JPH0552238A - 振動減衰装置 - Google Patents

振動減衰装置

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Publication number
JPH0552238A
JPH0552238A JP3340714A JP34071491A JPH0552238A JP H0552238 A JPH0552238 A JP H0552238A JP 3340714 A JP3340714 A JP 3340714A JP 34071491 A JP34071491 A JP 34071491A JP H0552238 A JPH0552238 A JP H0552238A
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JP
Japan
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rollers
vibration
elastomer
roller
damping device
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Application number
JP3340714A
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English (en)
Inventor
Teruo Sasaki
輝男 佐々木
Akemi Kawanabe
あけみ 川那辺
Hiromi Matsushita
裕臣 松下
Kazuhiro Fujisawa
一裕 藤澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Publication of JPH0552238A publication Critical patent/JPH0552238A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E04BUILDING
    • E04HBUILDINGS OR LIKE STRUCTURES FOR PARTICULAR PURPOSES; SWIMMING OR SPLASH BATHS OR POOLS; MASTS; FENCING; TENTS OR CANOPIES, IN GENERAL
    • E04H9/00Buildings, groups of buildings or shelters adapted to withstand or provide protection against abnormal external influences, e.g. war-like action, earthquake or extreme climate
    • E04H9/02Buildings, groups of buildings or shelters adapted to withstand or provide protection against abnormal external influences, e.g. war-like action, earthquake or extreme climate withstanding earthquake or sinking of ground
    • E04H9/021Bearing, supporting or connecting constructions specially adapted for such buildings
    • E04H9/023Bearing, supporting or connecting constructions specially adapted for such buildings and comprising rolling elements, e.g. balls, pins

Abstract

(57)【要約】 【目的】 オイルダンパー、摩擦ダンパーや履歴ダンパ
ー等を使用することなく、その各種ダンパーでの不具合
を解消して良好な減衰性能を発揮させる。 【構成】 被減衰体(1)が振動入力により移動する際
に発生する運動エネルギーを消費させてそのエネルギー
損失でもって被減衰体(1)の振動を吸収抑制する振動
減衰装置において、上部固定体(10)と下部固定体(1
1)との間に配置された被減衰体(1)を、その上下か
らエラストマー(2)(3)(5)(7)を介して円柱
状コロ(8)(9)で挟み込む。これにより、各種振動
の入力時、円柱状コロ(8)(9)がエラストマー
(2)(3)(5)(7)上を転動することによりその
エラストマー(2)(3)(5)(7)の弾性変形でも
って円柱状コロ(8)(9)の運動エネルギーが徐々に
消費されてそのエネルギー損失でもって上記各種振動が
減衰する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は振動減衰装置に関し、詳
しくは、地震・風・交通振動・機械振動などの振動入力
により建築物や機器類などが移動する際に発生する運動
エネルギーを消費させてそのエネルギー損失でもって建
築物や機器類などの振動を吸収して抑制する振動減衰装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】地震・風・交通振動・機械振動などの各
種振動から建築物や機器類などを保護する場合には免震
装置などの各種の振動抑制装置が使用される。例えば、
免震装置では、振動発生時、その入力振動数より充分低
い共振振動数を付与することにより建築物や機器類など
