JPH0755148B2 - リパ−ゼの製造法 - Google Patents
リパ−ゼの製造法Info
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- JPH0755148B2 JPH0755148B2 JP61054510A JP5451086A JPH0755148B2 JP H0755148 B2 JPH0755148 B2 JP H0755148B2 JP 61054510 A JP61054510 A JP 61054510A JP 5451086 A JP5451086 A JP 5451086A JP H0755148 B2 JPH0755148 B2 JP H0755148B2
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- oil
- range
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規なリパーゼの製造法に関する。
工業的油脂の加水分解は従来高温高圧加水分解法により
行われているが、この方法は、高温高圧条件のプロセス
であり高エネルギーを必要とする。これに対し酸素を利
用するリパーゼ加水分解法は、常温常圧領域の温和な条
件で反応を行うことができる省エネルギー型の有効なプ
ロセスである。工業的にリパーゼ油脂加水分解を行うに
は油脂、特に対象となる牛脂やパーム油等の高融点油脂
の加水分解率が高く(90%以上)、耐熱性を有するリパ
ーゼが必要である。
行われているが、この方法は、高温高圧条件のプロセス
であり高エネルギーを必要とする。これに対し酸素を利
用するリパーゼ加水分解法は、常温常圧領域の温和な条
件で反応を行うことができる省エネルギー型の有効なプ
ロセスである。工業的にリパーゼ油脂加水分解を行うに
は油脂、特に対象となる牛脂やパーム油等の高融点油脂
の加水分解率が高く(90%以上)、耐熱性を有するリパ
ーゼが必要である。
これまで油脂加水分解用リパーゼとしては酵母カンデイ
ダ・ルゴーサ(Candida rugosa)の生産するリパーゼか
ら知られている(名糖産業製 リパーゼOF)。このリパ
ーゼはオリーブ油をはじめ各種油脂を30℃で90%以上分
解する能力を有しているが、45℃以上では不安定であり
失活し易く、パーム油等の高融点油脂の加水分解には適
していない。
ダ・ルゴーサ(Candida rugosa)の生産するリパーゼか
ら知られている(名糖産業製 リパーゼOF)。このリパ
ーゼはオリーブ油をはじめ各種油脂を30℃で90%以上分
解する能力を有しているが、45℃以上では不安定であり
失活し易く、パーム油等の高融点油脂の加水分解には適
していない。
耐熱性を有する油脂加水分解用リパーゼとしては、シユ
ードモナス メフイテイカの生産するリパーゼ(公告昭
50−25553)およびシユードモナス フルオレツセンス
の生産するリパーゼ(公告昭57−52835)が知られてい
るが、前者は高加水分解率(ヤシ油92%)を得るのに塩
化カルシウムが必要であり(Kosugi他J.Ferment.Techno
l.49,968(1971))、塩化カルシウムを添加すると分解
後に金属石鹸が生成して脂肪酸の回収を悪くする欠点を
有している。また、後者は分解率の面では牛脂を50℃で
389unit/g−oilのリパーゼで94.9%分解するが(公告昭
57−39638)、この分解率に達するには70時間を要す
る。さらに、牛脂を1gあたり140unitのリパーゼで加水
分解すると、分解率は24時間後に62%に達し、96.9%の
分解率を得るのに120時間という長時間を必要とする。
この酵素を用いて牛脂を加水分解するには、長時間を要
するため工業的利用には適さない。
ードモナス メフイテイカの生産するリパーゼ(公告昭
50−25553)およびシユードモナス フルオレツセンス
の生産するリパーゼ(公告昭57−52835)が知られてい
るが、前者は高加水分解率(ヤシ油92%)を得るのに塩
化カルシウムが必要であり(Kosugi他J.Ferment.Techno
l.49,968(1971))、塩化カルシウムを添加すると分解
後に金属石鹸が生成して脂肪酸の回収を悪くする欠点を
有している。また、後者は分解率の面では牛脂を50℃で
389unit/g−oilのリパーゼで94.9%分解するが(公告昭
57−39638)、この分解率に達するには70時間を要す
る。さらに、牛脂を1gあたり140unitのリパーゼで加水
分解すると、分解率は24時間後に62%に達し、96.9%の
分解率を得るのに120時間という長時間を必要とする。
この酵素を用いて牛脂を加水分解するには、長時間を要
するため工業的利用には適さない。
また、他に、シユードモナスUKO−816株の生産するリパ
