JPH0756054A - 光コネクタ用フェルールとその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光角型多心コネクタ用等のフェルールを成形
により製造する場合、ファイバ穴１２の位置高精度に保
つ必要がある。ファイバ穴１２は、金型の中にファイバ
穴用ピン４６を中型４０として入れておき、後で抜き取
って形成する。ところが、成形、離型を繰り返している
うちに、ファイバ穴用ピン４６が変形して、ファイバ穴
１２が傾斜することがある。これを解決する。 【構成】 ファイバ孔用ピン４６の基部４６２と前記窓
用駒２６との間に、成形材料の流れ込む隙間６２を設け
る 成形時、成形材料６０が隙間６２に回り込むと、キ
ャビティ２４の内圧が一定になり、ファイバ穴用ピン４
６の変形は起きない。したがって、フェルール１０のフ
ァイバ穴１２の傾斜がなくなる。なお、成形により、窓
１８内に薄板状の張出し部分１５が残る（ｃ）。しかし
これは窓１８から適当な工具を入れて、折って除くこと
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、光コネクタ用フェル
ールとその製造方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図４に、4心光ファイバテープ心線用の
フェルールの一例を示す。（ａ）は斜視図、（ｂ）は縦
断面図である。１０はフェルールの全体、１１はその本
体である。１２はファイバ穴で、ここには、光ファイバ
（ガラス部分）が入る。１４はガイド溝で、ここには、
素線部分が入る。１６は端末穴で、ここには、心線の被
覆部分が入る。１８は窓で、接着剤を注入するためのも
のであり、上記のガイド溝１４に向かう位置に設けられ
る。１９，１９はガイド穴である。

【０００３】フェルール１０は、プラスチックやセラミ
ックス（プラスチックバインダ）のトランスファ成形や
インジェクション成形により作られる。その成形に用い
る金形の一例を図５〜７に示す。図５は分解斜視図、図
６は上型を除いた状態の平面図、図７は縦断立面図であ
る。２０は金型の全体を示す（図５，図７）。これは、
下型２２と中型４０と上型５０とからなる。

【０００４】［下型２２について］２４はキャビティ
（図５では下半分だけ示されている）、２６は窓用駒
で、フェルール１０の窓１８を形成するためのもの。他
に、Ｕ溝２８、Ｖ溝３０、Ｖ溝３２を有する。

【０００５】［中型４０について］４２はガイド穴用ピ
ンで、フェルール１０のガイド穴１９を形成するための
もの。４４は端末形成具である。その本体４４０は四角
厚板状で、フェルール１０の端末穴１６を形成する。そ
の先端部４４２は、本体４４０の半分の厚さで、表面に
半丸溝が切ってある。この先端部４４２は、上記の窓用
駒２６とともにフェルール１０の窓１８を形成する。４
６はファイバ穴用ピンで、その先端部４６０は、フェル
ール１０のファイバ穴１２を形成する。またその基部４
６２は少し太くなっていて、下半分が端末形成具４４の
先端部４４２の丸溝に納まり、上半分がフェルール１０
のガイド溝１４を形成する。基部４６２の後部は、端末
形成具４４の本体４４０内にはまり込み保持されてい
る。

【０００６】［上型５０、金型の組立及び成形につい
て］上型５０はスプルー５２を有する。端末形成具４４
の本体４４０を下型２２のＵ溝２８に納める（図６，図
７）。ファイバ穴用ピン４６の先端部４６０はＶ溝３２
に納まる。ガイド穴用ピン４２をＶ溝３０に納める。そ
して上型５０をかぶせる。そして、成形を行なう。成形
後、中型４０を抜き取ると、フェルール１０ができ上が
る。金型を精度よく製作しておけば、ファイバ穴用ピン
４６や端末形成具４４に変形の無い限り、成形品である
フェルールのファイバ穴１２の位置が狂うことはない。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】従来の金型において
は、上記のように、ファイバ穴用ピン４６の基部４６２
の後部は端末形成具４４の本体４４０内にはまり込んで
保持されているが、基部４６２の前部は下半分が端末形
成具４４の先端部４４２の丸溝に納まった状態になって
いる（図７）。そのため、樹脂がキャビティ２４内に注
入成形され、離型する工程を繰り返すと、図８のよう
に、端末形成具４４の先端部４４２とファイバ穴用ピン
４６との隙間に成形材料６０が侵入してくる。そうなる
と、ファイバ穴用ピン４６が変形し、結果として、形成
されるフェルール１０のファイバ穴１２が傾斜する。そ
のようになると、フェルール接合面を研磨するにつれ
て、ファイバ穴１２がガイド穴１９に対して偏心するこ
とになり、性能上問題となる。

