JPH07118933A - 炭素繊維連続焼成炉のシール方法 - Google Patents

炭素繊維連続焼成炉のシール方法

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JPH07118933A
JPH07118933A JP22542191A JP22542191A JPH07118933A JP H07118933 A JPH07118933 A JP H07118933A JP 22542191 A JP22542191 A JP 22542191A JP 22542191 A JP22542191 A JP 22542191A JP H07118933 A JPH07118933 A JP H07118933A
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pressure
firing furnace
kiln
yarn
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Hideki Nakai
秀樹 中井
Kazuoki Mochizuki
和興 望月
Kazuo Nonaka
和男 野中
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Toho Rayon Co Ltd
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    • DTEXTILES; PAPER
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    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F9/00Artificial filaments or the like of other substances; Manufacture thereof; Apparatus specially adapted for the manufacture of carbon filaments
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多数本数の糸条を連続的に焼成する炉におい
て、炉内への外気の混入と炉内のガスが炉外に漏れるの
を防止し、併て糸条に炉内分解ガス及びタール性状物の
付着するのを防止し、長期運転を可能にすること。 【構成】 糸条入口部及び/又は出口部にシール室を設
けた炭素繊維連続焼成炉のシール方法において、該シー
ル室内の圧力を、不活性ガスによって焼成炉本体内圧力
及び大気圧以上とすることを特徴とする炭素繊維連続焼
成炉のシール方法。 【効果】 高温焼成炉への空気の流入を避け、タール性
状物のシール部への付着蓄積を防止せしめ、長期間の安
定操業を可能ならしめると共に、糸条とタール性状物と
の接触を回避することにより、優れた機械特性を有する
炭素繊維を製造することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の技術分野】本発明は炭素繊維連続焼成炉のシ
ール方法に関する。更に詳しくは、多数本数の糸条を連
続的に焼成する炉において、炉内への外気の混入と、炉
内のガスが炉外に漏れるのを防止し、併て糸条に炉内分
解ガス及びタール性状物の付着するのを防止し、長期運
転を可能にするための方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】炭素繊維は、その優れた機械特性、例えば
比強度、比弾性率のゆえ、近年航空宇宙分野を中心とし
て、さまざまな軽量構造材として大量に使用されてお
り、製造コストの低減及び品質の向上が課題となってい
る。一般に、炭素繊維は、セルロース、ポリアクリロニ
トリル、ピッチ等の有機繊維を原料とし、最終の最高温
度は1000℃以上、必要によっては、2000℃の温
度で焼成される。焼成に際しては、炭素が酸素を始めと
して様々なガスと反応するので、これを防止するため、
雰囲気としては、不活性ガス中で行う必要がある。ま
た、多数の糸条を連続的に処理する高温焼成炉にあって
は、該糸条を高温焼成炉に導き、焼成後炉本体より排出
するための入口部及び出口部が不可欠であり、これ等入
口部、出口部より外気の焼成炉への流入を防止すべくシ
ール部を付設しているのが一般的である。シールの方法
としては、ガスによるシール、又は、特公昭60−56
83号公報に記載されるように、出口部を液体でシール
する方法や、例えば、特公昭62−46647号公報に
記載されるローラによるシール方法が一般的であるが、
液体によるシールの場合でも入口部は液体の炉本体への
流入を避けるため、ガスシール又はローラシールと併用
するのが普通である。これらローラシール又はガスシー
ルについては、外気の混入防止又は使用する不活性ガス
使用量の減少を目的に、例えば特公昭61−97461
号公報又は特公昭62−243831号公報に記載され
るような、種々の提案がなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】炭素繊維連続焼成炉の
シール方法において、ローラシール又はガスシールの場
合、焼成時に糸条より発生するタール性状物がこれ等シ
ール部に付着蓄積し、長時間の連続運転に制限を加えて
いる。このため、定期的に操業を止め、シール部に蓄積
