JPH0326131Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、内部を２室に仕切り、例えば焼酎と
ソーダ水のように飲用時混合されるカクテル飲料
等の異種２液を各室に分離収納する２液混合容器
に関する。

「従来の技術」 この種容器として、例えば、実開昭58−41336
号公報記載の考案が知られている。該容器は、胴
部上端から口頸部を起立した第１容器体と、上記
口頸部内面に嵌合させた筒体と、上記口頸部外面
に周壁下部を螺合させると共に、該周壁の中間部
内面に内向きフランジを付設し、該内向きフラン
ジ内周縁から垂下した内筒部を上記筒体内に嵌合
させ、更に、周壁上端から注出筒部を起立した第
２容器体と、上記内筒部の下部内に、底壁外周縁
やや内方から起立した螺筒を嵌合させて内筒部の
下端開口を密閉する仕切り板とからなり、上記第
１容器体に対して第２容器体を回動させると、底
壁外周部上面と内筒部下端とにそれぞれ形成した
鋸状係合部が相互に係合して、仕切り板が第２容
器体と同体に螺動するのを阻止し、また、第２容
器体が仕切り板に対して螺上昇して、仕切り板が
内筒部下部内から外れ、第１、第２両容器体内の
液体が混合するよう形成している。

「考案が解決しようとする課題」 上記従来例は、内筒部下部内から外した仕切り
板を第１容器体内に落下させるよう形成したの
で、混合液体注出時に、容器を傾けると、その仕
切り板が内筒部下端開口付近に移動して、液体の
流れを遮り、液体のスムーズに流出しない虞があ
つた。

本案はそのような不都合を解消することを目的
とする。

「課題を解決するための手段」 第１周壁の上部内面に第１螺溝５を形成した第
１液収納のカツプ状の容器体１と、第２周壁６下
部外面の第１螺条７を前記第１螺溝５に螺合して
容器体１上部に内嵌させ、第２周壁６の上部内面
に略半周の拡径部８を形成し、更に該第２周壁下
面閉塞する第２底壁１０と中央部に第１透孔１１
を穿設した仕切り用ねじ皿２と、前記第１透孔１
１を閉塞する栓１２を有する板部を前記第２底壁
１０上面に重ね配置させ、かつ栓１２外囲の板部
分に第２底壁１０で閉塞される第２透孔１３を穿
設した仕切り板３と、逆さカツプ状であつて、第
３周壁１４下端開口部に前記仕切り板３を一体的
に取付けて第２液収納の密閉容器を形成し、かつ
第３周壁１４下部外面を上記第２周壁６下部内面
に螺合させ、更に、前記拡径部８内へ摺動可能に
嵌合されて、該拡径部の螺合締付方向端部に位置
する係止片１６を第３周壁１４外面から突出する
蓋部材４とからなり、上記第２周壁６と第３周壁
１４との螺合のリードを係止片１６が拡径部の弛
め方向端部に接したとき、上記第１透孔１１と第
２透孔１３とが共に開孔するよう設けた。

「作用」 上記において、常時は第１図に示すように、仕
切り板３の栓１２は仕切り用ねじ皿２の第１透孔
１１を閉栓し、同時に仕切り板３の第２透孔１３
はねじ皿２の第２底壁１０で封止されて容器体１
内と上部の蓋部材４、つまり密閉容器とを液密に
仕切つており、このとき蓋部材４の係止片１６は
第２図のように仕切り用ねじ皿２内面の拡径部８
の螺合締付方向端部に位置している。

この状態から、使用時には、蓋部材４を仕切り
用ねじ皿２との螺合を弛める方向に螺動させる。
この螺動で蓋部材４は上方に螺動し、係止片１６
は、拡径部８内を摺動して該拡径部の弛め方向端
部に接する。このとき、蓋部材４と仕切り板３と
はねじ皿２に対して上昇し、該上昇により第１、
第２透孔１１，１３が開口されて上方の密閉容器
内の第２液は容器体１内に流下し、２液が混合す
る。更にそのまま蓋部材４の回動を進めると、仕
切り用ねじ皿２が係止片１６に押されて蓋部材４
と同体に螺上昇し、最終的には蓋部材４、仕切り
板３および仕切り用ねじ皿２が一体的に容器体１
内から離脱する。

「実施例」 １は、第１液を収納したカツプ状の容器体であ
り、該容器体は、第１底壁周縁から起立した第１
周壁１８の上部内面に第１螺溝５を周設すると共
に、該第１螺溝上方の第１周壁部分を外向きフラ
ンジ状壁を介して大径化している。

上記容器体１の上部内には、仕切り用ねじ皿２
を嵌合させている。該仕切り用ねじ皿は、中央部
に第１透孔１１を穿設した第２底壁１０周縁から
第２周壁６を起立すると共に、該第２周壁の上部
に形成した上向き段部上方の第２周壁部分を大外
径部６ａとし、第２図に示すように、その大外径
部６ａ内面に略半周の拡径部８を形成し、かつ残
りの略半周を小内径部１７としている。また、上
記上向き段部下方の第２周壁部分内面および外面
には、第２螺溝９と第１螺条７とを、それぞれ周
設し、その第１螺条７を既述第１螺溝５に螺合さ
せている。

