JPH0756288A - ハロゲン化銀写真感光材料用定着液 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料用定着液

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JPH0756288A
JPH0756288A JP20333193A JP20333193A JPH0756288A JP H0756288 A JPH0756288 A JP H0756288A JP 20333193 A JP20333193 A JP 20333193A JP 20333193 A JP20333193 A JP 20333193A JP H0756288 A JPH0756288 A JP H0756288A
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JP
Japan
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acid
formula
hydrogen atom
group
silver halide
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JP20333193A
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English (en)
Inventor
Mitsuko Suzuki
晃子 鈴木
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 現像処理を速めると、定着時間が短くなり、
残色(感材中の色素が仕上がり画像に残り画質低下を起
こす現象)あるいは、残留銀による画像の変色が起こり
大きな問題となるので、その大幅な改善をはかる。 【構成】 定着液中に本発明の一般式(1)、(2)で
表される化合物を添加する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀感光材料
の現像処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エレクトロニクス分野を初めとする技術
の進歩発展にともない、全ての分野に迅速性が要求され
るようになって来ており、ハロゲン銀写真処理の分野も
例外ではない。特にグラフィックアーツ用感光材料、X
レイ用感光材料、スキャナー用感光材料、CRT画像記
録用感光材料のようなシート状感光材料の現像処理にお
いて、迅速処理の必要性はますます高くなってきてい
る。
【0003】又、迅速処理にすればするほど、単位時間
に単位量の感光材料を現像処理するに必要なタンク容量
は少なくてすむ、すなわち現像機が小さくてすむという
利点もあるので、そのような観点からの技術検討も多く
なされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】処理時間を速めると、
現像、定着、水洗、乾燥の各処理ステップの時間が短く
なり、それぞれの処理ステップでの負荷が大きくなる。
特に定着時間を短くすると、残色(感材中の色素が仕上
がり画像に残り画質低下を起こす現象)あるいは、残留
銀による画像の変色が起こり大きな問題となるが、十分
な解決策は見つかっていない。
【0005】本発明は此れらの解決策を見いだすために
成された。
【0006】
【課題を解決するための手段】今回、定着液中に本発明
の一般式(1)で表される化合物を添加することによっ
て上記特性が改善されることがわかった。
【0007】又、定着液中に本発明の一般式(2)で表
される化合物を添加することによっても同様に特性が改
善されることがわかった。
【0008】すなわち、上記目的は、ハロゲン化銀写真
感光材料用定着液において、下記一般式(1)で表され
る化合物又はその塩を、少なくとも一種含有することを
特徴とするハロゲン化銀写真感光材料用定着液によって
達成される。
【0009】
【化6】
【0010】〔式中、M1,M2は水素原子、対カチオ
ン、アミジノ基又は下記「化7」を表し、C1及びC
2は、水素原子又は脂肪族残基を表す、C1,C2によっ
て環を形成しても良い。Aは2価の連結基、Bは下記
「化8」を含む2価の連結基を表す。又、n:0〜10、
m:0〜10、x:1〜3の各整数。〕
【0011】
【化7】
【0012】
【化8】
【0013】〔式中、D1,D2は、水素原子又は脂肪族
残基を表す。〕 又、ハロゲン化銀写真感光材料用定着液において、下記
