JPH06153942A - 新規アルカリリパ−ゼ、その生産菌株、およびその製造法 - Google Patents

新規アルカリリパ−ゼ、その生産菌株、およびその製造法

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JPH06153942A
JPH06153942A JP33946092A JP33946092A JPH06153942A JP H06153942 A JPH06153942 A JP H06153942A JP 33946092 A JP33946092 A JP 33946092A JP 33946092 A JP33946092 A JP 33946092A JP H06153942 A JPH06153942 A JP H06153942A
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lipase
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Yasushi Iwama
尉至 岩間
Nobuko Saito
宣子 斎藤
Toshiro Akino
利郎 秋野
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GODO SHIYUSEI KK
Godo Shusei KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 至適pHがアルカリ側にあり、アルカリ側で十
分な酵素活性を発現し、各種洗剤成分、特に漂白剤およ
びプロテア−ゼに対する耐性を有する新規リパ−ゼ、そ
の生産菌株、並びに生産菌株による該リパ−ゼの生産方
法を提供する。 【構成】 特定のシュ−ドモナス属新菌株の培養によ
り、目的とする新規リパ−ゼが生産される。これを培地
中から回収し、必要に応じて精製して、新規リパ−ゼを
得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なアルカリリパ−
ゼ、これを生産する微生物および該リパ−ゼの製造法に
関する。
【0002】
【従来の技術】微生物由来のリパ−ゼは、油脂の加水分
解、エステル合成試薬、製紙用ピッチ分解剤等、工業的
に広く利用されているが、近年、洗濯用洗剤の配合成分
としての利用が図られている。これは、通常の洗濯にお
いては、衣類の脂質汚れの大部分は界面活性剤の作用に
より除去されるが、通常条件下では作用は不完全であ
り、繊維の間に残留した汚れは衣類の黄ばみの原因とな
るため、脂質汚れの除去をより確実にするために、リパ
−ゼを利用しようとするものである。洗濯用洗剤の配合
成分としての利用を目的としたリパ−ゼの例としては、
フミコ−ラ属由来のリポラ−ゼ30-T(欧州特許公開第258
068号)や、シュ−ドモナス属由来のアマノAML(特開
昭63-39579号公報)等のリパ−ゼが、開示されている。
しかしながら、これらのリパ−ゼは、長鎖の脂肪酸グリ
セリドに対して、中性付近で最大活性を示すが、洗剤溶
液における実用上のpH域(10〜11)においては、活性が著
しく低下する。また、近年、洗剤中に各種の追加的成分
が配合されるようになっているが、特に漂白剤やプロテ
ア−ゼが配合されている場合、これらに対する安定性
が、不十分であること等の問題があり、これらの点をも
改良したリパ−ゼの出現が、強く望まれていた。
【0003】
【発明が解決する課題】本発明は、至適pHがアルカリ側
にあり、漂白剤およびプロテア−ゼを含む、洗剤の各種
配合成分溶液中で、安定かつ高活性を示す、新規なリパ
−ゼを提供しようとするものである。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、前記の
性質を有するリパ−ゼを生産する微生物を、広く自然界
より探索した結果、土壌より新たに分離したシュ−ドモ
ナス属に属する菌株 E-176が、かかる要件を満たすリパ
−ゼを生産することを見い出し、本発明を完成するに到
った。すなわち本発明は、シュ−ドモナス属に属する新
