JP3532606B2 - 制振装置 - Google Patents

制振装置

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JP3532606B2
JP3532606B2 JP02939294A JP2939294A JP3532606B2 JP 3532606 B2 JP3532606 B2 JP 3532606B2 JP 02939294 A JP02939294 A JP 02939294A JP 2939294 A JP2939294 A JP 2939294A JP 3532606 B2 JP3532606 B2 JP 3532606B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は2軸式制振装置に関する
ものである。さらに詳しくいえば1つのマスによって直
交する固有振動数の異なった2種類の固有振動を抑制す
る制振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】制振装置は種々開示されている。図1は
一方向のみの制振装置の一例で、モ−タ1によって減速
機2、歯車機構3を介して円弧状マス4をロ−ラ5上で
駆動し制振する装置である。
【0003】これに対し図2は2方向制振装置で一台で
平面内のX,Y両方向の制振を行う装置である。これは
図1の一方向制振装置を直交して2台設けたものであ
る。即ちX軸方向の制振装置がY軸方向の制振装置の上
に装着されている。このためY軸方向制振装置のマス4b
は平行に隔設され、これらを連結する連結体の上にX軸
方向の制振装置が装着されている。この装置はX,Y両
方向の振動の固有振動数が異なる場合において利用可能
であるが、X,Yそれぞれにマスを用意しなければなら
ない(Y方向を制振する場合については、X方向用のマ
スも制振に寄与する。逆に言えばY方向のマスはX方向
の制振には寄与しない)ので、マスの合計質量が大とな
らざるを得ない。
【0004】図3は同じく2方向制振装置の例である。
これはフレ−ム9内に1個のマス4を有し、モ−タ1a又
は1bでボ−ルねじ7を駆動し、マス4をx軸方向又はy
軸方向に駆動するよう構成している。8はマス4を支持
するワイヤである。これにより一台の制振装置で水平面
内のX,Y両方向の制振を行うことができるが、構造が
複雑な上X,Y方向の固有振動数が異なる場合は受動時
に制振ができないという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】2方向の異なる固有振
動数の振動を1つのマスで制振を行うことができ、しか
もその際X,Y互いに連成のない制振装置を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】水平支持したマス11
と、該マス11の周辺でその重心Gと同一高さ位置で下
端を連結し、上端をマスと平行な上部の支持平面Cで支
持した複数本のワイヤ12と、マス11の重心Gを通り
前記支持平面Cと直交する2つの垂直平面A及び平面B
のうち、垂直平面A内にあって一端をマス11の重心G
に他端を前記支持平面Cでそれぞれ球ジョイントを介し
斜めに支持したダンパ13a と、垂直平面B内にあって一
端をマス11の重心Gに他端を前記支持平面Cでそれぞ
れ球ジョイントを介し斜めに支持したダンパ13b と、平
面A内の振子支点Oと同一高さ位置Qk1とマス11の重
心Gとの間に設けたばね14a と、平面B内の振子支点O
と同一高さ位置Qk2とマス11の重心Gとの間に設けた
ばね14b とで制振装置を構成した。又、水平支持したマ
ス11と、該マス11の周辺でその重心Gと同一高さ位
置で下端を連結し、上端をマスと平行な上部の支持平面
Cで支持した複数本のワイヤ12と、マス11の重心G
を通り前記支持平面Cと直交する2つの垂直平面Aと平
面Bのうち、垂直平面A内にあって一端をマス11の重
心Gに他端を前記支持平面Cでそれぞれ球ジョイントを
介し斜めに支持したダンパ16a と、垂直平面B内にあっ
て一端をマス11の重心Gに他端を前記支持平面Cでそ
れぞれ球ジョイントを介し斜めに支持したダンパ16b
と、平面Aから等距離a離れた平行平面A′とA″内に
あって、ワイヤ12の支点Oと同じ高さQk 点から重心
G点と同じ高さにあるマス11の両側面の点Rの間に取
り付けた2本のばね15a と、同様に平面Bから等距離b
離れた平行平面B′とB″内にあって、ワイヤ12の支
点Oと同じ高さQk 点から重心G点と同じ高さにあるマ
ス11の内側面の点Rの間に取り付けられた2本のばね
15b とで構成した。さらにマス11への取り付けをダン
パ16a,16bをマス11の外周面の重心と同じ高さ位置
に、又ばね15a,15bをマス11の重心Gへ取り付けた。
【0007】
【作用】1つのマス11にばね14a,14b、又は15a,15
b、ダンパ13a,13b、又は16a,16bを取り付け、ばねの剛
性、ダンパの減衰を調整することによってX,Y方向の
異なる固有振動数の振動を抑制することができる。又ば
ね,ダンパをこのような取り付け方にすることにより
X,Y方向互いに連成することがない、つまりX方向だ
けの振動を制振する場合、Y方向には何ら力が加わらな
いので、Y方向に加振する心配がない。又ダンパを油圧
シリンダとダンパとに切り換え可能な装置にすることに
より2軸式能動制振装置化も可能となる。
【0008】
【実施例1】図4に基いて説明する。図4で11は平面
視四角形をしたマスで4隅の点Pで4本のワイヤ12に
より水平に吊られた振子となっている。マス11とワイ
ヤ12を接続する点Pはマス11の重心Gと同じ高さ位
置になっている。平面Aと平面Bは重心Gを通る互いに
直交する垂直平面である。これら平面A,Bのうち平面
A内にありかつ振子の4つの支点Oと同じ高さの点Qd
1 と重心G点までの間にダンパ13a が取り付けられてい
る。同様に平面B内にありかつ振子の4つの支点Oと同
じ高さの点Qd2と重心Gまでの間にダンパ13b が取り付
