JPH0754914A - 制震装置 - Google Patents

制震装置

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JPH0754914A
JPH0754914A JP21922393A JP21922393A JPH0754914A JP H0754914 A JPH0754914 A JP H0754914A JP 21922393 A JP21922393 A JP 21922393A JP 21922393 A JP21922393 A JP 21922393A JP H0754914 A JPH0754914 A JP H0754914A
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Katsuo Mutaguchi
勝生 牟田口
Tamotsu Murata
保 村田
Hideo Morita
英雄 森田
Koji Tanida
宏次 谷田
Yuji Koike
裕二 小池
Shunichi Yamada
俊一 山田
Tomohiko Arita
友彦 有田
Yasutsugu Kurokawa
泰嗣 黒川
Koji Ishii
孝二 石井
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Kajima Corp
IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 錘りの固有周期の調整を容易に可能とする。 【構成】 ベースフレーム2上に左右の支持ローラ3を
設ける。左右の支持ローラ3上に、左右のレール体4a
をヒンジ5にて連結してなるV字型のレール4を揺動自
在に載置する。レール4上に横に長い錘り6を載置す
る。錘り6の中央部をヒンジ5に接続し、錘り6の両端
部をライナー10を介してレール4の両端部に取り付け
る。ライナー10の厚みを変え、レール4のV字角度を
変えることによって錘り6の固有周期を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は吊り橋のタワー、超高層
ビルディング、タワー、鉄塔等の構造物の上部に設置し
てこれら構造物の風荷重(空気力)による振動や、地震
による振動振幅を抑えて早期に振動を減衰させるために
用いる制震装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種制震装置として、構造物に与えら
れた揺れエネルギーを錘りの運動エネルギーに変え、そ
れを効率よく減衰することにより構造物の振動を少なく
することができるようにしたものが提案されている(特
開平2−102945号)。これは、単振り子を発展さ
せたもので、図3に概要を示す如く、制震質量として円
弧状に湾曲形成した錘りaを、構造物b上に設置した左
右の支持ローラc上に単弦振動を行えるように載置し、
且つ該錘りaの上面に振動方向に沿ってラックdを設
け、更に、該ラックdの上方部にラックdと直交するよ
うに配した軸eをモータfに連結して該軸eの中間部
に、上記ラックdと噛合するようにピニオンgを取り付
け、モータfの駆動により軸eを介しピニオンgを回転
させてラックdと共に錘りaを所要の周期で揺動させら
れるようにした構成としてある。
【0003】かかる特開平2−102945号に提案さ
れた制震装置によれば、地震等により構造物bに揺れが
発生したときに、モータfの駆動で構造物bの揺れに対
して90度遅れた形で錘りaに単弦振動を行う運動エネ
ルギーが与えられ、そのエネルギーが構造物bに対して
最適な状態で与えられることにより、構造物bの揺れを
素早く抑えることができるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記円弧状
の錘りaを利用した制震装置の場合、錘りaの半径によ
って振動周期が決まるため、一度周期を設定すると固有
周期の調整が困難になる問題があり、又、錘りaが円弧
状であることから、その加工が大変である、という問題
がある。
【0005】そこで、本発明は、錘りの加工が容易で、
しかも固有周期の調整が容易な制震装置を提供しようと
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、離隔させて配置した支持ローラ上に、左
右のレール体同士をV字型にヒンジ結合してなるV字型
レールを揺動自在に載置し、且つ上記V字型レール上
に、横方向に長くした錘りを該V字型レールの長手方向
と平行に載置して、該錘りの中央部を上記V字型レール
のヒンジに連結すると共に、上記錘りの両端部とV字型
レールとの間に固有周期調整用ライナーを介在させ、該
ライナーの厚みでV字型レールのV字角度を変化させ得
るようにした構成とする。
【0007】
【作用】錘りをV字型レールに載せて支持ローラ上で揺
動させると、等価的に単振子に類似した制震質量とする
ことができる。又、レールの左右方向両端部と錘りの両
端部との間に介在させるライナーの厚みを変えると、V
字型レールのV字角度を変更することができるため、固
有周期を変えることができることになる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0009】図1は本発明の一実施例を示すもので、外
力を受けて揺動する構造物1の頂部にベースフレーム2
を据え付け、該ベースフレーム2上に、左右に所要間隔
を隔てて支持ローラ3を2つ宛計4個所設置し、該左右
の支持ローラ3上に、左右のレール体4aの一端同士を
V字型となるように突き合わせてV字の角度を調整可能
にヒンジ5にて連結してなるV字型レール4を、左右方
向へ揺動自在に載置し、且つ該V字型レール4上に、制
震質量としての錘り6を横方向に長くしてV字型レール
4の長手方向と平行となるように載置して、該錘り6の
中央部を、上記レール体4a同士を結合したヒンジ5に
ブラケット7を介して連結すると共に、上記錘り6の両
端部と、上記V字型レール4の両端部との間に、固有周
期調整用ライナー10を介在させ、該固有周期調整用ラ
イナー10はブラケット9を介しピン8にてV字型レー
ル4に取り付け、上記錘り6がV字型レール4と一体に
支持ローラ3上を左右方向へ単弦振動する如く揺動させ
られるようにして、重力を利用した復元力によるばね系