ーゼ(公開昭58−146277)が耐熱性を有していることが
知られているが、このリパーゼは分子量が20000万以上
という超高分子であり、比活性(単位重量当たりのリパ
ーゼ活性)が低くなるという欠点を有している。
ーゼ(公開昭58−146277)が耐熱性を有していることが
知られているが、このリパーゼは分子量が20000万以上
という超高分子であり、比活性(単位重量当たりのリパ
ーゼ活性)が低くなるという欠点を有している。
工業的油脂の加水分解の油脂原料としては、牛脂だけで
なく、より融点が高く飽和脂肪酸含有量の高いパーム油
も多く用いられる傾向にある。工業用リパーゼには、こ
れらパーム油、牛脂をできるだけ短時間により高い加水
分解(90%以上)を行い、且つ熱安定性が高いことが要
求されることから、該性質を有するリパーゼの製造法の
開発が熱望されていた。
なく、より融点が高く飽和脂肪酸含有量の高いパーム油
も多く用いられる傾向にある。工業用リパーゼには、こ
れらパーム油、牛脂をできるだけ短時間により高い加水
分解(90%以上)を行い、且つ熱安定性が高いことが要
求されることから、該性質を有するリパーゼの製造法の
開発が熱望されていた。
そこで本発明者らは工業用油脂の加水分解に適した高加
水分解率、耐熱性を有するリパーゼを提供することを目
的として鋭意検討した結果、栃木県芳賀郡市貝町の土壌
より分離した微生物の生産するリパーゼに、上記目的に
かなうリパーゼが存在することを見出し本発明を完成し
た。
水分解率、耐熱性を有するリパーゼを提供することを目
的として鋭意検討した結果、栃木県芳賀郡市貝町の土壌
より分離した微生物の生産するリパーゼに、上記目的に
かなうリパーゼが存在することを見出し本発明を完成し
た。
すなわち、本発明はシユードモナス属に属するリパーゼ
生産菌を培養し、該培養物から後記の理化学的性質を有
するリパーゼを採取することを特徴とするリパーゼの製
造法を提供するものである。
生産菌を培養し、該培養物から後記の理化学的性質を有
するリパーゼを採取することを特徴とするリパーゼの製
造法を提供するものである。
本発明に使用されるシユードモナス属に属する上記リパ
ーゼ生産菌としては、上記リパーゼを生産する能力を有
するものであれば特に限定されないが、例えば本発明者
らが栃木県芳賀郡の土壌より分離した新菌株シユードモ
ナス・エスピー KSM−16が挙げられる。
ーゼ生産菌としては、上記リパーゼを生産する能力を有
するものであれば特に限定されないが、例えば本発明者
らが栃木県芳賀郡の土壌より分離した新菌株シユードモ
ナス・エスピー KSM−16が挙げられる。
以下にこの菌株の菌学的性質を示す。
(A)形態 細胞の形及び大きさ かん状 幅 0.75−1.0μm 長さ 2.3 −2.5 μm 運動性あり ベン毛は一本以上あり。
胞子 なし グラム染色 陰性 (B)各培地における生育状態 肉汁寒天平板培養 円形,乳白色のコロニーを形成,表面 滑らか,光沢あ
り,全縁,隆起 肉汁寒天斜面培養 普通 肉汁液体培養 30℃,2日で菌膜形成,一様に混濁 肉汁ゼラチン穿刺培養 液化せず リトマスミルク 凝固およびリトマスを還元した。
り,全縁,隆起 肉汁寒天斜面培養 普通 肉汁液体培養 30℃,2日で菌膜形成,一様に混濁 肉汁ゼラチン穿刺培養 液化せず リトマスミルク 凝固およびリトマスを還元した。
(C)生理学的性質 硝酸塩の還元 + 脱窒素反応 − MRテスト − VPテスト − インドールの生成 − 硫化水素の生成 − デンプンの加水分解 − クエン酸の利用 Koser+Christensen+ 無機窒素源の利用 NH4+NO3 + 色素の生成 KingA−KingB − ウレアーゼ − オキシダーゼ + カタラーゼ + 生育の範囲 生育 42℃5,45℃−,5℃− 増殖温度範囲 20−43℃, 増殖至適温度範囲 30−37℃ 酸素に対する態度 好気的 OFテスト 0(酸化的) 糖類から酸およびガスの生成の有無 酸 L−アラビノース − D−キシロース + D−グルコース + D−マンノース + D−フラクトース + D−ガラクトース + マルトース + シヨ糖 + ラクトース + トレハロース + D−ソルビツト + D−マンニツト + イノシツト + グリセリン + デンプン − サリシン − ラフイノース − 以上の糖類からガスの生成はなかつた。
(D)炭水化物の利用 D−グルコース + D−キシロース + D−リボース + L−ラムノース − レブリン酸 − D−酒石酸 − meso−酒石酸 + meso−エリスリトール − アドニトール − メサコン酸 − シトラコン酸 − L−バリン + m−ヒドロキシ安息香酸 − 2,3−ブタンジオール + ベタイン + アルギニン + 以上の菌学的性質から、バージエのマニユアル.オブ.