規な微生物を培養することにより、その培養液中に、至
適pHがアルカリ側にあり、洗剤の各種配合成分、特に漂
白剤およびプロテア−ゼとの共存において安定であり、
かつ高活性を示す特定の新規リパ−ゼを生成蓄積せし
め、培養物から該リパ−ゼを分離採取することを可能に
するものである。
【0005】1.生産菌 本発明のリパ−ゼの生産に使用する微生物は、本発明者
らが新たに土壌より分離したシュ−ドモナス sp. E-176
株であって、以下に示す菌学的性質を有する。
【0006】1)形態: 肉汁寒天培地に生育させた場合の
菌の形状は、長さ1.5〜3.0μm、幅0.5〜0.8μmの桿菌で
ある。1本以上の極鞭毛を持ち、運動性がある。胞子は
形成しない。グラム染色は陰性であり、抗酸性は陰性で
ある。
【0007】2)生育状態 a.肉汁寒天平板培養: 円形、凸状に生育。コロニ−の表
面は滑らかであり、乳白色である。色素は生産しない。
レバンを形成する。 b.肉汁寒天斜面培養: 糸状、生育は良好。色素は生産し
ない。 c.肉汁液体培養: 生育は良好。培地は混濁しており沈澱
物はない。色素は生産しない。 d.肉汁ゼラチン穿刺培養: 生育は良好。液化。 e.リトマスミルク: リトマスを還元、ペプトン化を起こ
し液化する。
【0008】3)生理学的性質 a.色素の生成: キングのA培地およびB培地において、
色素の生成はみられない。 b.硝酸塩の還元: 陽性。 c.脱窒反応: 陰性。 d.MRテスト: 陽性。 e.VPテスト: 陰性。 f.インド−ルの生成: 陰性。 g.硫化水素の生成: 陰性。 h.デンプンの加水分解: 陰性。 i.クエン酸の利用: コ−ザ−のクエン酸培地、およびク
リステンセン培地で陽性。 j.無機窒素源の利用: 硝酸ナトリウム、および硫酸アン
モニウムを利用する。 k.オキシダ−ゼテスト: 陽性。 l.カタラ−ゼテスト: 陽性。 m.ウレア−ゼテスト: 陽性。 n.ゼラチンの液化: 陽性。 o.生育の範囲: pH5.0〜9.0の範囲で生育する。また20〜
37℃で生育するが、10℃、および40℃では生育しない。 p.OFテスト: 好気的に酸を生成。 q.ポリ−β−ヒドロキシ酪酸の蓄積: 陽性。 r.プロトカテキン酸の分解: オルト型。 s.アミノ酸の脱炭酸: アルギニンの脱炭酸は陰性である
が、リジン、およびオルニチンの脱炭酸は陽性。 t.グルコン酸の酸化: 陰性。 u.Tweenの分解: Tween-40, 60, および80をいずれも分
解する。 v.レバンの形成: 陽性。 w.糖類からの酸およびガスの生成: D-グルコ−ス, D-マ
ンノ−ス,D-フラクト−ス, D-ガラクト−ス, L-アラビ
ノ−ス, D-キシロ−ス,マルト−ス, サッカロ−ス, ラ
クト−ス, トレハロ−ス, D-ソルビット,D-マンニット,
イノシット, グリセリン, セロビオ−スから、ガスは
発生しないが酸を生成する。デンプン, イヌリン, セル
ロ−ス, サリシンからは、ガスも酸も生成しない。 x.炭素化合物の資化性: D-グルコ−ス, D-マンノ−ス,
D-フラクト−ス,D-ガラクト−ス, L-アラビノ−ス, D-
キシロ−ス, マルト−ス,サッカロ−ス, ラクト−ス, D
-ソルビット, グリセリン, L-アルギニン,L-アラニン.
レブリン酸, スベリン酸, グルコン酸, p-ヒドロキシ安
息香酸で生育するが、グリシン, デンプン, イヌリン,
イタコン酸, メサコン酸, 酒石酸, m-ヒドロキシ安息香
酸では生育しない。
【0009】以上の菌学的諸性質から“Bergey's Manua
l of Systematic Bacteriology”に基づき検討した結
果、本菌株はシュ−ドモナス・セパシア(Pseudomonas c
epacia)に近縁の菌株であることが判明した。しかしな
がら、この菌株は40℃において生育しない点、非蛍光性
色素を生産しない点、m-ヒドロキシ安息香酸で生育しな
い等いくつかの点で、従来のシュ−ドモナス・セパシア
とは異なっていた。以上の知見から、本菌株はシュ−ド
モナス・セパシアとは、分類学上類縁であるが同一とは
判定し難く、新種菌株と判断して、シュ−ドモナス sp.