を構成する。
【0010】又、上記錘り6の前後両側面部の左右位置
に突起11を設け、更に、上記錘り6を前後で挟む位置
に設置した架台12に、上記突起11と対応する左右の
バッファ13を取り付けて、上記突起11がバッファ1
3に当接する範囲で上記錘り6の揺動領域が規制される
ようにし、上記錘り6を、構造物1の揺れに対し90度
遅れの位相で揺動させることにより構造物1の揺れを速
かに低減させられるようにする。
【0011】構造物1に地震等によって揺れが発生する
と、錘り6がV字型レール4と一体に左右の支持ローラ
3上を単弦振動を行うように左右に揺動することによ
り、V字型制震質量として作動する。すなわち、本装置
をハイブリット型に構成した場合には、たとえば、支持
ローラ3と同軸に取り付けた錘り駆動モータで錘り6を
構造物1の揺れに対して90度位相をずらして駆動する
ことで、構造物1の揺れを減衰させることができ、一
方、パッシブ型に構成した場合には、構造物1の揺れに
よって90度遅れで錘り6に与えられる揺れエネルギー
をダンパ等で減衰させることで、構造物1の揺れをう減
衰させることができる。
【0012】上記において、構造物1への制震力を最適
に与えるためには、構造物1のもつ固有周期に錘り6の
固有周期を一致させる必要があるが、本発明では、錘り
6の固有周期の調整を容易に行うことができる。すなわ
ち、V字型レール4のV字角度によって装置自身のもつ
固有周期が定められるが、錘り6の両端部とV字型レー
ル4の両端部との間に介在させる左右のライナー10の
厚みを変更すると、V字型レール4のヒンジ5部を中心
とするV字の角度が変わることになって錘り6の揺動軌
跡を変化させることができるため、装置自身のもつ固有
周期を調整することができる。
【0013】ここで、上記固有周期の調整について、ラ
イナー10のない図2の装置と比較して説明する。今、
ライナー10をもたない図2に示す装置において、錘り
6を振り子と考えると、振り子中心Oから錘り6の重心
Gまでの距離である半径はr′である。一方、図1に示
す本発明の装置の如く、錘り6の左右両端部とV字型レ
ール4の左右両端部との間に、ある厚みをもったライナ
ー10を介在させてV字型レール4のV字角度を開くよ
うにすると、振り子中心Oから錘り6の重心Gまでの半
径は、上記r′よりも長いrとなる。すなわち、図2に
示す装置の場合、振り子長さが短いため短周期となり、
図1に示す装置の場合、振り子長さが長くなるため長周
期となる。したがって、上記ライナー10の厚みを選定
することによって、錘り6の周期を構造物1の周期に完
全に同調させることが可能となる。又、上記錘り6は円
弧状に形成する必要がなくて任意の形状とすることがで
きるので、加工面でも有利である。
【0014】なお、本発明は上記実施例にのみ限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にお
いて種々変更を加え得ることは勿論である。
【0015】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の制震装置によ
れば、錘りを、V字型のレールを介して支持ローラ上で
揺動できるようにしたので、円弧状の錘りを用いた場合
と同様な制震効果を得ることができ、又、V字型レール
のV字角度を、V字型レールと錘りとの間に介在させる
スペーサとしてのライナーの厚さにより調整できるの
で、錘りの固有周期の調整が容易で構造物に完全に一致
させることができ、これにより、構造物の経年変化によ
る周期ずれに対しても現場で対応することができ、更
に、錘りは円弧状に加工する必要がないので加工作業が
楽である、等の優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制震装置の一実施例を示す概要図であ
る。
【図2】ライナーをもたない制震装置を示すもので、図
1に示す制震装置との振り子半径の長短を比較する図で
ある。
【図3】円弧状の錘りを用いた単弦振動方式の制震装置
の例を示す概要図である。
【符号の説明】
3 支持ローラ 4 V字型レール 4a レール体 5 ヒンジ 6 錘り 10 固有周期調整用ライナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 保 東京都江東区毛利一丁目19番10号 江間忠 ビル 石川島播磨重工業株式会社江東事務 所内 (72)発明者 森田 英雄 東京都江東区毛利一丁目19番10号 江間忠 ビル 石川島播磨重工業株式会社江東事務 所内 (72)発明者 谷田 宏次 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社技術研究所内 (72)発明者 小池 裕二 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社技術研究所内 (72)発明者 山田 俊一 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 (72)発明者 有田 友彦 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 (72)発明者 黒川 泰嗣 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 (72)発明者 石井 孝二 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿島 建設株式会社技術研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 離隔させて配置した支持ローラ上に、左
    右のレール体同士をV字型にヒンジ結合してなるV字型
    レールを揺動自在に載置し、且つ上記V字型レール上
    に、横方向に長くした錘りを該V字型レールの長手方向
    と平行に載置して、該錘りの中央部を上記V字型レール
    のヒンジに連結すると共に、上記錘りの両端部とV字型
    レールとの間に固有周期調整用ライナーを介在させ、該
    ライナーの厚みでV字型レールのV字角度を変化させ得
    るようにした構成を有することを特徴とする制震装置。
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