JPH0348948Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車の下部車体構造の改良に関す
る。

（従来技術） 従来、第３図に示すように、サイドシル１の後
部内側面にリヤフレーム２の前部外側面が接合さ
れ、該リヤフレーム２内に、サイドシル１とリヤ
フレーム２とに接合される補強部材３を設けてな
る自動車の下部車体構造が提案されている（実開
昭58−128967号公報参照）。

上記補強部材３は、サイドシル１とリヤフレー
ム２との間に接合されているので、タイヤからの
荷重に対する補強効果は良好であるが、より以上
に変形、振動を抑制することが可能な補強構造が
望まれる。

（考案の目的） 本考案は上記要望に応えるためになされたもの
でリヤフレームとサイドシルとの接合構造に工夫
を加えて、変形や振動の抑制を効果的に図ること
を目的とするものである。

（考案の構成） このため、本考案は、フロアパネルの外側方に
位置して車体前後方向に伸長する閉断面のサイド
シルと、該サイドシルの内側方に位置しフロアパ
ネルとで閉断面状に形成され車体前後方向に伸長
し、前部がサイドシルの後部に向けて折曲され、
折曲部に形成されるコーナ部を除いて形成された
フランジがサイドシルの後部内側面に接合される
リヤフレームと、該リヤフレーム内の前部までリ
ヤフレーム内を直線状に伸長してリヤフレーム内
面に接合されるとともに、前部に設けたフランジ
がフロアパネルに接合されるレインフオースメン
トと、上記リヤフレームの前部の上記コーナ部に
ベース部が接合され、第１フランジ部が上記サイ
ドシルに接合され、第２フランジ部が上記レイン
フオースメントに接合されるブラケツトとでなる
ことを特徴とするものである。

（考案の効果） 本考案によれば、リヤフレームの前部コーナ部
にベース部を接合したブラケツトの第１フランジ
部をサイドシルに接合し、該ブラケツトの第２フ
ランジ部をレインフオースメントに接合したもの
であるから、ブラケツトをサイドシルとリヤフレ
ームだけに接合する場合に比べて補強効果が向上
し、荷重に対する変形がより少なくなり、振動を
より抑制することができるようになる。

また、ブラケツトの第１フランジ部を、リヤフ
レームのサイドシル接合用フランジ部のコーナ部
分に設けると、該コーナ部分に、湾曲したフラン
ジ部を一体に成形する必要がなくなるので、リヤ
フレームのフランジ部の成形が容易に行えるよう
になる。

さらに、レインフオースメントを車体前後方向
に直線状に伸長した形状としているため、加工性
を良好なものとすることができる。そのうえ、車
体前後方向に伸びるリヤフレームの前部をサイド
シル後部に向けて折曲した場合、内部に配置する
レインフオースメントとの関係で車体左右方向の
幅は大きくならざるを得ないが、前部まで伸びる
レインフオースメントが大きな幅の閉断面に対す
る節を形成するので、リヤフレーム前部の変形を
効果的に抑制することができる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を添付図面について詳細
に説明する。

第１図及び第２図に示すように、フロアパネル
１０の外側方で車体前後方向に伸長するサイドシ
ル１１は、サイドシルインナ１１ａとサイドシル
アウタ１１ｂとで閉断面に形成されていて、該サ
イドシルインナ１１ａの内側面１１ｃにフロアパ
ネル１０の側縁が接合されている。

該サイドシル１１の内側方で車体前後方向に伸
長する断面略Ｕ字状のリヤフレーム１２は、左右
の上フランジ部１２ａ、１２ｂにフロアパネル１
０の下面が接合されて閉断面に形成されている。

該リヤフレーム１２の前部１２ｃは、サイドシ
ル１１の後部１１ｄに対向するよう外方に折曲さ
れていて、サイドシル１１の後部１１ｄに対向す
る前端部１２ｄの下フランジ部１２ｅは、サイド
シルインナ１１ａの内側面１１ｃに接合されてい
る。

上記リヤフレーム１２の内面には、断面略Ｕ字
状で車体前後方向に直線状に伸長するレインフオ
ースメント１３が接合されていて、リヤフレーム
１２に接合されていないレインフオースメント１
３の前部の左上フランジ部１３ａはフロアパネル
１０の下面に接合されている。