したタール分を除去する必要が生じ、生産性を低下せし
める要因になっている。また、シール部に付着したター
ル性状物に糸条が接触することにより、炭素繊維が本来
有する優れた機械特性をも低下せしめる要因にもなって
いる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成から
なる。 請求項1 糸条入口部及び/又は出口部にシール室を設
けた炭素繊維連続焼成炉のシール方法において、該シー
ル室内の圧力を、不活性ガスによって焼成炉本体内圧力
及び大気圧以上とすることを特徴とする炭素繊維連続焼
成炉のシール方法。 請求項2 シール室内の圧力を大気圧より0.1〜5m
mAq高くすることを特徴とする請求項1記載のシール
方法。 請求項3 シール室内の圧力調整を、シール室、焼成炉
本体に供給する不活性ガスの流量によって行うことを特
徴とする請求項2記載のシール方法。 請求項4 シール室内の圧力調整を、焼成炉本体からの
排気ガス量によって行うことを特徴とする請求項1記載
のシール方法。
【0005】以上のような本発明によると、高温焼成炉
への空気の流入を避け、タール性状物のシール部への付
着蓄積を防止せしめ、長期間の安定操業を可能ならしめ
ると共に、糸条とタール性状物との接触を回避すること
により、優れた機械特性を有する炭素繊維を製造するこ
とができる。
【0006】本発明において、炭素繊維とは、セルロー
ス、ポリアクリロニトリル、ピッチ等の有機繊維を原料
として、500℃以上で最高昇華温度迄の温度で焼成さ
れた繊維であり、通常は、これらの温度で焼成される前
に、前処理がされる。糸条とは、このような炭素繊維自
体又は焼成して炭素繊維にされるための、前処理した原
料繊維をいう。
【0007】本発明において焼成炉とは、前記糸条を不
活性ガス中で加熱処理し連続的に炭素繊維とするための
処理炉であって、炉への糸条の導入口・排出口にはシー
ル室を有する。シール室は、導入口・排出口の両方にあ
ることは必要でなく、何れか一方、例えば、炉の糸条排
出口は液体シールであり、糸条導入口のみにシール室を
有する焼成炉であってもよい。シール室の圧力は、焼成
炉内部圧力以上とする。そのようにしないと、焼成炉内
部圧力未満となると焼成炉内の分解ガスを含む雰囲気ガ
スがシール室に流入し、シール室で冷却しタール性状物
がミストとなって糸条やシール部に付着し、製品の膠着
・毛羽立ち・切断の原因となり、長期操業を不能とする
からである。このシール室の圧力は、焼成炉内の圧力よ
り高くする場合、水柱で3mmAq以下までの範囲とす
るのがよい。圧力差を3mmAqより大きくした場合も
本発明の効果は得られるが、この場合、大量の不活性ガ
スを必要とし、経済的理由で利点がない。特に好ましく
は2mmAq以下である。シール室の圧力は、大気圧よ
り高くする。これにより、大気の焼成炉への流入を防止
する。このシール室と大気圧との圧力差は水柱で0.1
〜5mmAqとするのがよい。圧力差を5mmAqより
大きくすることは、前述したと同様な理由によって利点
はないシール室の圧力調整は、シール室へのガス供給量
の調整によって行う。シール室に供給されるガスは、不
活性ガスであり、通常焼成炉に供給されるガスと同一成
分のガスが用いられ、通常は、ヘリウム、アルゴン、窒
素、塩素、二酸化硫黄等が用いられる。
【0008】焼成炉には、被処理糸条より発生したター
ル性状物を含む酸化性ガスをシールに供給されるガスと
同一成分のガス流により焼成炉外へ排出する機構を有し
ているのが通常である。この排ガス量を調整することに
より、シール室と焼成炉内の圧力差を維持することが可
能である。通常、排出ガス量は、焼成炉へ供給するガス
量、糸条より発生するガス量総和の1〜2倍の範囲内で
シール室から焼成炉へ流入するガスを調整して行なわれ
る。シール室の温度は、炉内温度より低くし、200〜
500℃の範囲とするのが好ましい。特に好ましくは、
250〜400℃である。200℃以下では焼成炉内温
度との温度差が大きく、機構上シール室と焼成炉本体の
間に温度緩衝ゾーンを設ける必要があり、設備が複雑に
なる。また、500℃以上では糸条に含まれた微量の空
気により糸条が損傷を受けるので好ましくない。シール
室の構造は、単室でもよいが、多室構造の緩衝機構とし
た方が、糸条に与えるダメージは少ない。緩衝機構の典
型的構造はラビリンス構造である。シール室と大気との
境界、シール室と焼成炉雰囲気との境界を糸条が通過す
る際は、非接触形とするのがよい。特にシール室と焼成
炉との境界を、例えばローラーのような接触形とする
と、接触部での糸条の損傷、又は、ローラーへの糸条の
巻付き等の問題が発生しやすくなるので、好ましくな
い。シール室と大気との境界、シール室と焼成炉雰囲気
との境界は、糸条1本毎か、又は、多本束シートが無接
触で通過するノーズを、シール室の中、又は、外に突出
させ、このノーズ内をラビリンス機構とすることもで
き、好ましい機構である。
【0009】本発明を図面によって説明する。第1図は
本発明の一実施態様を示すもので、入口部、出口部にシ
ール室を有する炭素繊維製造用高温焼成炉長手方向の概
略縦断面図である。第1図において、1は糸条の進行方
向を示し、2、3はシール室、4は高温焼成炉本体を示
す。17は糸条を炭素化、又は、黒鉛化処理せしめるた
め、焼成炉本体に設けた焼成室を示す。糸条は1より高
温焼成炉に設けた入口部シール室2に入り、焼成室17
を通り出口部シール室3より次工程に導かれる。ここで
高温焼成炉のサイズについては、通常、糸条の焼成炉通
