JPH075901Y2 - 粃排出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は脱ロールを用いて籾を玄米と籾殻とに分離す
る籾摺作業と、揺動選別板などを用いて摺落し米を仕上
げ玄米と籾とに分離する選別作業とを連続的に行うと共
に、その作業時に生じる粃など未熟米を取出す粃排出装
置に関する。

「従来の技術」 従来、実開昭58-178386号公報に示す如く、スイッチの
出力に基づいて切換部材を制御し、選別作業を連続して
行う技術があった。

「考案が解決しようとする問題点」 前記従来技術は、選別作業によって分離した籾に混って
粃が取出され、粃が籾と共に籾摺機に戻され、再び脱
されて選別機に戻って籾と共に取出されるもので、連続
運転を行うことにより選別される籾に混入する粃など未
熟米の量が多くなり、選別機の選別出口側でその未熟米
が詰り易く、作業を中止してその未熟米を取出す必要が
あると共に、粃など未熟米の循環により籾摺機の脱及
び風選能力並びに選別機の選別性能が低下する等の機能
上の問題があった。

「問題点を解決するための手段」 然るに、本考案は、脱ロールの摺落し米から粃を分離
して取出す未熟粒取出口を備え、脱ロールに戻す循環
側又は外部に取出す機外排出側に前記未熟粒取出口を切
換える切換弁を設けると共に、摺落し米を玄米と籾に分
離して取出す選別機の籾取出側で籾に混入している粃量
を検出する量感知センサを設け、量感知センサによって
検出する粃量が設定以上に増加したときに前記切換弁を
機外排出側に切換えるように構成したことを特徴とする
ものである。

「作用」 従って、籾摺及び選別作業によって生じた粃量の増加に
より前記切換弁を切換えてその粃を機外に取出すので、
粃など未熟米が選別出口側で詰まることがなく籾摺及び
選別作業の連続運転を安全に行い得ると共に、連続運転
中に徐々に蓄積される粃の増加により脱率を低下さ
せ、また作業能率を低下させる従来不具合をなくし得、
選別出口からの返り籾量が粃の増加により設定以上多く
なることを感知して、摺落し米の風選によって粃など未
熟米を分離して機外に自動的に排出し得、運転停止の必
要がなく循環する粃量を設定以下に維持し得、従来に比
べて脱及び風選能力並びに選別性能などの向上を容易
に図り得るものである。

「実施例」 以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述する。第１図
は要部の説明図、第２図は全体図であり、籾を投入させ
るホッパー（１）と、該ホッパー（１）出口を開閉する
シャッタ（２）と、ホッパー（１）出口下方に配置させ
る一対の脱ロール（３）（４）とを籾摺機（Ａ）に備
え、前記ホッパー（１）から籾を脱ロール（３）
（４）によって玄米と籾殻に分離すると共に、脱ロー
ル（３）（４）からの摺落し米を流下案内する落下シュ
ート（５）（６）と、落下シュート（５）（６）からの
摺落し米を玄米と籾に分離する可変流穀板（７）と、可
変流穀板（７）によって分離した玄米を機外に取出す玄
米シュート（８）と、玄米シュート（８）傾斜上端との
間に未熟粒取出口である籾出口（９）を形成する還元シ
ュート（10）と、還元シュート（10）傾斜上端側から籾
殻を吸込んで機外に放出する唐箕（11）とを備える。

そして、玄米シュート（８）の上下部に選別風吸入口
（12）（13）を形成し、玄米シュート（８）の玄米出口
側の選別風吸入口（12）に可変流穀板（７）を対向配設
させ、玄米シュート（８）上面側の籾摺選別風路（14）
内に可変流穀板（７）を設け、可変流穀板（７）傾斜下
端側から玄米シュート（８）上面に玄米を落下させる一
方、可変流穀板（７）傾斜上端側から籾出口（９）に粃
など未熟米と籾を飛散させるように構成している。