上記仕切り用ねじ皿２の第２底壁１０上面に
は、仕切り板３を重ね配置させている。該仕切り
板は、円形の板部中央部下面に付設した栓１２を
既述第１透孔１１内に水密に嵌合させ、、また、
板部の外周部上面から内筒壁２０と外筒壁とを起
立し、外筒壁の上端内面に第１係合突条１９を付
設している。更に、内筒壁２０と栓１２との間の
板部分に第２透孔１３を穿設し、該第２透孔を既
述第２底壁１０上面部分で閉塞させている。

上記容器体１上部内には、第２液を収容した蓋
部材４を嵌合させている。該蓋部材は、頂壁周縁
から、複数段部を介して順次下方を小径化した第
３周壁１４を垂下すると共に、該第３周壁の下端
部を既述内外両筒壁間に嵌合させ、かつ、第３周
壁１４下端外面に付設した第２係合突条２１を既
述第１係合突条１９下面に係合させ、第３周壁１
４の下端開口を既述仕切り板３で密閉させてい
る。また、第３周壁１４下部外面に周設した第２
螺条１５を第２螺溝９に螺合させ、更に、その第
２螺条１５上方の第３周壁部分外面から係合片１
６を突出している。該係合片は、第２図が示すよ
うに、既述拡径部８内へ摺動可能に嵌合させ、か
つ、その拡径部８の螺合締付方向端部に位置させ
ている。また、上記第３周壁１４上部外面と第２
周壁６下部内面との螺合のリードは、その係止片
１６が拡径部８の弛め方向端部に接したとき、既
述第１透孔１１と第２透孔１３とが共に開孔する
よう形成し、従つて、第１、第２両透孔を開口し
て第１、第２両液を混合させた後、蓋部材４を更
に弛め方向へ回動させると、仕切り用ねじ皿２が
係合片１６に押されて蓋部材と共に螺上昇するよ
う形成している。

上記容器体の第１周壁１８外面および蓋部材の
第３周壁１４上部外面には、シユリンクフイルム
２２を被覆させ、該シユリンクフイルムには、二
本の破断線２３，２３を縦設し、それ等破断線間
のシユリンクフイルム部分２４を引剥がし、次い
で、シユリンクフイルム全体を除去するようにし
ている。

尚、容器体１および蓋部材４に収容した第１、
第２液は、常時は分離され使用時に混合される異
種液体である。また、上記各部材は合成樹脂材で
形成する。

「考案の効果」 既述のように、容器体１内上部に嵌合した蓋部
材４と容器体１内下部とを、仕切り用ねじ皿２と
仕切り板３とで仕切り、蓋部材４の回動操作によ
りその仕切りを外し、かつ、蓋部材４、仕切り用
ねじ皿２および仕切り板３を一体的に容器体１内
から取外す構成としたから、既述従来例のよう
に、仕切りが容器体内に落下して注出の邪魔とな
ることがなくなり、また、容器体１をカツプ形と
し、かつ、蓋部材４、仕切り板３、仕切り用ねじ
皿２を一体的に取外すよう形成したから、混合液
体が飲料に供するものである場合、容器体１をそ
のまま飲用カツプとして用いることができ、携帯
用として最適であり、更に、蓋部材４を回動操作
すれば液体を混合することがき、何の面倒もな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案容器の一実施例の半部縦断面図、
第２図は、同実施例の一部の横断面図である。 １……容器体、２……仕切り用ねじ皿、３……
仕切り板、４……蓋部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 第１周壁の上部内面に第１螺溝５を形成した第
   １液収納のカツプ状の容器体１と、第２周壁６下
   部外面の第１螺条７を前記第１螺溝５に螺合して
   容器体１上部に内嵌させ、第２周壁６の上部内面
   に略半周の拡径部８を形成し、更に該第２周壁下
   面を閉塞する第２底壁１０の中央部に第１透孔１
   １を穿設した仕切り用ねじ皿２と、前記第１透孔
   １１を閉塞する栓１２を有する板部を前記第２底
   壁１０上面に重ね配置させ、かつ栓１２外囲の板
   部分に第２底壁１０で閉塞される第２透孔１３を
   穿設した仕切り板３と、逆さカツプ状であつて、
   第３周壁１４下端開口部に前記仕切り板３を一体
   的に取付けて第２液収納の密閉容器を形成し、か
   つ第３周壁１４下部外面を上記第２周壁６下部内
   面に螺合させ、更に、前記拡径部８内へ摺動可能
   に嵌合されて、該拡径部の螺合締付方向端部に位
   置する係止片１６を第３周壁１４外面から突出す
   る蓋部材４とからなり、上記第２周壁６と第３周
   壁１４との螺合のリードを係止片１６が拡径部の
   弛め方向端部に接したとき、上記第１透孔１１と
   第２透孔１３とが共に開孔するよう設けたことを
   特徴とする２液混合容器。