JPH0757241A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

Info

Publication number
JPH0757241A
JPH0757241A JP19846493A JP19846493A JPH0757241A JP H0757241 A JPH0757241 A JP H0757241A JP 19846493 A JP19846493 A JP 19846493A JP 19846493 A JP19846493 A JP 19846493A JP H0757241 A JPH0757241 A JP H0757241A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
powder
magnetic layer
particle size
average particle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP19846493A
Other languages
English (en)
Inventor
Hikoyoshi Momoi
彦佳 桃井
Hitoshi Watanabe
仁 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP19846493A priority Critical patent/JPH0757241A/ja
Publication of JPH0757241A publication Critical patent/JPH0757241A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 非磁性支持体上に磁性粉末と結合剤とを主体
とする磁性層が形成されてなる磁気記録媒体において、
上記磁性層中に平均粒径が0.3〜0.5μmのAl2
3 と平均粒径が1.1〜1.4μmのAl2 3 を含
有させる。 【効果】 薄膜タイプの磁性層にも適度な研磨力を付与
できるようになり、大記録容量であるとともに、記録再
生に際する磁気ヘッドの酸化変色が防止でき、良好な記
録再生特性を発揮する磁気記録媒体を得ることが可能と
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性粉末と結合剤を主
体とする磁性塗膜を磁性層とする,いわゆる塗布型の磁
気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば磁気テープやフロッピーディスク
等の磁気記録媒体としては、非磁性支持体上に磁性粉末
や樹脂結合剤,有機溶剤,各種添加剤等を分散して調製
される磁性塗料を塗布することで磁性層が形成された,
いわゆる塗布型の磁気記録媒体が、生産性,汎用性に優
れることから主流を占めているのが現状である。
【0003】このような塗布型の磁気記録媒体を用いる
磁気記録装置においては、近年益々記録の高密度化が進
行しており、それに対応して磁気記録媒体としてもその
ような高密度記録に対応可能であることが要求されるよ
うになっている。このため、上記塗布型の磁気記録媒体
においては、酸化物磁性粉末に代わって金属磁性粉末,
合金磁性粉末を用いることにより保磁力,残留磁束密度
の向上を図ったり、磁性粉末の粒子サイズの微小化,磁
性層表面の平滑化がなされるようになっている。
【0004】ここで、以上のように高密度記録特性の向
上が図られた塗布型の磁気記録媒体を用いる場合には、
磁気ヘッドとしては飽和磁束密度の大きいセンダストや
アモルファスといった金属,合金をコア材料とする磁気
ヘッドを組み合わせて用いることが望ましい。しかし、
このような磁気記録媒体と金属,合金をコア材料とする
磁気ヘッドの組み合わせで記録再生を行った場合、以下
のような不都合も生じる。
【0005】すなわち、磁気記録媒体及び磁気ヘッドが
共に金属材料で構成されていると、酸化現象を引き起こ
し易いこと,また磁性層の表面が平滑であると、磁気ヘ
ッドに与える摩耗効果が減少すること等により、磁気ヘ
ッドと磁性層表面の高速接触における発熱が助長され、
磁性層中に含まれるバインダ及びその他の添加物の分解
等が発生して磁気ヘッドの表面が酸化変色し、ヘッドの