デイタミネイテイブ.バクテリオロジー第8版(Berge
y's manual of determinative bactericlogy 8th.ed.)
により検索した結果、本菌に類似の菌株としてシユード
モナス・セパシア(Pseudomonas cepacia)が挙げられ
る。そこでシユウドモナス・セパシア(A.T.C.C.1058
6)を本菌と同条件で培養し各性質を比較したところ、
次に示すごとく各性質において異なつていることが判明
した。
デイタミネイテイブ.バクテリオロジー第8版(Berge
y's manual of determinative bactericlogy 8th.ed.)
により検索した結果、本菌に類似の菌株としてシユード
モナス・セパシア(Pseudomonas cepacia)が挙げられ
る。そこでシユウドモナス・セパシア(A.T.C.C.1058
6)を本菌と同条件で培養し各性質を比較したところ、
次に示すごとく各性質において異なつていることが判明
した。
これらの諸性質の差異から本リパーゼ生産菌は公知菌の
いずれとも異なる新菌株と判断し、シユードモナス・エ
スピー KSM−16と命名し、昭和60年12月2日に通産省
工業技術院微生物工業技術研究所へ寄託した。その微生
物受託番号は微工研菌寄第8538号である。
いずれとも異なる新菌株と判断し、シユードモナス・エ
スピー KSM−16と命名し、昭和60年12月2日に通産省
工業技術院微生物工業技術研究所へ寄託した。その微生
物受託番号は微工研菌寄第8538号である。
本発明を実施するには、例えば上記KSM−16株が良好に
生育し、リパーゼを順調に生産するために必要な炭素
源、窒素源、無機塩等を含む培地中でこれを培養し、該
培養液から採取することにより行なわれる。
生育し、リパーゼを順調に生産するために必要な炭素
源、窒素源、無機塩等を含む培地中でこれを培養し、該
培養液から採取することにより行なわれる。
培地の組成については、通常シユードモナス属に属する
微生物の培養に用いられるものであれば特に限定されな
い。例えば、窒素源としては各種無機態窒素と各種有機
態窒素及びその組合わせが利用できる。特に単独系とし
てはペプトン、肉エキス、尿素などが有効である。炭素
源としてはグルコースなどの糖類、オリーブ油等の各種
油脂、脂肪酸、脂肪酸エステル、及び脂肪酸誘導体等を
用いることができる。無機塩類としては硫安、リン酸1
カリ、リン酸2カリ、硝酸ナトリウム、硫酸マグネシウ
ム等の添加が有効である。その他必要に応じて、菌の生
育、控訴の生産に必要な各種有機物、無機物を添加する
ことができる。
微生物の培養に用いられるものであれば特に限定されな
い。例えば、窒素源としては各種無機態窒素と各種有機
態窒素及びその組合わせが利用できる。特に単独系とし
てはペプトン、肉エキス、尿素などが有効である。炭素
源としてはグルコースなどの糖類、オリーブ油等の各種
油脂、脂肪酸、脂肪酸エステル、及び脂肪酸誘導体等を
用いることができる。無機塩類としては硫安、リン酸1
カリ、リン酸2カリ、硝酸ナトリウム、硫酸マグネシウ
ム等の添加が有効である。その他必要に応じて、菌の生
育、控訴の生産に必要な各種有機物、無機物を添加する
ことができる。
培養には、液体培養が適している。培養温度は先にしめ
したように20−42℃で培養でき、なかでも30−37℃がも
つともよい。また好気的に培養することにより、約1−
2日でリパーゼの生産性は最高に達する。このようにし
て得られた培養液からリパーゼを得るには、菌体を遠心
分離、ろ過により分離した後、上澄液を有機溶剤(アセ
トン、エタノール等)による沈殿、硫安による塩析法、
あるいは限外ろ過膜(アミコン社製 分画分子量3000
0)により濃縮回収することができる。
したように20−42℃で培養でき、なかでも30−37℃がも
つともよい。また好気的に培養することにより、約1−
2日でリパーゼの生産性は最高に達する。このようにし
て得られた培養液からリパーゼを得るには、菌体を遠心
分離、ろ過により分離した後、上澄液を有機溶剤(アセ
トン、エタノール等)による沈殿、硫安による塩析法、
あるいは限外ろ過膜(アミコン社製 分画分子量3000
0)により濃縮回収することができる。
得られたリパーゼを精製するには、培養液の濃縮液を硫
安沈殿、エタノール沈殿により得た酵素液をDEAE−セル
