JPH05304949A - シュードモナス エスピー s10−071株及び該微生物の生産するリパーゼ - Google Patents

シュードモナス エスピー s10−071株及び該微生物の生産するリパーゼ

Info

Publication number
JPH05304949A
JPH05304949A JP29504092A JP29504092A JPH05304949A JP H05304949 A JPH05304949 A JP H05304949A JP 29504092 A JP29504092 A JP 29504092A JP 29504092 A JP29504092 A JP 29504092A JP H05304949 A JPH05304949 A JP H05304949A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lipase
pseudomonas
strain
activity
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP29504092A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3032390B2 (ja
Inventor
Katsuya Miki
克哉 三木
Hiroaki Yamamoto
浩明 山本
Naoki Kawada
直紀 河田
Sadao Kageyama
貞夫 蔭山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Publication of JPH05304949A publication Critical patent/JPH05304949A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3032390B2 publication Critical patent/JP3032390B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Detergent Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 シュードモナス属に属し、高いリパーゼ生産
能力を有するシュードモナス エスピー(Pseudomonas
sp.) S10−071 株、及び該菌株により生産され、以下の
性質を有するリパーゼ。 高温かつ弱アルカリ性の反応条件下で植物性油脂並
びに動物性油脂に対し高い分解活性を有する。 非イオン界面活性剤溶液及びこれらを含有する洗剤
溶液中で高い活性を有する。 安定pH範囲;pH3〜10.5 作用至適pH;pH5〜7 作用温度 作用至適温度;50〜70℃ 耐熱性;50℃, 2時間の処理でほとんど失活しない。 位置特異性 トリグリセリド分子の1,2,3 位脂肪酸を非特異的に遊離
させる作用を有する。 分子量 SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法による分子量
は37000 である。 【効果】 アルカリかつ高温条件下で高い活性を有する
ため、特に食器洗い機用洗剤への配合に適している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高温かつアルカリ領域で
高活性を維持するリパーゼを生産するシュードモナス属
に属する微生物及び当該微生物の生産するリパーゼに関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】リパー
ゼは高級脂肪酸グリセリドのエステル結合を加水分解す
る酵素の総称である。また、低水分中ではその逆反応の
エステル合成をも触媒することが知られている。油脂分
解、脂質の除去、エステル合成、エステル交換といった
リパーゼ機能の応用が様々な分野で期待され、その工業
的利用が盛んに試みられており、乳製品フレーバーの形
成、油脂の分解や改質、消化剤等の医薬、血中脂肪測定
のための臨床検査薬、光学活性化合物の合成等の幅広い
分野で利用されている。
【0003】しかし新たな応用に関しては、それぞれの
目的に応じたリパーゼを見いだすことが重要な要素とな
り、更に多様なリパーゼが求められている。リパーゼの
供給源としては、生産の容易さ、多様性から、微生物に
よるものが最も有利である。従って、新たなリパーゼ供
給源として、自然界から新規なリパーゼ生産菌を見いだ
すことはリパーゼの利用の上で極めて有効な手段であ
る。
