JP4970234B2 - 橋梁制振装置および高架橋 - Google Patents

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Description

本願発明は、高架橋の径間所定位置に設けられ、橋桁の上下振動を減衰させるように構成された橋梁制振装置および当該高架橋に関するものである。
比較的支間長の長い高架橋においては、大型車両等の通行により低周波振動が励起されるので、周辺環境へ大きな影響を与えてしまうことが多い。
このため従来より、高架橋の径間所定位置に橋梁制振装置を設けて、橋桁の上下振動を減衰させる工夫がなされている。このような橋梁制振装置としては、同調質量型の橋梁制振装置と、反力設置型の橋梁制振装置とが知られている。
同調質量型の橋梁制振装置は、図9(a)に示すように、また「特許文献1」や「特許文献2」にも記載されているように、橋桁202の径間所定位置にマスダンパ212が設置された構成となっている。
一方、反力設置型の橋梁制振装置は、同図(b)に示すように、径間所定位置の地盤2に設置された反力構造物224と橋桁202との間に制振ダンパ222が設けられた構成となっている。
なお「特許文献3」には、このような反力設置型の橋梁制振装置の特殊な例として、水上に架設される橋梁に設けられた橋梁制振装置が記載されている。この橋梁制振装置は、橋桁の径間中央に上端部が固定された、上下方向に長い支持構造物と、この支持構造物の下端部に、水中に没するようにして取り付けられた開口板とからなっている。
特開2000−96514号公報 特開2003−232393号公報 特開平8−100410号公報
しかしながら、上記同調質量型の橋梁制振装置においては、マスダンパ212の重錘214として、橋桁202に対して1〜5%程度の重量を有する重錘が必要となり、また、5〜8%程度の粘性減衰が必要となる。このため、橋梁制振装置の構成が比較的複雑なものとなってしまう、という問題がある。また、この橋梁制振装置においては、特定次数の振動に対しては制振効果が得られるが、対象構造物の動特性の変動に対して調整を行うことが必要となる、という問題がある。
一方、反力設置型の橋梁制振装置においては、反力を負担する反力構造物224が必要となり、かつ、大きな粘性減衰を得るために大きなスペースが必要となる、という問題がある。しかも、この橋梁制振装置においては、地震や熱膨張による橋桁の橋軸方向変位に対する追従性に乏しい、という問題がある。
なお、上記「特許文献3」に記載された反力設置型の橋梁制振装置は、水上に架設される橋梁を前提とするものであり、陸上に架設される高架橋に適用することは困難である。
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、高架橋の径間所定位置に設けられ、橋桁の上下振動を減衰させるように構成された橋梁制振装置において、広範囲の振動数帯に対して制振効果を得ることができるとともに、地震等による橋桁の橋軸方向変位に対する追従性を確保することができる橋梁制振装置およびこれを備えた高架橋を提供することを目的とするものである。
本願発明は、橋梁制振装置として、所定の支柱および制振ダンパを備えた構成とするとともに、これに橋軸方向スライダが追加配置された構成とすることにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
すなわち、本願発明に係る橋梁制振装置は、
高架橋の径間所定位置に設けられ、橋桁の上下振動を減衰させるように構成された橋梁制振装置において、
上記径間所定位置の地盤に設置された支柱と、この支柱と上記橋桁との間に設けられた制振ダンパとを備えてなり、
上記制振ダンパが、平行に配置された1対の鉛直プレートの間に高減衰ゴムが設けられてなり、一方の鉛直プレートにおいて上記支柱に連結されるとともに他方の鉛直プレートにおいて上記橋桁に連結されており、
上記一方の鉛直プレートと上記支柱との連結または上記他方の鉛直プレートと上記橋桁との連結が、橋軸方向の相対変位を許容する橋軸方向スライダを介して行われている、ことを特徴とするものである。
上記「径間所定位置」は、径間中央であってもよいし、径間中央から外れた位置であってもよい。
上記「支柱」は、鉛直方向の軸力に抵抗し得るように構成されたものであれば、その地盤に対する設置構造は特に限定されるものではない。
上記「制振ダンパ」は、単一であってもよいし、複数であってもよい。
