JPH0755164Y2 - キャブオーバー型車両のロアフィニッシャー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、キャブオーバー型車両のロアフィニッシャー
に関する。

〈従来の技術〉 キャブオーバー型車両では、キャブティルト時にキャブ
とバンパーとの干渉を防ぐために、キャブ下端とバンパ
ーとの間に隙間を設ける必要がある。このため、そのま
までは前記隙間を通して車両内側の搭載物が見えてしま
うので、これを隠すためにキャブのフロントグリル，ラ
ンプフィニッシャー等の下端に、鉄板，合成樹脂或いは
ゴム等で別体に形成したロアフィニッシャーを取り付け
ているのが一般的である（三菱カタログ「キャンタ
ー」,FUSO CANTER GUTS 1.5TON）。

また、第７図に示すように、ランプフィニシャー１と一
体にロアフィニッシャー部1Aを形成したものもある。

〈考案が解決しようとする課題〉 ところで、キャブ下端とバンパーとの間の隙間寸法はレ
イアウト仕様等の違いにより車種によって異なる。従っ
て、ロアフィニッシャーの上下寸法も異なってくる。そ
して、従来では、各車種毎に専用のロアフィニッシャー
を形成するようにしており、従って、ロアフィニッシャ
ー成形型もそれに応じて複数必要となり、このために部
品単価が上がりコスト高となるという問題がある。

本考案は上記の事情に鑑みなされたもので、複数の車種
に対応できる構造のロアフィニッシャーを提供すること
を目的とする。

〈課題を解決するための手段〉 このため本考案は、車両の仕様によって寸法が異なるキ
ャブ下端とバンパーとの隙間を塞ぐためのロアフィニッ
シャーにおいて、車両上下方向の長さを、最大の隙間寸
法の車種に適合できる長さに形成すると共に、異なる隙
間寸法に合わせて切断できるよう中間部に、切断位置を
示す溝を形成した。

〈作用〉 上記の構成において、キャブ下端とバンパーとの間の隙
間寸法が最大の車両に対しては、形成したロアフィニッ
シャーをそのまま取り付ける。また、隙間寸法の短い車
両に対しては、中間部に形成した切断位置を示す溝のう
ちから、隙間寸法に合った位置の溝でロアフィニッシャ
ーを切断する。

このように、キャブ下端とバンパーとの隙間寸法に合わ
せて容易に切断できる構造とすることにより、１つのロ
アフィニッシャー部品で複数の車種に対応することが可
能となり、ロアフィニッシャーの成形型を前記隙間寸法
の異なる車種毎に専用のものを製造する必要がなくなり
部品単価を低減することができるようになる。

〈実施例〉 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

本考案の第１実施例を示す第１図〜第４図において、キ
ャブ11側に設けたヘッドランプ12及びコンビネーション
ランプ13の下端部に、本実施例のロアフィニッシャー14
が、例えばボルト15で固定され、キャブ11とバンパー16
との間の隙間を塞いでいる。

本実施例のロアフィニッシャー14は、車両上下方向の長
さＨ（第２図示）が、キャブ11側のランプ下端とバンパ
ー16との隙間寸法ｈ（第４図示）が最大の車種に適合で
きる長さに形成してある。また、前記車両上下方向の中
間部には、隙間寸法ｈの異なる車種に適合できる位置で
切断できるよう各車種に応じて設定される切断位置を示
す溝14A,14Bが形成されている。本実施例のロアフィニ
ッシャー14では、２つの溝14A,14Bが設けられており、
従って、３種類の隙間寸法に対応できるよう形成されて
いる。

尚、前記溝の数は本実施例のものに限定するものではな
い。また、前記溝14A,14Bの近傍には、本実施例のよう
に補強のためのビーム14aを形成してもよい。

かかるロアフィニッシャー14を製造する場合には、母型
に前記溝14A,14Bを形成する位置に入子型を組付けて、
第１図の破線で示すように各溝14A,14Bにほぼ沿って切
断が可能なように成形しており、これにおり、実質的に
３種類のロアフィニッシャーを一度に形成することが可
能となる。

そして、キャブ11側とバンパー16との間の隙間の寸法ｈ
が最大の車種に対しては、第１図に示すようにロアフィ
ニッシャー14を、切断することなくそのまま取りつけれ
ばよい。

また、前記隙間の寸法ｈが最大寸法より短い車種に対し
ては、隙間寸法に合わせて溝14A又は14Bのどちらかを切
断するだけでよい。

このような本実施例のロアフィニッシャー構造によれ
ば、１つの成形型で３種類のロアフィニッシャーを実質
的に形成できることになる。従って、従来のように隙間
寸法の異なる車種毎に専用のロアフィニッシャー成形型
を製造する必要がなくなり、部品単価を低減でき、コス
ト低減を図れる。また、溝14A,14Bが残る場合には、補
強ビードの役目も果たすので、従来の同一寸法のロアフ
ィニッシャーに比べれば強度も向上できる。

上記第１実施例では、入子を用いて分割可能に形成する
ようにしたが、例えば、第５図及び第６図に示す第２実
施例の如く、分割位置を示す溝21A,21Bを深く且つ幅を
狭く形成する構成のロアフィニッシャー21とすることに
より、鋸17等でも容易に切断できるように形成してもよ
い。

尚、このようなロアフィニッシャー構造については、キ
ャブ下端に設けるロアグリルやフロントコーナーパネル
等に対しても適用することができることは言うまでもな
い。

〈考案の効果〉 以上説明したように本考案によれば、各車種毎に専用の
ロアフィニッシャーを製造する成形型が必要でなくな
り、１つの成形型で複数の車種に対応することが可能と
なり、部品単価を低減できることによりコストの低減を
図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例を示す斜視図、第２図は第
１図のII-II線矢視断面図、第３図は同上第１実施例の
溝部の拡大断面図、第４図は同上実施例のロアフィニッ
シャーの取付状態図、第５図は本考案の第２実施例の斜
視図、第６図は同上第２実施例の断面図、第７図はロア
フィニッシャーの従来例を示す斜視図である。 11……キャブ、14,21……ロアフィニッシャー 14A,14B,21A,21B……溝、16……バンパー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車両の仕様によって寸法が異なるキャブ下
   端とバンパーとの隙間を塞ぐためのロアフィニッシャー
   において、車両上下方向の長さを、最大の隙間寸法の車
   種に適合できる長さに形成すると共に、異なる隙間寸法
   に合わせて切断できるよう中間部に、切断位置を示す溝
   を形成したことを特徴とするキャブオーバー型車両のロ
   アフィニッシャー。