JP3028033B2 - 制振構造物 - Google Patents

制振構造物

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JP3028033B2
JP3028033B2 JP7024909A JP2490995A JP3028033B2 JP 3028033 B2 JP3028033 B2 JP 3028033B2 JP 7024909 A JP7024909 A JP 7024909A JP 2490995 A JP2490995 A JP 2490995A JP 3028033 B2 JP3028033 B2 JP 3028033B2
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哲夫 鈴木
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地震とか強風等により
発生する建物の曲げ変形を抑制する制振構造物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】高層および超高層のこれら高層建物では
一般に柔らかく揺れの周期が長くなるため、地震とか風
を受ける場合に大きな変形に対する設計が必要となる。
ここで、建物1の全体変形δは図11に示すように、曲
げ変形δB と剪断変形δS との和によって決定される
が、低層の建物1では同図(A)に示すように全体変形
δに対して剪断変形δS が大きな割合を占め、一方、高
層(超高層)の建物1では同図(B)に示すように、曲
げ変形δB が大きな割合を占めるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、かかる従来
の建物1にあっては、高層化して細長く(アスペクト比
が大)なると、曲げ変形δB の増大に伴って全体変形δ
が大きくなることが知られており、この変形を抑制する
ために鋼材量を増す等の対策を強いられて不経済であ
り、建設コストが上昇してしまう。
【0004】また、現在では地震とか風に対する揺れの
低減対策として制振構造が用いられているが、現在実用
化さている制振構造の主目的は居住性の向上であり、構
造部材の低減等を狙うものはほとんどないのが現状であ
る。即ち、従来の制振装置では性能的に効果が小さく、
これを大地震等の大きな振動に用いようとすれば装置が
著しく大きくなり、技術的およびコスト的に困難とな
り、特に、アスペクト比が大きい建物は曲げ変形が支配
的であり、これを抑制できる制振機構の建物への導入は
著しく困難であるという課題があった。
【0005】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑み
て、曲げ変形が支配的な細長い高層建物の揺れを抑制し
て、居住性は勿論のこと、耐震安全性を向上させると共
に、使用する鋼材量を削減できてコストダウンを図るこ
とができる制振構造物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明は、曲げ変形が卓越する高層建物に一体に
けられ、外力が入力されて変形する耐震柱と、この耐震
柱に対して独立して対峙される補助柱と、これら耐震柱
と補助柱とを連結するダンパ部材とを備え、該ダンパ部
材を介して連結されて同じ周期で揺れるこれら柱の相対
変形に伴う力を、剪断力として当該ダンパ部材に入力さ
せるようにしたことを特徴とする。
【0007】また、前記ダンパ部材は水平方向に配置さ
れる直線状部材で形成することが望ましい。
【0008】
【作用】以上の構成により本発明の制振構造物にあって
は、曲げ変形が卓越する高層建物に地震とか風等の外力
が入力されると、建物に一体に設けられた耐震柱がこの
建物の揺れに伴って変形する一方、この耐震柱と独立し
た補助柱は当該耐震柱と同じ周期で揺れながら、耐震柱
と相対変形する。これら耐震柱と補助柱との相対変形に
伴う力は、両者を連結するダンパ部材に剪断力として
力され、このダンパ部材は履歴特性をもって変形して外
力のエネルギーを吸収し、建物の揺れを抑制することが
できる。このため、前記耐震柱と補助柱およびダンパ部
材を設けるという簡単な構造により建物の制振を行うこ
とができる。
【0009】また、前記ダンパ部材を水平方向に配置さ
れる直線状部材で形成することにより、建物の揺れに伴
って耐震柱と補助柱とが相対変形されると、この変形力
はダンパ部材に剪断変形として入力され、この剪断変形
による履歴特性で建物の揺れを効率良く抑制することが
できる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面を参照して
詳細に説明する。図1から図6は本発明の制振構造物の