E-176株と命名した(以下、単に「E-176株」と略記す
る)。また本菌株は、工業技術院微生物工業技術研究所
に、微工研菌寄第13281号として寄託されている。
【0010】2.培養方法 本発明のリパ−ゼを製造するにあたっては、上記菌株を
培養し、その培養物より生産されたリパ−ゼを採取すれ
ばよい。培地の栄養源としては、本菌株はオリ−ブ油、
ナタネ油、大豆油、ヤシ油、トウモロコシ油等の油脂ま
たはオレイン酸、リノ−ル酸、リノレン酸等の脂肪酸
が、培地中に存在する時にのみ、誘導的にリパ−ゼを生
産するため、炭素源としては油脂または脂肪酸を用いる
が、これに加えて資化しうる各種糖類等の炭素化合物、
例えばグルコ−ス、マンノ−ス、フラクト−ス、マルト
−ス、サッカロ−ス、ソルビット、グリセリン、クエン
酸、コハク酸等を適当量使用することができる。
【0011】窒素源としては資化しうる窒素化合物、ま
たはこれを含有するものであればよく、例えば硫酸アン
モニウム、硝酸ナトリウム、ペプトン、酵母エキス、肉
エキス、大豆粉、コ−ンスティ−プリカ−などが用いら
れる。また、リン酸、マグネシウム、カルシウム、ナト
リウム、カリウム等の無機塩や、無機、有機微量栄養源
を培地中に添加することができる。
【0012】培養の形態は、液体、固体培養いずれでも
良いが、液体培養の方が好ましい。液体培養における培
養条件は、培地組成により多少異なるが、培地の初発pH
を6〜9に調製し、培養温度15〜37℃、好ましくは25〜35
℃において、好気的に16時間から3日間程度培養を行
い、リパ−ゼ生産量が最大に達した時に培養を終了すれ
ば良い。 このように培養することにより、目的とする
リパ−ゼは、主として菌体外に生成される。
【0013】3.単離精製法 こうして得られた培養液から、目的物であるリパ−ゼを
回収並びに精製するには、一般的に行われる酵素の採取
法、ないし精製方法に準じて行えばよい。すなわち、得
られた培養液は、遠心分離や濾過等によって菌体を除去
した後、その上澄液を粗酵素液として回収する。この粗
酵素液は、そのまま使用することもできるが、必要に応
じて硫安等の塩類による塩析法、あるいはエタノ−ル,
アセトン等の有機溶剤による沈澱法等によって、活性画
分を回収し、限外濾過膜法等の常法により濃縮後、イオ
ン交換クロマトグラフィ−、ゲル濾過等の精製手段を、
適宜組み合わせてリパ−ゼを分別精製することができ
る。また、所望により適宜な乾燥法により、粉末状に回
収することもできる。
【0014】4.酵素活性測定法 リパ−ゼ活性の測定は、トリオレイン・ポリビニルアル
コ−ルエマルジョンを基質とする、乳化系測定法によっ
て行うのが適当である。すなわち、まず2%ポリビニルア
ルコ−ル水溶液(PVA・117:PVA・205=9:1)に、200mMのトリ
オレインを加え、氷冷下で30秒間の超音波処理を2回行
うことにより、トリオレインエマルジョンを得る。この
トリオレインエマルジョン0.05mlと、100mMリン酸緩衝
液(pH 9.0)0.4ml、蒸留水0.45ml、および酵素液0.1mlか
らなる反応液を、37℃で10分間反応させ、3規定の塩酸
0.5mlを加えて反応を停止させた。ついで、3規定の水酸
化ナトリウム0.5mlおよびエタノ−ル2.0mlを添加後、遠
心分離により未反応のグリセリドを沈澱させ、得られた
上清中の遊離のオレイン酸量を「NEFA Cテストワコ−」
(和光純薬製)により定量した。活性の単位は、1分間に1
マイクロモルのオレイン酸を遊離させる酵素量を、1単
位(U)とした。
【0015】5.酵素学的性質について 本発明の菌株 E-176株の生産するリパ−ゼの、詳細な酵
素学的性質は、以下のとおりである。 1) 作用: 種々の油脂のエステル結合を加水分解し脂肪
酸とグリセリンを生成する。 2) 基質特異性: 種々のトリグリセリドに対する分解活
性を測定しトリオレインに対する分解活性を100として
対比した結果を、表1に示した。 本発明のリパ−ゼは、広範囲のトリグリセリドを分解し
特にトリラウリン、トリカプリン、トリカプリリンに対
する分解活性が高かった。
【0016】
【表1】
【0017】3) 作用pHおよび至適pH: トリオレインエ
マルジョンを基質としてpHの影響を調べ、結果を図1に
示した。本発明のリパ−ゼの作用pH範囲は、5〜11の広
範囲にわたり、至適pHは9.0〜9.5であった。 4) pH安定性: 各pH値において、30℃にて1時間処理した
後の残存活性を調べ、結果を図2に示した。本発明のリ
パ−ゼは、pH6〜10.5の範囲で安定であった。 5) 作用温度および至適温度: トリオレインエマルジョ
ンを基質として、50mMリン酸緩衝液(pH9.0)中で、作用