上記「橋軸方向スライダ」は、一方の鉛直プレートと支柱との連結または他方の鉛直プレートと橋桁との連結を、橋軸直交方向の相対変位は規制した状態で、橋軸方向の相対変位を許容する態様で行うように構成されたものであれば、その具体的な構成は特に限定されるものではない。
上記構成に示すように、本願発明に係る橋梁制振装置は、高架橋における径間所定位置の地盤に設置された支柱と、この支柱と橋桁との間に設けられた制振ダンパとを備えているが、その制振ダンパは、平行に配置された1対の鉛直プレートの間に高減衰ゴムが設けられてなり、その一方の鉛直プレートにおいて支柱に連結されるとともに他方の鉛直プレートにおいて橋桁に連結されているので、橋桁の上下振動を高減衰ゴムの剪断変形によるエネルギ吸収作用で効果的に減衰させることができる。そしてこれにより、広範囲の振動数帯に対して制振効果を得ることができる。
その際、高減衰ゴムに十分な振動減衰性能を発揮させるためには、橋桁の上下振動に伴って生じる高減衰ゴムの剪断ひずみが、ある程度大きい値となるようにしておく必要がある。そのためには、1対の鉛直プレート相互間の間隔を比較的小さい値に設定しておくことが必要となる。しかしながら、このようにした場合には、地震や熱膨張により橋桁が橋軸方向に変位すると、高減衰ゴムに大きな負荷がかかってしまい破損してしまうおそれがある。
その点、本願発明に係る橋梁制振装置においては、制振ダンパにおける一方の鉛直プレートと支柱との連結または他方の鉛直プレートと橋桁との連結が、橋軸方向の相対変位を許容する橋軸方向スライダを介して行われているので、地震や熱膨張による橋桁の橋軸方向変位に対する追従性を確保することができる。そしてこれにより、高減衰ゴムに大きな負荷がかかって破損してしまうおそれを未然に回避することができる。
このように本願発明によれば、高架橋の径間所定位置に設けられ、橋桁の上下振動を減衰させるように構成された橋梁制振装置において、広範囲の振動数帯に対して制振効果を得ることができるとともに、地震等による橋桁の橋軸方向変位に対する追従性を確保することができる。
しかも、本願発明に係る橋梁制振装置は、径間所定位置の地盤に設置された支柱と橋桁との間に、1対の鉛直プレートおよび高減衰ゴムからなる制振ダンパが設けられるとともに、これに橋軸方向スライダが追加配置されただけの構成であるので、橋梁制振装置を比較的簡単でコンパクトな構成とすることができる。
上記構成において、「橋桁」の種類は特に限定されるものではないが、この橋桁が鋼桁である場合には、コンクリート桁等に比して低周波振動が発生しやすいので、本願発明の構成を採用することが特に効果的である。
上記構成において、「制振ダンパ」の向きは特に限定されるものではないが、この制振ダンパが、その1対の鉛直プレートを橋軸方向と直交する鉛直面に沿って延びるように配置した状態で設けられた構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、この制振ダンパにおいては、その1対の鉛直プレートと直交する方向に関しては、支柱と橋桁との間に生じる相対変位を許容することはほとんど不可能であるが、その1対の鉛直プレートと平行な方向に関しては、高減衰ゴムの剪断変形分だけは上記相対変位を許容することが可能である。そこで、支柱と橋桁との間に生じる橋軸方向の相対変位については、橋軸方向スライダの介在により許容されることに鑑み、1対の鉛直プレートを橋軸方向と直交する鉛直面に沿って延びるように配置すれば、支柱と橋桁との間において橋軸方向と直交する水平方向に生じる相対変位を、高減衰ゴムの剪断変形分だけは許容することが可能となる。したがって、この相対変位が橋桁の熱膨張によるもの程度の大きさであれば、高減衰ゴムに過大な負荷がかかってしまわないようにすることが可能となる。
上記構成において、「橋軸方向スライダ」の具体的な構成が特に限定されるものではないことは上述したとおりであるが、これを直動転がりガイドとして構成すれば、支柱と橋桁との間における橋軸方向の相対変位がより円滑に行われるようにすることができ、また、橋軸直交方向の遊びを略ゼロにして、鉛直方向の力を確実に伝達させるようにすることができる。
上記構成において、橋軸方向スライダと、制振ダンパ、支柱または橋桁との間に、橋軸方向と直交する水平方向の相対変位を許容する橋軸直交方向スライダが設けられた構成とすれば、地震や熱膨張により、橋桁が橋軸方向と直交する水平方向に大きく変位した場合においても、これに対する追従性を確保することができる。そしてこれにより、高減衰ゴムに大きな負荷がかかって破損してしまうおそれを一層効果的に回避することができる。
本願発明に係る橋梁制振装置の適用対象となる高架橋の橋桁が、複数の主桁を有する構成となっている場合には、これら各主桁毎に本願発明に係る橋梁制振装置が設けられた構成とすれば、橋桁の上下振動をより効果的に減衰させることが可能となる。