一実施例を示し、図1は本実施例の制振構造物の概略構
成図、図2は制振構造物の要部を示す拡大断面図、図3
は制振構造物の要部の説明図、図4は制振構造物の揺れ
状態を示す要部の説明図、図5は制振構造物の揺れに対
する履歴特性図、図6は制振構造物の揺れ状態の解析モ
デル図である。
【0011】即ち、本実施例の制振構造物は図1に示す
ように、曲げ変形が卓越する高層建物(本実施例では8
階)10に一体に設けられ、外力が入力されて変形する
耐震柱12と、この耐震柱12に対して独立して対峙さ
れる補助柱14と、これら耐震柱12と補助柱14とを
連結するダンパ部材18とを備え、ダンパ部材18を介
して連結されて同じ周期で揺れるこれら柱12,14の
相対変形に伴う力を、剪断力として当該ダンパ部材18
に入力させるように構成されている。高層建物10の架
構の外郭を構成する鉄骨柱を耐震柱12として用い、こ
の耐震柱12の外側にこの耐震柱12と独立して対峙す
る鉄骨柱でなる補助柱14を基礎から立設して設ける。
【0012】前記耐震柱12および前記補助柱14は、
図2に示すようにそれぞれのフランジ12a,14a間
の間隔を一致させたH形鋼で形成し、それぞれのフラン
ジ12a,14aを適宜間隔を設けて並置すると共に、
それぞれのウエブ12b,14bが平行となるように対
向配置させてある。そして、前記耐震柱12と前記補助
柱14とを、各階の天井部分に配置される梁16,16
…間の略中央部に配置されるダンパ部材18,18…を
介して連結する。
【0013】前記ダンパ部材18は、アルミニウム等の
低降伏鋼材で形成される履歴型のものとか、粘性体のよ
うな速度依存型の材料を用いて直線状の棒体に形成さ
れ、この棒状のダンパ部材18の両端部を前記耐震柱1
2および前記補助柱14のウエブ12b,14b間に跨
がって取付ける。ここで、本実施例では前記耐震柱1
2,前記補助柱14および前記ダンパ部材18からなる
構成体を全体的にダンパ柱(制振装置内蔵型柱)20と
称するものとする。
【0014】以上の構成により本実施例の制振構造物に
あっては、高層建物10に地震とか風等の外力が入力さ
れると、建物10に一体に設けられた耐震柱12がこの
建物の揺れに伴って変形する一方、補助柱14はダンパ
部材18を介して耐震柱12に連結される関係上、これ
ら耐震柱12と補助柱14は同じ周期で揺れることにな
るが、この補助柱14は耐震柱12と独立しているため
両者は相対変形する。これら耐震柱12と補助柱14と
の相対変形に伴う力は、両者を連結するダンパ部材18
に入力される。このとき、前記ダンパ部材18は図3に
示すように水平に配置されているため、前記相対変形力
は図4に示すようにダンパ部材18に剪断力Qとして入
力され、このダンパ部材18が剪断方向に変形δd され
ることにより、外力エネルギーが吸収される。
【0015】尚、前記ダンパ部材18は図5に示す剪断
力Qと変形δd との関係で表される履歴特性を備えるよ
うになっている。従って、ダンパ柱20は図5に示す履
歴特性をもってダンパ部材18が変形されることによ
り、エネルギーを吸収して高層建物10の揺れが効果的
に抑制されることになる。このときの高層建物10の応
答解析による制振効果の確認は、図6に示すようにダン
パ柱20をモデル化して示すことができ、ダンパ部材1
8が剪断方向にエネルギー吸収することが理解される。
【0016】従って、本実施例の高層建物10では耐震
柱12,補助柱14およびダンパ部材18からなるダン
パ柱20を用いることにより、簡単な構造にして曲げ変
形δB が卓越する高層建物10の揺れを効果的に抑制す
ることができ、かつ建物全体の使用鋼材量を削減して工
費の大幅な低減を図ることができる。
【0017】図7から図10はダンパ柱20の他の実施
例をそれぞれ示し、前記実施例と同一構成部分に同一符
号を付して重複する説明を省略して述べる。即ち、図7
に示すダンパ柱20は、H形鋼で形成した耐震柱12と
補助柱14の互いに対向するフランジ12a,14aの
先端間を、一対のダンパ部材18で連結してある。ま
た、図8に示すダンパ柱20は同様に耐震柱12と補助
柱14とをH形鋼で形成し、対向するそれぞれのフラン
ジ12a,14aの先端部外側間をダンパ部材18で連
結してある。
【0018】更に、図9に示すダンパ柱20は、耐震柱
12と補助柱14とをウエブ12c14cと片側のフラ
ンジ12d,14dとで構成されるT形鋼で形成し、そ
れぞれのウエブ12c,14cを対向させて耐震柱12
と補助柱14とを配置する。そして、前記ウエブ12
c,14cの対向した先端間をダンパ部材18で連結し
てある。更にまた、図10に示すダンパ柱20は、耐震
柱12と補助柱14とをボックス状の鋼管で形成し、そ
