JPH1129908A - 吊橋の橋桁の制振方法及びその吊橋 - Google Patents

吊橋の橋桁の制振方法及びその吊橋

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JPH1129908A
JPH1129908A JP18471397A JP18471397A JPH1129908A JP H1129908 A JPH1129908 A JP H1129908A JP 18471397 A JP18471397 A JP 18471397A JP 18471397 A JP18471397 A JP 18471397A JP H1129908 A JPH1129908 A JP H1129908A
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JP
Japan
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vibration
bridge girder
bridge
hanger
damping
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JP18471397A
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English (en)
Inventor
Katsuaki Takeda
勝昭 武田
Shinji Kato
真志 加藤
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固有振動数の低い動吸振器の設計が可能なよ
うにするとともに、吊橋のねじれ振動の構造減衰を増大
させる。 【解決手段】 橋桁1と主ケーブル2とをクロスハンガ
ー4などの補助ハンガー手段10により結合することに
より、ねじれ振動時に水平方向振動を誘起させた上で、
該水平方向振動を橋桁1に設置した減衰付加装置11に
より減衰させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、風力により吊橋の
橋桁に生じるねじれ振動を抑制する制振方法及びその吊
橋に関する。
【0002】
【従来の技術】通常の吊橋の耐風設計においては、ねじ
れ1自由度振動、またはねじれ・鉛直たわみ連成振動の
形で生じる破局的な振動現象(フラッター)を未然に防
止することが最も重要である。このような振動現象を防
止するためには、橋桁の断面形状を工夫する方法や、動
吸振器などの設置により構造減衰を増大させる方法が有
効であることが知られている。動吸振器というのは、図
8に示すように、構造物(吊橋)の主振動系20に対し
て、振動体22、バネ23、減衰器24からなる副振動
系21を同調させるように構成することによって主振動
系の構造減衰を増大させるものであり、副振動系の固有
振動数を主振動系のそれとほぼ一致させることが効果を
発揮させるための必須の条件である。
【0003】従来の動吸振器を橋梁主塔の水平方向振動
防止用に用いた例を図9に、小規模な歩道橋のような橋
桁の鉛直たわみ振動防止用に用いた例を図10に示す。
図9においては、振り子形式の動吸振器30を示すもの
であり、それぞれ重錘31を取り付けた1対のレバー3
2の間に粘弾性体33を介在させ、粘弾性体33の剪断
変形によって水平方向振動を減衰させるようにしたもの
である。また、図10においては、コイルバネダンパー
形式の動吸振器35を示すものであり、重錘36を支え
る複数のコイルバネ37と減衰器38を設置することに
より、鉛直たわみ振動を減衰させるようにしたものであ
る。このように、動吸振器によって水平方向振動、また
は鉛直たわみ振動の構造減衰を増大させ、振動の発生の
未然防止を達成することが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】吊橋に発生するねじれ
1自由度フラッター、またはねじれ・鉛直たわみ連成フ
ラッターを防止するための手法として、ねじれ振動の構
造減衰を動吸振器によって増大させることが有効と考え
られる。そのためには、図11に示すように、通常の吊
橋における橋桁1は両側をそれぞれハンガー3を介して
主ケーブル2により支持されているため、ねじれ振動1
6が発生すると、通常、上下動のみの振動17となるの
で、橋桁1の断面中心から離隔した側方位置に鉛直たわ
み振動防止用の動吸振器を設置することが有効であると
考えられる。しかるに、吊橋のように可撓性に富む構造
物では、図10に示す小規模な歩道橋などと異なり、一
般にねじれの固有振動数がかなり低いため、鉛直たわみ
振動防止用の動吸振器を設計することができない。その
理由は、固有振動数を低くするためにバネを弱くする
と、重力の影響により重錘の支持が不安定となり、重錘
の中立位置を保持できなくなるからである。このため、
従来の吊橋においては、構造減衰の付加を目的とした鉛
直たわみ方向の動吸振器の設置は事実上不可能であっ
た。
【0005】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたもので、固有振動数の低い動吸振器の設計
が可能なようにするとともに、吊橋のねじれ振動の構造
減衰を増大させることができる橋桁の制振方法及びその
吊橋を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る吊橋の橋桁
の制振方法は、吊橋の橋桁のねじれ振動を抑制する制振
方法において、前記橋桁と主ケーブルとを結合した補助
ハンガー手段により、前記橋桁のねじれ振動時に水平方
向振動を誘起させた上で、該水平方向振動を前記橋桁に
設置した減衰付加装置により減衰させることを特徴とす
るものである。ここで、補助ハンガー手段というのは、
図5に例示するような(a)図のクロスハンガー、
(b)図のステイハンガー、(c)図のリジッドハンガ
ー、または(d)図の斜めハンガーからなるものであ
る。図5において、1は橋桁、2は主ケーブル、3はハ
ンガー、4はクロスハンガー、5はステイハンガー、6
はリジッドハンガー、7は斜めハンガーである。また、
補助ハンガー手段10の設置箇所は、通常、図6に示す
ように、中央径間の2箇所(AとB)、側方径間の2箇
所(CとD)を含む計4箇所である。水平方向振動防止
用の減衰付加装置11は、中央径間の中央部近傍の箇所
に設置される。図6において、8は主塔である。
【0007】水平方向振動防止用の動吸振器では、鉛直
たわみ振動防止用の動吸振器と異なり、重力の影響を回