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
図1は、本願発明の一実施形態に係る橋梁制振装置10を備えた高架橋110を示す側面図であり、図2は、そのII-II 線断面図である。
これらの図に示すように、本実施形態に係る高架橋110は、比較的支間長の長い道路橋であって、上り線用の高架橋110と下り線用の高架橋110とが互いに隣接して延びている。
この高架橋110は、支間長が50m程度で幅員が14m程度に設定されている。そして、この高架橋110は、橋桁112がその橋軸方向両端部において支承116を介して橋脚114に載置されてなる単純桁橋として構成されている。
この高架橋110の橋桁112は、鋼桁として構成されている。すなわち、この橋桁112は、鉄筋コンクリート製の床版122と、この床版122を支持する3本の鋼製の主桁124と、これら各主桁124相互間を連結する鋼製の横桁126とからなっている。
橋梁制振装置10は、高架橋110の径間中央に設けられており、大型車両等の通行により生じる橋桁112の上下振動を減衰させるように構成されている。その際、この橋梁制振装置10は、高架橋110の橋桁112における各主桁124毎に設けられている。
この橋梁制振装置10は、径間中央において地盤2に設置された支柱12と、この支柱12と橋桁112との間に設けられた装置本体14と、この装置本体14と支柱12との間に介装された橋軸方向スライダ16とからなっている。その際、支柱12は、長さが9m程度で直径が500mm程度の鋼管で構成されており、その下端部において基礎18を介して地盤2に固定されている。
図3は、図1のIII 部詳細図であり、図4は、図2のIV部詳細図である。また、図5は、図3のV部詳細図であり、図6は、図4のVI部詳細図である。
これらの図に示すように、橋梁制振装置10の支柱12は、その上端縁に環状フランジ82が形成されており、また、その上端部外周面には、環状フランジ82を支持する複数の鉛直リブ84が溶接されている。
橋梁制振装置10の装置本体14は、4つの制振ダンパ20と、下部取付架台22と、上部取付架台24とからなっている。
4つの制振ダンパ20は、橋軸方向に互いに近接して配置された1対の制振ダンパ20が、橋軸直交方向に互いに近接して2組配置されている。
これら各制振ダンパ20は、平行に配置された1対の鉛直プレート32、34の間に高減衰ゴム36が設けられてなり、一方の鉛直プレート32において下部取付架台22に固定されるとともに、他方の鉛直プレート34において上部取付架台24に固定されている。その際、これら各制振ダンパ20は、その1対の鉛直プレート32、34を橋軸方向と直交する鉛直面に沿って延びるように配置した状態で設けられている。高減衰ゴム36の肉厚は、20mm程度の値に設定されている。
下部取付架台22は、平行に配置された1対の鉛直支持プレート42と、これら各鉛直支持プレート42の下端面に溶接されたベースプレート44と、各鉛直支持プレート42の背面に溶接された複数の鉛直リブ46と、1対のベースプレート44間に跨るようにして両ベースプレート44の下面に配置された取付用プレート48とからなっている。そして、この下部取付架台22の各鉛直支持プレート42に、各制振ダンパ20の鉛直プレート32がボルト締めにより固定されている。また、この下部取付架台22は、その各ベースプレート44において取付用プレート48を介して橋軸方向スライダ16のスライダ部16Bにボルト締めにより固定されている。
上部取付架台24は、下部取付架台22における1対の鉛直支持プレート42の中央に位置するようにして配置された鉛直支持プレート52と、この鉛直支持プレート52の上端面に溶接されたトッププレート54と、鉛直支持プレート52の上端部両面に溶接された複数の鉛直リブ56とからなっている。そして、この上部取付架台24の鉛直支持プレート52の両面に、各制振ダンパ20の鉛直プレート34がボルト締めにより固定されている。また、この上部取付架台24は、そのトッププレート54においてライナプレート58を介して主桁124の下部フランジ124Aにボルト締めにより固定されている。
なお、主桁124における上部取付架台24の固定部位には、そのウェブ124Bの下端部両面に複数の鉛直リブ124Cが溶接されている。
橋軸方向スライダ16は、レール部16Aとスライダ部16Bとからなっている。
