JP3820496B2 - 独立架構の連成による大径間構造物 - Google Patents

独立架構の連成による大径間構造物 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、構造体自身の振動特性を利用して大きな制振効果を得る新しい構造システムの技術分野に属し、更に云えば、独立架構の連成により、構造上安全で、大規模な人工地盤としての用途も可能で、しかも低コストに建築できる大径間構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の建築物は、構造上の制限から、柱スパンや部材断面の大きさが決められるので、大径間構造物を構築することは容易ではなかった。
【0003】
そこで、これまでの大径間構造物は、部材コストの低減と構造上の安全性向上のために制振システム又は免震装置を採用することが多かった。例えば、図3は、パッシブ型のチューンドマスダンパー(TMD)と称される制振システムを採用した例で、建物の頂部に補助質量a(マス)を吊り下げ、その共振現象で地震入力や風荷重による建物の揺れを抑制する構成とされている。
【0004】
図4は、アクティブ型の制振システム(AMD)を採用した例で、地盤及び建物上部に振動センサーb、cを設置して、その測定値を制御装置d(CPU)へ入力する。制御装置dが前記測定値に基いて演算した制御信号によってリアルタイムにアクチュエータeを駆動させ、補助質量fを水平振動(共振)させることによって、地震入力や風荷重による建物の揺れを抑制する構成とされている。
【0005】
図5は、水平剛性が小さい免震装置gにより地盤と縁切りして建物を支持せしめ、免震建物に地震入力が入ることを抑制(免震)している。
【0006】
その他、特許第2799385号公報には、「大スパン構造物」を構成するトラスの上弦材中央および下限材中央に一端を固定したワイヤーを左右対称に斜張させ、上下弦材の端部に設置した滑車に前記ワイヤーを巻き回して減衰装置を構成し、大スパン構造物に生ずる上下振動を抑制する技術が開示されている。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】
図3と図4に示した制振システムで大径間構造物を構築する場合は、制振効果を得るために必要十分な大型の補助質量a又はfが使用されるので、高コスト化の問題、あるいは重い補助質量による主構造体の振動性状への悪影響が懸念されている。
【0008】
また、図5のように免震装置gを採用した場合には、免震層の外周に水平荷重を受けた免震建物の水平変形に対する十分な大きさの免震クリアランスSが不可欠である。構造物が大きくなるほどに前記免震クリアランスSも大きくなり、その周辺の安全性の確保やスペースの有効利用において不利となるほか、建設工事費が増大する不利益も大きい。
【0009】
上述した特許第2799385号公報に記載された「大スパン構造物」も一案ではあるが、減衰装置の設置施工が面倒で手間がかかる上に、その実効性にも疑問が認められる。
【0010】
本発明の目的は、構造体自身の振動特性を利用して大きな制振効果を得られる新しい構造システムを提供することであり、構造上安全で低コストの大径間構造物、更に云えば、独立架構の連成による大径間構造物を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る独立架構の連成による大径間構造物は、
1本の柱1又は1’を中心として水平方向の跳ね出し部材が四方に広がる構造で、隣接する柱1、1’の剛性が大小に異なり、固有振動数が異なる複数の独立架構3…が、前記跳ね出し部材2、2相互の境界にエキスパンションジョイントを設けて隣接する構成とされ
前記隣接する複数の独立架構3…は、隣接する柱1、1’同士がケーブル6によって相互に連結されていると共に、跳ね出し部材2、2相互の境界に鉛直支持部材7が設置され、鉛直支持部材7は前記ケーブル6によって吊り支持されており、跳ね出し部材2の端部は滑り支承8を介して前記鉛直支持部材7により支持されていること
跳ね出し部材2のエキスパンションジョイント部4に減衰装置が設置され、連成効果を利用して前記減衰装置による制振作用を助長させる構成であることを特徴とする。
【0013】
請求項記載の発明は、請求項1に記載した独立架構の連成による大径間構造物において、
独立架構を構成する跳ね出し部材は、跳ね出しスラブ又は版状トラス構造であることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
請求項1、2に記載した発明に係る独立架構の連成による大径間構造物の実施形態を図1と図2に示している。
【0015】