【0004】リパーゼを生産する微生物、特にバクテリ
アとしては、シュードモナス (Pseudomonas) 属、クロ
モバクター (Chromobacter) 属、アクロモバクター (Ac
hromobacter) 属、スタフィロコッカス(Staphylococcu
s)属、アルカリゲネス (Alcaligenes)属、バチルス(Bac
illus)属等多く知られている。
【0005】しかしこれらの微生物の生産するリパーゼ
だけでは多様な利用に対応するにはいまだ不十分であ
り、利用範囲は限定されたものとなっている。例えば、
近年洗剤用酵素としてリパーゼが洗浄性能の向上に効果
があることが知られてきており、特に衣料用洗剤添加物
として適したリパーゼが開発され実用に供されている。
しかしながら、食器洗い機用洗剤への適用については、
洗浄条件・洗剤組成が、衣料用洗剤とは大きく異なるこ
とから、添加に適したリパーゼはほとんど知られていな
い。一般に食器洗い機用洗剤は、アルカリ性であり、更
に洗浄条件が、50〜60℃の高温であるため、洗剤への利
用には高温かつアルカリ性の反応条件で高い活性を有す
る酵素が求められる。更に洗剤組成物である非イオン系
界面活性剤や、プロテアーゼの影響を受けにくい性質を
有する必要がある。
【0006】高温かつアルカリ条件下で活性が維持され
るリパーゼとしては、シュードモナス フラギ(Pseudom
onas fragi)(特公昭50−2553号公報) 、シュードモナ
スニトロレデューセンス バライエティ サーモトレラ
ンス(Pseudomonas nitroreducens var. thermotoreran
s)(特公昭56−28516 号公報)などが生産するリパー
ゼが知られている。しかしこれらのリパーゼが界面活性
剤あるいは食器洗い機用洗剤などの洗剤溶液中で活性が
維持されるとの報告はない。一方、食器洗い機用洗剤溶
液中で活性が維持されるリパーゼとしては、クロモバク
ター ビスコーサム バライエティ リポリティクム(C
hromobacter viscosum var. lipolyticum)及びフミコー
ラ ラヌギノーサ(Humicola lanuginosa)(いずれも特
表平2−504648号)が生産するリパーゼが挙げられる
が、これらのリパーゼについても50〜60℃の高温洗浄条
件で活性が維持されるとの記載はなく、現時点で食器洗
い機用洗剤への添加に適したリパーゼは知られていな
い。
【0007】従って本発明の目的は、アルカリかつ高温
条件下で高い活性を有し、好ましくは食器洗い機用洗剤
への配合に対し安定なリパーゼを生産する新規な微生
物、更には該微生物より生産されるリパーゼを提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、上
記の条件を満たすリパーゼを菌体外に生産する微生物を
新たに探索するべく検討を進めた結果、新潟県南魚沼郡
苗場山山頂の湿原土壌から分離したシュードモナス属に
属する S10−071 株が上記条件を満たし、かつ高い活性
を有するリパーゼを生産することを見いだし本発明を完
成させた。即ち、本発明は、シュードモナス属に属し、
高温かつアルカリ条件で安定なリパーゼを生産するシュ
ードモナス エスピー(Pseudomonas sp.) S10−071
株、並びに該菌株により生産されるリパーゼを提供する
ものである。
【0009】以下に本発明のシュードモナス エスピー
(Pseudomonas sp.)S10−071 株の菌学的性質を記す。
【0010】〔形 態〕 (1) 細胞の形:桿状 大きさ:(0.8〜0.9)×(1.5〜3.5)μm (2) 運動性:あり (3) 鞭毛:極鞭毛、一本以上 (4) グラム染色:陰性 (5) 抗酸性:なし (6) 多形性:なし (7) 胞子形成:なし 〔生育状態(30℃、24時間培養)〕 (1) 肉汁寒天平板培養 形状:円形 周縁:全縁状 隆起:凸円状 光沢:あり 表面:円滑 色調:乳白色 (2) 肉汁寒天斜面培養 生育度:普通 形状:糸状 (3) 肉汁液体培養 表面生育:わずかに菌冠を形成 濁度:一様に混濁 (4) 肉汁ゼラチン穿刺培養 液化せず (5) リトマスミルク 微アルカリ性、液化 〔生理学的性質〕 (1) 硝酸塩の還元 − (2) 脱窒反応 − (3) MRテスト − (4) VPテスト − (5) インドール生成 − (6) 加水分解性 デンプン − ゼラチン + カゼイン + DNA − Tween 80 + エスクリン − (7) クエン酸の利用 + (8) 色素生成 King A + King B + (9) ウレアーゼ − (10)オキシダーゼ + (11)カタラーゼ + (12)生育範囲 37/41℃ +/− pH 5.6 + (13)酸素に対する態度 好気的 (14)OFテスト 好気的に酸を生成 (16)アルギニンの分解 + (17)フェニルアラニンの脱アミノ反応 − (18)レシチナーゼ + (19)β−D−ガラクトシダーゼ − (20)リジンデカルボキシラーゼ − (21)栄養要求性 − (22)炭素化合物の利用 <利用できるもの>酢酸、アジピン酸、アミノ安息香