【０００８】

【課題を解決するための手段】図１（ｂ）に例示するよ
うに、ファイバ孔用ピン４６の基部４６２と窓用駒２６
との間に、成形材料の流れ込む隙間６２を設ける。

【０００９】この隙間６２は、積極的に成形材料が充填
される寸法にする。図１（ｂ）の場合は、従来の端末形
成具４４の先端部４４２を薄くして、ファイバ穴用ピン
４６との間に隙間６２を作るようにしている。あるい
は、図２のように、端末形成具４４の先端部４４２を全
部無くして、ファイバ穴用ピン４６と窓用駒２６との間
に隙間６２を作るようにしてもよい。

【００１０】上記の隙間６２を有する金型２０により成
形すると、図１（ｃ）のように、窓１８内の、ガイド溝
１４の底から離れた位置に、薄板状の張出し部分１５が
できた状態になる。

【００１１】この張出し部分１５は、フェルールを使用
する際、接着剤注入の邪魔になるので使用する前に、図
３のように、工具６４の先端で本体１１から断ち切るよ
うにする。

【００１２】

【発明の作用効果】成形時、金型２０内に注入されてい
る成形材料は粘度が低い。成形材料が隙間６２に回り込
み、キャビティ２４の内圧が一定になっていれば、ファ
イバ穴用ピン４６の変形は起きない。したがって、フェ
ルール１０のファイバ穴１２が傾斜することはなく、コ
ネクタの性能が向上し、製造歩留まりも高くなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係り、（ａ）は上型を除いた
状態の金型の平面図、（ｂ）は金型の縦断面図、（ｃ）
は上記の金型により製造したフェルールの縦断面図。

【図２】本発明の金型の別例の説明図。

【図３】本発明のフェルールから張出し部分１５を除く
方法の説明図。

【図４】従来のフェルールの説明図。

【図５】従来の金型の分解斜視図。

【図６】従来の金型の上型を除いた状態の平面図。

【図７】従来の金型の縦断立面図。

【図８】従来技術の問題点の説明図。

【符号の説明】

１０ フェルール １１ 本体 １２ ファイバ穴 １４ ガイド溝 １５ 張出し部分 １６ 端末穴 １８ 窓 １９ ガイド穴 ２０ 金型 ２２ 下型 ２４ キャビティ ２６ 窓用駒 ２８ Ｕ溝 ３０，３２ Ｖ溝 ４０ 中型 ４２ ガイド穴用ピン ４４ 端末形成具 ４４０ 本体 ４４２ 先端部 ４６ ファイバ穴用ピン ４６０ 先端部 ４６２ 基部 ５０ 上型 ５２ スプルー ６０ 成形材料 ６２ 隙間 ６４ 工具

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ファイバ孔とそれに続くガイド溝を有
   し、かつ前記ガイド溝に向かって開いている窓を有する
   フェルールにおいて、前記窓内の前記ガイド溝の底から
   離れた位置に、薄板状の張出し部分が設けられている、
   光コネクタ用フェルール。
2. 【請求項２】 端末形成具と、その先端において保持す
   るファイバ孔用ピンと、窓用駒とをキャビティ内に突出
   させている金型を用いて、光コネクタ用フェルールを成
   形するに際して、前記ファイバ孔用ピンの基部と前記窓
   用駒との間に、成形材料の流れ込む隙間の設けてある金
   型を用いて成形する、光コネクタ用フェルールの製造方
   法。