を保護しているが、この時、その振動を減衰させるもの
として、オイルダンパー、摩擦ダンパーや履歴ダンパー
などを併用するのが一般的である。このオイルダンパ
ー、摩擦ダンパーや履歴ダンパーなどの振動減衰装置
は、上述した免震装置で併用する以外にも、上記各種振
動による運動エネルギーを吸収する振動抑制装置として
単独で使用される場合もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の振動減衰装置として使用されるオイルダンパー、摩
擦ダンパーや履歴ダンパーではそれぞれ以下の問題があ
った。
【0004】オイルダンパーでは、オイルの温度依存性
により、使用される周囲の環境温度変化に対して抵抗力
が変化するため、その調整が非常に困難であり、また、
シリンダ構造によりオイル漏れなどが発生し易くてその
取り扱いが非常に不便であった。
【0005】また、摩擦ダンパーでは、静摩擦と動摩擦
との違いによりその静摩擦から動摩擦へ移行する瞬間に
急激に作動するためその作動状態が急激に変化する。こ
の急激な変化により、高い周波数の振動が入力された場
合と同様の状態となり、ダンパー自体やその周囲に高次
振動が発生し易いという問題があった。
【0006】更に、履歴ダンパーでは、材料の塑性変形
を利用しているため、その変形量を大きくとることが困
難であり、それにもかかわらず、反復使用を続けている
と経時的に破断や特性変化などの不具合が生じ易いとい
う問題があった。
【0007】そこで、本発明は上記問題点に鑑みて提案
されたもので、その目的とするところは、上述したオイ
ルダンパー、摩擦ダンパーや履歴ダンパーを使用するこ
となくその各種ダンパーでの不具合を解消して良好な減
衰性能を発揮し得る振動減衰装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明における上記目的
を達成するための技術的手段は、被減衰体が振動入力に
より移動する際に発生する運動エネルギーを消費させて
そのエネルギー損失でもって被減衰体の振動を吸収抑制
する振動減衰装置において、上部固定体と下部固定体と
の間に配置された被減衰体を、その上下からエラストマ
ーを介して断面円形状コロで挟み込んだことである。
【0009】上記断面円形コロを複数列に並置し、その
すべてのコロが軸方向に沿って均一な径を有することが
望ましく、更に、そのうちの一部のコロが軸方向に沿っ
て部分的に大小異なる径を有することがより一層望まし
い。
【0010】
【作用】本発明に係る振動減衰装置では、上部固定体と
下部固定体との間に配置された被減衰体を、その上下か
らエラストマーを介して断面円形状コロで挟み込んだこ
とにより、地震・風・交通振動・機械振動などの各種振
動の入力時、断面円形状コロがエラストマー上を転動す
ることによりそのエラストマーの粘弾性変形とそれと同
時に発生するエラストマーと断面円形状コロとの摩擦で
もって断面円形状コロの運動エネルギーが徐々に消費さ
れてそのエネルギー損失でもって上記各種振動が減衰す
る。この時、断面円形状コロが静止状態から転動開始す
る際には、まず、エラストマーが粘弾性変形した上で断
面円形状コロが転動することになるため、その初動が非
常に平滑であり、而も、その作動時に高次振動が発生す
ることもない。仮に、高次振動が入力されたとしてもエ
ラストマーがその振動を吸収してしまうので問題とはな
らない。また、材料に塑性変形などが発生しないため、
反復使用しても装置の破壊や特性の大きな変化などが生
じることもない。このように、従来のようなダンパーを
使用しないためその不具合を解消することができ、断面
円形状コロの転動とその転動によるエラストマーの粘弾
性変形とそれと同時に発生するエラストマーと断面円形
状コロとの摩擦でもって良好な減衰性能が発揮される。
【0011】上記断面円形コロを複数列に並置し、その
すべてのコロが軸方向に沿って均一な径を有するもので
あれば、断面円形状コロの転動時、エラストマーと断面
円形状コロとの摩擦でもってコロの転動する運動エネル
ギーが消費された分がエネルギー損失となる。更に、そ
のうちの一部のコロが軸方向に沿って部分的に大小異な
る径を有するものであれば、コロとエラストマーとの接
触部分の増大に伴いエネルギー損失も増大する。
【0012】
【実施例】本発明に係る振動減衰装置の実施例を図1乃
至図11に示して説明する。
【0013】図1及び図2に示す実施例は後述する断面
円形状コロを被減衰体の上下で一段に積載して図中X矢
印方向の一次元方向運動に減衰性能を発揮する振動減衰
装置である。この振動減衰装置において、(1)は建築
物や機器類などの被減衰体〔或いはその一部〕で、その
上下面にシート状のエラストマー(2)(3)を貼着す
る。(4)は被減衰体(1)の上方に平行して対向配置
された鋼板などの平板状の上部加重板で、その下面にシ
ート状のエラストマー(5)を貼着する。(6)は被減
衰体(1)の下方に平行して対向配置された鋼板などの
平板状の下部加重板で、上部加重板(4)と同様、その
上面にシート状のエラストマー(7)を貼着する。尚、
エラストマー(2)(3)(5)(7)は、通常、温度
依存性の少ない天然ゴムやブタジエンゴム、シリコンゴ
ム等の圧縮永久歪みの少ない配合物が好ましいが、使用
条件により他の各種ゴム材料又はプラスチック等の樹脂
材料でもよい。(8)(9)は上部加重板(4)と被減
衰体(1)との間、及び、被減衰体(1)と下部加重板
(6)との間にそれぞれ介在された断面円形状である円
柱コロ〔以下、上部及び下部コロと称す〕で、各上部コ
ロ(8)及び各下部コロ(9)はそれぞれほぼ平行に配