ロース等のイオン交換体、セフアデツクス等によるゲろ
過法など一般に知られている蛋白質精製法が利用でき
る。これらの精製法により比活性の高められた酵素液
は、凍結乾燥することにより酵素粉末を得ることができ
る。
安沈殿、エタノール沈殿により得た酵素液をDEAE−セル
ロース等のイオン交換体、セフアデツクス等によるゲろ
過法など一般に知られている蛋白質精製法が利用でき
る。これらの精製法により比活性の高められた酵素液
は、凍結乾燥することにより酵素粉末を得ることができ
る。
以上の如くして得られたリパーゼの理化学的性質は次の
通りである。
通りである。
1. 作用 パーム油、オリーブ油、牛脂、ヤシ油を反応温度60℃、
24時間で90%以上分解する。特にパーム油は92%以上分
解する。
24時間で90%以上分解する。特にパーム油は92%以上分
解する。
2. 基質特異性 各種グリセライド、エステルなどを分
解する。
解する。
特に飽和油脂を選択的に分解する。
油脂の種類 分解率(50℃,24時間,1000unit/g−oil) パーム油 91.7% オリーブ油 82.1% ヤシ油 73.1% 牛脂 89.1% 3. 安定pH範囲 pH 3−12,(30℃,24hr後の残存活性,図1) 作用至適pHの範囲 pH 6−7.5(図2) 4. 作用適温の範囲 65−80℃(図3) 至適温度 70℃ 5. 分子量 SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法では29000 ゲルろ過(セフアデツクス G−75)法によると30000
である。
である。
6. 糖含有 オルシノール反応による糖発色 + 7. pH、温度などによる失活の条件 30℃および50℃、3時間の熱処理ではほとんど失活はな
いが、70℃、2時間の熱処理では約40%失活する(図
4)。酵素液に塩化カルシウム1mM加えることにより70
℃、時間の熱失活が30%に減少し、熱安定性が上昇す
る。10−80℃の各温度で10分間熱処理した後の残存活性
率を図5に示す。
いが、70℃、2時間の熱処理では約40%失活する(図
4)。酵素液に塩化カルシウム1mM加えることにより70
℃、時間の熱失活が30%に減少し、熱安定性が上昇す
る。10−80℃の各温度で10分間熱処理した後の残存活性
率を図5に示す。
8. 阻害、活性化および安定化 胆汁酸の影響なし 無機塩類の影響 各金属塩が反応系に1mM濃度共存する条件で50℃で30分
酵素反応を行わせ、塩類を入れない場合の活性を100と
してそれぞれの活性を表した。
酵素反応を行わせ、塩類を入れない場合の活性を100と
してそれぞれの活性を表した。
金属塩 なし ……100 CuSO4 ……32 MgSO4 ……88 MgCl2 ……83 KCl ……96 NaCl ……95 CaCl2 ……100 CoCl2 ……71 HgCl2 ……75 ZnCl2 ……10 FeCl3 ……10 9. 力価測定法 オリーブ油9mlを150ml用コツプに分注する。つぎに0.1M
リン酸緩衝液(pH7.0)を14ml取り50℃に加温する。マ
グネチツクスターラーで反応液を均一に撹はん(800rp
m)しながら酵素液を加えて反応を開始し、一定時間(3
0分)反応させた後アセトン、エタノール(1:1)混液を
20ml加えて反応を止める。この液にトウイーン80(Twee
n80)10%溶液を1ml加え、反応で生成した脂肪酸をpH電
極を用いた自動中和滴定装置(Mettler社製DL40RC)に
より0.5N水酸化カリウム(アルコール性)溶液で滴定す
る。酵素力価は1分間に1マイクロモルの脂肪酸を遊離
させる酵素量を1単位とした。
リン酸緩衝液(pH7.0)を14ml取り50℃に加温する。マ
グネチツクスターラーで反応液を均一に撹はん(800rp
m)しながら酵素液を加えて反応を開始し、一定時間(3
0分)反応させた後アセトン、エタノール(1:1)混液を
20ml加えて反応を止める。この液にトウイーン80(Twee
n80)10%溶液を1ml加え、反応で生成した脂肪酸をpH電
極を用いた自動中和滴定装置(Mettler社製DL40RC)に
より0.5N水酸化カリウム(アルコール性)溶液で滴定す
る。酵素力価は1分間に1マイクロモルの脂肪酸を遊離
させる酵素量を1単位とした。
本発明によつて製造されるリパーゼは、工業用油脂に対
