JPH0756085B2 - 前駆体繊維の熱処理方法 - Google Patents
前駆体繊維の熱処理方法Info
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- JPH0756085B2 JPH0756085B2 JP1265188A JP26518889A JPH0756085B2 JP H0756085 B2 JPH0756085 B2 JP H0756085B2 JP 1265188 A JP1265188 A JP 1265188A JP 26518889 A JP26518889 A JP 26518889A JP H0756085 B2 JPH0756085 B2 JP H0756085B2
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Description
形成性物質を溶融紡糸して得られる前駆体繊維を熱処理
する際に用いられ、特にピッチ系炭素繊維前駆体繊維の
ように、紡糸直後の繊維強度が非常に弱く、糸切れ、毛
羽立ちを起こし易い繊維を熱処理炉内を移動するコンベ
ア上に積載し、その状態で熱処理を行う方法に関する。
するには以下に述べるような方法が提案されている。す
なわち、特開昭62−90306号に依れば、紡糸して得られ
る前駆体繊維を直ちに熱処理炉に付設されたコンベア上
に連続的にほぼ矩形波状に積載して、その状態で所定の
熱処理をし、炉を出た後コンベア上の熱処理した繊維を
ネルソンローラー等により連続的に、順次解舒しながら
導出し、巻取機により巻き取られる。
程で解舒しながら炭化、黒鉛化炉へ供給される。
鉛化時に強度発現にムラが起こったり、発熱がある場合
はその均一な除熱が困難となり、単糸間の融着、極端な
場合燃焼を引き起こし、大きな問題となる。高風速で強
制通風することによって、燃焼は回避できる場合がある
が、ネットに押しつけられた部分の前駆体繊維は、部分
強度低下が起こったり、毛羽立ちも多くなるので極端な
高風速処理は難しい。従ってネット等に押しつけない上
向流あるいは低風速処理が不可欠となっていた。
る方法において、従来、熱処理ムラを避けるため積載密
度を非常に低くし、糸条と糸条が出来るだけ重なり合わ
ないような工夫がなされていた。生産性を高めるため高
積載密度で前駆体繊維を積載した場合、一般的なネット
状の底板と垂直側板を有する矩形断面形状コンベアで
は、コンベア上での熱処理中の或る段階において、熱収
縮が起こるような前駆体繊維、例えばピッチ糸等では積
載時の通風分布と熱処理中の通風分布に差が生じる。す
なわち側板と被処理繊維間に繊維の収縮によって生じた
隙間を反応ガスが吹き抜け、積載時に通風分布が良好で
あっても熱処理ムラが発生したり、燃焼が起こったりす
る問題点があった。
でも代用できる。
で均一通風できるような炉構造にすることが重要であ
り、従来、底板部の整流板等を工夫することがなされて
きた。しかし高密度積載では均一通風がより重要とな
り、前述の底板部の整流板等の改良によって対応できな
かった。
て、従来法に比べ生産性の高い高積載密度を採用しても
均一な熱処理を施すことができる方法を提供することを
目的とする。
両側に有するコンベア上に、熱処理中に収縮する前駆体
繊維を連続的に積載し、該コンベアを熱処理炉内を走行
させて該前駆体繊維を熱処理する方法において、該コン
ベアの走行方向に垂直な面で見た断面が上方に開いた形
状であるコンベアを用いて、該コンベアの両側板間でコ
ンベア床面上に積載された繊維層を、常に側板との接触
を保たせながら熱処理することを特徴とする前駆体繊維
の熱処理方法によって達成される。
た形状であるコンベアを用いると、側板と被処理繊維の
間に前駆体繊維の収縮によって生じた隙間に上層の繊維
がかぶさり、均一な熱処理を行うことができる。
繊維層の幅方向の熱収縮に応じてコンベア側板が可動す
る機構を設け、隙間が生じないようにしてもよい。前記
側板可動機構として、バネ、炉昇温パターンを利用した
バイメタル、形状記憶合金等を用いることができる。さ
らにコンベアを連続的あるいは間歇的に振動させて熱収
縮による隙間が生じる前に繊維層を徐々に均らす方法を
用いてもよい。
図面を参照して本発明の方法およびその作用を以下詳述
する。
板2とコンベア底面3とのなす角度θが、90度を有する
コンベア1′では、コンベアの高さ方向、幅方向に被処
理繊維が熱収縮した場合、熱処理が進行していくと、収
縮率に対応して第2図(b)に示された積載形状から第
2図(c)に示される積載形状へと、しだいに変化し、
コンベア側板2と被処理繊維4間に隙間5が生じる。第
1図(c)のような積載形状では、反応ガスは圧力損失
の小さい該隙間5を選択的に通過し易く、結果として有
効通風量が確保できない部分ができ熱処理ムラとなる。
繊維の無い空間部分を吹き抜けることなく、被処理繊維
層内を均一に通過することができるので、問題となる熱
処理ムラは起こらない。例えば、コンベアの側板2に第
1図(a)のようなコンベア底面3とのなす角度θが90
度より小さいある角度を設けることにより、被処理繊維
4が熱収縮を起こしても、側板2と被処理繊維4の間に
反応ガスが吹き抜けるような、大きな隙間5が生じな
い。熱処理が進行していくと第1図(b)に示されるよ
うな積載形状から、第1図(c)に示されるような積載
形状にしだいに変化する。しかし、第1図(c)の場合
幅方向に収縮しているものの、重力により被処理繊維4
全体が底板3方向に沈下し、側板2と被処理繊維4の間
に問題となる大きな隙間5を生じない。即ち、第1図
(c)に示されるような収縮した繊維層が、第1図
(d)に示されるように、側板2付近の被処理繊維4が
側板2にかぶさり、隙間5を塞ぐように作用する。