酸、アゼライン酸、カプリン酸、クエン酸、シトラコン
酸、グルタル酸、グリコール酸、乳酸、レブリン酸、リ
ンゴ酸、マロン酸、ガラクタル酸、ニコチン酸、フェニ
ル酢酸、ピメリン酸、スベリン酸、m−酒石酸、L−ア
ラビノース、フラクトース、グルコース、マルトース、
キシロース、リボース、アルダル酸、ヒドロキシ酪酸、
マンニトール、グルコン酸、2−ケトグルタル酸、N−
アセチルグルコサミン、L−セリン、L−ヒスチジン、
L−ロイシン、スペルミン、サクロシン、2,3−ブチ
レングリコール <利用できないもの>メサコン酸、D−酒石酸、ラムノ
ース、m−ヒドロキシ安息香酸、アドニトール、トリプ
タミン、エリスリトール。
【0011】以上の菌学的知見から、バージェイズ・マ
ニュアル・オブ・ディターミネイティブ・バクテリオロ
ジー第8版(Bergey's manual of determinative bacter
iology 8th ed.) 及びバージェイズ・マニュアル・オブ
・システマティック・バクテリオロジー(Bergey's man
nual of systematic bacteriology)により検索した結
果、シュードモナス属のRNA グループIIに分類された。
このグループに属するシュードモナス属の既存種と本発
明の菌株 S10−071 株の特徴を比較した結果、下記表1
及び表2に示すとおり同定上重要な要素であるアルギニ
ンジヒドロラーゼの生産性および脱窒作用の有無につい
ての特徴をはじめとして本菌株の特徴はこのグループに
属する既存の種の何れにも一致しなかった。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】このことから本発明菌株は、分類上シュー
ドモナス属に属する。しかしながら、一般に知られてい
るシュードモナス属のいずれの種とも異なる特徴を持つ
新菌種であると判断され、本発明者らはこの菌株をシュ
ードモナス エスピー S10−071 株と命名し、通産省工
業技術院微生物工業技術研究所に寄託した。微生物受託
番号は、微工研菌寄第12575 号である。
【0015】本発明の菌株シュードモナス エスピー S
10−071 株を用いて広範囲のpH域で安定なリパーゼを生
産することができる。即ち本発明菌株が良好に成育し、
リパーゼを生産するために必要な炭素源、窒素源、無機
塩類、および微量成分からなる培地中で培養して得られ
た培養液から一般的な酵素精製方法により採取すること
によりリパーゼを得ることができる。
【0016】使用する培地は、通常シュードモナス属の
微生物が生育するものであれば特に限定されない。炭素
源としては、オリーブ油、大豆油などの油脂、脂肪酸エ
ステル、脂肪酸誘導体、グルコースなどの糖類、および
これらの組み合わせを用いることができる。窒素源とし
ては肉エキス、ポリペプトン、大豆粉などの有機態窒
素、硫酸アンモニウム等の無機態窒素およびこれらの組
み合わせを用いることができる。さらに無機塩類として
カリウム、ナトリウム、マグネシウム、リン酸、カルシ
ウム、マンガン、亜鉛、鉄などの添加が有効である。ま
た必要に応じてその他の各種成分を添加してもよい。
【0017】この様な成分を含有する培地中で25〜37℃
の温度範囲で好気的に液体培養を行うことにより、1〜
3日の培養で高濃度のリパーゼを含む培養液を得ること
ができる。培養液からリパーゼを採取するには遠心分離
により菌体を除去した後、硫安による塩析、有機溶剤に
よる沈澱分離、あるいは限外濾過膜による分離濃縮など
により行うことができる。
【0018】次にリパーゼの活性測定方法および本発明
の新規リパーゼの理化学的性質について詳細に述べる。
【0019】(1) 活性測定法 本発明においてリパーゼ活性測定法は、日本工業規格
(JIS) K0601−1988「工業用リパーゼの活性度測定方
法」記載の乳化剤無添加法(A法)に準じた。内径35m
m、容量50mlのガラス製円筒形の反応容器に50mMリン酸
緩衝液5ml、オリーブ油1mlを入れ所定温度に保ちなが
らマグネチックスターラーで500rpmで回転撹拌しながら