して短時間で極めて高い加水分解能を示し、かつ熱安定
性が高いという優れた性質を有する。
して短時間で極めて高い加水分解能を示し、かつ熱安定
性が高いという優れた性質を有する。
従つて、該リパーゼを利用すれば工業用油脂を常温常圧
領域の温和な条件下で、工業的に有利に加水分解を行な
うことができる。
領域の温和な条件下で、工業的に有利に加水分解を行な
うことができる。
次に実施例を挙げて本発明を説明する。
実施例1 ペプトン(Difco製)4%、グルコース0.5%、K2HPO4
0.1%、MgSO4・7H2O 0.05%、オレイン酸0.5%よりなる
液体培地100mlを500ml容坂口フラスコに入れ121℃15分
間加圧蒸気滅菌した後、あらかじめ同培地で30℃24時間
振とう培養したシユードモナス・エスピー KSM−16株
の前培養液1mlを接種し30℃48時間振とう培養した。培
養液を遠心分離して菌体を除いた上澄液の活性は20unit
/mlであつた。
0.1%、MgSO4・7H2O 0.05%、オレイン酸0.5%よりなる
液体培地100mlを500ml容坂口フラスコに入れ121℃15分
間加圧蒸気滅菌した後、あらかじめ同培地で30℃24時間
振とう培養したシユードモナス・エスピー KSM−16株
の前培養液1mlを接種し30℃48時間振とう培養した。培
養液を遠心分離して菌体を除いた上澄液の活性は20unit
/mlであつた。
実施例2 尿素0.4%、グルコース0.5%、K2HPO40.1%、MgSO4・7H
2O0.05%、酵母エキス0.1%、オレイン酸0.5%より成る
液体培地100mlを500ml容坂口フラスコに入れ121℃15分
間加圧蒸気滅菌した後、あらかじめ同培地で30℃24時間
振とう培養したシユードモナス・エスピー KSM−16株
の前培養液1mlを接種し30℃3日振とう培養した。培養
上澄液のリパーゼ活性は140unit/mlであつた。
2O0.05%、酵母エキス0.1%、オレイン酸0.5%より成る
液体培地100mlを500ml容坂口フラスコに入れ121℃15分
間加圧蒸気滅菌した後、あらかじめ同培地で30℃24時間
振とう培養したシユードモナス・エスピー KSM−16株
の前培養液1mlを接種し30℃3日振とう培養した。培養
上澄液のリパーゼ活性は140unit/mlであつた。
実施例3 ペプトン4%、グルコース0.5%、KH2PO40.1%、MgSO4
・7H2O0.05%、オレイン酸0.5%よりなる2の培地を
5容のジヤーフアーメンターに入れ121℃15分間加圧
蒸気滅菌したのち、あらかじめ同培地で30℃24時間振と
う培養したシユードモナス・エスピー KSM−16株を100
mlの培養液を加え30℃300rpmで48時間培養した。培養
後、菌体を遠心分離して除いた培養上澄1.5の活性は3
0unit/mlであつた。培養上澄を300mlまで限外ろ過(ア
ミコン社製 ダイヤフロー膜 分画分子量 10000)に
より濃縮した後、凍結乾燥して粗酵素粉末10gを得た。
酵素粉末には3000unit/gの活性が認められた。
・7H2O0.05%、オレイン酸0.5%よりなる2の培地を
5容のジヤーフアーメンターに入れ121℃15分間加圧
蒸気滅菌したのち、あらかじめ同培地で30℃24時間振と
う培養したシユードモナス・エスピー KSM−16株を100
mlの培養液を加え30℃300rpmで48時間培養した。培養
後、菌体を遠心分離して除いた培養上澄1.5の活性は3
0unit/mlであつた。培養上澄を300mlまで限外ろ過(ア
ミコン社製 ダイヤフロー膜 分画分子量 10000)に
より濃縮した後、凍結乾燥して粗酵素粉末10gを得た。
酵素粉末には3000unit/gの活性が認められた。
参考例1 実施例3で得た粗酵素粉末を用いてパーム油、ヤシ油、
牛脂、オリーブ油の分解をおこなつた。三角フラスコに
油1gに対し、酵素1000unit、油対水(1:5)で振とうさ
せ加水分解した。48時間後の各油の分解率は、パーム油
92%、ヤシ油90.9%、牛脂90.1%、オリーブ油86.3%で
あつた。
牛脂、オリーブ油の分解をおこなつた。三角フラスコに
油1gに対し、酵素1000unit、油対水(1:5)で振とうさ
せ加水分解した。48時間後の各油の分解率は、パーム油
92%、ヤシ油90.9%、牛脂90.1%、オリーブ油86.3%で
あつた。
参考例2 実施例3で得た粗酵素粉末を用いてパーム油の加水分解