レール部16Aは、橋軸方向に延びる1対のレール本体62と、これら1対のレール本体62の各々を固定支持する1対の帯状プレート64と、これら1対の帯状プレート64を固定支持する支持プレート66とからなっている。そして、このレール部16Aは、その支持プレート66において、支柱12の環状フランジ82にボルト締めにより固定されている。
スライダ部16Bは、1対のレール本体62に2つずつ載置された4つのスライダ本体72と、これら4つのスライダ本体を2つずつ直列配置で固定支持する1対の帯状プレート74とからなっている。そして、このスライダ部16Bは、その1対の支持プレート74において、下部取付架台22の取付用プレート48にボルト締めにより固定されている。
この橋軸方向スライダ16は、そのレール部16Aの各レール本体62に対してスライダ部16Bの各スライダ本体72を橋軸方向に移動可能とする一方、橋軸直交方向に関しては、その水平方向および鉛直方向いずれの方向にも遊びを略ゼロにして、鉛直方向の力を確実に伝達させるようになっている。
これを実現するため、この橋軸方向スライダ16は、直動転がりガイドとして構成されている。すなわち、この橋軸方向スライダ16は、橋軸方向に延びる複数の溝が形成されたレール本体62と、橋軸方向に延びる直線部を有する複数の無限軌道溝が形成されたスライダ本体72とが、これら各無限軌道溝に沿って配置された多数の鋼球70を介して係合した構成となっている。そしてこれにより、レール部16Aに対してスライダ部16Bを極めて小さい摩擦係数で橋軸方向に移動可能とする一方、橋軸直交方向の遊びを略ゼロにするようになっている。
次に本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態に係る橋梁制振装置10は、高架橋110における径間中央の地盤2に設置された支柱12と、この支柱12と橋桁112との間に設けられた制振ダンパ20とを備えているが、その制振ダンパ20は、平行に配置された1対の鉛直プレート32、34の間に高減衰ゴム36が設けられてなり、一方の鉛直プレート32において下部取付架台22を介して支柱12に連結されるとともに、他方の鉛直プレート34において上部取付架台24を介して橋桁112に連結されているので、橋桁112の上下振動を高減衰ゴム36の剪断変形によるエネルギ吸収作用で効果的に減衰させることができる。そしてこれにより、広範囲の振動数帯に対して制振効果を得ることができる。
その際、高減衰ゴム36に十分な振動減衰性能を発揮させるためには、橋桁112の上下振動に伴って生じる高減衰ゴム36の剪断ひずみが、ある程度大きい値(具体的には10%程度)となるようにしておく必要がある。そのためには、1対の鉛直プレート32、34相互間の間隔を比較的小さい値に設定しておくことが必要となる。
具体的には、本実施形態のような支間長が50m程度の高架橋110の場合、車両通行に伴う主桁124の鉛直方向の最大振幅は3mm程度である。したがって、これに対して、高減衰ゴム36に10%程度の剪断ひずみを生じさせるためには、高減衰ゴム36の肉厚を30mm以下にする必要がある。このため、高減衰ゴム36は、その肉厚が20mm程度の値に設定されている。
しかしながら、単にこのようにした場合には、地震や熱膨張により橋桁112が橋軸方向に変位すると、高減衰ゴム36に大きな負荷がかかってしまい破損してしまうおそれがある。
その点、本実施形態に係る橋梁制振装置10においては、制振ダンパ20における一方の鉛直プレート32と支柱12との連結が、橋軸方向の相対変位を許容する橋軸方向スライダ16を介して行われているので、地震や熱膨張による橋桁112の橋軸方向変位に対する追従性を確保することができる。そしてこれにより、高減衰ゴム36に大きな負荷がかかって破損してしまうおそれを未然に回避することができる。
しかも、本実施形態に係る橋梁制振装置10は、径間所定位置の地盤2に設置された支柱12と橋桁112との間に、1対の鉛直プレート32、34および高減衰ゴム36からなる制振ダンパ20が設けられるとともに、これに橋軸方向スライダ16が追加配置されただけの構成であるので、橋梁制振装置10を比較的簡単でコンパクトな構成とすることができる。
さらに、本実施形態に係る橋梁制振装置10は、その橋桁112が鋼桁であり、コンクリート桁等に比して低周波振動が発生しやすいので、本実施形態の構成を採用することが特に効果的である。