れぞれの外側間を一対のダンパ部材18で連結してあ
る。
【0019】尚、前記ダンパ柱20は前記図7から図1
0に示す構成に限定されるものではなく、耐震柱12と
補助柱14とをダンパ部材18を介して連結するという
構成から逸脱しない限りにおいて様々な構成とすること
ができることは勿論である。
【0020】ところで、前記各実施例にあっては耐震柱
12と補助柱14とがダンパ部材18を介して連結され
るが、このダンパ部材18をそれぞれの柱12,14に
着脱可能に取付けることが望ましく、このようにダンパ
部材18を着脱可能とすることにより、大きな外力が入
力されてダンパ部材18が変形した後に、このダンパ部
材18を簡単に交換することができる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
示す制振構造物にあっては、曲げ変形が卓越する高層
物に一体に設けられ、外力が入力されて変形する耐震柱
と、この耐震柱に対して独立して対峙される補助柱と、
これら耐震柱と補助柱とを連結するダンパ部材とを備
え、該ダンパ部材を介して連結されて同じ周期で揺れる
これら柱の相対変形に伴う力を、剪断力として当該ダン
パ部材に入力させるようにしたので、地震とか風等の外
力が入力された際にこれら耐震柱と補助柱とが同じ周期
で揺れながら相対変形してダンパ部材を相対変形に伴う
剪断力によって変形させ、このダンパ部材の変形時の履
歴特性をもって前記外力を吸収して、建物の揺れを抑制
することができる。このため、前記耐震柱と補助柱およ
びダンパ部材を設けるという簡単な構造により曲げ変形
が卓越する高層建物の制振を効率良く行うことができ
る。従って、居住性は勿論のこと、外力に対する構造安
全性の向上を図ることができると共に、建物に使用する
鋼材量を削減して大幅なコスト低減を図ることができ
る。
【0022】また、本発明の請求項2にあっては、前記
ダンパ部材を水平方向に配置される直線状部材で形成し
たので、耐震柱と補助柱との相対変形はダンパ部材に剪
断変形として入力され、この剪断変形による履歴特性で
建物の揺れを抑制することができ、かつ、ダンパ部材の
取付けをより簡単化することができるという各種優れた
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制振構造物の第1実施例を示す概略構
成図である。
【図2】本発明の制振構造物の第1実施例を示す要部の
拡大断面図である。
【図3】本発明の制振構造物の第1実施例を示す要部の
説明図である。
【図4】本発明の制振構造物の第1実施例を示す建物の
揺れ状態の要部説明図である。
【図5】本発明の制振構造物の第1実施例を示す建物の
揺れに対する履歴特性図である。
【図6】本発明の制振構造物の第1実施例を示す建物の
揺れ状態の解析モデル図である。
【図7】本発明の制振構造物の他の実施例を示す第1の
ダンパ柱の断面図である。
【図8】本発明の制振構造物の他の実施例を示す第2の
ダンパ柱の断面図である。
【図9】本発明の制振構造物の他の実施例を示す第3の
ダンパ柱の断面図である。
【図10】本発明の制振構造物の他の実施例を示す第4
のダンパ柱の断面図である。
【図11】低層と構造の建物の揺れ状態を(A),
(B)をもって示す説明図である。
【符号の説明】
10 高層建物(制振構造物) 12 耐震柱 14 補助柱 18 ダンパ部
材 20 ダンパ柱
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−18864(JP,A) 特開 平6−26783(JP,A) 特開 昭63−293284(JP,A) 特開 平5−148918(JP,A) 特開 平4−339977(JP,A) 特開 平6−294169(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04H 9/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 曲げ変形が卓越する高層建物に一体に
    けられ、外力が入力されて変形する耐震柱と、この耐震
    柱に対して独立して対峙される補助柱と、これら耐震柱
    と補助柱とを連結するダンパ部材とを備え、該ダンパ部
    材を介して連結されて同じ周期で揺れるこれら柱の相対
    変形に伴う力を、剪断力として当該ダンパ部材に入力さ
    せるようにしたことを特徴とする制振構造物。
  2. 【請求項2】 前記ダンパ部材は水平方向に配置される
    直線状部材で形成したことを特徴とする請求項1に記載
    の制振構造物。
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