過時間が1分以上あれば、特に限定されるものではな
い。一方、シール室には予め外部の加熱装置により加熱
された不活性ガス(窒素、アルゴン及び其の他の不活性
ガス)が18、19より送り込まれる。焼成炉本体に
は、5、6より加熱された不活性ガスが送り込まれ、そ
れぞれ、9、10のヒーターにより所定の温度に調整し
た後、11の整流板を通り焼成室に送り込まれる。加熱
後の不活性ガスの温度は加熱装置、配管等に悪影響を与
えない範囲なら、特に限定するものではないが、通常6
00℃以下に調節される。焼成室に送り込まれた不活性
ガスにより、糸条より発生する分解ガスとタール性状物
とを12、13より排出さしめる。本発明の適用を好適
にする上から、14、15、16に示す圧力検知計は設
けるのがよい。7、8はシール部を示す。通常シール部
は2枚の平行板より構成されており、平行板の間隙は不
活性ガス使用量の節減を図るため、20mm以下、好ま
しくは10mm以下に設定する。なお、平行板に代わっ
て、ラビリンスシール、ローラシールを用いても本発明
の効果を損なうものではない。シール部の材質としては
金属、又は、グラファイトを使用するのが好ましい。第
2図は、本発明の効果をより詳しく説明するためにシー
ル室の断面図にガスの流れを加えた図である。Pは大
気圧、Pはシール室の圧力、Pは焼成炉本体の圧力
を示す。ここで、シール室、焼成炉本体に送り込む不活
性ガス量(F、F)と焼成炉本体よりの排出ガス量
(E)をP<P>Pの関係を維持するように設
定するとガスの流れは第2図に示したようになり、外気
のシール室への流入及び高温焼成炉の焼成室で発生した
分解ガス、タール性状物のシール部への付着蓄積を防止
することが可能となる。
【0010】
【発明の効果】シール室内に設けた不活性ガス流入管よ
りの不活性ガスの流量と、高温焼成炉内で発生するター
ル性状物を含む分解ガスを炉外に排出するために設けた
ガス排出管よりのガス流量及び高温焼成炉内を不活性な
状態に維持する目的で設けられた焼成炉への不活性ガス
流入管よりの不活性ガス流量の三者を適当な流量に保持
することにより、シール室内の圧力を大気圧より高めに
し、しかも、シール室内の圧力を高温焼成炉本体の圧力
に等しいか、又は、高めに維持することにより、高温焼
成炉への空気の流入を避け、タール性状物のシール部へ
の付着蓄積を防止せしめ、長期間の安定操業を可能なら
しめると共に、糸条とタール性状物との接触を回避する
ことにより、優れた機械特性を有する炭素繊維を製造す
ることが可能となるのである。特に、本方法では横型炉
で、入口部と出口部にシール室を有するタイプの焼成炉
については、シール部の機構に関係なく、適応可能な点
に特徴があり、圧力検知計と連動した自動流量調節弁を
各々の流入管及び排出管に設置することにより極めて簡
便に工業規模の大型高温焼成炉に適応することができ、
多大の利点をもたらすものである。
【実施例】
実施例1 最高温度270℃で耐炎化処理された密度1.40g/
ccのアクリル系耐炎繊維フィラメント束(構成本数、
1200本構成)50本を平行に5mm間隔でシート状
に引揃え、最高温度1300℃に設定された焼成炉に導
入し炭素化処理した。焼成炉は第1図に記載のものを使
用し、シール室の機構はスリット構造の非接触形とし
た。このとき炉内圧力を0.5mmAqとし、導入部シ
ール室内圧力は1.0mmAqとし、温度は350℃に
なるよう窒素ガスにより調整した。その結果を第1表に
示す。比較のために、焼成炉及びシール室の圧力条件を
変えて実施した場合について、第1表に比較例1及び比
較例2として示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様を示す炭素繊維製造用高温
焼成炉長手方向の概略縦断面図である。
【図2】本発明の効果をより詳しく説明するためにシー
ル室の断面図にガスの流れを加えた図である。
【符号の説明】
1 糸条の進行方向 2 シール室 3 シール室 4 高温焼成炉本体 5 不活性ガス流入管 6 不活性ガス流入管 7 シール部 8 シール部 9 加熱用ヒータ 10 加熱用ヒーター 11 整流板 12 ガス排出管 13 ガス排出管 14 圧力検知計 15 圧力検知計 16 圧力検知計 17 焼成室 18 不活性ガス流入管 19 不活性ガス流入管 Pは大気圧、Pはシール室の圧力、Pは焼成室の
圧力を示す。F、Fは不活性ガスの流量、Eは排
気ガスの流量を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糸条入口部及び/又は出口部にシール室
    を設けた炭素繊維連続焼成炉のシール方法において、該
    シール室内の圧力を、不活性ガスによって焼成炉本体内
    圧力及び大気圧以上とすることを特徴とする炭素繊維連
    続焼成炉のシール方法。
  2. 【請求項2】 シール室内の圧力を大気圧より0.1〜
    5mmAq高くすることを特徴とする請求項1記載のシ
    ール方法。
  3. 【請求項3】 シール室内の圧力調整を、シール室、焼
    成炉本体に供給する不活性ガスの流量によって行うこと
    を特徴とする請求項2記載のシール方法。
  4. 【請求項4】 シール室内の圧力調整を、焼成炉本体か
    らの排気ガス量によって行うことを特徴とする請求項1
    記載のシール方法。
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