JP3045059B2 - 斜張橋斜材ケーブル制振装置 - Google Patents

斜張橋斜材ケーブル制振装置

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JP3045059B2
JP3045059B2 JP7308691A JP30869195A JP3045059B2 JP 3045059 B2 JP3045059 B2 JP 3045059B2 JP 7308691 A JP7308691 A JP 7308691A JP 30869195 A JP30869195 A JP 30869195A JP 3045059 B2 JP3045059 B2 JP 3045059B2
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vibration
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vibration damping
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龍児 中野
哲夫 竹田
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Kajima Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、斜張橋の斜材ケ
ーブルの風などによる振動を低減するための制振装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】斜張橋の斜材ケーブルは100〜200
mと長いため、風により振動しやすく、振動時には疲労
による損傷や、利用者へ与える不安感が懸念されてい
る。従って、斜張橋では、斜材ケーブルの振動を抑制す
る技術が従来より種々考案されてきた。
【0003】このような従来技術の一つに、平行して張
られた2本のケーブルを束ねてケーブルの間隔を小さく
することで、ウェイクギャロッピングと呼ばれる振動を
抑制しようとする方法(以下、束ねケーブル方式と称す
る)がある(特開平7−26510号公報)。
【0004】これは、図5に示すように、主塔50と主
桁51間に平行に張られた2本のケーブルC1,2 の間
隔を、ケーブルバンドBを用いて所定の間隔に規制する
ことで、ウェイクギャロッピングを抑制するものであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の束ねケーブル方
式を採用することで、斜材ケーブルに発生するウェイク
ギャロッピングを低減することが可能であるが、図6に
示すように、新たに2本のケーブルが一体となったねじ
れ振動が発生する問題がある。
【0006】この発明は、前述のような問題点を解消す
べくなされたもので、その目的は、斜張橋の斜材ケーブ
ルの制振方式として束ねケーブル方式を採用した場合に
新たに発生するケーブルのねじれ振動を比較的簡易な装
置で確実に抑制し、束ねケーブル方式と組み合わせるこ
とで斜材ケーブルに発生する有害な振動を低減すること
のできる制振装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、ねじれ振動に対応した制振装置とし
て、質量・ばね・減衰要素からなる振り子型の動吸振器
タイプの制振装置を採用して、斜材ケーブルのねじれ振
動を抑制する。振動を抑制する原理としては、制振対象
のねじれの振動エネルギーを制振装置の質量の振動エネ
ルギーとして消費することで制振対象の振動を抑制する
ものである。
【0008】従って、本発明の制振装置は、斜張橋の束
ねケーブル方式の斜材ケーブルに設置され、この束ねケ
ーブルのねじれ振動を抑制する制振装置であり、束ね
ーブルに固定される固定部材と、この固定部材に上端が
軸着されてケーブル軸方向に直交する面内を揺動可能な
ロッドと、このロッドの下部に取付けられる重りと、前
記ロッドの揺動を束ねケーブルに伝達可能にロッドと固
定部材間に配設されるばねおよび減衰要素とから構成す
る。
【0009】本制振装置の模式図を図2に示す。本制振
装置においては、ねじりばねが無くても重力による復元
力を持つため、制振装置全体でのばね定数は、ねじりば
ね定数と、重力によるばね定数を合わせたものとなる。
従って、本制振装置の固有振動数f0 は、次式で表され
る。
【0010】
【数1】
【0011】ここで、kθはねじりばねのばね定数、k
g は重力による復元力のばね定数、Iは重りとロッドの
回転中心まわりの慣性モーメントである。
【0012】本制振装置は、上記の式(1)で表される
固有振動数f0 が、ケーブルのねじれ振動の固有振動数
に同調するように、ねじりばね定数を調整して斜材ケー
ブルに設置する。但し、重力による復元力はケーブルの
制振に寄与しないため、ねじりばねの無いロッド−重り
系の固有振動数(以下、振り子の固有振動数)がケーブ