一般式(2)で表される化合物又はその塩を、少なくと
も一種含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光
材料用定着液によっても同様に達成される。
【0014】
【化9】
【0015】〔式中、M3,M4は、水素原子、対カチオ
ン、アミジノ基又は下記「化10」を表し、R1〜R3は、
水素原子又は脂肪族残基を表す。a,bは1〜2の整
数。〕
【0016】
【化10】
【0017】一般式(1)をさらに詳しく説明すると、
式中M1,M2の対カチオンとしてはアルカリ金属原子
(リチウム、ナトリウム、カリウムなど)、NH4 +、有機
塩基(例えばトリエチルアミン、DBU(1,8-ジアザビ
シクロ〔5.4.0〕-7-ウンデセン)など)の共役酸、4級
アンモニウム(例えば(C4H9)4N+など)、4級ホスホニ
ウム(例えば(C4H9)4P+、C6H5CH2P+(CH3)3など)などが
好ましい。
【0018】なお、M1とM2は結合してジスルフィドを
作成してもよい。
【0019】C1,C2,D1,D2の脂肪族残基としては
炭素数1〜30のアルキル基、アルケニル基、アシル基ま
たはアルキニル基が好ましく、置換されているものも含
む。中でも炭素数1〜3の置換基又は無置換アルキル基
が好ましい。
【0020】また、C1とC2が環を形成する場合は3員
から7員が好ましく、特に5員から7員が最も好まし
い。例えばモルフォリノ環などがある。
【0021】C1およびC2の脂肪族残基の置換基として
はカルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホ基、カルバ
モイル基、スルファモイル基、アミノ基、メルカプト
基、シアノ基、エステル基、スルホニル基、アルコキシ
基、アルキルチオ基、アルコキシスルホニル基、アシル
アミノ基、スルホニルアミノ基、アシルオキシ基、アシ
ル基などが好ましく、これらの置換基は可能ならば更に
置換されていてもよい。
【0022】一般式(1)で表される化合物の塩として
は、塩酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩、p-トルエンスルホン
酸塩およびメタンスルホン酸塩などがあげられる。
【0023】又、一般式(2)をさらに詳しく説明する
と、式中M3,M4の対カチオンとしてはアルカリ金属原
子(リチウム、ナトリウム、カリウムなど)、NH4 +、有
機塩基(例えばトリエチルアミン、DBU(1,8-ジアザ
ビシクロ〔5.4.0〕-7-ウンデセン)など)の共役酸、4
級アンモニウム(例えば(C4H9)4N+など)、4級ホスホ
ニウム(例えば(C4H9)4P+、C6H5CH2P+(CH3)3など)など
が好ましい。
【0024】R1〜R3の脂肪族残基としては、炭素数1
〜10のアルキル基、アルケニル基、アシル基またはアル
キニル基が好ましく、置換されているものも含む。中で
も炭素数1〜3の置換基又は無置換アルキル基が好まし
い。
【0025】また、R1とR2が環を形成する場合は3員
から7員が好ましく、特に5員から7員が最も好まし
い。例えばモルフォリノ環などがある。
【0026】R1およびR2の脂肪族残基の置換基として
はカルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホ基、カルバ
モイル基、スルファモイル基、アミノ基、メルカプト
基、シアノ基、エステル基、スルホニル基、アルコキシ
基、アルキルチオ基、アルコキシスルホニル基、アシル
アミノ基、スルホニルアミノ基、アシルオキシ基、アシ
ル基などが好ましく、これらの置換基は可能ならば更に
置換されていてもよい。
【0027】一般式(1)で表わされる化合物の塩とし
ては、塩酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩、p-トルエンスルホ
ン酸塩およびメタンスルホン酸塩などがあげられる。
【0028】次に、一般式(1)で表わされる化合物ま
たはその塩の具体的化合物例を以下に示すが、本発明は
これらの化合物に限定されるものではない。
【0029】
【化11】
【0030】
【化12】
【0031】
【化13】
【0032】
【化14】
【0033】又、一般式(2)で表わされる化合物の例
示化合物を以下に示すが本発明はこれらの化合物に限定
されない。
【0034】
【化15】
【0035】
【化16】
【0036】次にこれら化合物の合成法について述べる
と上記一般式(1)で表わされる化合物は例えばアミノ