温度を調べ、結果を図3に示した。本発明のリパ−ゼの
作用温度は、10〜70℃の広範囲にわたり、至適温度は60
〜65℃であった。 6) 温度安定性: 50mMリン酸緩衝液中(pH9.0)で、20分間
各温度で処理した後の残存活性を調べ、結果を図4に示
した。本発明のリパ−ゼは、60℃まで安定であった。
【0018】7) 分子量: SDSポリアクリルアミドゲル電
気泳動法(分子量マ−カ−: ホスホリラ−ゼb(分子量9
4,000)、ウシ血清アルブミン(分子量67,000)、オブアル
ブミン(分子量43,000)、カ−ボニックアンヒドラ−ゼ
(分子量30,000)、トリプシンインヒビタ−(分子量20,00
0)、α-ラクトアルブミン(分子量14,000)) により
得られた分子量は、31,000であった。 8) 等電点: ショ糖密度勾配等電点電気泳動法により、
得られた等電点は3.8〜3.9であった。 9) 金属イオンの影響: 1mMの各種金属イオン(Na+, K+,
Mg2+, Ca2+, Sr2+,Ba2+, Mn2+, Fe2+, Fe3+, Co2+, Ni
2+, Cu2+, Zn2+, Cd2+, Hg2+, Sn2+,Al3+)を活性測定時
に共存させ、その影響を検討した。その結果、本発明の
リパ−ゼの活性は、Co2+, Ni2+, Cu2+, Zn2+, Cd2+,Hg
2+, Sn2+により阻害された。また、Ca2+による活性化は
みられないので、活性発現のためにCa2+を添加する必要
はない。 10) キレ−ト剤の影響: 1mMの各種キレ−ト剤(EDTA,
EGTA, NTA, STPP)存在下で、40℃で1時間処理した後の
残存活性を調べた。その結果、本発明のリパ−ゼは、こ
れらのキレ−ト剤存在下において、安定であった。ま
た、1mMの上記キレ−ト剤を活性測定時に共存させ、そ
の影響を検討した結果、リパ−ゼ活性はほとんど阻害さ
れなかった。 11) 界面活性剤の影響: 0.1%の各種界面活性剤(ドデ
シル硫酸ナトリウム(SDS), ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム(DBS), ポリオキシエチレンオクチルフェ
ニルエ−テル(Triton X-100), ポリオキシエチレンソル
ビタンモノオレエ−ト(Tween-80), ポリオキシエチレン
ラウリルエ-テル(Brij-35))存在下で20℃で1時間処理
した後の残存活性を調べた。その結果、本発明のリパ−
ゼは、これらの界面活性剤存在下において安定であっ
た。また、0.1%の上記界面活性剤を活性測定時に共存
させ、その影響を検討した結果、界面活性剤無添加時の
60%以上のリパ−ゼ活性を示した。 12) 漂白剤耐性; 酸素系漂白剤に用いられている、過ホ
ウ酸ナトリウムおよび過炭酸ナトリウムを0.1%存在下
で、40℃にて1時間処理した後の残存活性を調べた結
果、本発明のリパ−ゼはほとんど安定であった。 13) プロテア−ゼ耐性: バチルス属の生産するアルカリ
プロテア−ゼ0.5U/ml存在下で、100mM ホウ酸緩衝液(p
H9.0)中、37℃にて1時間処理した後の残存活性を調べた
結果、本発明のリパ−ゼは80%以上の残存活性を示し、
ほとんど安定であった。
【0019】
【実施例】次に実施例により本発明を詳細に説明する
が、これによって本発明は、限定を受けるものではな
い。
【0020】実施例1.オリ−ブ油1%, ペプトン0.2%,
酵母エキス0.2%, リン酸二カリウム0.2%, 硫酸マグネシ
ウム0.1%, を含む液体培地100mlを500mlの三角フラスコ
に入れ、110℃で20分間滅菌した後、予め30℃、24時間
前培養しておいたシュ−ドモナス sp. E-176株の菌体を
接種し、pH9.0, 30℃, 48時間, 220rpmで回転振盪培養
した。この培養液を遠心分離し、その上澄のリパ−ゼ活
性を測定したところ4.7U/mlであった。
【0021】実施例2.実施例1の液体培地15Lを30L容
ジャ−ファ−メンタ−に入れ、加圧蒸気滅菌した後、予
め同培地で30℃, 24時間振盪培養したシュ−ドモナス s
p. E-176株の前培養液を接種し、pH9.0, 30℃, 20時間,
200rpm, 1vvmで通気攪拌培養した。この培養液を遠心
分離により菌体を除去して、上澄液を回収し、リパ−ゼ
活性を測定したところ8.9U/mlであった。この上澄液に
硫酸アンモニウムを0.8飽和となるまで添加して、沈澱
する酵素を回収した後、再溶解して限外濾過膜(旭化成
製 分画分子量6,000)により脱塩し、濃縮を行った。さ
らに、凍結乾燥を行い、比活性25.2U/mgの粗酵素粉末2.