ルのねじれ振動の固有振動数よりも高い場合には、制振
装置の固有振動数を同調させることができないため、ロ
ッドの長さを長くするなどして振り子の固有振動数を下
げ、ねじりばねの復元力でケーブルに制振力を伝えられ
るように設計する。
【0013】また、重りの重さを大きくしたり、棒の長
さを長くすることで装置の慣性モーメントを大きくする
ことにより、また制振装置の取付位置を斜材ケーブルの
中央に近づけることにより、制振効果をより大きくする
ことができる。
【0014】以上のような構成の制振装置において、ケ
ーブルのねじれ振動の固有振動数に同調する振り子型の
動吸振器が構成され、ケーブルのねじれ振動により重り
が振動し、重りの振動を拘束するばねおよび減衰要素を
介して制振力がケーブルに伝達され、ケーブルのねじれ
振動が抑制される。束ねケーブル方式の制振手法と組み
合わせて用いることによって、斜材ケーブルに発生する
有害な振動を低減することが可能となる。また、本制振
装置は駆動力をいっさい必要とせず、制振装置設置後は
メンテナンスが殆ど必要ない。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示する一実施
例に基づいて説明する。図1にこの発明に係る制振装置
の一例を示し、図2にその模式図を示す。図3にこの発
明に係る制振装置の設置例を示す。
【0016】図3において、主桁と主塔との間に平行に
張られた斜材ケーブルC1,2 はケーブルバンドBによ
り束ねられ、ケーブル間隔を所定の間隔に規制すること
でウェイクギャロッピングが抑制されており、このよう
な並列ケーブルCに、この発明に係る制振装置1が取付
けられる。
【0017】制振装置1は、図1に示すように、主とし
て、装置を並列ケーブルCに固定する固定治具2と、こ
の固定治具2に上端が軸7により取付けられて揺動自在
に垂下するロッド3と、このロッド3の下部に上下位置
調整可能に取付けられる重り4と、ロッド3とばね固定
ロッド8間に上下位置調整可能に配設されるばね5と、
ロッド3とダンパー固定ロッド9間に上下位置調整可能
に配設されるダンパー6とからなる。
【0018】固定治具2は、基台10上に固定された下
部抱持体11と、着脱可能な上部抱持体12からなり、
これら下部抱持体11と上部抱持体12とで並列ケーブ
ルCを上下から抱持し、下部抱持体11と上部抱持体1
2とをボルト13で固定することにより、制振装置1を
並列ケーブルCの任意の位置に固定可能とする。
【0019】基台10の中央下面には、ケーブル軸方向
に一対の支持ブラケット14を取付け、ロッド3の上端
に軸7をケーブル軸方向と平行に固定し、この軸7の両
端を支持ブラケット14で支持する。これにより、固定
治具2を並列ケーブルCに固定した状態で、ロッド3は
並列ケーブルCの軸方向と直交する面内を横方向に揺動
可能となる。また、軸7と支持ブラケット14との間に
はベアリング15を介在させ、摩擦抵抗をほとんど受け
ることなくロッド3・重り4が振り子運動を行えるよう
にする。
【0020】ロッド3はスクリューロッドとし、このス
クリューロッド3を重り4に螺合させ、あるいは貫通さ
せることにより、重り4を上下移動可能とし、上下のナ
ット16でロッド3に固定する。ばね固定ロッド8およ
びダンパー固定ロッド9は、ロッド3の揺動方向の両側
にロッド3と平行に配設し、上端を基台10の両端部に
それぞれ固定する。
【0021】ばね5は、基台10と平行に配設し、スク
リューロッド3に対してはナット部材17などで一端を
取付け、ばね固定ロッド8に対しては他端をクランプ部
材18などで取付け、上下方向に位置調整可能とする。
ダンパー6もスクリューロッド3・ダンパー固定ロッド
9に対して同様に取付け、上下方向に位置調整可能とす
る。
【0022】このような制振装置1においては、ねじり
ばね・ねじりダンパーの代わりに、通常のばね5・ダン
パー6を用いているが、ばね定数をk,ダンパーの減衰
係数をc,ロッド3の回転中心からばね取付位置までの
距離をxk ,ロッド3の回転中心からダンパー取付位置
までの距離をxc とすると、これらばね5・ダンパー6
は、 ねじりばね定数:kθ=k×xk 2 ねじり減衰係数:cθ=c×xc 2 のねじりばね・ねじりダンパーに相当する。
【0023】また、重力による復元力のばね定数を
g ,ロッド3・重り4の慣性モーメントをIとする
と、本制振装置1の固有振動数f0 は、前述の(1)式
で表される。従って、ばね5の取付位置やばね定数を調
整することで、制振装置1の固有振動数f0 をケーブル
の固有振動数に同調させることができる。制振装置1の
減衰についても同様にして調整することができる。
【0024】以上のような構成の制振装置1において、
固有振動数f0 を並列ケーブルCの固有振動数に同調さ
せた制振装置1を固定治具2を介して並列ケーブルCに
取付けると、側面視でロッド3が並列ケーブルCに直角
の状態で制振装置1がセットされ、次に述べるように制