を行つた。三角フラスコに、油1gに対し酵素160unit、
油対水(1:1)で加え振とうさせ加水分解した。24時間
後パーム油の分解率は92%であつた。
を行つた。三角フラスコに、油1gに対し酵素160unit、
油対水(1:1)で加え振とうさせ加水分解した。24時間
後パーム油の分解率は92%であつた。
参考例3 微生物の取得方法 (1) 栃木県芳賀郡市貝町周辺の土壌を採取し、土壌
小さじ一杯を滅菌生理食塩水10mlの入つた試験管に入
れ、1分間ボルテツクスミキサーにて懸濁分散させた。
約1時間静置後、その上澄液を0.2ml採取し、これを下
記方法で調製された分離用寒天培地の表面にコンラツジ
棒で均一に塗布した後、30℃で培養した。
小さじ一杯を滅菌生理食塩水10mlの入つた試験管に入
れ、1分間ボルテツクスミキサーにて懸濁分散させた。
約1時間静置後、その上澄液を0.2ml採取し、これを下
記方法で調製された分離用寒天培地の表面にコンラツジ
棒で均一に塗布した後、30℃で培養した。
(分離用寒天培地の調製) 培地組成 トリブチリン ……0.1% (NH4)2SO4 ……0.5% ソイトン ……0.5% 酵母エキス ……0.1% KH2PO4 ……0.5% MgSO4・7H2O ……0.1% 寒天 ……2.0% pH4.5(HClで調製) 調製方法 上記組成のうちトリブチリン、および寒天を別滅菌し、
滅菌後これらを無菌的に合せ、シエーカーでトリブチリ
ンを均一に分散させた後、保温下で滅菌シヤーレに一定
量分注し不透明な平板寒天培地とした。
滅菌後これらを無菌的に合せ、シエーカーでトリブチリ
ンを均一に分散させた後、保温下で滅菌シヤーレに一定
量分注し不透明な平板寒天培地とした。
(2) 次いで、上記培養により生育したコロニーのう
ち、周辺にトリブチリンを分解し透明環を形成するコロ
ニーの1白金耳を滅菌生理食塩水で100倍希釈し、この
希釈液1白金耳を前述の分離用寒天倍地と同組成の寒天
倍地に画線し、30℃で3日間培養した。生じた複数のコ
ロニーが相互に相違しないことを肉眼的および顕微鏡的
に観察することにより確認した。さらに上記コロニーを
再度同じ操作を行い単一性を再確認した。上記菌株の各
倍地上の性状および生理学的性質は前述した通りであ
る。
ち、周辺にトリブチリンを分解し透明環を形成するコロ
ニーの1白金耳を滅菌生理食塩水で100倍希釈し、この
希釈液1白金耳を前述の分離用寒天倍地と同組成の寒天
倍地に画線し、30℃で3日間培養した。生じた複数のコ
ロニーが相互に相違しないことを肉眼的および顕微鏡的
に観察することにより確認した。さらに上記コロニーを
再度同じ操作を行い単一性を再確認した。上記菌株の各
倍地上の性状および生理学的性質は前述した通りであ
る。
(3) 次いで、上記純粋培養された斜面倍地上の菌株
より1白金耳を滅菌した10%グリセリン水溶液(2ml)
の入つた凍結用バイアルに懸濁し、−80℃にて凍結保存
する。かくして3カ月凍結保存後、迅速に解凍して得ら
れる懸濁液の1白金耳を普通寒天倍地に蘇生後、前記と
同条件下に各倍地上での性状および生理学的性質を調べ
た結果、凍結前とは変化が認められなかつた。
より1白金耳を滅菌した10%グリセリン水溶液(2ml)
の入つた凍結用バイアルに懸濁し、−80℃にて凍結保存
する。かくして3カ月凍結保存後、迅速に解凍して得ら
れる懸濁液の1白金耳を普通寒天倍地に蘇生後、前記と
同条件下に各倍地上での性状および生理学的性質を調べ
た結果、凍結前とは変化が認められなかつた。
図1は本発明によつて得られたリパーゼのpH3〜13の範
囲における、30℃24時間処理後の残存活性を示す図面で
ある。 図2は、本発明によつて得られたリパーゼのpH3〜8の
範囲における比活性を示す図面である。 図3は、本発明によつて得られたリパーゼの各温度条件
下における比活性を示す図面である。 図4は、本発明によつて得られたリパーゼの各温度条件
下での処理時間と残存活性との関係を示す図面である。 図5は、本発明によつて得られたリパーゼの各温度条件
下で10分間処理した場合の残存活性を示す図面である。
囲における、30℃24時間処理後の残存活性を示す図面で
ある。 図2は、本発明によつて得られたリパーゼのpH3〜8の
範囲における比活性を示す図面である。 図3は、本発明によつて得られたリパーゼの各温度条件