また籾取出樋（15）及び籾取出コンベア（16）を籾出口
（９）に備え、選別風吸入口（13）からの選別風を籾取
出樋（15）上方及び還元シュート（10）上面を介して唐
箕（11）に吸引させると共に、機筐（17）に形成した空
気取入口（18）から機外の空気を唐箕（11）に直接吸入
させる風力調節弁（19）を設け、この調節弁（19）の開
閉により前記吸入口（12）（13）からの選別風力を調節
するように構成している。

また前記籾出口（９）からの籾をホッパー（１）に戻す
籾循環樋（20）と、籾出口（９）からの籾を機外に取出
す籾排出樋（21）とを備え、籾取出樋（15）出口側に前
記各樋（20）（21）を二又状に連接させ、それら連接部
に塵を排出する排塵樋（22）を連接させ、籾取出樋（1
5）に対し前記各樋（20）（21）を切換弁（23）により
択一的に連通させると共に、循環樋（20）での籾詰りを
検出する循環樋センサ（24）と、排出樋（21）での籾詰
りを検出する排出樋センサ（25）とを備えるもので、前
記各樋（20）（21）を籾が流下するか否かを各センサ
（24）（25）によって検出する一方、摺落し米に含まれ
る粃を取出す未熟粒取出口である籾出口（９）を、循環
樋（20）の循環側又は排出樋（21）の機外排出側に前記
切換弁（23）により切換え連通させるように構成してい
る。

また、第２図のように、籾受入ホッパー（26）を備えて
前記ホッパー（１）に籾を搬入する籾揚上コンベア（2
7）を設け、循環樋（20）からの籾及び粃をそのコンベ
ア（27）に振動コンベア（28）を介して戻して再脱す
ると共に、排出樋（21）からの籾及び粃をコンテナ（2
9）に一時貯留させて機外に取出すように構成してい
る。

さらに、前記玄米シュート（８）からの玄米を揺動選別
機（30）の受入ホッパー（31）に搬入させる玄米揚上コ
ンベア（32）を備えると共に、揺動選別機（30）の揺動
選別板（33）に受入ホッパー（31）からの玄米を流下さ
せ、仕上げ玄米と籾に分離選別して夫々各別に取出すも
ので、前記選別板（33）上の左揺上り側に分離偏集され
る玄米層と混合米層を分離して取出す玄米仕切板（34）
と、前記選別板（33）上の右揺下り側に分離偏集される
籾層と混合米層を分離して取出す籾仕切板（35）とを備
え、前記玄米及び籾仕切板（34）（35）によって分離取
出した玄米及び混合米及び籾を排出樋（36）の玄米樋
（37）及び混合米樋（38）及び籾樋（39）を介してこの
下方の配送シュート（40）に取出すように構成してい
る。

さらに前記玄米樋（37）からの仕上げ玄米は振動コンベ
ア（41）により機外に取出され、また前記混合米樋（3
8）からの混合米は玄米揚上コンベア（32）により受入
ホッパー（31）に戻されて再選別されると共に、前記籾
樋（39）からの籾は、配送シュート（40）に内設した籾
風選樋（42）に落下し、籾風選樋（42）から返り籾とし
て振動コンベア（28）送り始端側に戻され、籾揚上コン
ベア（27）によりホッパー（１）に戻されて再脱され
るように構成している。

また前記籾風選樋（42）の内部で籾落下シュート（43）
（44）と流下シュート（45）の間に籾風選路（46）を形
成し、その籾風選樋（42）に吸気口（47）と排気ダクト
（48）を設け、該ダクト（48）を籾摺機（Ａ）の選別風
吸入口（13）に連通開口させ、吸気口（47）からの選別
風を籾風選路（46）から排気ダクト（48）を介して唐箕
（11）に吸込ませ、籾樋（39）からの籾を籾落下シュー
ト（43）（44）から流下シュート（45）に落下させると
き、その籾に混在している粉塵を前記唐箕（11）に吸引
排出させるように構成している。

