JPH0760918B2 - 積層用樹脂組成物 - Google Patents

積層用樹脂組成物

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JPH0760918B2 JP63181209A JP18120988A JPH0760918B2 JP H0760918 B2 JPH0760918 B2 JP H0760918B2 JP 63181209 A JP63181209 A JP 63181209A JP 18120988 A JP18120988 A JP 18120988A JP H0760918 B2 JPH0760918 B2 JP H0760918B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は積層板用樹脂組成物に関するものであり,詳
しくは,耐熱性がすぐれると共に,機械強度,接着性に
もすぐれた積層用樹脂組成物に関するものである。
〔従来の技術〕
積層板,中でも銅張積層板に対する需要の伸びは大き
く,基材と熱硬化性樹脂を組み合わせることにより,種
々の目的にかなった銅張積層板が得られている。カラー
テレビ,オーディオ機器など民生用電子機器の分野では
紙基材フェノール樹脂銅張積層板が主体に,又,コンピ
ュータ,制御器,計測機など産業用電子機器の分野では
ガラス基材エポキシ樹脂銅張積層板が主体に使用されて
いる。
しかし,高密度配線化,多層化が進展するにともない,
従来のガラス基材エポキシ樹脂銅張積層板では,寸法安
定性,耐熱性などの点で要求仕様を満足できない状況と
なり,耐熱性のすぐれた銅張積層板の開発が要望されて
いた。
耐熱性のすぐれた銅箔積層板としては,例えば特公昭60
−26423号公報に示されているように,ポリイミド樹脂
(例えばポリアミノビスマレイミド樹脂)とガラス基板
から成るものが知られており,ガラス転移温度が高い,
加熱時の寸法安定性にすぐれるなどの特徴を有してい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし,上記ポリイミド樹脂は,吸湿性が高く,湿熱時
の寸法安定性に課題があること,プリプレグ製造時の溶
剤として沸点の高い極性溶剤を用いることから,積層成
形時に溶剤が残存し易く,品質にバラツキを生ずること
などの欠点を有し,これらの解決が課題とされていた。
この発明は、この背景に基づいてなされたものであり,
従来と同程度に耐熱性にすぐれるとともに,機械強度お
よび接着性に優れた積層用樹脂組成物を得ることを目的
とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明の積層用樹脂組成物は,一般式 (式中RはH又はCH3,nは0又は1から5までの整数)
で示される多官能エポキシ化合物20〜80重量部および一
分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物80〜
20重量部を含有する組成物(A)と、この組成物(A)
のエポキシ基末端1当量当りその活性水素が0.3〜0.8当
量である割合で、芳香族ジアミノ化合物とを含有する組
成物(B)100重量部に対し,0.5〜10.0重量部のジシア
ンジアミドおよび1〜100重量部の直鎖状高分子を配合
したものである。
〔作 用〕
この発明において,多官能エポキシ化合物を主体に芳香
族ジアミノ化合物と反応させることにより,架橋密度を
高め耐熱性を向上させる一方で,架橋網目構造中にLine
arな可撓性成分として直鎖状高分子を介在させることに
より,耐熱性を維持しつつ靭性を与える組成物としたこ
とにあり,又,さらに,エポキシ化合物の硬化剤として
芳香族ジアミノ化合物に対し,一定量のジシアンジアミ
ドを併用し,硬化速度を早めることにより積層板製造時
のプリプレグレジンの流動特性の最適化をはかったこと
にある。
〔実施例〕
この発明に係わる一分子中に2個のエポキシ基を有する
化合物としては,特に限定されないが,ビスフェノール
Aおよび/またはハロゲン化ビフェノールAとエピクロ
ルヒドリンとの反応により得られるジグリシジルエーテ
ル{例えば商品名エピコート828,エピコート1001,エピ
コート1046,エピコート5050(シェル社製)},ノボラ
ック形フェノールホルムアルデヒド樹脂のポリグリシジ
ルエーテル{例えば商品名DEN438(ダウケミカル社
製),商品名EOCN104,BREN(日本化薬製)}などがあげ
られる。
又,芳香族ジアミノ化合物としては,ジアミノジフェニ
ルエーテル,ジアミノジフェニルメタン,ジアミノジフ
ェニルスルホン,ジアミノベンズアニリド,p−フェニレ
ンジアミン,m−フェニレンジアミン,ジブロムジアミノ
ジフェニルメタン,ジクロルジアミノジフェニルメタ
ン,ジアミノベンゾグアナミン,テトラブロムジアミノ
ジフェニルメタンがあげられる。
この発明においては反応を促進する目的でイミダゾール
類又はイミダゾリン類を用いても良い。その代表的なも
のは,2−メチルイミダゾール,2−エチル−4−メチルイ
ミダゾール,1−ベンジル−2−メチルイミダゾール,2−
エチル−4−メチルイミダゾリン,2−メチルイミダゾリ
ンなどである。
この発明に係わる一般式 (式中RはH又はCH3,nは0又は1から5までの整数)
で示される多官能エポキシ化合物の量は,一分子中に2
個のエポキシ基を有するエポキシ化合物80〜20重量部に
対し20〜80重量部が望ましい。20重量部に満たないと架
橋密度が上がらず耐熱性が不十分となり、80重量部を越
えると架橋密度が上がりすぎ,機械的強度が低くなる。
又,エポキシ化合物に対する芳香族ジアミノ化合物の配
合量は,エポキシ基末端1当量当りの活性水素当量で0.
3〜0.8当量が望ましく,0.3当量に満たないと,架橋密度
が十分でなく,耐熱性が劣り,0.8当量を越えると,架橋
密度が上がりすぎ,機械的強度が低くなる。
さらに硬化剤としてのジシアンジアミドの配合量は,エ
ポキシ化合物100重量部に対し,0.5〜10重量部が望まし
い。0.5重量部に満たないと,反応速度が遅く,積層用
プリプレグとした場合のレジン流動性制御が困難とな
る。又,10重量部を越えると,積層用プリプレグとした
場合のポットライフが短かくなり好ましくない。
又,直鎖状高分子としてはポリエーテルスルホン,ポリ
スルホン,ポリエーテルイミド,ポリフェニレンサルフ
ァイド,ポリエステル,フェノキシ樹脂などが好適に用
いられる。分子量は通常3,000以上が望ましい,3,000に
満たないと高分子による可撓性付与の効果が得られな
い,又,配合量は1〜100重量部が望ましく,配合量が
1重量部に満たない場合,可撓性付与の効果が十分では
なく,配合量が100重量部を越えると樹脂粘度が上がり
すぎ,積層用プリプレグ製造時の基材への含浸が不十分
である。
このようにして得られた積層用樹脂組成物は,通常次に
示す溶剤に溶解し所定濃度の樹脂液として,プリプレグ
製造に適用される。
ここで使用される溶剤としては,エチルアルコール,プ
ロピルアルコール,ブチルアルコールなどのアルコール
類,ベンゼン,トルエン,キシレンなどの芳香族炭化水
素類,アセトン,メチルエチルケトン,シクロヘキサノ
ンなどのケトン類,エチレングリコールモノメチルエー
テル,エチレングリコールモノエチルエーテル,ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル,エチレングリコー
ルモノエチルエーテルアセテート等,エチレングリコー
ル,ジエチレングリコールのエーテル類およびその酢酸
エステルなどの溶剤が好適に用いられるが,N,N′−ジメ
チルフォルムアミド,N,N′−ジメチルアセトアミド等の
アミド類,N−メチルピロリドン等の極性溶媒も用いるこ
とができる。
また,銅張積層板は,先に述べたように,上記積層板用
樹脂組成物を所定の基材に塗布,含浸後乾燥しプリプレ
グを製造し,このプリプレグに銅箔を重ね合わせ,加
熱,加圧して得られる。
ここで使用できる基材は,ガラス繊維が一般的である
が,他に芳香族ポリアミド繊維を用いることもでき又,
マット状のガラス,ポリエステル,芳香族ポリアミドを
用いることもできる。