避できるため、長周期の(固有振動数の低い)装置の設
計が可能である。本発明ではこの点に着目して、吊橋の
ねじれ振動時に水平方向振動が誘起されるように工夫す
る。この手段が、橋桁と主ケーブルとを結合するように
所定の箇所に設置した前記の補助ハンガー手段である。
例えば、クロスハンガー4を用いると、図7に示すよう
に、橋桁1のねじれ振動15は、クロスハンガー4に作
用する引張力の水平分力により水平方向の振動18を伴
うものとなる。したがって、長周期の(固有振動数の低
い)装置の設計が可能な、水平方向振動防止用の動吸振
器からなる減衰付加装置を橋桁に設置することにより、
ねじれ振動時の構造減衰を増大させることができるた
め、ねじれ1自由度振動、またはねじれ・鉛直たわみ連
成振動の形で生じる破局的な振動現象(フラッター)を
未然に防止することができる。
【0008】本発明の制振方法に係る吊橋は、橋桁とケ
ーブルとを結合した補助ハンガー手段と、前記橋桁に設
置した水平方向振動防止用の減衰付加装置とを有するこ
とを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1の実施形態を
示す橋桁の概略断面図である。この例は、補助ハンガー
手段として、図5(a)のクロスハンガー4を用いたも
のであり、通常の吊橋における2本の主ケーブル2から
橋桁1の断面方向の両側に対し、それぞれ補助ハンガー
4a、4bを斜めに張設してクロスハンガー4を構成し
たものである。クロスハンガー4は、図6に示すよう
に、橋軸方向の適当な位置に数箇所設置すればよい。こ
のようなクロスハンガー4を設置することにより、図7
に示すように橋桁4のねじれ振動時に水平方向振動18
を誘起させることができるので、この水平方向振動18
を減衰させるために減衰付加装置11を橋桁1に設置す
る。減衰付加装置11は、重錘12、バネ13及び減衰
器14からなる水平方向振動防止用の動吸振器であり、
重錘12を重力の影響なしに水平方向に移動自在に支持
することができるため、弱いバネを使用することがで
き、したがって、吊橋の低い固有振動数に同調するよう
に減衰付加装置11を設計することができる。この減衰
付加装置11により、ねじれ振動の構造減衰を増大させ
ることが可能となる。
【0010】図2は本発明の第2の実施形態を示すもの
で、上記と同様にクロスハンガー4を使用し、減衰付加
装置11には図9に示した従来の振り子形式の動吸振器
30を使用したものである。振り子形式の動吸振器30
では、振り子の長さを長くすることによって、長周期の
(固有振動数の低い)減衰付加装置の設計が可能であ
る。
【0011】図3は本発明の第3の実施形態を示すもの
で、同じくクロスハンガー4を使用し、動吸振器の代わ
りに、スロッシングダンパーと呼ばれる、水槽15内の
水の動きを利用した減衰付加装置11を用いたものであ
る。図4は第4の実施形態を示すもので、吊橋の形式が
モノケーブル形式のときは、斜めハンガー7を設置する
ことにより、ねじれ振動時に水平方向振動を誘起させる
ことができる。
【0012】補助ハンガー手段は、上記のクロスハンガ
ー4や斜めハンガー7に限られるものではなく、図5
(b)、(c)に示すようなステイハンガー5またはリ
ジッドハンガー6を用いることができる。ステイハンガ
ー5はハンガー3の外方に設置した斜めハンガーの一種
であり、またリジッドハンガー6はラーメン構造のフレ
ームで構成したものである。また、クロスハンガーの交
差部を上方へ上げるように変形することも可能である。
以上に示した各形式の補助ハンガー手段と減衰付加装置
の組み合わせは自由である。
【0013】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、簡単な
補助ハンガー手段を設置することにより、橋桁のねじれ
振動時に水平方向振動を誘起させた上で、その水平方向
振動を減衰付加装置により減衰させるものであるので、
固有振動数の低い減衰付加装置の設計が可能となり、よ
って、ねじれ1自由度振動、またはねじれ・鉛直たわみ
連成振動の形で生じる破局的な振動現象(フラッター)
を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る橋桁の概略断面
図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る橋桁の概略断面
図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る橋桁の概略断面
図である。
【図4】本発明の第4の実施形態に係る橋桁の概略断面
図である。
【図5】補助ハンガー手段の例を示す図である。
【図6】補助ハンガー手段および減衰付加装置の設置箇
所を示す吊橋の概略側面図である。
【図7】補助ハンガー手段によるねじれ振動時の橋桁の
動きを示す図である。
【図8】振動系モデルにおける動吸振器の原理図であ
る。
【図9】従来の動吸振器の橋梁主塔への適用例を示す図
である。
【図10】従来の動吸振器の歩道橋橋桁への適用例を示
す図である。
【図11】従来の吊橋のねじれ振動時における橋桁の動
きを示す図である。
【符号の説明】
1 橋桁 2 主ケーブル 3 ハンガー 4 クロスハンガー 5 ステイハンガー 6 リジッドハンガー 7 斜めハンガー 10 補助ハンガー手段 11 減衰付加装置 30 振り子形式動吸振器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吊橋の橋桁のねじれ振動を抑制する制振
    方法において、 前記橋桁と主ケーブルとを結合した補助ハンガー手段に
    より、前記橋桁のねじれ振動時に水平方向振動を誘起さ
    せた上で、該水平方向振動を前記橋桁に設置した減衰付
    加装置により減衰させることを特徴とする吊橋の橋桁の
    制振方法。
  2. 【請求項2】 橋桁とケーブルとを結合した補助ハンガ
    ー手段と、前記橋桁に設置した水平方向振動防止用の減
    衰付加装置とを有する吊橋。
JP18471397A 1997-07-10 1997-07-10 吊橋の橋桁の制振方法及びその吊橋 Pending JPH1129908A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013014987A (ja) * 2011-07-06 2013-01-24 Ihi Corp 吊橋の制振構造及び吊橋の架設方法
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