10分間保ったのち、試料液 100μl を加えてさらに60分
間保つ。次いでエタノール20mlを加え反応を停止する。
pHメーターでpHを測定しながら、 N/20水酸化ナトリウ
ムで滴定を行う。通常pH10を30秒以上持続する点を終点
とする。空試験として 120℃で加熱失活させた酵素液を
試料液として用い、以上の操作を同時に行う。酵素活性
は1分間に1マイクロモルの脂肪酸を遊離させる酵素量
を1ユニット(unit) として、以下の計算式により算出
する。
【0020】
【数1】
【0021】A :リパーゼ活性(unit/ml) a :試料溶液の滴定に要した N/20水酸化ナトリウム溶
液量(ml) b :空試験に要した N/20水酸化ナトリウム溶液量(m
l) f : N/20水酸化ナトリウム溶液のファクター S :試料の量(ml) V :調製した試料溶液の全量(ml) 50: N/20水酸化ナトリウム1mlに相当する脂肪酸の量
(μmol) 60:反応時間(min.) (2) シュードモナス エスピー(Pseudomonas sp.) S10
−071 株により生産されるリパーゼの性質 1)作用 各種グリセリドに作用し、エステル結合を加水分解す
る。 2)基質特異性 オリーブ油、パーム油、ひまわり油、綿実油、サフラワ
ー油、コーン油等の植物油脂、ラード、牛脂、イワシ油
等の動物性油脂など各種グリセリドに広範に作用する。
【0022】3)至適pH域 pH5〜7、最適pH 6.5(図1) 4)安定pH範囲 ブリットン−ロビンソンの広域緩衝液でpH3〜12におい
て30℃、24時間処理した後の残存活性ではpH3〜10.5の
範囲で安定である(図2)。 5)至適温度(図3) 50〜70℃ 最適 60 ℃ 6)温度・pHなどによる失活条件 pH 7.0において45,50℃, 2時間の処理でほとんど失活
しないが、60℃,30分間の処理で40%、70℃,30分間の
処理で80%失活する。80℃の処理では5分間の処理で80
%以上失活する(図4)。
【0023】7)阻害、活性化 1mMの各種金属塩共存下での活性を調べた。金属塩無添
加の場合の活性を100とした場合の比活性を以下に示し
た。 無添加 100% NaCl 84% MgCl2 159% KCl 92% CaCl2 130% MnCl2 152% FeSO4 72% CoCl2 128% NiCl2 84% ZnCl2 49% CuCl2 80% HgCl2 27% 8)分子量 SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法によると37000
である。
【0024】9)精製 精製は、各種溶解度による分画、イオン交換、疎水・ア
フィニティー等のクロマトグラフィー、ゲル濾過などを
組み合わせることにより行われる。例えば以下の方法に
より精製することができる。シュードモナス エスピー
(Pseudomonas sp.) S10−071株をオリーブ油1%、ポ
リペプトン1%、酵母エキス0.5%、NaCl 0.5%の組成
の培地で培養し、培養液を遠心分離し菌体を除去した
後、上澄に飽和度80%となるように硫酸アンモニウムを
加え塩析を行う。析出した沈澱を遠心分離で集め緩衝液
に溶解後、透析膜により脱塩する。このようにして得ら
れた粗酵素液を分画分子量10000 の限外濾過膜により濃
縮し、DEAE−Toyopearl によるイオン交換、ゲル濾過に
より精製リパーゼを得る。この精製リパーゼは、 SDS−
ポリアクリルアミドゲル電気泳動で単一バンドを形成
し、吸収スペクトルにおける吸収極大は、276nm に単一
ピークとして現れ、単純タンパク質であることが確認さ
れた。比活性は724units/OD280 である。
【0025】10)等電点(pI) PHAST SYSTEM(ファルマシア社製)での等電点電気泳動
法による測定では、等電点(pI)は4.45である。 11)位置特異性 トリグリセリドの加水分解に際し1,2,3 位の脂肪酸を無
差別に遊離させる位置非特異性リパーゼである。上記の
ような特性を有する本発明のリパーゼは、アルカリかつ
高温条件下で高い活性を有し、非イオン界面活性剤溶液
及びこれらを含有する洗剤溶液中で高い活性を有するた
め、特に自動食器洗い機及び食器洗い乾燥機用洗剤の添
加物として有用である。
【0026】
【実施例】次に実施例を示し本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0027】実施例1 オリーブ油1%、ポリペプトン1%、酵母エキス 0.5
%、NaCl 0.5%よりなる液体培地500ml をpH7.3 に調整