面粗れを引き起こし、記録再生特性の劣化を引き起こす
といった不都合が発生する。
【0006】このような不都合を改善する手段として
は、磁性層に平均粒径1.0μm以下のAl2 3 粉末
(例えば粒径0,3μm程度のAl2 3 粉末)を1重
量部〜20重量部添加することが提案されている。これ
はAl2 3 粉末を添加することで磁性層に研磨力を付
与し、これにより磁気ヘッドと磁性層表面との高速接触
による発熱を抑え、磁気ヘッド表面の酸化変色を抑えよ
うとするものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、磁性層
に平均粒径1.0μm以下のAl2 3 粉末を1重量部
〜20重量部添加するのでは、占有体積当たりの記録量
の増大を図るべく磁気記録媒体を薄膜化した場合に対応
できない。すなわち、薄膜タイプの磁気記録媒体では、
コシが弱いため、磁気ヘッドドラムの周りでのエアフィ
ルムの出来方が比較的厚さの厚い磁気記録媒体とは異な
っており、磁気ヘッドに対する接触状態がよりきつい状
況になっている。このため、このような薄膜タイプの磁
気記録媒体の磁性層に平均粒径1.0μm以下のAl2
3 粉末を添加しても厚膜タイプの磁気記録媒体に添加
する場合のような効果は得られず、やはりヘッドの酸化
変色が引き起こされ、エラーレートの増加が確認され
る。
【0008】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、薄膜タイプとした場合で
も磁性層に適度な研磨力を持たせることができ、大記録
容量であるとともに、記録再生に際する磁気ヘッドの酸
化変色が防止でき、良好な記録再生特性を発揮する磁気
記録媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明者等が鋭意検討を重ねた結果、通常用いら
れている平均粒径が0.3μm程度のAl2 3 粉末に
加えて、平均粒径が1.1〜1.4μm程度の比較的大
粒径のAl2 3 粉末を用いれば、薄膜タイプの磁性層
にも適度な研磨力を付与することができ、記録再生に際
する磁気ヘッドの酸化変色が防止できるとの知見を得る
に至った。
【0010】本発明の磁気記録媒体はこのような知見に
基づいて完成されたものであって、非磁性支持体上に磁
性粉末と結合剤とを主体とする磁性層が形成されてなる
磁気記録媒体において、上記磁性層中に平均粒径が0.
3〜0.5μmのAl2 3と平均粒径が1.1〜1.
4μmのAl2 3 が含有されていることを特徴とする
ものである。
【0011】また、上記平均粒径が1.1〜1.4μm
のAl2 3 は上記磁性粉末100重量部に対して0.
5〜1.5重量部なる割合で磁性層中に含有されている
ことを特徴とするものである。さらに、上記磁性層の厚
さは1.5〜2.0μmであることを特徴とするもので
ある。
【0012】本発明が適用される磁気記録媒体は、非磁
性支持体上に、磁性粉末と樹脂結合剤とを主体とする磁
性層が形成されてなる,いわゆる塗布型の磁気記録媒体
である。
【0013】本発明では、このような塗布型の磁気記録
媒体において磁性層中に平均粒径が0.3〜0.5μm
のAl2 3 粉末と平均粒径が1.1〜1.4μmのA
23 粉末を含有させることとする。このように平均
粒径が0.3〜0.5μmの小粒径Al2 3 粉末に加
えて平均粒径が1.1〜1.4μmの大粒径Al2 3
粉末を用いると、例え媒体が薄膜タイプであっても、磁
性層に適度な研磨力を付与することができる。したがっ
て、大記録容量であるとともに記録再生に際する磁気ヘ
ッドの酸化変色が防止でき、良好な記録再生特性を発揮
する磁気記録媒体が得られることになる。
【0014】上記大粒径Al2 3 粉末は、磁性粉末1
00重量部に対して0.5〜1.5重量部なる割合で磁
性層中に含有させることが好ましい。大粒径Al2 3
粉末の含有量が上記範囲を下回る場合には、大粒径Al
2 3 粉末を添加する効果が十分に得られず、媒体が薄
膜タイプである場合に磁気ヘッドの酸化変色を完全に抑
えられない可能性が高い。また、大粒径Al2 3 粉末
の含有量が上記範囲を上回る場合には、磁性層表面が粗
過ぎてしまい、スペーシングロスによる電磁変換特性の
劣化,磁気ヘッドの摩耗を誘発する虞れがある。
【0015】なお、小粒径Al2 3 粉末,大粒径Al
2 3 粉末を添加する効果は、磁性層の膜厚を1.5〜
2.0μm程度としたときに良く発揮される。磁性層の
膜厚が1.5μm未満である場合には、磁性層の膜厚が
大粒径Al2 3 粉末の粒径と略同じか、それよりも薄
くなり、磁性層表面が粗くなってしまう。これにより、
電磁変換特性の劣化,磁気ヘッドの摩耗が誘発される虞
れがある。逆に磁性層の膜厚が2.0μmを越える場合
には、磁性層の研磨力が不足するようになり、磁気ヘッ
ドの酸化変色,再生出力の低下が引き起こされる虞れが
ある。
【0016】なお、以上のような磁性層を構成する磁性
粉末,結合剤としては従来よりこの種の磁気記録媒体に
おいて用いられているものがいずれも使用可能である。
【0017】例えば、磁性粉末としては、γ−Fe2
3 、コバルト被着γ−Fe2 3 等の強磁性酸化鉄系粒
子、強磁性二酸化クロム系粒子、Fe、Co、Ni等の
金属やこれらを含んだ合金からなる強磁性金属系粒子、
六角板状の六方晶フェライト微粒子等が例示される。
【0018】結合剤としては、塩化ビニル,酢酸ビニ
ル,ビニルアルコール,塩化ビニリデン,アクリル酸エ
ステル,メタクリル酸エステル,スチレン,ブタジエ
ン,アクリロニトリル等の重合体、あるいはこれらの二
種以上を組み合わせた共重合体の他、ポリエステル樹
脂,エポキシ樹脂等が例示される。また、特に上記針状
磁性粉末をより良好に分散させる観点からスルホン酸金
属塩を含んだ樹脂あるいはスルホン酸金属塩を含んだ樹
脂と他の樹脂の複合樹脂等を用いることが望ましい。
【0019】なお、磁性層には、前記磁性粉末、結合
剤、Al2 3 粉末の他、添加剤として分散剤、帯電防
止剤、防錆剤等を添加するようにしても良い。これら添
加剤としては通常用いられているものがいずれも使用可
能である。
【0020】また、磁性層を形成する非磁性支持体とし
ては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−
2,6−ナフタレート等のポリエステル類、ポリプロピ
レン等のポリオレフィン類、セルローストリアセテー
ト、セルロースダイアセテート等のセルロース誘導体、
ポリアミド、ポリカーボネート等のプラスチックが挙げ
られる。また、Cu、Al、Zn等の金属、ガラス、窒
化硼素、Siカーバイド等のセラミック等も使用でき
る。これら非磁性支持体の表面には、磁性層の接着性を
向上させるために、中間層あるいは下塗層を設けても良
い。
【0021】さらに非磁性支持体の磁性層を形成した側
とは反対側の面に、媒体の走行性向上のためにバックコ
ート層を形成したり、磁性層上にさらに潤滑剤,防錆剤
等よりなるトップコート層を形成するようにしても良
い。バックコート層に使用する非磁性粉末、結合剤、ト
ップコート層に使用する潤滑剤,防錆剤には従来公知の
材料を使用することができる。
【0022】
【作用】非磁性支持体上に磁性粉末と結合剤とを主体と
する磁性層が形成されてなる磁気記録媒体において、上
記磁性層中に平均粒径が0.3〜0.5μmのAl2
3 粉末と平均粒径が1.1〜1.4μmのAl2 3
末を含有させると、例え媒体が薄膜タイプであっても、
磁性層には適度な研磨力が付与され、記録再生に際する
磁気ヘッドの酸化変色が抑えられ、良好な記録再生特性
を発揮するものとなる。
【0023】なお、上記平均粒径が1.1〜1.4μm
のAl2 3 粉末の磁性層中の含有量及び磁性層の膜厚
を規制すると、Al2 3 粉末を含有させることによっ
て副次的に発生してしまう電磁変換特性の劣化,磁気ヘ
ッドの摩耗が抑えられる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について実験結
果に基づいて説明する。
【0025】実験例1 磁性塗料の組成 強磁性金属粒子(比表面積50m2 /g) 100重量部 平均粒径0.3μmのAl2 3 粉末 8重量部 平均粒径1.2μmのAl2 3 粉末 1重量部 結合剤:ポリウレタン樹脂 8重量部 VAGH 8重量部 カーボンブラック 4重量部 ブチルステアレート 2重量部 ミリスチン酸 1重量部 メチルエチルケトン 150重量部 トルエン 90重量部
【0026】以上の組成に準じて各種塗料成分を塗料分
散機中に投入して十分に混合分散させた。その後、これ
に架橋剤としてポリイソシアネートを樹脂成分に対して
10重量%なる割合で添加し、均一分散状態となるよう
にさらに十分に混合攪拌して磁性塗料を調製した。この
磁性塗料を厚さ7μmのポリエステルフィルム上に塗布
厚2μm(乾燥後)となるように塗布した後、カレンダ
で表面の鏡面化処理を行った。次いで、これを温度60
℃下、15時間硬化させた後、8mm幅にスリット加工
して磁気テープとした。これをサンプルテープ1とす
る。
【0027】実験例2〜実験例14 平均粒径0.3μmのAl2 3 粉末,平均粒径1.2
μmのAl2 3 粉末をそれぞれ表1に示す量で磁性塗
料中に含有させたことを除いて実施例1と同様にして磁
気テープ(サンプルテープ2〜サンプルテープ14)を
作製した。実験例15 磁性塗料中にAl2 3 粉末として平均粒径0.3μm
のものを8重量部,平均粒径0.5μmのものを1重量
部添加したことを除いて、実施例1と同様にして磁気テ
ープを作製した。これをサンプルテープ15とする。
【0028】実験例16 磁性塗料中にAl2 3 粉末として平均粒径0.3μm
のものを8重量部,平均粒径0.9μmのものを1重量
部添加したことを除いて、実施例1と同様にして磁気テ
ープを作製した。これをサンプルテープ16とする。
【0029】実験例17 磁性塗料中にAl2 3 粉末として平均粒径0.3μm
のものを8重量部,平均粒径1.5μmのものを1重量
部添加したことを除いて、実施例1と同様にして磁気テ
ープを作製した。これをサンプルテープ17とする。
【0030】実験例18 磁性塗料中にAl2 3 粉末として平均粒径0.3μm
のものを8重量部,平均粒径1.8μmのものを1重量
部添加したことを除いて、実施例1と同様にして磁気テ
ープを作製した。これをサンプルテープ18とする。
【0031】以上のようにして作製されたサンプルテー
プ1〜サンプルテープ18をデータ8ミリ用ドライブ
(エクサバイト社製,商品名EXB−8500)で20
0時間記録再生させた後、該ドライブに搭載されている
磁気ヘッドの表面変色,再生出力の劣化及び磁気ヘッド
摩耗量を評価した。その結果を表1,表2に示す。
【0032】なお、ヘッドの表面変色の有無は目視で観
測することによって評価した。表中、○はヘッドの表面
に変色が起きていない場合,△はヘッドの表面に変色が
起きているが、問題ないレベルである場合,□はヘッド
の表面に変色が起きている場合,×はヘッドの表面が著
しく変色している場合をそれぞれ示すものである。
【0033】電磁変換特性は、出力のエンベロープを測
定し、それを再生出力とすることによって評価した。再
生出力の劣化は、200時間走行後の再生出力を、初期
の再生出力を100%として相対値換算することで評価
した。表中、○は200時間走行後の再生出力が初期の
再生出力の80%以上である場合,△は200時間走行
後の再生出力が初期の再生出力の70%以上である場
合,□は200時間走行後の再生出力が初期の再生出力
の60%以上である場合,×は200時間走行後の再生
出力が初期の再生出力の60%未満である場合をそれぞ
れ示すものである。
【0034】また、ヘッド摩耗量において、○はヘッド
の摩耗量が2μm以内である場合,△はヘッドの摩耗量
が4μm以内である場合,□はヘッドの摩耗量が6μm
未満である場合,×はヘッドの摩耗量が6μm以上であ
る場合をそれぞれ示すものである。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】まず、磁性層に平均粒径0.3μmのAl
2 3 粉末を8重量部,平均粒径1.2μmのAl2
3 粉末を2重量部含有させたサンプルテープ1と、サン
プルテープ1とはAl2 3 粉末の添加量が異なるサン
プルテープ2〜サンプルテープ14の場合を比較する。
【0038】サンプルテープ1の場合では、磁気ヘッド
表面に変色が生じず、磁気ヘッド表面の変色からくる再
生出力の劣化は見られない。これは磁性層中に平均粒径
1.2μmのAl2 3 粉末を含有させたことにより、
磁性層の研磨力が向上したことによるものと考えられ
る。なお、この研磨力の向上は、磁気ヘッドを摩耗変化
させる程の実使用に対して問題となるようなものではな
い。
【0039】また、サンプルテープ2〜サンプルテープ
5の場合も、サンプルテープ1と同様に磁気ヘッド表面
に変色が生じず、磁気ヘッド表面の変色からくる再生出
力の劣化は見られない。
【0040】これに対して、磁性層中に平均粒径1.2
μmのAl2 3 粉末を2重量部含有させたサンプルテ
ープ7,サンプルテープ8の場合では、磁気ヘッド表面
の変色,再生出力の劣化等については問題ないが、記録
再生初期に電磁変換特性が低く、またヘッドの摩耗量が
大きいといった問題がある。これは、磁性層表面の表面
粗度が高いことに起因しているものと思われる。
【0041】また、磁性層中に平均粒径0.3μmのA
2 3 粉末を含有させていないサンプルテープ10〜
サンプルテープ12の場合では、電磁変換特性の測定等
は可能であったが、全体における研磨剤の含有量が少な
いことから研磨力が不足しており、ヘッド表面の変色等
を測定するのに設定した時間を走行させることができな
い。
【0042】さらに、磁性層中に平均粒径1.2μmの
Al2 3 粉末を6重量部含有させたサンプルテープ1
3の場合では、磁気ヘッド表面の変色,再生出力の劣化
はなかったが、電磁変換特性が低く、ヘッドの摩耗量が
大きい。
【0043】磁性層中にAl2 3 粉末を全く含まない
サンプルテープ14の場合では、走行させると極短時間
で磁性層が破壊し、いずれの特性も評価することができ
ない。
【0044】次に、サンプルテープ1と、サンプルテー
プ1とは用いるAl2 3 粉末の粒径が異なるサンプル
テープ15〜サンプルテープ18の場合を比較すると、
平均粒径1.2μmのAl2 3 粉末の代わりに平均粒
径1.0μm未満のAl2 3 粉末を使用したサンプル
テープ15,サンプルテープ16の場合では、磁気ヘッ
ドの表面変色の度合いは軽くなるが変色を完全に抑えき
ることはできない。逆に、平均粒径1.5μm以上のA
2 3 粉末を使用したサンプルテープ17,サンプル
テープ18の場合では、磁気ヘッドの表面変色は抑えら
れるが、再生出力が大きく劣化し、満足する結果を得る
ことができない。これは、媒体の表面性の劣化,単位体
積あたりの磁性粉量が減少したことによるものと考えら
れる。
【0045】以上のことから、電磁変換特性の劣化,磁
気ヘッド摩耗量の増大を抑えて、磁性層に研磨力を付与
し磁気ヘッドの表面変色を防止するためには、通常用い
られている平均粒径0.3μm程度の小粒径Al2 3
粉末に加えて、平均粒径1.1〜1.4μmの大粒径A
2 3 粉末を0.5〜1.5重量部磁性層中に含有さ
せることが必要であることがわかる。
【0046】実験例19〜実験例21 乾燥後の磁性層が表3に示す膜厚となるように磁性塗料
を塗布したことを除いて実施例1と同様にして磁気テー
プを作製した(サンプルテープ19〜サンプルテープ2
1)。
【0047】作製されたサンプルテープ19〜サンプル
テープ21について上記データ8ミリ用ドライブ(エク
サバイト社製,商品名EXB−8500)で200時間
記録再生させた後、該ドライブに搭載されている磁気ヘ
ッドの表面変色,再生出力劣化及びヘッド摩耗量を評価
した。その結果を表3に示す。なお、表3には先のサン
プルテープ1の評価結果も併せて示す。
【0048】
【表3】
【0049】磁性層の膜厚が2μmであるサンプルテー
プ1に比べ、磁性層の膜厚を1μmとしたサンプルテー
プ19の場合では、磁性層の厚さがAl2 3 粉末の粒
径(1.2μm)よりも小さいために、磁性層表面が粗
れた状態となっており、電磁変換特性の値が安定しな
い。したがって、磁気ヘッドの表面の変色のないことだ
けは確認できたが、再生出力の劣化については評価でき
なかった。
【0050】磁性層の膜厚を3μmとしたサンプルテー
プ20の場合では、サンプルテープ1に比べて磁性層が
少し厚くなっていることにより、磁性層を形成するに際
して、磁性層がカレンダー処理によって鏡面化しやす
い。このため磁気ヘッドに対する研磨力が不足し、磁気
ヘッドの表面の変色が起きやすくなったと思われる。
【0051】磁性層の膜厚を4μm程度としたサンプル
テープ21の場合では、サンプルテープ20以上に磁性
層の膜厚が厚いことからさらに磁性層表面が鏡面化さ
れ、磁気ヘッドの表面を激しく変色させたものと考えら
れる。
【0052】このことから、Al2 3 粉末を含有させ
ることによって磁性層に適度な研磨力を付与するには磁
性層の厚さも重要であり、磁性層の厚さは1.5〜2.