また、本実施形態に係る橋梁制振装置10においては、各制振ダンパ20が、その1対の鉛直プレート32、34を橋軸方向と直交する鉛直面に沿って延びるように配置した状態で設けられているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、この制振ダンパ20においては、その1対の鉛直プレート32、34と直交する方向に関しては、支柱12と橋桁112との間に生じる相対変位を許容することはほとんど不可能であるが、その1対の鉛直プレート32、34と平行な方向に関しては、高減衰ゴム36の剪断変形分だけは上記相対変位を許容することが可能である。
そこで、支柱12と橋桁112との間に生じる橋軸方向の相対変位については、橋軸方向スライダ16の介在により許容されることに鑑み、本実施形態のように、1対の鉛直プレート32、34を橋軸方向と直交する鉛直面に沿って延びるように配置すれば、支柱12と橋桁112との間において橋軸方向と直交する水平方向に生じる相対変位を、高減衰ゴム36の剪断変形分だけは許容することが可能となる。したがって、この相対変位が橋桁112の熱膨張によるもの程度の大きさであれば、高減衰ゴム36に過大な負荷がかかってしまわないようにすることが可能となる。
特に本実施形態においては、4つの制振ダンパ20が設けられており、そして、これら4つの制振ダンパ20は、装置本体14の一部として上部取付架台24の鉛直支持プレート52の両側に1対ずつ対称配置で2組設けられているので、橋桁112の上下振動に伴う、各制振ダンパ20の高減衰ゴム36の剪断変形が、安定的に行われるようにすることができ、これにより制振効果を確実に得ることができる。なお、このように4つの制振ダンパ20が設けられた構成とする代わりに、2つの制振ダンパ20が、上部取付架台24の鉛直支持プレート52の両側に1つずつ対称配置で設けられた構成とした場合においても、略同様の作用効果を得ることができる。
また本実施形態においては、橋軸方向スライダ16が、直動転がりガイドとして構成されているので、支柱12と橋桁112との間における橋軸方向の相対変位がより円滑に行われるようにすることができ、また、橋軸直交方向の遊びを略ゼロにして、鉛直方向の力を確実に伝達させるようにすることができる。
さらに本実施形態においては、橋梁制振装置10の適用対象となる高架橋110の橋桁112が、複数の主桁124を有しているが、これら各主桁124毎に橋梁制振装置10が設けられているので、橋桁112の上下振動をより効果的に減衰させることが可能となる。
図7は、本実施形態の高架橋110の橋桁112を振動モデルとして、この高架橋110に橋梁制振装置10を設けた場合の制振効果を、これを設けなかった場合との比較で確認するために行ったシミュレーションの結果を示すグラフである。
同図から明らかなように、橋梁制振装置10を設けなかった場合には、橋桁112の上下振動の振幅が、4Hz付近で非常に大きなものとなっているが、橋梁制振装置10を設けた場合には、4Hz付近での振幅がかなり小さいものとなっている。また、4Hz付近以外の振動数帯においても、橋梁制振装置10を設けた場合には、これを設けなかった場合に比して、全体的に振幅が小さくなっている。この結果から、橋梁制振装置10を設けた場合には、広範囲の振動数帯に対して制振効果が得られることが確認できた。
なお、上記実施形態においては、橋軸方向スライダ16が、装置本体14と支柱12との間に設けられているものとして説明したが、この橋軸方向スライダ16が、装置本体14と主桁124との間に設けられるようにした場合においても、上記実施形態の場合と同様の作用効果を得ることができる。
また、上記実施形態においては、橋梁制振装置10が、高架橋110における径間中央に設けられているものとして説明したが、径間中央から外れた位置に設けられた構成とすることも可能である。その際、橋梁制振装置10を設けるべき具体的な位置は、高架橋110の橋桁112に生じる上下振動の振動モード等に応じて適宜決定するようにすればよい。
なお、上記実施形態に係る橋梁制振装置10および高架橋110の諸元を示す数値は、あくまでも例示的なものであり、これ以外の値に設定されていてもよいことはもちろんである。
図8は、上記実施形態の変形例に係る橋梁制振装置310を示す、図4と同様の図である。
同図に示すように、本変形例に係る橋梁制振装置310も、その基本的な構成は上記実施形態に係る橋梁制振装置10と同様であるが、本変形例においては、橋軸方向スライダ16の他に橋軸直交方向スライダ316が追加配置されている点で、上記実施形態の場合と異なっている。
この橋軸直交方向スライダ316は、橋軸方向スライダ16と装置本体14との間に設けられている。