後、5リットル容ヒダつきフラスコに入れ 121℃、15分
間蒸気加圧滅菌した後、予め同培地で24時間振とう培養
したシュードモナス エスピー S10−071 株を接種し、
67時間振とう培養を行った。培養液を遠心分離し菌体を
除去した上澄を回収し、粗酵素液を得た。この粗酵素液
の活性は85 units/mlであった。
【0028】実施例2 オリーブ油1%、肉エキス1%、ポリペプトン1%、酵
母エキス0.5 %、NaCl0.5%よりなる液体培地600ml をp
H7.3 に調整後、1リットル容ジャーに入れ121℃、15分
間加圧滅菌した後、予め同培地で24時間振とう培養した
シュードモナスエスピー S10−071 株を接種し、30℃57
時間、800rpm、1.3vvmで通気撹拌した。培養液を遠心分
離し菌体を除去した上澄を回収し、粗酵素液を得た。こ
の粗酵素液中のリパーゼ活性は、136.6 units/mlであ
った。
【0029】実施例3 実施例2で得られた培養液を遠心分離し、得られた上澄
を孔径0.22μm のフィルターを用いて濾過し、夾雑物を
除去した後、分画分子量10000mw の限外濾過膜を用いて
高濃度のリパーゼを含有する濃縮液を得た。更に濃縮液
を凍結乾燥し酵素粉末3200mgを得た。得られた粗酵素活
性はpH7, 30℃の反応条件下で68 units/mgであった。
【0030】実施例4 実施例3で得られた粗酵素粉末について、市販されてい
る家庭用食器洗い機用洗剤(ティーポール製・ハイウォ
ッシュブルー)2g/リットル水溶液中での活性を調べ
たところ、30℃で 14.8units/mg、60℃で 11.2units/
mgの活性があった。更に食器洗い機の洗浄時の洗浄温度
が約30分間で室温から60℃にほぼ直線的に上昇すること
から同様の反応条件を設定して活性を測定したところ、
洗剤溶液中で 20.4units/mgの活性が見られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】シュードモナス エスピー S10−071 株の生産
するリパーゼの至適pHを表すグラフである。
【図2】シュードモナス エスピー S10−071 株の生産
するリパーゼの各pHにおける30℃, 24時間処理後の残存
活性を表すグラフである。
【図3】シュードモナス エスピー S10−071 株の生産
するリパーゼの至適温度を表すグラフである。
【図4】シュードモナス エスピー S10−071 株の生産
するリパーゼの温度安定性を表すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12S 13/00 7732−4B //(C12N 1/20 C12R 1:38)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シュードモナス属に属し、高いリパーゼ
    生産能力を有するシュードモナス エスピー(Pseudomo
    nas sp.) S10−071 株。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシュードモナス エスピ
    ー(Pseudomonas sp.) S10 −071 株により生産され以下
    の特性を有するリパーゼ。 高温かつ弱アルカリ性の反応条件下で植物性油脂並
    びに動物性油脂に対し高い分解活性を有する。 非イオン界面活性剤溶液及びこれらを含有する洗剤
    溶液中で高い活性を有する。 安定pH範囲;pH3〜10.5 作用至適pH;pH5〜7 作用温度 作用至適温度;50〜70℃ 耐熱性;50℃, 2時間の処理でほとんど失活しない。 位置特異性 トリグリセリド分子の1,2,3 位脂肪酸を非特異的に遊離
    させる作用を有する。 分子量 SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法による分子量
    は37000 である。
  3. 【請求項3】 自動食器洗い機及び食器洗い乾燥機用洗
    剤添加物として利用し得る請求項2記載のリパーゼ。
JP29504092A 1991-11-08 1992-11-04 シュードモナス エスピー s10−071株及び該微生物の生産するリパーゼ Expired - Fee Related JP3032390B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29311291 1991-11-08
JP3-293112 1991-11-08