また摺落し米を玄米と籾に分離する選別出口側で粃（未
熟米）量を検出する量感知センサである選別籾感圧セン
サ（49）と選別籾重量センサ（50）を備え、感圧センサ
（49）と流下シュート（45）上面に取付け、籾落下シュ
ート（43）（44）から流下シュート（45）に落下する籾
をその感圧センサ（49）に当接させ、その籾に混入して
いる粃（未熟米）量を感圧センサ（49）により検出する
と共に、前記流下シュート（45）の籾流下面に定量検出
容器（51）を取付け、その容器（51）から落下する籾重
量を前記籾重量センサ（50）のポテンショメータ（52）
によって検知させ、流下シュート（45）から取出される
籾に混入している粃（未熟米）量を重量センサ（50）に
より検出するように構成している。

さらに第３図に示す如く、マイクロコンピュータで構成
する籾摺制御回路（53）を備え、前記各センサ（24）
（25）（49）（50）をその制御回路（53）に入力接続さ
せると共に、前記切換弁（23）を循環側又は機外排出側
に切換える切換弁シリンダ（54）と、前記シャッタ
（２）を開閉作動させるシャッタ開閉シリンダ（55）と
を備え、前記各シリンダ（54）（55）を前記制御回路
（53）に出力接続させるもので、循環樋センサ（24）及
び排出樋（25）の検出結果に基づいてシャッタ開閉シリ
ンダ（55）を制御すると共に、選別籾感圧センサ（49）
及び選別籾重量センサ（50）によって検出する粃（未熟
米）量が設定以上に増加したとき、切換弁シリンダ（5
4）を制御して切換弁（23）を機外排出側に切換えるよ
うに構成している。

上記から明らかなように、脱ロール（３）（４）の摺
落し米から粃を分離して取出す未熟粒取出口である籾出
口（９）を備え、脱ロール（３）（４）に戻す循環側
又は外部に取出す機外排出側に前記籾出口（９）を切換
える切換弁（23）を設けると共に、摺落し米を玄米と籾
に分離して取出す選別機（30）の籾取出側で籾に混入し
ている粃量を検出する量感知センサである選別籾感圧セ
ンサ（49）及び選別籾重量センサ（50）を設け、前記セ
ンサ（49）（50）によって検出する粃量が設定以上に増
加したときに前記切換弁（23）を機外排出側に切換える
ように構成している。

本実施例は上記の如く構成しており、ホッパー（１）か
ら落下した籾は脱ロール（３）（４）によって脱さ
れて玄米と籾殻に分離されると共に、脱ロール（３）
（４）からの摺落し米は落下シュート（５）（６）を介
して可変流穀板（７）上面に落下し、可変流穀板（７）
傾斜下端から玄米シュート（８）を介して玄米が機外に
取出される一方、摺落し米中の籾及び粃（未熟米）と籾
殻は可変流穀板（７）傾斜上端側に飛散し、重い籾と粃
（未熟米）は籾出口（９）に落下して籾取出樋（15）に
流下し、軽い籾殻は粉塵と共に唐箕（11）に吸引されて
機外に放出される。

また籾取出樋（15）に流下した籾と粃（未熟米）は、切
換弁（23）を介して循環樋（20）から再びホッパー
（１）に戻され、或いは切換弁（23）を介して排出樋
（21）から機外のコンテナ（29）に取出される。

さらに玄米シュート（８）からの玄米は、玄米揚上コン
ベア（32）により受入ホッパー（31）に供給され、揺動
選別板（33）によって玄米と籾に分離されると共に、仕
切板（34）（35）によって仕上げ玄米と混合米と籾とに
分離して取出し、玄米樋（37）からの仕上げ玄米を機外
に取出し、混合米樋（38）からの混合米を受入ホッパー
（31）に戻して再選別し、籾樋（39）からの籾を籾風選
樋（42）に流下させて粉塵を除去した後で籾摺機（Ａ）
のホッパー（１）に戻して再脱する。

また第４図のフローチャートに示す如く、籾樋（39）か
らの籾が籾風選樋（42）内部で籾落下シュート（43）
（44）から流下シュート（45）を介して落下するとき、
選別籾感圧センサ（49）及び選別籾重量センサ（50）に
よってその籾に含まれる粃（未熟米）量の増減変化を検
出し、粃量が設定以下のときは切換弁（23）を循環側へ
切換制御した状態を維持する一方、その粃量が増加して
過大になったとき、切換弁シリンダ（54）制御により切
換弁（23）を機外排出側へ切換制御し、籾出口（９）か
らの籾及び粃をコンテナ（29）に取出す。