振が行われる。
【0025】並列ケーブルCがねじれ振動すると、重り
4が軸7を中心にしてケーブルのねじれ振動方向に揺動
運動する。これにより、ばね5が変位し、変位量に比例
した力がばね固定ロッド8・固定治具2を介して並列ケ
ーブルCに伝達され、制振力として作用する。このと
き、制振力はケーブルのねじれ振動に対してモーメント
として作用するため、ケーブルのねじれ振動が抑制され
る。ダンパー6については重り4の速度に比例した力を
並列ケーブルCに伝達するものである。
【0026】図4に、本制振装置を設置した場合と、設
置しない場合の並列ケーブルの振動の様子を示す。この
図から、本制振装置を設置することで、並列ケーブルの
ねじれ振動を大幅に低減できることがわかる。
【0027】本制振装置による制振効果は、装置設置位
置での並列ケーブルの等価慣性モーメントに対する制振
装置の慣性モーメントの比を大きくすることで向上でき
る。
【0028】その方法としては、制振装置の設置位置を
斜材ケーブルの中央部に近づけてケーブルの等価慣性モ
ーメントを小さくする方法や、重りを大きくしたり、ロ
ッドを長くしたりして制振装置の慣性モーメントを大き
くする方法などがある。
【0029】
【発明の効果】前述の通り、この発明は、斜材ケーブル
に取付けられる制振装置を、ロッド,重り,ばねおよび
減衰要素からなる振り子型の動吸振器とし、ケーブルの
ねじれの振動エネルギーを制振装置の質量の振動エネル
ギーとして消費するようにしたため、斜材ケーブルのね
じれ振動を比較的簡易な装置で確実に抑制することがで
き、束ねケーブル方式の制振方法と組み合わせて用いる
ことにより、斜材ケーブルに発生する有害な振動を低減
することが可能となる。また、制振のための駆動力はい
っさい不要で、装置設置後はメンテナンスがほとんど不
要であり、経済性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る制振装置の一例を示し、(a)
は正面図、(b)は側面図である。
【図2】この発明に係る制振装置の模式図である。
【図3】この発明に係る制振装置の設置状態を示す側面
図である。
【図4】この発明による制振効果を示すグラフである。
【図5】斜張橋の束ねケーブル方式による制振を示し、
(a)は斜張橋の全体図、(b)は並列ケーブルの平面
図、(c)は並列ケーブルの部分拡大平面図、(d)は
並列ケーブルの横断面図である。
【図6】並列ケーブルのねじれ振動を示す横断面図であ
る。
【符号の説明】
C…並列ケーブル、B…ケーブルバンド 1…制振装置、2…固定治具、3…ロッド、4…重り、
5…ばね、6…ダンパー、7…軸、8…ばね固定ロッ
ド、9…ダンパー固定ロッド、10…基台、11…下部
抱持体、12…上部抱持体、13…ボルト、14…支持
ブラケット、15…ベアリング、16…ナット、17…
ナット部材、18…クランプ部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭61−180206(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E01D 1/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 斜張橋の束ねケーブル方式の斜材ケーブ
    ルに設置され、この束ねケーブルのねじれ振動を抑制す
    る制振装置であり、束ねケーブルに固定される固定部材
    と、この固定部材に上端が軸着されてケーブル軸方向に
    直交する面内を揺動可能なロッドと、このロッドの下部
    に取付けられる重りと、前記ロッドの揺動を束ねケーブ
    ルに伝達可能にロッドと固定部材間に配設されるばねお
    よび減衰要素とからなることを特徴とする斜張橋斜材ケ
    ーブル制振装置。
JP7308691A 1995-11-28 1995-11-28 斜張橋斜材ケーブル制振装置 Expired - Lifetime JP3045059B2 (ja)

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CN107151975A (zh) * 2017-06-08 2017-09-12 商丘工学院 一种用于土木工程结构的悬吊系统的缆索中的减振装置
CN111270609A (zh) * 2020-03-18 2020-06-12 柳州欧维姆机械股份有限公司 一种pe护套管止转组件及带pe护套管止转功能的拉索
CN111926681B (zh) * 2020-07-31 2022-03-18 中铁大桥局集团有限公司 一种摆式调谐质量阻尼装置和减振桥梁
CN118498207B (zh) * 2024-07-09 2024-09-27 湖南大学 一种用于悬索桥吊索的套筒阻尼装置及一种悬索桥

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