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05304949A true JPH05304949A (ja) 1993-11-19
JP3032390B2 JP3032390B2 (ja) 2000-04-17

Family

ID=17790585

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29504092A Expired - Fee Related JP3032390B2 (ja) 1991-11-08 1992-11-04 シュードモナス エスピー s10−071株及び該微生物の生産するリパーゼ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3032390B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001017989A (ja) * 1999-07-07 2001-01-23 Ebara Corp 油脂含有排水あるいは油脂含有汚泥の嫌気性処理方法
WO2007066779A1 (ja) * 2005-12-09 2007-06-14 Suntory Limited 新規リパーゼ

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001017989A (ja) * 1999-07-07 2001-01-23 Ebara Corp 油脂含有排水あるいは油脂含有汚泥の嫌気性処理方法
WO2007066779A1 (ja) * 2005-12-09 2007-06-14 Suntory Limited 新規リパーゼ
JP2007181456A (ja) * 2005-12-09 2007-07-19 Suntory Ltd 新規リパーゼ
US7893232B2 (en) 2005-12-09 2011-02-22 Suntory Holdings Limited Lipase
CN102382848A (zh) * 2005-12-09 2012-03-21 三得利控股株式会社 新型脂肪酶
US8207320B2 (en) 2005-12-09 2012-06-26 Suntory Holdings Limited Lipase

Also Published As

Publication number Publication date
JP3032390B2 (ja) 2000-04-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0121955B2 (ja)
AU615661B2 (en) Acid urease and production thereof
JPH0779690B2 (ja) 新規エステラーゼ及びその製法
JP3072579B2 (ja) アルカリリパーゼ、それを生産する微生物およびアルカリリパーゼ含有洗剤組成物
JP3032390B2 (ja) シュードモナス エスピー s10−071株及び該微生物の生産するリパーゼ
JP2986595B2 (ja) 新規リパーゼ
JPH0783706B2 (ja) 酒類の品質改良法
WO1996027659A1 (fr) Nouvelle lipase, son procede de production, et micro-organisme la produisant
JPH11253157A (ja) 新規リパーゼ生産能をもつ細菌、リパーゼ、その製造方法、およびその使用
JPH0670764A (ja) 新規モノグリセリドリパーゼ
US4791059A (en) Process for preparing lipase
JP3824244B2 (ja) コレステロール・エステラーゼの製造方法
JP2985018B2 (ja) 新規微生物
CN1145956A (zh) 利用产碱杆菌属的微生物制造杂芳香族羧酸的微生物学方法
JP3026111B2 (ja) 新規アルカリプロテアーゼ及びその製造方法
JPH0866186A (ja) 新規リパーゼおよびその製造法
JPH0789913B2 (ja) リパ−ゼamlの製造法
JPH01181788A (ja) エステラーゼ及びその製造法
JPH0797987B2 (ja) 新規なβ−アガラーゼ及びその製造法
JP2812481B2 (ja) 新規なエステラーゼおよびその製造方法
JPH06153942A (ja) 新規アルカリリパ−ゼ、その生産菌株、およびその製造法
JPH08275776A (ja) 新規キチナーゼ及びその製造方法
JPS6339589A (ja) アルギン酸のアルカリ土類金属塩を分解する方法
JPS5840469B2 (ja) コレステロ−ル定量用酵素剤の製造法
Kilbane et al. Patent Survev

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080210

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080210

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080210

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090210

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees