JP2011137317A - 制振機能を有する橋梁及び制振機能を有する橋梁の施工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の制振機能を有する橋梁10は、上部に床版12が配置される橋桁11と、橋桁11の長手方向に所定の間隔を設けて配置される一対の支点で橋桁11を各々支持する橋脚13と、橋桁11の下部フランジ11bの下面に接合される粘弾性体14と、粘弾性体14の下面に接合される粘弾性体よりも剛性の高い平板15とを備えている。橋桁11が撓むと、下部フランジ11bと平板15の間に挟まれる粘弾性体14にはせん断変形が生じることにより、振動エネルギを吸収して橋梁10の振動を抑制する。
【選択図】図1
Description
また、同調質量補助振動系を設置することで震度エネルギを移設し、橋桁振動を抑制する構造も提案されている(例えば、特許文献2)。
同調質量補助振動系を設置するものは、対象振動数が限定されているために、衝撃的な過渡応答に対しては効果が小さく、また、振動系とするために、まとまった質量体が必要であり、橋桁、橋脚への応力負担が大きくなる。ちなみに、質量体は、対象構造振動透過質量の1〜2%程度であり、数トン以上の質量となる。また、同調質量補助振動系を対象振動数に調整する必要があり、製作コストに加えて、設置時の調整コストが必要となる。
本発明は、このような課題に基づいてなされたもので、制振機構の設置が容易かつ低コストで行うことができる橋梁、その施工方法を提供することを目的とする。
したがって、本発明によれば、制振機構の設置が容易かつ低コストの橋梁が提供される。
H型鋼からなる橋桁は、撓みの中立軸は一般的にウェブ上にある。したがって、上部フランジ又は下部フランジに長さ変移面が形成される。しかし、上部フランジの上面側に床版が配置されると、粘弾性体を接合できない。また、上部フランジの下面には粘弾性体を接合できるが、下部フランジに比べて高いところにあるため、粘弾性体、平板の接合作業性がよくない。これに対して、下部フランジは、上部フランジに比べて低い位置にあるので接合作業が容易である。また、下部フランジの上面に粘弾性体を接合する形態は、粘弾性体、平板が下部フランジの上面に載ることになるので、粘弾性体、平板が下部フランジから落下するのを防止する接合補助部材を設ける必要性が小さい。ただし、この形態は、下部フランジの幅方向の中央に通常はウェブがあるために、フランジの幅と同じ幅の粘弾性体を接合する場合には、ウェブの左側に粘弾性体を接合し、次いで、ウェブの右側に粘弾性体を接合する、という2つの工程が必要となる。これに対して、下部フランジの下面に粘弾性体を接合する形態は、一度の施工でフランジの幅と同じ幅の粘弾性体を接合できるので、接合の作業性が優れる。
また、本発明は、この制振機能を有する橋梁を施工する方法も提供する。この施工方法は、上部に床版が載せられる橋桁と、橋桁の長手方向に所定の間隔を設けて配置される一対の支点で前記橋桁を各々支持する橋脚と、を備える橋梁に、橋脚の側面に、橋脚の高さ方向に延びる粘弾性体を接合し、次いで、橋脚側に配置される第3接合面と対向する粘弾性体の第4接合面に平板を接合する工程とを備えることを特徴とする。
図1、図2に示すように、本実施の形態に係る橋梁10は、上部に床版12が配置される複数の橋桁11と、各橋桁11の長手方向に所定の間隔を設けて配置される一対の支点SP1,SP2で橋桁11を各々支持する橋脚13とを備える。人、車両は、床版12の上を図1の矢印の方向に往来するが、この矢印は橋梁10(橋桁11)の長手方向を示す。
粘弾性体14としては、高分子材料、ゴム、アスファルト材、ウレタン材、ゲル等の中で、「粘性」と「弾性」の性質を両方あわせ持つ物質を広く適用できる。本発明では、特にアスファルトマチックに代表される瀝青材を粘弾性体14として用いることが好ましい。
粘弾性体14は、自己接着性を有する場合には、その接着力を用いて下部フランジ11bに接合される。粘弾性体14は、自己接着性を有しない場合には、接着剤を介して下部フランジ11bに接合される。その他の接合方法を用いてもよいが、制振作用を得るために粘弾性体14に必要なせん断変形が生じるのを妨げないことを前提とする。
平板15は、下部フランジ11b(粘弾性体14)と幅、長さが同じに設定されており、5つの中で3つの橋桁11に設けられている。平板15は、粘弾性体14よりも剛性が高く、かつ厚さが薄いために、橋桁11(下部フランジ11b)が撓んでも、伸びは下部フランジ11bに比べて無視できる程度である。
初期状態において、橋桁11、粘弾性体14及び平板15の長さをLとする。
例えば車両の通行による振動に伴って橋桁11に下向きに凸の撓みが生じたものとする。橋桁11は、中立軸における長さはLのままであるが、撓むことにより橋桁11(下部フランジ11b)の下面の長さは、伸び△Lが加わりL+△Lとなる。つまり、下部フランジ11bの下面は、橋桁11の長手方向に延び、かつ橋桁11の振動に伴って長さが移り変わる長さ変移面を構成する。
下部フランジ11bの下面の長さはL+△Lとなるが、平板15の伸びは下部フランジ11bの下面に比べて無視できる程度であるから、平板15の長さはLのままとみなことができる。したがって、下部フランジ11bと平板15の間の粘弾性体14は、下部フランジ11bと接する側では長手方向に引張り力を受け、平板15と接する側では長手方向に圧縮力を受けることにより、せん断変形する。このせん断変形により振動エネルギを吸収することで、橋梁10は振動が抑制される。