また前記切換弁（23）を循環側に切換えているとき、循
環樋センサ（24）によって循環樋（20）の流出状況を検
出し、循環樋（20）が詰ったときはシリンダ（54）制御
により切換弁（23）を機外排出側に切換え、そして排出
樋（21）も詰ったときはシャッタ開閉シリンダ（55）制
御によりシャッタ（２）を閉動して作業を中止する。

また選別出口からの粃量の増加により上記の如く切換弁
（23）を機外排出側に切換えたとき、排出樋センサ（2
5）によって排出樋（21）の流出状況を検出し、籾及び
粃がスムーズに流出しているときは予め設定した一定時
間経過後に、また排出樋（21）が詰っているときは瞬時
に、切換弁シリンダ（54）制御により切換弁（23）を循
環側に戻すと共に、循環樋（20）が詰ったときはシャッ
タ開閉シリンダ（55）制御によりシャッタ（２）を閉動
して作業を中止するものである。

なお、選別籾感圧センサ（49）と選別籾重量センサ（5
0）はいずれか一方だけを用いても良いと共に、上記実
施例の切換弁シリンダ（54）及びシャッタ開閉シリンダ
（55）に代え、切換弁（23）を循環側又は機外排出側に
切換える可逆電動モータと、シャッタ（２）を開動又は
閉動させる可逆電動モータを設け、前記各モータ制御に
より切換弁（23）及びシャッタ（２）を作動制御するこ
とも容易に行えるものである。

「考案の効果」 以上実施例から明らかなように本考案は、脱ロール
（３）（４）の摺落し米から粃を分離して取出す未熟粒
取出口（９）を備え、脱ロール（３）（４）に戻す循
環側又は外部に取出す機外排出側に前記未熟粒取出口
（９）を切換える切換弁（23）を設けると共に、摺落し
米を玄米と籾に分離して取出す選別機（30）の籾取出側
で籾に混入している粃量を検出する量感知センサ（49）
（50）を設け、量感知センサ（49）（50）によって検出
する粃量が設定以上に増加したときに前記切換弁（23）
を機外排出側に切換えるように構成したもので、籾摺及
び選別作業によって生じた粃量の増加により前記切換弁
（23）を切換えてその粃を機外に取出すので、粃など未
熟米が選別出口側で詰まることがなく籾摺及び選別作業
の連続運転を安全に行うことができると共に、連続運転
中に徐々に蓄積される粃の増加により脱率を低下さ
せ、また作業能率を低下させる従来不具合をなくすこと
ができ、選別出口からの返り籾量が粃の増加により設定
以上多くなることを感知して、摺落し米の風選によって
粃など未熟米を分離して機外に自動的に排出でき、運転
停止の必要がなく循環する粃量を設定以下に維持でき、
従来に比べて脱及び風選能力並びに選別性能などの向
上を容易に図ることができる等の実用的な効果を奏する
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す要部の説明図、第２図
は全体図、第３図は制御回路図、第４図はフローチャー
トである。 （９）…籾出口（未熟粒取出口） （23）…切換弁 （49）…選別籾感圧センサ（量感知センサ） （50）…選別籾重量センサ（量感知センサ）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】脱ロール（３）（４）の摺落し米から粃
   を分離して取出す未熟粒取出口（９）を備え、脱ロー
   ル（３）（４）に戻す循環側又は外部に取出す機外排出
   側に前記未熟粒取出口（９）を切換える切換弁（23）を
   設けると共に、摺落し米を玄米と籾に分離して取出す選
   別機（30）の籾取出側で籾に混入している粃量を検出す
   る量感知センサ（49）（50）を設け、量感知センサ（4
   9）（50）によって検出する粃量が設定以上に増加した
   ときに前記切換弁（23）を機外排出側に切換えるように
   構成したことを特徴とする粃排出装置。