酸抱合体として知られているシュトレッカーのアミノ酸
合成等で合成することができる。
【0037】上記の一般式(2)で表わされる化合物
は、米国特許3,779,757号、同3,341,577号、同3,232,93
6号、特開昭60-95540号、G.Schwarzenbach et sl.,Hel
v.Chim.Acta.38.1147〜1170(1955)やA.F.Ferris et s
l.,J.Med.Chem.391〜394(1966)に記載されている方法に
より合成することができる。
【0038】本発明の化合物は、それぞれ単独又は組み
合わせて用いてもよい。
【0039】本発明の一般式(1)および(2)の化合
物の添加量は、定着液1リットル当たり0.003〜1.0モル
/リットルが好ましく、特に好ましくは0.01〜0.50モル
/リットルである。
【0040】本発明の定着剤としては、チオ硫酸ナトリ
ウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウムが好ま
しいが特に好ましくはチオ硫酸アンモニウムである。
【0041】定着液としてのチオ硫酸塩の濃度は好まし
くは0.1〜5モル/リットルであり、より好ましくは0.3
〜2モル/リットルであり、さらに好ましくは0.5〜1.5
モル/リットルである。
【0042】定着剤は保恒剤として亜硫酸塩を含有し、
かかる亜硫酸塩の濃度は、チオ硫酸塩と亜硫酸塩の水に
対する溶解混合時において、0.2モル/リットル以下で
あり、好ましくは0.1モル/リットル以下である。亜硫
酸塩としては、カリウム、ナトリウム、アンモニウム塩
等が用いられ、また、定着液にはクエン酸、酒石酸、り
んご酸、琥珀酸、フェニル酢酸およびこれらの光学異性
体などが含まれることが好ましく、これらの塩として
は、例えばクエン酸カリウム、クエン酸リチウム、クエ
ン酸ナトリウム、クエン酸アンモニウム、酒石酸水素リ
チウム、酒石酸水素カリウム、酒石酸カリウム、酒石酸
水素ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸水素アンモ
ニウム、酒石酸アンモニウムカリウム、酒石酸ナトリウ
ムカリウム、りんご酸ナトリウム、りんご酸アンモニウ
ム、琥珀酸ナトリウム、琥珀酸アンモニウムなどに代表
されるリチウム、カリウム、ナトリウム、アンモニウム
塩などが好ましい物として挙げられ、この中から1種ま
たは2種以上を組み合わせ使用できる。
【0043】前記化合物の中でより好ましいものとして
は、クエン酸、イソクエン酸、リンゴ酸、フェニル酢酸
及びこれらの塩である。
【0044】前記クエン酸、酒石酸、りんご酸、琥珀酸
等は固体として供給され、水系溶媒に溶解して用いられ
る、溶解後の定着液中における好ましい含有量は0.05モ
ル/リットル以上であり、最も好ましい含有量は0.2〜
0.6モル/リットルである。
【0045】本発明の定着液は硬膜剤を含有してもよ
い。好ましく用いられる硬膜剤としては、アルミニウム
化合物で、硫酸アルミニウム、カリ明礬などがある。
【0046】定着液のpHは3.8〜5.8が好ましく、特に
好ましくは4.5〜5.1である。なお、pHが高いほど定着
性は向上するが乾燥性は劣化する。
【0047】本発明の定着液の好ましい処理剤条件は定
着時間5〜20秒で、処理温度は15〜45℃で、特に好まし
くは25〜38℃である。
【0048】
【作用】本発明の定着液には界面活性剤を添加してもよ
い。好ましい界面活性剤としては、例えば硫酸エステル
化物、スルホン化物などのアニオン界面活性剤、ポリエ
チレングリコール系、エステル系などのノニオン界面活
性剤、特開昭57-6840号公報記載の両性界面活性剤など
が挙げられる。
【0049】定着液には、前記化合物の他、種々の酸、
塩、キレート剤、湿潤剤などの添加剤を含有させること
ができる。
【0050】酸としては、例えば硫酸、塩酸、硝酸、硼
酸のような無機酸の塩や、儀酸、プロピオン酸、シュウ
酸、りんご酸などの有機酸類などが挙げられる。
【0051】塩としては、例えばこれらの酸のリチウ
ム、カリウム、ナトリウム、アンモニウムなどの塩が挙
げられる。
【0052】キレート剤としては、例えばニトリロ三酢
酸、エチレンジアミン四酢酸などのアミノポリカルボン
酸類及びこれらの塩などが挙げられる。
【0053】膨潤剤としては、例えばアルカノールアミ
ン、アルキレングリコールなどが挙げられる。
【0054】前記添加剤の中で、硫酸、硼酸、アミノポ
リカルボン酸類などの酸及び塩が好ましい。添加剤の好
