞれを容器から取
り出し混合しなければならず、使い勝手が悪いととも
に、２個の容器を必要とするため不経済であるという問
題も有している。

この考案は、このような事情に鑑みてなされたもので、
１個の容器内に種類の異なる２液を隔離した状態で収容
できるとともに、使用時にその２液を混合して使用する
ことのできる使い勝手のよい液体容器の提供をその目的
とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するため、この考案の液体容器は、頂
部に開口部が形成された容器本体の、下部側部分を大径
に形成するとともに、その内部を底部から植立する筒状
壁部により内側収容部とその周囲に形成される外側収容
部とに区分し、上記容器本体の上部側部分を細径に形成
してその下端部を上記筒状壁部の上端部に嵌合できる嵌
合部に形成し、上記下部側部分の上端縁部と上記上部側
部分の下端側を、上下に反転可能な略ドーム状体で連結
し、そのドーム状体を下方に向けて突出させた状態のと
きに、上記上部側部分の嵌合部が上記筒状壁部の上端部
に嵌合するようにしたという構成をとる。

〔作用〕

すなわち、この液体容器では、容器本体の下部側部分が
大径に形成され、その内部が筒状壁部によつて内側収容
部と外側収容部とに区分されているとともに、容器本体
の上部側部分が細径に形成され、その下端部が上記筒状
壁部の上端部に嵌合するようになつている。そして、こ
の下部側部分の上端縁部と上部側部分の下端側が上下に
反転可能なドーム状体で連結され、そのドーム状体の反
転によつて、上部側部分を下部側部分に対して上下移動
させることができるようになつている。したがつて、上
記内側収容部と外側収容部に、それぞれ異なる種類の液
体を収容し、その状態で、ドーム状体を下方に向かつて
突出した状態にすることにより、上部側部分の下端部を
筒状壁部の上端部に嵌合させ、上記異なる液体を互いに
隔離した状態で１個の容器内に収容することができる。
また、使用の際には、上部側部分を上方に引つ張つてド
ーム状体を反転させ、その状態で容器を傾けながら振る
ことにより、上記２液を混合することができる。このよ
うに、この液体容器は、２種類の異なる液体を１個の容
器に隔離状態で収容でき、かつ使用の際には、簡単な操
作を行うだけで２液を混合できるため、使い勝手がよい
とともに、経済的である。

つぎに、この考案を実施例にもとづいて詳しく説明す
る。

〔実施例〕

第１図はこの考案の一実施例を示している。すなわち、
図において、１は有底円筒状の容器下部であり、その内
部底面から上部側に向かつて円筒状の壁部２が、容器下
部１と同軸的に植立している。３は壁部２の上端部外周
側を切り欠いて形成された段部であり、４は容器下部１
の上端外周面に刻設されたねじ部である。５は容器下部
１の上端縁部に円周に沿つて取り付けられたリング状連
結部であり、円周に沿つて下面に設けられた下向き溝部
の外側壁面に設けられたねじ部６を容器下部１のねじ部
４にら合させるとともに、その内側壁部７を容器下部１
の開口縁部に内嵌させて取り付けられている。８は外周
縁部がリング状連結部５の内周面に連結され中央側が上
下に反転可能になつたダイヤフラムからなる中央穴付の
ドーム部であり、その穴の縁部から細径の容器上部９が
植立している。この容器上部９の下端部は、壁部２の段
部３に密着状態で外嵌しており、これによつて、壁部２
内に形成される内部収容部10と、その周囲に形成される
外部収容部11とが互いに隔離された状態になつている。
また、容器上部９の上端部は、さらに細径の開口部12に
形成され、その外周面にねじ部13が刻設されている。そ
して、このねじ部13にねじ部14をさらに合させることに
より、キヤツプ15が開口部12に取り付けられ、開口を閉
塞している。なお、上記内側収容部10と、外側収容部11
には、それぞれ異なる液体が収容されている。

この構成において、使用時には、まず、第１図の状態か
ら、容器上部９を上方に引つ張つて容器全体を伸長さ
せ、第２図に示すような、ドーム部８を上方に向けて突
出させた状態にする。ついで、容器を振つて、内側収容
部10および外側収容部11に収容されている液体を混合し
充分に撹拌する。つぎに、キヤツプ15を取り外して開口
部12を開口し、その開口から内部の混合液体を取り出し
使用する。また、使用後は、第２図の状態の容器本体
に、キヤツプ15を取り付け容器を閉塞しておく。そし
て、再度の使用の際には、容器を振つて充分に撹拌した
のち、キヤツプ15を取り外し使用する。

このように、この容器によれば、異なる２種類の液体を
隔離状態で収容でき、使用の際には、その２液を混合す
ることができる。また、リング状連結部５に内側壁部７
が設けられているため、容器下部１と容器上部９の係合
がより強固になり、未使用時における、容器内の液体の
外部への漏れが確実に防止できる。さらに、容器上部９
の下端部が、壁部２の段部３に密着状態で外嵌するた
め、内部収容部10内の液体と外部収容部11内の液体を確
実に隔離することができる。

〔考案の効果〕

この考案の液体容器は、以上のように構成されているた
め、異なる２種類の液体を隔離状態で保持することがで
き、使用の際には、容器上部を引つ張つてドーム状体を
反転させ、その状態で、容器を振ることにより、上記２
種類の液体を混合することができる。したがつて、操作
が容易で使い勝手がよいとともに、容器が１個ですむた
め経済的でもある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の未使用状態を示す縦断面
図、第２図はその使用状態を示す縦断面図である。 １……容器下部、２……壁部、８……ドーム部、９……
容器上部、10……内側収容部、11……外側収容部、12…
…開口部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】頂部に開口部12が形成された容器本体の、
   下部側部分１を大径に形成するとともに、その内部を底
   部から植立する筒状壁部２により内側収容部10とその周
   囲に形成される外側収容部11とに区分し、上記容器本体
   の上部側部分９を細径に形成してその下端部を上記筒状
   壁部２の上端部に嵌合できる嵌合部に形成し、上記下部
   側部分１の上端縁部と上記上部側部分９の下端側を、上
   下に反転可能な略ドーム状体８で連結し、そのドーム状
   体８を下方に向けて突出させた状態のときに、上記上部
   側部分９の嵌合部が上記筒状壁部２の上端部に嵌合する
   ようにしたことを特徴とする液体容器。