4gを得た。
【0022】
【発明の効果】本発明のリパ−ゼは、至適pHがアルカリ
側(9.0〜9.5)にあり、洗剤溶液のpH域(10〜11)において
も高い活性を示す。さらに、キレ−ト剤、界面活性剤、
漂白剤、プロテア−ゼ等の各種洗剤成分に対しても強い
耐性を有しており、各種洗剤成分溶液中においても、十
分な活性の発現がみられる。従って、本酵素は洗剤用酵
素として洗剤成分と共に使用することにより、洗浄力の
増強を図ることができる。 また、温度、pH共に広範囲
で安定であり、且つ有効な活性の発現がみられるので、
固形の油脂の分解等、洗剤以外の種々の用途にも使用可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の酵素の、トリオレインエマルジョン
を基質とした場合における、酵素活性とpHの関係を示
す。
【図2】 本発明の酵素の、pH安定性を示す。縦軸の値
は、30℃にて1時間処理した後の残存活性である。
【図3】 本発明の酵素の、作用温度および至適温度の
関係を示す。
【図4】 本発明の酵素の、温度安定性を示す。縦軸の
値は、pH9.0にて20分間処理した後の残存活性である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 1/20 C12R 1:38)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の理化学的性質を有する新規リパ−
    ゼ。 1)作用: 種々の油脂のエステル結合を加水分解し、脂肪
    酸およびグリセロ−ルを生成する。 2)基質特異性: 各種トリグリセリドを分解し、特にトリ
    ラウリン、トリカプリン、トリカプリリンをよく分解す
    る。 3)作用pHおよび至適pH: トリオレインを基質とした場
    合、作用pH範囲は5〜11であり、至適pHは9.0〜9.5であ
    る。 4)pH安定性: 30℃で1時間保持した場合、pH6.0〜10.5の
    範囲で安定である。 5)作用温度および至適温度: トリオレインを基質とした
    場合、作用温度は10〜70℃の広範囲にわたり、至適温度
    は60〜65℃である。 6)温度安定性: pH9.0、60℃で20分間保持した場合安定
    である。 7)分子量: SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法によ
    る分子量は、31,000である。 8)等電点: ショ糖密度勾配等電点電気泳動法による等電
    点は、3.8〜3.9である。 9)金属塩の影響: コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、カド
    ミウム、水銀等の重金属塩により活性を阻害される。 10)キレ−ト剤の影響: EDTA, EGTA, NTA, STPPにより活
    性を阻害されない。 11)界面活性剤耐性: ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ド
    デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(DBS)等のアニオ
    ン系界面活性剤、およびポリオキシエチレンオクチルフ
    ェニルエ−テル(TRITON-X100)、ポリオキシエチレンラ
    ウリルエ−テル(Brij35)等のノニオン系界面活性剤の0.
    1%溶液中で安定である。 12)漂白剤耐性: 酸素系漂白剤である過ホウ酸ナトリウ
    ム、および過炭酸ナトリウムの0.1%水溶液中で安定であ
    る。 13)プロテア−ゼ耐性: バチルス属の生産するアルカリ
    プロテア−ゼ 0.5PU/ml水溶液中で安定である。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のリパ−ゼを生産する新
    規微生物株、シュ−ドモナス sp. E-176株(微工研菌寄
    第13281号)。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の新規微生物株、または
    その天然ないし人工変異株を培養し、培養物中に請求項
    1に記載のリパ−ゼを生成蓄積せしめ、該培養物中から
    これを採取することを特徴とするリパ−ゼの製造法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1996027002A1 (fr) * 1995-02-27 1996-09-06 Novo Nordisk A/S Nouveau gene de lipase et procede de production de lipase a l'aide de celui-ci
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