ましい添加量は、0.5〜20g/リットルである。
【0055】現像剤としては、以下のような現像主薬を
含有するものである。現像主薬としては、ジヒドロキシ
ベンゼン類、3-ピラゾリドン類、アミノフェノール類、
1-アリル3-アミノピラゾリン類、アスコルビン類、ピラ
ゾロン類等、或いはこれらの混合物がある。
【0056】この他、L.F.A.Mason Photographic Proce
ssing Chemistry(Focal Press刊,1966年)の226〜229
頁、特開昭48-64933号などに記載のものを用いてもよ
い。
【0057】本発明の現像液に用いられる亜硫酸塩とし
ては、例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫
酸リチウム、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウ
ム、メタ亜硫酸カリウムなどが挙げられる。これら亜硫
酸塩の使用量は現像液1l当たり0.1モル〜2.0モルでよ
く、0.1モル〜1.0モルが好ましい。また現像液濃縮液の
場合の上限量は現像液1l当たり3.0モルまでとするの
が好ましい。
【0058】現像液には、鉄イオンに対するキレート安
定度定数が8以上であるキレート剤を含有していてもよ
い。ここで言う鉄イオンとは第2鉄(Fe3+)を意味す
る。
【0059】鉄に対するキレート安定度定数が8以上の
キレート剤としては、有機カルボン酸キレート剤、有機
リン酸キレート剤、無機リン酸キレート剤或いはポリヒ
ドロキシ化合物などが挙げられる。
【0060】これらの具体例としては例えば、エチレン
ジアミンジオルトヒドロキシフェニル酢酸、トリエチレ
ンテトラミン酢酸、ジアミノプロパン四酢酸、ニトリロ
三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジ
ヒドロキシエチルグリシン、エチレンジアミン二酢酸、
エチレンジアミン二プロピオン酸、イミノ二酢酸、ジエ
チレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢
酸、1,3-ジアミノ-2-プロパノール四酢酸、トランスシ
クロヘキサンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢
酸、グリコールエーテルアミン四酢酸、エチレンジアミ
ン-N,N,N′,N′-テトラキスメチレンホスホン酸、ニト
リロ-N,N,N-トリメチレンホスホン酸、1-ヒドロキシエ
チリデン-1,1-ジホスホン酸、1,1-ジホスホノエタン-2-
カルボン酸、2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン
酸、1-ヒドロキシ-1-ホスホノプロパン-1,2,3-トリカル
ボン酸、カテコール-3,5-ジスルホン酸、ピロリン酸ナ
トリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリ
ン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0061】本発明の現像液には、現像処理中に感光材
料中のゼラチンと硬化反応して膜物性を強化する硬膜剤
を含有させてもよい。硬膜剤としては、例えばグルタル
アルデヒド、α-メチルグルタルアルデヒド、β-メチル
グルタルアルデヒド、マレインジアルデヒド、サクシン
ジアルデヒド、メトキシサクシンジアルデヒド、メチル
サクシンジアルデヒド、α-メトキシ-β-エトキシグル
タルアルデヒド、α-n-ブトキシグルタルアルデヒド、
α,α-ジメトキシサクシンジアルデヒド、β-イソプロ
ピルサクシンジアルデヒド、α,α-ジエチルサクシン
ジアルデヒド、ブチルマレインジアルデヒド、又はこれ
らの重亜硫酸塩付加物などが用いられる。
【0062】又、上記成分以外に用いられる添加剤とし
ては、臭化ナトリウム、沃化カリウムのごとき現像抑制
剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ジメチルホルムアミド、メチルセ
ロソルブ、ヘキシレングリコール、エタノール、メタノ
ールのごとき有機溶剤或は1-フェニル-5-メルカプトテ
トラゾール、2-メルカプトベンツイミダゾール-5-スル
ホン酸ナトリウム塩等のメルカプト系化合物、5-メチル
ベンツトリアゾール等のベンツトリアゾール系化合物等
のカブリ防止剤を含んでもよく、更に必要に応じて色調
剤、界面活性剤、消泡剤などを含んでもよい。