けられている。Qd1,Qd2及びG点には球面ジョイン
トが取り付けられている。ダンパの取付方と同様に、平
面A及び平面B内の振子支点O点と同じ高さの点Qk1
及びQk2から重心G点までの間にばね14aと14bが取り
付けられている。又点Qk1,Qk2と重心G点において
も球ジョイントでそれぞれ取り付けられている。
【0009】
【実施例2】図5に基いて説明する。これは重心G点の
近傍に4つの球ジョイントを取り付けるのが困難な場合
の例である。即ち図5のばね15aと15bはA,B平面を水
平移動させたA′,A″,B′,B″平面内にある。即
ち2本のばね15a は平面Aから等距離a離れた平行平面
A′とA″内にあって、ワイヤ12の支点Oと同じ高さ
Qk点から重心G点と同じ高さにあるマス11の両側面
の点Rの間に取り付けられている。同様に2本のばね15
b は平面Bから等距離b離れた平行平面B′とB″内に
あって、ワイヤ12の支点Oと同じ高さQk 点から重心
G点と同じ高さにあるマス11の内側面の点Rの間に取
り付けられている。ダンパ16a は平面A内にあって支点
Oと同一高さのQd点とマス11の重心Gとの間に、又
ダンパ16bは平面B内にあって支点Oと同一高さのQd
点とマス11の重心Gとの間に取り付けられている。な
おダンパとばねの取り付け位置を入れ換えても勿論良
い。
【0010】
【効果】水平支持したマス11と、該マス11の周辺で
重心Gの位置と同一高さ位置で下端を連結し、上端をマ
ス11と平行な上部の支持平面Cで支持した複数本のワ
イヤ12と、マス11の重心Gを通り互に直交する2つ
の垂直平面Aと平面B内にあって一端をマスの重心に、
他端を前記上部の支持平面Cでそれぞれ球ジョイントを
介し斜めに支持した2つのダンパ13a,13bと、平面A,
B内の振子の支点Oと同一高さ位置と、マス11の重心
Gとの間に設けたばね14a,14bとで支持した。このよう
にしたので、2方向の異なる固有振動数の振動を1つの
マス11で制振できる。この際X,Y方向の振動が互い
に連成がなくX,Y方向夫々独立しているので、X方向
の制振を行う際に、Y方向の加振をするということが起
こらず有効に制振を行うことができる。又、ばね又はダ
ンパ−の何れか一方をマスの外側面に取り付けるように
したので、マスの重心近傍に多くの球ジョイントを設け
ることができなくても所期の目的を達成することが可能
となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】公知一方向制振装置。
【図2】公知二方向制振装置。
【図3】公知二方向制振装置の別の例。
【図4】本発明に係る制振装置の斜視図。
【図5】同じく第2実施例。
【符号の説明】
A 垂直平面 B 垂直平面 C 支持平面 G (マスの)重心 O (振子の上部)支点 Qd (ダンパの)上
部支点 Qk (ばねの上部)支点 11 マス 12 ワイヤ 13a,13b ダンパ 14a,14b ばね 15a,15b ばね 16a,16b ダンパ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 15/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平支持したマスと、該マスの周辺でそ
    の重心と同一高さ位置で下端を連結し、上端をマスと平
    行な上部の支持平面(C)でそれぞれ球ジョイントを介
    して支持した複数本のワイヤと、マスの重心を通り前記
    支持平面(C)と直交する2つの垂直平面(A)及び平
    面(B)のうち、垂直平面(A)内にあって一端をマス
    の重心に他端を前記支持平面(C)でそれぞれ球ジョイ
    ントを介し斜めに支持したダンパ(13a)と、垂直平
    面(B)内にあって一端をマスの重心に他端を前記支持
    平面(C)でそれぞれ球ジョイントを介し斜めに支持し
    たダンパ(13b)と、平面(A)内の振子支点と同一
    高さ位置(Qk)とマスの重心との間にそれぞれ球ジ
    ョイントを介して支持したばね(14a)と、平面
    (B)内の振子支点と同一高さ位置(Qk)とマスの
    重心との間にそれぞれ球ジョイントを介して支持した
    ね(14b)からなる制振装置。
  2. 【請求項2】 水平支持したマスと、該マスの周辺でそ
    の重心と同一高さ位置で下端を連結し、上端をマスと平
    行な上部の支持平面(C)にそれぞれ球ジョイントを介
    して支持した複数本のワイヤと、マスの重心を通り前記
    支持平面(C)と直交する2つの垂直平面(A)と平面
    (B)のうち、垂直平面(A)内にあって一端をマスの
    重心に他端を前記支持平面(C)でそれぞれ球ジョイン
    トを介し斜めに支持したダンパ(16a)と、垂直平面
    (B)内にあって一端をマスの重心に他端を前記支持平
    面(C)でそれぞれ球ジョイントを介し斜めに支持した
    ダンパ(16b)と、平面(A)から等距離(a)離れ
    た平行平面(A′)と平面(A″)内にあって、ワイヤ
    の支点と同じ高さ(Qk)点からマスの重心点と同じ高
    さにあるマスの両側面の点(R)の間にそれぞれ球ジョ
    イントを介し取り付けた2本のばね(15a)と、同様
    に平面(B)から等距離(b)離れた2つの平行平面
    (B′)と平面(B″)内にあって、ワイヤの支点と同
    じ高さ(Qk)点からマスの重心点と同じ高さにあるマ
    スの内側面の点(R)の間にそれぞれ球ジョイントを介
    して取り付けられた2本のばね(15b)とからなる制
    振装置。
  3. 【請求項3】 マスへの取り付けをダンパ(16a,1
    6b)をマスの外周面の重心と同じ高さ位置に、又ばね
    (15a,15b)をマスの重心へ取り付けた請求項2
    の制振装置。
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