JPS6026845B2 - 縦型耐炎化処理装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は多数の耐炎性繊維東あるいは織物，編物等の耐
炎性繊維シート状物を連続的に製造するための縦型耐炎
化処理装置に関するものである。

更に詳しくは、高性能の炭素繊維を製造するのに適した
耐炎性繊維東あるし、は耐炎性繊維シート状物の製造装
置に関する。ボリアクリロニトリル系，セルロース系ま
たはピッチ系の有機重合体繊維を炭化して炭素繊維ある
いは炭素繊維シート状物を製造するに際して炭化処理時
に繊維が分解あるいは溶解して炭塊化しないようにあら
かじめ耐炎化処理することは良く知られている。

この耐炎化処理は通常２００〜４０ぴ０の酸化雰囲気下
で数十分かち数時間に及ぶ長時間の加熱処理が必要で、
工業規模で行う場合は一般に多数のローラを処理室の内
部又は外部に設け、これに被処理物を掛け回し、移送し
ながら行なわれる為、装置はかなり大型のものとなる。

耐炎化繊維量産の方向としては、処理雰囲気長を増やし
て処理スピードをあげるか、あるいはロール中を広くし
て処理量をアップする事が考えられるが、設置スペース
及び設備費や糸の均一処理等の点から限界があるため、
所定の処理中内にできるだけ多くの繊維を平行にかつ密
に並べて効率よく処理できる装置が要求される。一方耐
炎化処理は、高温で処理する程処理時間を短縮すること
ができるが、この反応は発熱止吏応であるため、反応熱
の除去を連続にかつ効果的に行なわないと繊維東内部の
温度が雰囲気温度以上に上昇し、繊維の融着や破壊が生
じ品質がそこなわれるばかりでなく、極端な場合は繊維
東が切断され、連続操業ができなくなる事態が生じる。

以上のような蓄熱による繊維の損傷は繊維東が太い場合
、すなわち上述したような多数の繊維東を密に並べて処
理する場合や織物，編物等のシート状物の場合程生じや
すく、従っていかにこの反応熱を効果的に除去するかが
生産性向上の点から重要な問題となる。かかる隣達熱に
関しては、所定の温度に加熱された酸化雰囲気気体を適
当な流速で処理室内に吹き込む方法が従来から行なわれ
ているが、気体の流速及び繊維東に対する気体の流れの
方向によって除熱効果が著しく変るにもかかわらず従釆
の装置ではこの点に関して十分な配慮がなされておらず
、均一かつ効果的な除熱を行ない得ないものであった。

例えば従来の装置は第１図に示すごとく、処理室の上下
にスリットを備えたシール室Ａ，Ｂを設け、一方のシー
ル室に気体を供給し、他方から排気するよう構成されて
いるが、この構成では処理室内で気体の流れる方向が９
ぴ変るため、局部的な偏流や渦流の発生を避け得ず、均
一な簾熱が困難である。

また処理室の側面から送気し、繊維東に直角に気体を吹
き付けるよう構成する方法も提案されているが、多数の
繊維東を密に並べた場合や織物，編物等のシート状物を
処理する場合は通気抵抗が非常に大きくなるので除熱に
必要な流速が得にくいという欠点を有しているばかりで
なく、風圧による繊維の損傷も起り易い。

本発明はかかる除熱の問題に関し、従来装置の上記欠点
を解消し、高品質，高性能の炭素繊維製品を製造し得る
ばかりでなく高温処理を行う事ができることにより生産
性の著しく高い耐炎化処理装置を提供することを目的と
している。

以下本発明を図示した実施例に基ずき詳述する。

第２図は本発明の縦型耐炎化処理装置の一実施例を示す
概略構造図であり、第３図は第２図を右側面から見た側
断面図である。

図において１は被処理物で、この被処理物は処理室２の
上部及び下部にそれぞれ設けたローラ群３ａ，３ｂおよ
び４ａ・・・・・・４ｃに図示のごとく掛け回され、図
示省略の引き取り装置により連続的に移送される。処理
室２内の上方には供給ダクト群５ａ……５ｅが被処理物
１が折り返すことにより形成される空間の数だけ被処理
物１の通る間隔を置いて設けられ、処理室の下方には前
記供給ダクト群と対向する同数の吸引ダクト群６ａ……
６ｅが設けられている。第２図および第３図に矢印で示
したごと〈、供給ダクト５ａ…・・・５ｅには加熱され
た雰囲気気体が供艶貧される。

該供艶簿ダクト群５ａ・・・・・・５ｅの下面は多孔板
７により構成されており、該供Ｖ給ダクト群に供尊台さ
れた雰囲気気体は整流されて処理室２の中方に一様な流
速で吹き出される。多孔板７は、金網，パンチングプレ
ート，格子等公３町の整流手段であればいずれでも良い
が関孔率は０．５〜０．７になるようにするのが好まし
い。

処理室２の下方に設けられた吸引ダクト群６ａ，・・・
・・・６ｅの上面は閉口されており、供給ダクト群５ａ
・・・…５ｅにて吹き出された気体はそれぞれ対向する
吸引ダクト群６ａ・・・・・・６ｅに図示省略の吸引装
置で吸引され処理室２から排気される。吸引ダクト群６
ａ……６ｅの上面は図示のごとく、供野合ダクト群５ａ
・・・・・・５ｅの下面に設けたと同じ多孔板７を設け
るのが望ましいが、必須ではない。以上の説明から明ら
かなように、本発明の構成とすることにより処理室内の
至る所において雰囲気気体の流れは被処理物に対して一
様流と成し得るので、偏流や渦流の発生は生じ得ず、中
方向及び長手方向に均一な除熱を行い得るばかりでなく
、処理室内の流体抵抗がないので広範囲の流速を実現す
ることが可能となり、被処理物の種類に応じた処理条件
を選択することができ、正産効率の高い耐炎化処理を行
うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従釆装置の概略構造を示す断面図、第２図は本
考案の縦型耐炎化処理装置の概略構造を示す断面図、第
３図は第２図を右方から見た側断面図である。 １…・・・被処理物、２・・・・・・処理室、３ａ，３
ｂ，４ａ，４ｂ，４ｃ……ローラ、５ａ〜５ｅ……供給
ダクト群、６ａ〜６ｅ……吸引ダクト群、Ａ，Ｂ・…・
・シール室、７・・・・・・多孔板、８・・・・・・ス
リット。 三ギ ナ 図 うキ ２ 図 三ギ３ 図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 熱処理室外の上部及び下部に配置されたローラ群で
   被処理物を移送しながら連続的に耐炎化処理する縦型耐
   炎化処理配置において、処理室内の上方に気体を供給す
   る為の供給ダクト群を被処理物により区画される空間の
   数だけ設け、前記処理室内の下方に該気体を吸引，排気
   するための吸引ダクト群を前記供給ダクト群と対向して
   設けたことを特徴とする縦型耐炎化処理装置。 ２ 前記供給ダクトの下面が多孔板からなる特許請求の
   範囲第１項記載の縦型耐炎化処理装置。