【0063】現像液のpHは、9.0〜12でよく、好ましく
は9.0〜11.5の範囲である。pHの設定のために用いるア
ルカリ剤又は緩衝剤としては水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ホウ酸、第
三リン酸ナトリウム、第三リン酸カリウムのごときpH
調節剤を含む。
【0064】本発明に用いられるハロゲン化銀写真感光
材料の粒子は双晶でもよいし、正常晶でもよい。好まし
いアスペクト比は2〜20、好ましくは2〜15、より好ま
しくは2〜8である。正常晶粒子の晶癖は立方晶、八面
体、十四面体、二十四面体、三十六面体、また、これら
の粒子が丸みを帯びた形状のいずれでもよい。
【0065】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子のハ
ロゲン組成は沃臭化銀が特に好ましいが臭化銀、塩沃臭
化銀、塩化銀なども好ましく用いられる。
【0066】本発明の写真感光材料に用いられる乳剤
は、公知の方法で製造できる。例えば、リサーチ・ディ
スクロージャー(RD)No.17643(1978年12月)22〜23
頁の1.乳剤製造法(Emulsion Preparation and type
s)、及び同(RD)No.18716(1979年11月)648頁に記
載の方法で調製することができる。
【0067】また、T.H.James著“The theory of the p
hotographic process”第4版、Macmillan社刊(1977
年)38〜104頁に記載の方法、G.F.Dauffin著「写真乳剤
化学」“Photographic Emulsion Chemistry”、Focal p
ress社刊(1966年)、P.Glafkides著「写真の物理と化
学」“Chimie et physique photographique”Paul Mont
el社刊(1967年)、V.L.Zelikman他著「写真乳剤の製造
と塗布」“Making and Coating photographic Emulsio
n”Focal press社刊(1964年)などに記載の方法により
調製される。
【0068】本乳剤に用いられる平板状ハロゲン化銀粒
子の平均粒径は制限はないが0.2〜2.5μmが好ましく、
特に好ましくは0.5〜2.0μmである。
【0069】平板状ハロゲン化銀乳剤は、粒子直径/厚
さ(アスペクト比と呼ぶ)の平均値(平均アスペクト比
と呼ぶ)が3以上であり、好ましくは3.5〜8.0であり、
平均厚さは0.4μm以下が好ましく、より好ましくは0.3
μm以下、特に好ましくは0.05〜0.25μmである。
【0070】本乳剤に用いられるハロゲン化銀乳剤にお
いて、平板状ハロゲン化銀粒子が全ハロゲン化銀粒子に
占める割合は50%以上であり、好ましくは60%以上、特
に好ましくは70%以上である。
【0071】平板状ハロゲン化銀乳剤は単分散性である
ものが好ましく用いられ、平均粒径を中心に±20%の粒
径範囲に含まれるハロゲン化銀粒子が50重量%以上のも
のが特に好ましく用いられる。
【0072】本発明のハロゲン化銀粒子は、重量または
粒子数で、その少なくとも40%が実質的に立方体、また
は14面体粒子で、かつ結晶表面の頂点が丸みを有しても
よい。
【0073】該乳剤に用いられるハロゲン化銀粒子のサ
イズの制限は無いが、0.05〜2μmのものが好ましい。
【0074】本乳剤に用いるハロゲン化銀粒子は、0.7
μm以下の粒子を80%以上含有するのが好ましい。本発
明で用いられるハロゲン化銀粒子のサイズ分布は、単分
散でも多分散でもよいが単分散が好ましい。ここで単分
散とは、95%の粒子が数平均粒径の±40%以内のサイズ
に入る分散系である。また数平均粒径とは、粒子の投影
面積径の数平均直径である。
【0075】これらの乳剤は、物理熟成或いは粒子調製
の段階でカドニウム塩、鉛塩、亜鉛塩、タリウム塩、イ
リジウム塩又はその錯塩、ロジウム塩又はその錯塩、鉄
塩又はその錯塩などを用いてもよい。
【0076】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の内
部構造は任意であるが、ハロゲン化銀組成の異なるコア
シェル構造のものが好ましい。
【0077】該乳剤は可溶性塩類を除去するためにヌー
デル水洗法、フロキュレーション沈降法などの水洗方法
がなされている。好ましい水洗法としては、例えば特公
昭35-16086号記載のスルホ基を含む芳香炭化水素系アル
デヒド樹脂を用いる方法、又は特開平2-7037号記載の凝