より小さいと側板2と繊維4の隙間5を塞ぐ効果があ
り、好ましくは46度〜80度が用いられる。コンベア側板
2とコンベア底面3とのなす角度θが80度より小さくな
ると、側板2付近の繊維4が重力により側板2と繊維4
の隙間5を塞ぐ効果が大きくなる。コンベア側板2とコ
ンベア底面3とのなす角度θが46度より小さい場合、コ
ンベア全幅に対する繊維積載量が小さくなり生産性が悪
くなる。
特に限定されるものでは無く、コンベア上に一定の厚み
をもって積載される一般的な方法により行われる。
理繊維4層に対し、上向流あるいは下向流のどちらの場
合においても有効であるが、部分的な繊維強度低下を防
ぐため下向流の場合はネット等に強く押しつけないよう
な風速を選ぶのが好ましい。
の上方に開いた側板を有し、幅500mmの底板に目開き1mm
のネットを用いたコンベアに、単糸径13μ、3000フィラ
メントのピッチ糸を層厚さ80mmにて積載し、熱風をコン
ベアに対し0.4m/秒の上向流で、0.8℃/分の昇温速度、
到達温度310℃にて熱処理を行った結果を第1表に示
す。熱処理後の側板と繊維層の隙間は無く、熱風吹き込
み温度310℃における繊維上層と下層の温度差は7〜20
℃であった。
5mmの側板を有し、幅500mmの底板に目開き1mmのネット
を用いたコンベアにより熱処理を行った結果は、熱処理
後の側板と繊維層の隙間は両側10mmづつ生じ、熱風吹き
込み温度310℃における繊維上層と下層の温度差は40℃
であった。この場合繊維層温度バラツキが大きくなる傾
向があり熱処理ムラが生じているといえるが、熱処理自
体は実行可能であった。
た結果を第2表に示す。コンベア底面とのなす角度θが
46〜80度のコンベアでは熱処理後の側板と繊維層の隙間
は無く、熱風吹き込み温度310℃における繊維上層と下
層の温度差は10〜37℃であった。
ベアでの処理結果は、200℃付近にて異常昇温を引き起
こしたため処理を中断した。この場合、通風ムラによる
繊維層温度バラツキ(局所温度上昇)のため燃焼したも
のと推察される。
な前駆体繊維に対して、従来法に比べ生産性の高い高積
載密度で熱処理することが可能になった。
であって、第1図(a)は側板がコンベア底面に対して
上方に開いた形状のコンベアに繊維層が積載された状態
を示す斜視図、第1図(b)は熱処理前の被処理繊維層
断面図、第1図(c)は熱処理後の被処理繊維層の沈下
前の想定断面図、第1図(d)は熱処理後の被処理繊維
層断面図である。 第2図は従来法による繊維の熱処理方法を示す図であっ
て、第2図(a)は側板のコンベア底面とのなす角度が
90゜であるコンベアに繊維層が積載された状態を示す斜
視図、第2図(b)は熱処理前の被処理繊維層断面図、
第2図(c)は熱処理後の被処理繊維層断面図である。 1……コンベア、2……側板、 3……コンベア底面、4……被処理繊維、 5……隙間、θ……側板角度。
Claims (1)
- 【請求項1】側縁より実質的に上方に立上った側板を両
側に有するコンベア上に、熱処理中に収縮する前駆体繊
維を連続的に積載し、該コンベアを熱処理炉内を走行さ
せて該前駆体繊維を熱処理する方法において、該コンベ
アの走行方向に垂直な面で見た断面が上方に開いた形状
であるコンベアを用いて、該コンベアの両側板間でコン
ベア床面上に積載された繊維層を、常に側板との接触を
保たせながら熱処理することを特徴とする前駆体繊維の
熱処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1265188A JPH0756085B2 (ja) | 1989-10-13 | 1989-10-13 | 前駆体繊維の熱処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1265188A JPH0756085B2 (ja) | 1989-10-13 | 1989-10-13 | 前駆体繊維の熱処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03130418A JPH03130418A (ja) | 1991-06-04 |
JPH0756085B2 true JPH0756085B2 (ja) | 1995-06-14 |
Family
ID=17413784
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1265188A Expired - Lifetime JPH0756085B2 (ja) | 1989-10-13 | 1989-10-13 | 前駆体繊維の熱処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0756085B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59192723A (ja) * | 1983-04-11 | 1984-11-01 | Toray Ind Inc | ピツチ糸の不融化方法 |
JPH0525022Y2 (ja) * | 1986-09-25 | 1993-06-24 | ||
JPH01239156A (ja) * | 1988-03-09 | 1989-09-25 | Kanebo Ltd | スチーマ装置 |
-
1989
- 1989-10-13 JP JP1265188A patent/JPH0756085B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03130418A (ja) | 1991-06-04 |
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