上記リヤフレーム１２の前端部１２ｄの下フラ
ンジ部１２ｅと左上フランジ部１２ａとの間は、
湾曲したコーナ部１２ｆに形成されていて、該コ
ーナ部１２ｆにはフランジ部が一体成形されてい
ない。

そこで、上記コーナ部１２ｆには、該コーナ部
１２ｆの内面に沿つてブラケツト１４の湾曲した
ベース部１４ａを接合する一方、該ベース部１４
ａの一側縁に、上記下フランジ部１２ｅと左上フ
ランジ部１２ａとの間を補填する第１フランジ部
１４ｂを形成して、第１フランジ部１４ｂをサイ
ドシルインナ１１ａの内側面１１ｃに接合すると
共に、上記ベース部１４ａの他側縁に、上記レイ
ンフオースメント１３の外側面１３ｂに沿う第２
フランジ部１４ｃを形成して、第２フランジ部１
４ｃをレインフオースメント１３の外側壁１３ｂ
に接合する。

なお、１５は、前部１５ａがサイドシル１１の
レインフオースメント１６に接合され、側部１５
ｂがリヤフレーム１２の外側面１２ｄに接合され
たタイヤハウス、１７はタイヤである。

上記のような構成であれば、ブラケツト１４の
ベース部１４ａがリヤフレーム１２に接合され、
ブラケツト１４の第１フランジ部１４ｂがサイド
シル１１に接合され、ブラケツト１４の第２のフ
ランジ部１４ｃがレインフオースメント１３に接
合されて、ブラケツト１４でリヤフレーム１２と
サイドシル１１とを接合すると同時に、レインフ
オースメント１３も接合するようになるから、タ
イヤからの荷重や振動がレインフオースメント１
３にも分散されるようになるので、リヤフレーム
１２とサイドシル１１の接合部の変形が減少し、
振動も抑制されるようになる。

また、リヤフレーム１２のコーナ部１２ｆに、
成形が非常に困難な湾曲のフランジ部を一体成形
しなくてもよいので、リヤフレーム１２の成形性
が向上するようになる。

また、第２図に明らかなように、リヤフレーム
１２の前部１２ｃはサイドシル側に接合する関係
上幅広となるが、その幅方向の略中央にレインフ
オースメント１３の外側壁１３ｂが位置し車幅方
向の断面でみたときにこの外側壁１３ｂが一種の
節を形成する結果、この閉断面が強化され、リヤ
フレーム１２の前部の変形が効果的に抑制され、
結果的にリヤフレームとサイドシルとの接合強度
も向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る下部車体構造の斜視図、
第２図は第１図の平面断面図、第３図は従来の下
部車体構造の斜視図である。 １０……フロアパネル、１１……サイドシル、
１１ａ……サイドシルインナ、１１ｂ……サイド
シルアウタ、１１ｃ……内側面、１１ｄ……後
部、１２……リヤフレーム、１２ｃ……前部、１
２ｄ……前端部、１２ｅ……フランジ部、１２ｆ
……コーナ部、１３……レインフオースメント、
１４……ブラケツト、１４ａ……ベース部、１４
ｂ……第１フランジ部、１４ｃ……第２フラン
ジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フロアパネルの外側方に位置して車体前後方向
   に伸長する閉断面のサイドシルと、該サイドシル
   の内側方に位置しフロアパネルとで閉断面状に形
   成され車体前後方向に伸長し、前部がサイドシル
   の後部に向けて折曲され、折曲部に形成されるコ
   ーナ部を除いて形成されたフランジがサイドシル
   の後部内側面に接合されるリヤフレームと、該リ
   ヤフレーム内の前部までリヤフレーム内を直線状
   に伸長してリヤフレーム内面に接合されるととも
   に、前部に設けたフランジがフロアパネルに接合
   されるレインフオースメントと、上記リヤフレー
   ムの前部の上記コーナ部にベース部が接合され、
   第１フランジ部が上記サイドシルに接合され、第
   ２フランジ部が上記レインフオースメントに接合
   されるブラケツトとでなることを特徴とする自動
   車の下部車体構造。