集高分子剤、例示G3,G8などを用いる方法が特に好
ましい脱塩法として挙げられる。
【0078】本発明に係る乳剤は、物理熟成または化学
熟成前後の工程において、各種の写真用添加剤を用いる
ことができる。公知の添加剤としては、例えばリサーチ
・ディスクロージャーNo.17643(1978年12月)、同No.1
8716(1979年11月)及び同No.308119(1989年12月)に
記載された化合物が挙げられる。これら三つのリサーチ
・ディスクロージャーに示されている化合物種類と記載
箇所を以下に掲載した。
【0079】 添加剤 RD-17643 RD-18716 RD-308119 頁 分類 頁 頁 分類 化学増感剤 23 III 648 右上 996 III 増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 III 減感色素 23 IV 998 B 染料 25〜6 VIII 649〜650 1003 VIII 現像促進剤 29 XXI 648 右上 カブリ抑制剤・安定剤 24 IV 649 右上 1006〜7 VI 増白剤 24 V 998 V 界面活性剤 26〜27 XI 650 右 1005〜6 XI 帯電防止剤 27 XII 650 右 1006〜7 XIII 可塑剤 27 XII 650 右 1006 XII スベリ剤 27 XII マット剤 28 XVI 650 右 1008〜9 XVI バインダー 26 XXII 1009〜4 XXII 支持体 28 XVII 1009 XVII 本発明に係る感光材料に用いることのできる支持体とし
ては、例えば前述のRD-17643の28頁及びRD-308119
の1009頁に記載されているものが挙げられる。
【0080】適当な支持体としてはプラスチックフィル
ムなどで、これら支持体の表面は塗布層の接着をよくす
るために、下塗層を設けたり、コロナ放電、紫外線照射
などを施してもよい。
【0081】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0082】実施例1 (感光材料の作成)乳剤層は片面当たり銀換算値で1.7
g/m2、ゼラチン付量として2.5g/m2、 保護層はゼラ
チン付量として0.99g/m2となるように2台のスライド
ホッパー型コーターで毎分90mのスピードで、グリシジ
ルメタクリレト-メチルアクリレート−ブチルメタクリ
レート共重合体(50:10:40wt%)を濃度が10wt%に
成るように希釈して得た共重合体水性分散液を下引き液
として塗設した175μmのポリエチレンテレフタレートベ
ース上に乳剤層、保護層を両面同時塗布し、2分15秒で
乾燥して試料を得た。このとき乳剤層用塗布液および保
護層用塗布液のpHはそれぞれで4.5に調整し、塗布し
た。
【0083】(処理剤の調製)次に本発明に用いた現像
液及び定着液の組成を示す。
【0084】 現像液処方 Part-A(10.8l仕上げ用) 水酸化カリウム 340g 亜硫酸カリウム(50%溶液) 2150g ジエチレンテトラアミン5酢酸 32.3g 重炭酸水素ナトリウム 108g 1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール 15mg 5-メチルベンゾトリアゾール 150mg ハイドロキノン 280g 水を加えて 3600mlに仕上げる。
【0085】 Part-B(10.8l仕上げ用) 氷酢酸 158g トリエチレングリコール 144g 1-フェニル-3-ピラゾリドン 19.5g 5-ニトロインダゾール 0.32g n-アセチル-D,L-ペニシラミン 0.11g スターター 氷酢酸 120g 臭化カリウム 225g 水を加えて 1.0lに仕上げる。
【0086】 定着液処方 Part-A(16.4l仕上げ用) チオ硫酸アンモニウム(70wt/vol%) 3460g 亜硫酸ナトリウム 150g 酢酸ナトリウム・3水塩 350g クエン酸ナトリウム 43g グルコン酸 33g ホウ酸 26g 氷酢酸 120g 一般式(1)の化合物 表1に記載の量 Part-B(16.4l仕上げ用) 硫酸アルミニウム 56g 硫酸(50wt%) 91g スターター処方(1l仕上げ用) 氷酢酸 138g 臭化カリウム 325g 5-メチルベンゾトリアゾール 1.5g CH3N(C3H6NHCONHC2H4SC2H5)2 20mg 純水で1lに仕上げる。
【0087】なお、現像はSRX−503(コニカ(株)社
製)自動現像機を用いて、現像温度が35℃、水洗水は温