この橋軸直交方向スライダ316は、橋軸方向スライダ16と同様、レール部316Aおよびスライダ部316Bからなり、その構成自体は橋軸方向スライダ16の場合と同様であるが、橋軸方向スライダ16を鉛直軸線回りに90°回転させた状態で配置されている。そして、この橋軸直交方向スライダ316の追加配置により、橋桁112が支柱12に対して橋軸方向と直交する水平方向に相対変位するのを許容するようになっている。
本変形例の構成を採用することにより、地震や熱膨張により、橋桁112が橋軸方向と直交する水平方向に大きく変位した場合においても、これに対する追従性を確保することができる。そしてこれにより、各制振ダンパ20の高減衰ゴム36に大きな負荷がかかって破損してしまうおそれを一層効果的に回避することができる。
なお、上記変形例においては、橋軸直交方向スライダ316が、橋軸方向スライダ16と装置本体14との間に設けられているものとして説明したが、この橋軸直交方向スライダ316が、橋軸方向スライダ16と支柱12との間に設けられるようにした場合においても、上記変形例の場合と同様の作用効果を得ることができる。また、橋軸方向スライダ16が、装置本体14と主桁124との間に設けられる場合には、橋軸方向スライダ16と装置本体14との間あるいは橋軸方向スライダ16とと主桁124との間に橋軸直交方向スライダ316が設けられた構成とすることが可能であり、このようにした場合においても上記変形例の場合と同様の作用効果を得ることができる。
本願発明の一実施形態に係る橋梁制振装置を備えた高架橋を示す側面図 図1のII-II 線断面図 図1のIII 部詳細図 図2のIV部詳細図 図3のV部詳細図 図4のVI部詳細図 上記高架橋を振動モデルとして、これに上記橋梁制振装置を設けた場合の制振効果を、これを設けなかった場合との比較で確認するために行ったシミュレーションの結果を示すグラフ 上記実施形態の変形例に係る橋梁制振装置を示す、図4と同様の図 同調質量型の橋梁制振装置を示す側面図(同図(a))および反力設置型の橋梁制振装置を示す側面図(同図(b))
符号の説明
2 地盤
10、310 橋梁制振装置
12 支柱
14 装置本体
16、316 橋軸方向スライダ
16A、316A レール部
16B、316B スライダ部
18 基礎
20 制振ダンパ
22 下部取付架台
24 上部取付架台
32、34 鉛直プレート
36 高減衰ゴム
42 鉛直支持プレート
44 ベースプレート
46 鉛直リブ
48 取付用プレート
52、56 鉛直支持プレート
54 トッププレート
58 ライナプレート
62 レール本体
64、74 帯状プレート
66 支持プレート
70 鋼球
72 スライダ本体
82 環状フランジ
84 鉛直リブ
110 高架橋
112 橋桁
114 橋脚
116 支承
122 床版
124 主桁
124A 下部フランジ
124B ウェブ
124C 鉛直リブ
126 横桁

Claims (6)

  1. 高架橋の径間所定位置に設けられ、橋桁の上下振動を減衰させるように構成された橋梁制振装置において、
    上記径間所定位置の地盤に設置された支柱と、この支柱と上記橋桁との間に設けられた制振ダンパとを備えてなり、
    上記制振ダンパが、平行に配置された1対の鉛直プレートの間に高減衰ゴムが設けられてなり、一方の鉛直プレートにおいて上記支柱に連結されるとともに他方の鉛直プレートにおいて上記橋桁に連結されており、
    上記一方の鉛直プレートと上記支柱との連結または上記他方の鉛直プレートと上記橋桁との連結が、橋軸方向の相対変位を許容する橋軸方向スライダを介して行われている、ことを特徴とする橋梁制振装置。
  2. 上記橋桁が鋼桁である、ことを特徴とする請求項1記載の橋梁制振装置。
  3. 上記制振ダンパが、上記1対の鉛直プレートを橋軸方向と直交する鉛直面に沿って延びるように配置した状態で設けられている、ことを特徴とする請求項1または2記載の橋梁制振装置。
  4. 上記橋軸方向スライダが、直動転がりガイドとして構成されている、ことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の橋梁制振装置。
  5. 上記橋軸方向スライダと、上記制振ダンパ、上記支柱または上記橋桁との間に、橋軸方向と直交する水平方向の相対変位を許容する橋軸直交方向スライダが設けられている、ことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の橋梁制振装置。
  6. 上記橋桁が複数の主桁を備えてなり、これら各主桁毎に請求項1〜5いずれか記載の橋梁制振装置が設けられている、ことを特徴とする高架橋。
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