積層用樹脂は通常室温で基材に塗布され,80〜200℃で1
分〜20分乾燥しプリプレグとされる。
得られたプリプレグは所定枚数重ね合わせ銅箔を少くと
も片面に重ねた状態で通常熱板間80〜250℃圧力5kg/cm2
〜100kg/cm2で10分〜300分加熱加圧して銅張積層板とす
る。ここに示した条件は望ましい値であるが,これに限
定されるものではない。
この発明の樹脂組成物から得られる積層板は耐熱性,半
田耐熱性,電気特性にすぐれ高密度多層用として好適に
用いられる。以下に実施例により,この発明を具体的に
説明する。
実施例1. 次式 で示されるエポキシ化合物TACTIX(ダウケミカル商品
名)の60gとエピコート5050(シェル化学商品名)40gお
よびジアミノジフェニルスルホン13g,ジシアンジアミド
2g,分子量50000のフェノキシ樹脂10g,2エチル4メチル
イミダゾール0.1gを配合し,エチレングリコールモノメ
チルエーテル77gに溶解し,60%濃度のこの発明の一実施
例の積層板用ワニスを得た。
このワニスを厚さ0.18mmのガラス織布に含浸乾燥して樹
脂含有量50重量%のプリプレグを得た。このプリプレグ
を4枚重ねて両面に35μmの銅箔を介し加熱下にプレス
成形を行った。成形条件はプレス温度170℃,プレス圧
力40kg/cm2,プレス時間60分とした。銅張積層板の物理
的,電気的性質についての評価結果を表に示す。
実施例2, 次式 で示される(n=1)エポキシ化合物EPPN505(日本化
薬商品名)の50gとエピコート5046B−80(シェル化学商
品名)の50gおよびジアミノジフェニルスルホン10g,ジ
アミノジフェニルメタン3g,ジシアンジアミド1g,分子量
50000のフェノキシ樹脂20g,2エチル4メチルイミダゾー
ル0.1gを配合し,エチレングリコールモノエチルエーテ
ル50gに溶解し,60%濃度のこの発明の他の実施例の積層
板用ワニスを得た。
このワニスを厚さ0.18mmのガラス織布に含浸乾燥して樹
脂含有量45重量%のプリプレグを得た。このプリプレグ
を4枚重ね両面に35μmの銅箔を介し加熱下にプレス成
形を行った。成形条件はプレス温度170℃,プレス圧力4
0kg/cm2,プレス時間60分とした。
得られた銅張積層板の物理的,電気的性質についての評
価結果を表に示す。
実施例3. エポキシ化合物として商品名TACTIX(ダウケミカル製)
の50gと商品名エピコート1001(油化シェル製)の50gお
よびジアミノジフェニルスルホン11.5g,ジシアンジアミ
ド2g,ポリエーテルイミド40g,2エチル4メチルイミダゾ
ール0.1gを配合し,N,N−ジメチルホルムアミド150gとエ
チレングリコールモノエチルエーテル60gに溶解し,42重
量%のこの発明の他の実施例の積層板用ワニスを得た。
このワニスを厚さ0.18mmのガラス織布に含浸乾燥して樹
脂含有量38重量%のプリプレグを得た。このプリプレグ
を4枚重ねた両面に35μmの銅箔を介し加熱下にプレス
成形を行った。成形条件はプレス温度200℃,プレス圧
力40kg/cm2,プレス時間60分とした。
得られた銅張積層板の物理的,電気的性質についての評
価結果を表に示す。
実施例4. エポキシ化合物として商品名EPPN502(日本化薬製)の2
0gと商品名エピコート5046B−80(油化シェル製)100g
およびジアミノジフェニルエーテル5g,ジアミノジフェ
ニルスルホン8g,ジシアンジアミド0.6g,ポリスルホン10
g,2−フェニルイミダゾール0.15gを配合し、エチレング
リコールモノエチルエーテル140gに溶解し,50重量%濃
度のこの発明のさらに他の実施例の積層用ワニスを得
た。
このワニスを厚さ0.18mmのガラス織布に含浸乾燥して樹
脂含有量50重量%のプリプレグを得た。
このプリプレグを4枚重ね両面に35μmの銅箔を介し加
熱下にプレス成形を行った。成形条件はプレス温度200
℃,プレス圧力40kg/cm2,プレス時間60分とした。
得られた銅張積層板の物理的,電気的性質についての評
価結果を表に示す。
比較例1. エポキシ化合物商品名エピコート5046B−80(油化シェ