度18℃で毎分7.0リットルを供給し、乾燥温度は50℃と
した。
【0088】(処理工程) 工程 処理温度(℃) 補充量 挿入 − 現像+渡り 35 270ml/m2 定着+渡り 33 270ml/m2 水洗+渡り 18 7.0l/分 スクイズ 40 乾燥 45 合計 − 用いた自動現像機の各槽の容量は現像槽が16リットル、
定着槽が10リットル、水洗槽が10リットルであり、クリ
ンカ205(株式会社日板研究所製造、販売、主成分Si
O2,Al2O3,Ag+イオンセラミックスの粒度1.0〜1.5mm、
比重2.5〜2.6)200gを20メッシュのポリエチレン製織
布で縫製製袋した袋に充填し、水洗槽の水洗水供給部付
近に浸漬させた。また、乾燥は赤外線ヒーター(ヒータ
ー温度220℃)と温風(60℃)を併用した。
【0089】なお赤外線センサーを用いフィルムの挿入
を検出した。四つ切10枚分のフィルム面積を検出し、四
つ切10枚分の補充量(現像液210ml、定着液320ml)を補
充した。
【0090】得られた結果を下記の表1に示す。
【0091】
【表1】
【0092】自動現像機の定着時間は、定着ラックの大
きさ(定着ライン長さ)を変えて、変化させた。
【0093】〈残色評価〉残色の程度については露光を
施さない試料を処理し、その状況を目視評価した。評価
基準は以下のごとくである。
【0094】5.発生なし 4.発生するが軽微であり、全く問題なし 3.発生するが、実技上問題なし又は少ない 2.発生し、実技上も問題となる 1.発生が著しく、使用に耐えない 又、残留銀の測定評価は、次のように行った。
【0095】〈残留銀の評価〉硫化ナトリウムの2.6×1
0-3モル/リットル水溶液を残留銀評価液として残留銀
評価フィルム上5ヶ所に1滴ずつ滴下する。3分間放置
後、液をよく拭きとって常温常湿下で15時間放置後、生
成する硫化銀を写真濃度計PDA−65(コニカ(株)社
製)を用いて分光フィルタ436±10nmの干渉フィルタで
残留銀評価液滴下部分と滴下しない部分のブルー光透過
濃度を測定し、その差を平均し、残留銀量とした。即ち
この差が大きい程、処理後のフィルム中の残留銀濃度が
高いことを示す。
【0096】表1から明らかなごとく、本発明の化合物
を用いることにより、残色・残留銀の汚染が大幅に改善
されることがわかる。又、添加量についてもかなり広い
許容度を持ち、定着時間が短縮された場合でも大きな特
性低下はみられない。
【0097】実施例2 例示化合物を化合物一般式(1)のものに代えて、一般
式(2)のものにした以外は実施例1と同様にして評価
を行った。
【0098】結果を下記表2に示す。
【0099】
【表2】
【0100】この場合にも、本発明内のものは良好な特
性を持つことが明らかとなった。
【0101】
【発明の効果】現像処理を速めると、現像、定着、水
洗、乾燥の各処理ステップの時間が短くなり、それぞれ
の処理ステップでの負荷が大きくなる。特に従来定着時
間を短くすると、残色(感材中の色素が仕上がり画像に
残り画質低下を起こす現象)あるいは、残留銀による画
像の変色が起こり大きな問題となるが、本発明の化合物
を添加することにより、大幅な改善が出来る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化銀写真感光材料用定着液にお
    いて、下記一般式(1)で表される化合物又はその塩
    を、少なくとも一種含有することを特徴とするハロゲン
    化銀写真感光材料用定着液。 【化1】 〔式中、M1,M2は水素原子、対カチオン、アミジノ基
    又は下記「化2」を表し、C1及びC2は、水素原子又は
    脂肪族残基を表す、C1,C2によって環を形成しても良
    い。Aは2価の連結基、Bは下記「化3」を含む2価の
    連結基を表す。又、n:0〜10、m:0〜10、x:1〜
    3の各整数。〕 【化2】 【化3】 〔式中、C1,C2は上記に同じ、D1,D2は、水素原子
    又は脂肪族残基を表す。〕
  2. 【請求項2】 ハロゲン化銀写真感光材料用定着液にお
    いて、下記一般式(2)で表される化合物又はその塩
    を、少なくとも一種含有することを特徴とするハロゲン
    化銀写真感光材料用定着液。 【化4】 〔式中、M3,M4は、水素原子、対カチオン、アミジノ
    基又は下記「化5」を表し、R1〜R3は、水素原子又は
    脂肪族残基を表す。a,bは1〜2の整数。〕 【化5】
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