下における比活性を示す図面である。 図4は、本発明によつて得られたリパーゼの各温度条件
下での処理時間と残存活性との関係を示す図面である。 図5は、本発明によつて得られたリパーゼの各温度条件
下で10分間処理した場合の残存活性を示す図面である。
Claims (2)
- 【請求項1】シユードモナス属に属するリパーゼ生産菌
を培養し、該培養物から下記の理化学的性質を有するリ
パーゼを採取することを特徴とするリパーゼの製造法。 作用 パーム油、オリーブ油、牛脂、ヤシ油を反応温度60℃、
24時間で90%以上分解する。特にパーム油は92%以上分
解する。 基質特異性 各種グリセライド、エステルなどを分
解する。 特に飽和油脂を選択的に分解する。 安定pH範囲 pH 3−12 作用至適pHの範囲 pH 6−7.5 作用適温の範囲65−80℃ 至適温度 70℃ 分子量 SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法では29000 ゲルろ過(セフアデツクス G−75)法によると30000
である。 糖含有 オルシノール反応による糖発色+ - 【請求項2】リパーゼ生産菌がシユードモナス・エスピ
ー(Pseudomonas sp.)KSM−16(微工研菌寄第8538号)
である特許請求の範囲第1項記載のリパーゼの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61054510A JPH0755148B2 (ja) | 1986-03-12 | 1986-03-12 | リパ−ゼの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61054510A JPH0755148B2 (ja) | 1986-03-12 | 1986-03-12 | リパ−ゼの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62210987A JPS62210987A (ja) | 1987-09-17 |
JPH0755148B2 true JPH0755148B2 (ja) | 1995-06-14 |
Family
ID=12972637
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61054510A Expired - Lifetime JPH0755148B2 (ja) | 1986-03-12 | 1986-03-12 | リパ−ゼの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0755148B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2859520B2 (ja) * | 1993-08-30 | 1999-02-17 | ノボ ノルディスク アクティーゼルスカブ | リパーゼ及びそれを生産する微生物及びリパーゼ製造方法及びリパーゼ含有洗剤組成物 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5763087A (en) * | 1980-09-30 | 1982-04-16 | Agency Of Ind Science & Technol | Treatment of culture mixture containing heat-resistant lipase |
-
1986
- 1986-03-12 JP JP61054510A patent/JPH0755148B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5763087A (en) * | 1980-09-30 | 1982-04-16 | Agency Of Ind Science & Technol | Treatment of culture mixture containing heat-resistant lipase |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62210987A (ja) | 1987-09-17 |
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