即ち、1本の柱1又は1’を中心として水平方向の跳ね出し部材2が四方に広がる構造及び形態で、しかも隣接する関係にある柱1と1’の剛性が大小に異なり、固有振動数が異なる複数の独立架構3…が、前記跳ね出し部材2、2相互の境界にエキスパンションジョイント4を設けて隣接する構成とされ、相互の境界に振動性状に与える影響が少ない連結手段として、隣接する柱1、1’同士はケーブル6によって相互に連結され、跳ね出し部材2,2相互の境界に鉛直支持部材7が設置され、鉛直支持部材7は前記ケーブル6によって吊り支持され、跳ね出し部材2の端部は滑り支承8を介して前記鉛直支持部材7により支持されている。そして、前記のように連結された連結部(エキスパンションジョイント部4)に減衰装置5が設置され、連成効果を利用して前記減衰装置5による制振作用を助長する(または助長を期待する)構成で構築されている。
【0016】
一般的に振動体が外力を受けるとき、振動理論で導かれる或る適切な振動数比(例えば1:2のような比)で、固有周期が異なる振動体及び連結部の減衰装置が組み合わされると、所謂「連成効果」により応答値が減少する現象がある。本発明は、こうした原理を大径間構造物に適用したもので、構造システムの概要は、上述した独立架構3をそれぞれ独立に建設し、相互に連成させることにある。
【0017】
この大径間構造物は、大規模なものは柱から水平に跳ね出す距離が非常に大きくなり、片持ち構造で支持することが困難なものとなる。
【0018】
そこで、跳ね出し部材2、2相互の境界(エキスパンション部4)に設置した鉛直支持部材7により前記跳ね出し部材2の先端部の荷重を負担させるものとし、隣接する独立架構3、3の柱1と1’を相互に連結するケーブル6によって前記鉛直支持部材7を吊り構造(サスペンション構造)で支持している。従って、跳ね出し部材2の下部空間は有効利用が図れる。
【0019】
前記跳ね出し部材2の端部(自由端)は、前記鉛直支持部材7の頭部に設置した滑り支承8によって水平移動が可能に支持されている。また、跳ね出し部材2、2相互間のエキスパンションジョイント4の間に減衰装置5が設置されている。こうして独立架構3、3は、相互の振動性状に与える影響が少ない手段で連結されているので、連成効果を利用して前記減衰装置5による制振作用が助長され、外力に対する応答を減少させる。
【0020】
即ち、独立架構3へ外力が入った際の挙動は、それぞれの振動周期特性(固有振動数)によって異なったものとなることによる、「連成効果」を利用して、独立架構3のエキスパンションジョイント4に設置した減衰装置5の働きとによる大きな制振効果を期待でき、構造物の外力(入力)に対する応答が大幅に低減されるので、大径間構造物の構造性能を向上し、低コスト化が可能になる。
【0021】
要するに、別途に補助質量を用いた制振システムや免震装置を採用することは無用であるし、部材断面の大きさ、柱スパンの大きさにも、設計上の自由度が得られる。
【0022】
上述の次第であるから、通常の構造物とは異なって、この大径間構造物において、独立架構3を構成する跳ね出し部材2は、跳ね出しスラブとし又は版状トラス構造で実施することができる(請求項記載の発明)。一例として、独立架構3の跳ね出し部材2は一辺の大きさが50m位、階高は20m位の大きさを実施可能である。
【0023】
【発明の奏する効果】
請求項1、2記載の発明に係る独立架構による大径間構造物は、構造体自身の振動特性を利用する連成効果によって大きな制振効果を得る新しい構造システムによって成立し、別途補助質量を用いる制振システムや免震装置を採用することは無用であるし、部材断面の大きさ、柱スパンの大きさにも、設計上の自由度が得られるから、構造上安全で、低コストに建築できる。
この大径間構造物は、大規模な人工地盤への応用、展開も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の大径間構造物の立面図である。
【図2】前記大径間構造物の底面図である。
【図3】制振システムの適用例を示した立面図である。
【図4】制振システムの異なる適用例を示した立面図である。
【図5】免震装置の適用例を示した立面図である。
【符号の説明】
1 柱
1’ 柱
2 跳ね出し部材
3 独立架構
4 エキスパンションジョイント
5 減衰装置
6 ケーブル
7 鉛直支持部材
8 滑り支承

Claims (2)

  1. 1本の柱を中心として水平方向の跳ね出し部材が四方に広がる構造で、隣接する柱の剛性が大小に異なり、固有振動数が異なる複数の独立架構が、前記跳ね出し部材相互の境界にエキスパンションジョイントを設けて隣接する構成とされ
    前記隣接する複数の独立架構は、隣接する柱同士がケーブルによって相互に連結されていると共に、跳ね出し部材相互の境界に鉛直支持部材が設置され、鉛直支持部材は前記ケーブルによって吊り支持されており、跳ね出し部材の端部は滑り支承を介して前記鉛直支持部材により支持されていること
    跳ね出し部材のエキスパンションジョイント部に減衰装置が設置され、連成効果を利用して前記減衰装置による制振作用を助長させる構成であることを特徴とする、独立架構の連成による大径間構造物。
  2. 独立架構を構成する跳ね出し部材は、跳ね出しスラブ又は版状トラス構造であることを特徴とする、請求項1に記載した独立架構の連成による大径間構造物。
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