0μmの範囲とするのが適当であることがわかる。
【0053】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明では、非磁性支持体上に磁性粉末と結合剤とを主体と
する磁性層が形成されてなる磁気記録媒体において、上
記磁性層中に平均粒径が0.3〜0.5μmのAl2
3 と平均粒径が1.1〜1.4μmのAl2 3 を含有
させるので、薄膜タイプの磁性層にも適度な研磨力を付
与でき、大記録容量であるとともに、記録再生に際する
磁気ヘッドの酸化変色が防止でき、良好な記録再生特性
を発揮する磁気記録媒体を得ることが可能である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に磁性粉末と結合剤とを
    主体とする磁性層が形成されてなる磁気記録媒体におい
    て、 上記磁性層中に平均粒径が0.3〜0.5μmのAl2
    3 と平均粒径が1.1〜1.4μmのAl2 3 が含
    有されていることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記平均粒径が1.1〜1.4μmのA
    2 3 は上記磁性粉末100重量部に対して0.5〜
    1.5重量部なる割合で磁性層中に含有されていること
    を特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記磁性層の厚さは1.5〜2.0μm
    であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
JP19846493A 1993-08-10 1993-08-10 磁気記録媒体 Withdrawn JPH0757241A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19846493A JPH0757241A (ja) 1993-08-10 1993-08-10 磁気記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19846493A JPH0757241A (ja) 1993-08-10 1993-08-10 磁気記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0757241A true JPH0757241A (ja) 1995-03-03

Family

ID=16391547

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19846493A Withdrawn JPH0757241A (ja) 1993-08-10 1993-08-10 磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0757241A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7115331B2 (en) Magnetic recording medium having narrow pulse width characteristics
JPS6286541A (ja) 磁気記録媒体
JPS58171721A (ja) 磁気記録媒体
JPS6292128A (ja) 磁気記録媒体
JPH0757241A (ja) 磁気記録媒体
JPS5845088B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH0770044B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2605464B2 (ja) 磁気記録媒体
JPS60125922A (ja) 磁気記録媒体
JPH059846B2 (ja)
JP2888488B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3416825B2 (ja) 磁気記録媒体
JPS60234223A (ja) 磁気記録媒体
JPH01176319A (ja) 磁気記録媒体
JPH09180171A (ja) 磁気記録媒体
JPH0628664A (ja) 磁気記録媒体
JPH05314452A (ja) 磁気テープ用リーダーテープおよびトレーラーテープ
JPH04106719A (ja) 磁気記録媒体
JPH0463525B2 (ja)
JPS6238528A (ja) 磁気記録媒体
JPH0668452A (ja) 磁気記録媒体
JPH0793741A (ja) 磁気記録媒体
US20070020488A1 (en) Magnetic recording medium having a single, thin, high-coercivity magnetic recording layer
JPH0464919A (ja) 磁気記録媒体
JPS62154230A (ja) 磁気記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20001031