施工上、長手方向の一部に設置することが有利であっても、設置面積が同じことを前提にすると、制振特性上は長手方向により長く粘弾性体14とを設けることが有効である。
したがって、粘弾性体14は、下部フランジ11bの長手方向の全域に設置することが本発明にとって最も好ましい。
一方、下部フランジ11bの長手方向の一部に粘弾性体14を限定的に設置する場合を本発明は包含する。ただし、施工上の制約等により実施されるものであり、制振性能は低下することを念頭におく必要がある。また、この場合、橋梁の長手方向の中央部を中心にして、粘弾性体14が長手方向に等配分されることが推奨される。
また、以上では粘弾性体14、平板15を下部フランジ11bの下面に配置した例を示したが、図4(b)に示すように、下部フランジ11bの上面に設置することもできる。この例では、接合補助部材を用いる必要性はほとんどなくなる。
図5に示す橋梁モデルにおいて、曲げ1次モードにて振動する場合を考える。この場合、変形関数は、式(1)のようになるため、回転角は式(2)で与えられる。
一般化質量 ms*=500ton
固有振動数 fs =3.0Hz
減衰定数 hs =0.01
一般化剛性 ks*=ms*×(2πfs)=177653kN/m
一般化減衰 cs*=2×hs×ms*×(2πfs)=188kNs/m
K=8.8kN/m
C=0.4kNs/m
1本の橋桁11に粘弾性体14を接合するだけで、振動を抑制できることが判る。
また、橋桁11は鋼製に限らず、コンクリート製の橋桁についても本発明を適用することができる。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
Claims (8)
- 上部に床版が設置される橋桁と、
前記橋桁の長手方向に所定の間隔を設けて配置される一対の支点で前記橋桁を各々支持する橋脚又は橋台と、
前記橋桁の前記長手方向に延び、かつ前記橋桁の振動に伴って長さが移り変わる長さ変移面に接合される粘弾性体と、
前記橋桁側に配置される第1接合面と対向する前記粘弾性体の第2接合面に接合される粘弾性体よりも剛性の高い平板と、
を備えることを特徴とする制振機能を有する橋梁。 - 前記橋桁は、前記床版が載せられる上部フランジと、前記上部フランジと間隔を設けて対向配置される下部フランジと、前記上部フランジと前記下部フランジを繋ぐウェブと、を備えるH型鋼からなり、
前記下部フランジの上面及び下面の一方又は双方が前記長さ変移面を構成し、
前記粘弾性体は前記下部フランジの上面及び下面の一方又は双方に接合される、
請求項1に記載の制振機能を有する橋梁。 - 前記粘弾性体及び前記平板が前記橋桁から落下するのを防止する接合補助部材を備える、
請求項1又は2に記載の制振機能を有する橋梁。 - 上部に床版が設置される橋桁と、
前記橋桁の長手方向に所定の間隔を設けて配置される一対の支点で前記橋桁を各々支持する橋脚と、を備える橋梁に、
前記橋桁の前記長手方向に延び、かつ前記橋桁の振動に伴って長さが移り変わる長さ変移面に粘弾性体を接合し、
次いで、前記橋桁側に配置される第1接合面と対向する前記粘弾性体の第2接合面に平板を接合する工程と、
を備えることを特徴とする制振機能を有する橋梁の施工方法。 - 前記橋桁は、前記床版が載せられる上部フランジと、前記上部フランジと間隔を設けて対向配置される下部フランジと、前記上部フランジと前記下部フランジを繋ぐウェブと、を備えるH型鋼からなり、
前記下部フランジの上面及び下面の一方又は双方が前記長さ変移面を構成し、
前記粘弾性体は前記下部フランジの上面及び下面の一方又は双方に接合される、請求項4に記載の制振機能を有する橋梁の施工方法。 - 前記粘弾性体及び前記平板が前記橋桁から落下するのを防止する接合補助部材で前記粘弾性体及び前記平板を前記橋桁に固定する請求項4又は5に記載の制振機能を有する橋梁の制振方法。
- 上部に床版が載せられる橋桁と、
前記橋桁の長手方向に所定の間隔を設けて配置される一対の支点で前記橋桁を各々支持する橋脚と、
前記橋脚の側面に接合され、前記橋脚の高さ方向に延びる粘弾性体と、
前記橋脚側に配置される第3接合面と対向する前記粘弾性体の第4接合面に接合される粘弾性体よりも剛性の高い平板と、
を備えることを特徴とする制振機能を有する橋梁。 - 上部に床版が載せられる橋桁と、
前記橋桁の長手方向に所定の間隔を設けて配置される一対の支点で前記橋桁を各々支持する橋脚と、を備える橋梁に、
前記橋脚の側面に、前記橋脚の高さ方向に延びる粘弾性体を接合し、
次いで、前記橋脚側に配置される第3接合面と対向する前記粘弾性体の第4接合面に平板を接合する工程と、
を備えることを特徴とする制振機能を有する橋梁の施工方法。
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CN110532714A (zh) * | 2019-09-03 | 2019-12-03 | 石家庄铁道大学 | 车-路-桥耦合动力学分析方法 |
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