ル製)1.25gにジシアンジアミド2g,2エチル4メチルイ
ミダゾール0.15gを加え,エチレングリコールモノエチ
ルエーテル65gに溶解し,53重量%濃度の積層板用ワニス
を得た。
このワニスを厚さ0.18mmのガラス織布に含浸乾燥して樹
脂含有量45重量%のプリプレグを得た。
このプリプレグを4枚重ね両面に35μmの銅箔を介し加
熱下にプレス成形を行った。成形条件はプレス温度170
℃,プレス圧力40kg/cm2,プレス時間60分とした。
得られた銅張積層板の物理的,電気的性質についての評
価結果を表に示す。
比較例2. ポリイミド樹脂ケルイミド601(日本ポリイミド
(製))100gをN−メチルピロリドン100gに溶解し,50
重量%濃度の積層板用ワニスを得た。このワニスを厚さ
0.18mmのガラス織布に含浸し150℃で30分間乾燥し樹脂
量45重量%のプリプレグを得た。このプリプレグを4枚
重ね両面に35μmの銅箔を介し220℃,40kg/cm2,90分加
熱加圧し,銅張積層板を得た。得られた銅張積層板の評
価結果を表に示す。
以上の実施例に示したように,この発明の実施例の積層
用樹脂組成物は従来と同程度に耐熱性にすぐれるととも
に,機械強度,接着性に優れた積層用樹脂組成物を与え
るものである。
〔発明の効果〕
以上説明したとおり,この発明は,一般式 (式中RはH又はCH3,nは0又は1から5までの整数を
示す。)で示される多官能エポキシ化合物20〜80重量部
および一分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化
合物80〜20重量部を含有する組成物(A)と、この組成
物(A)のエポキシ基末端1当量当りその活性水素が0.
3〜0.8当量である割合で、芳香族ジアミノ化合物とを含
有する組成物(B)100重量部に対し0.5〜10重量部のジ
シアンジアミドおよび1〜100重量部の直鎖状高分子を
配合したものを用いることにより,従来と同程度に耐熱
性に優れるとともに機械強度,接着性に優れた積層用樹
脂組成物を得ることができ,例えば銅箔と組合せて,銅
張積層板を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡 誠次 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三 菱電機株式会社生産技術研究所内 (72)発明者 磯岡 利雄 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三 菱電機株式会社生産技術研究所内 (72)発明者 丸山 佳宏 神奈川県相模原市宮下1丁目1番57号 三 菱電機株式会社相模製作所内 (72)発明者 山本 泰 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三 菱電機株式会社材料研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−146918(JP,A) 特開 平1−6018(JP,A) 特開 平1−135884(JP,A) 特開 平2−283717(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中RはH又はCH3、nは0又は1から5までの整数
    を示す。)で示される多官能エポキシ化合物20〜80重量
    部および一分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ
    化合物80〜20重量部を含有する組成物(A)と、この組
    成物(A)のエポキシ基未満1当量当りその活性水素が
    0.3〜0.8当量である割合で、芳香族ジアミノ化合物とを
    含有する組成物(B)100重量部に対し、0.5〜10重量部
    のジシアンジアミドおよび1〜100重量部の直鎖状高分
    子を配合した積層用樹脂組成物。
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