列され、且つ、上部コロ(8)と下部コロ(9)はその
軸線方向が図中X方向と直交するY方向となるように配
置されている。尚、上部及び下部コロ(8)(9)の材
質は鉛直荷重に耐え得るものであればよく、例えば、金
属、コンクリート、セラミックス、硬質プラスチック、
FRP等が好ましい。上部及び下部コロ(8)(9)
は、上部加重板(4)と被減衰体(1)、及び、被減衰
体(1)と下部加重板(6)との各間にエラストマー
(5)(2)及び(3)(7)を介して挟圧される。エ
ラストマー(5)(2)及び(3)(7)の上部及び下
部コロ(8)(9)が当接する面が上部及び下部コロ
(8)(9)の転がり面となる。(10)(11)は所定位
置に固定配置された上部及び下部固定体、(12)は上部
固定体(10)と上部加重板(4)との間に鉛直方向に沿
って張設された上部ばねで、この上部ばね(12)で上部
加重板(4)を上方から下方へ向けて押圧する。(13)
は下部固定体(11)と下部加重板(6)との間に鉛直方
向に沿って張設された下部ばねで、この下部ばね(13)
で下部加重板(6)を下方から上方へ向けて押圧する。
この上部及び下部ばね(12)(13)による弾性力でもっ
て上部及び下部コロ(8)(9)はエラストマー(2)
(3)(5)(7)に沈み込んで所望の抵抗力が発現す
る。尚、その抵抗力は、上部固定体(10)と上部加重板
(4)との間隔、及び下部固定体(11)と下部加重板
(6)との間隔、或いは上部及び下部ばね(12)(13)
のばね定数を変更することにより調整することができ
る。上記ばねに限らず、コロがエラストマーに沈み込め
ば同様な抵抗力が生ずる。
【0014】上記構成からなる振動減衰装置では、地震
・風・交通振動・機械振動などの各種振動の発生時、図
中X方向の振動成分の入力により、エラストマー(2)
(3)及び(5)(7)上で上部及び下部コロ(8)
(9)がX方向に沿って転動する。この時、上部及び下
部コロ(8)(9)は、上部及び下部ばね(12)(13)
の弾性力によりその上下から押圧されているため、前述
したようにエラストマー(2)(3)及び(5)(7)
に沈み込んだ状態で移動しようとするので、そのエラス
トマー(2)(3)及び(5)(7)の粘弾性変形とそ
れと同時に発生するエラストマー(2)(3)及び
(5)(7)と上部及び下部コロ(8)(9)との摩擦
でもって発現する抵抗力により、上部及び下部コロ
(8)(9)の転動運動に対して摩擦減衰作用が発揮さ
れる。この時、上部及び下部コロ(8)(9)が静止状
態から転動開始する際には、まず、エラストマー(2)
(3)及び(5)(7)が粘弾性変形した上でその上部
及び下部コロ(8)(9)が転動することになるため、
その初動が非常に平滑であり、而も、その作動時に高次
振動が発生することもない。仮に、高次振動が入力され
たとしてもエラストマー(2)(3)及び(5)(7)
がその振動を吸収してしまうので問題とはならない。ま
た、材料に発生する塑性変形などが非常に小さいため、
反復使用しても装置の破壊や特性の大きな変化などが生
じることもない。更に、上部及び下部コロ(8)(9)
の転動方向にエラストマー(2)(3)及び(5)
(7)、上部及び下部加重板(4)(6)を延設すれば
振動振幅による制限はなくなる。以上にように上部及び
下部コロ(8)(9)の転動、この転動に伴うエラスト
マー(2)(3)及び(5)(7)の粘弾性変形とそれ
と同時に発生するエラストマー(2)(3)及び(5)
(7)と上部及び下部コロ(8)(9)との摩擦によ
り、上記振動がエネルギー損失でもって減衰して被減衰
体(1)は速やかに停止状態に保持される。尚、図示し
ないが、上部及び下部加重板(4)(6)は共にその図
中X方向に対してストッパ機構などにより移動しないよ
うに固定されている。
【0015】上述したエラストマー(2)(3)及び
(5)(7)は上部及び下部コロ(8)(9)の上下に
配置されているが、上部及び下部コロ(8)(9)のい
ずれか一方の片側だけであっても上記と同様の減衰性能
が得られる。
【0016】上述した図1及び図2に示す実施例では、
上部及び下部コロ(8)(9)を被減衰体(1)の上下
に一段ずつ積載した振動減衰装置について説明したが、
本発明ではコロを二段以上に積載してもよい。
【0017】次に、コロを被減衰体(1)の上下で二段
ずつ積載した実施例を図3及び図4に示し説明する。
尚、図1及び図2の振動減衰装置と同一又は相当部分に
は同一参照符号を付して重複説明は省略する。
【0018】この振動減衰装置は、上部加重板(4)と
被減衰体(1)との間にコロ(14)(15)〔以下、第1
及び第2上部コロと称す〕を二段に配設すると共に、被
減衰体(1)と下部加重板(6)との間にコロ(16)
(17)〔以下、第1及び第2下部コロと称す〕を二段に
配設し、第1上部コロ(14)と第2上部コロ(15)、及
び、第1下部コロ(16)と第2下部コロ(17)とのなす
角度をそれぞれ90°に設定する。また、第1上部コロ
(14)と第2上部コロ(15)、及び、第1下部コロ(1
6)と第2下部コロ(17)との間に鋼板などの平板状の
上部及び下部中間加重板(18)(19)を平行に対向させ
て介設する。この上部及び下部中間加重板(18)(19)
の上下面には、シート状のエラストマー(20)(21)及
び(22)(23)を貼着し、第1及び第2上部コロ(14)
(15)、第1及び第2下部コロ(16)(17)の転動面を
形成する。
【0019】上記振動減衰装置では、被減衰体(1)の
上下に第1及び第2上部コロ(14)(15)と第1及び第
2下部コロ(16)(17)とをそれぞれ直交させて配設し
たので、前述した図1及び図2の振動減衰装置における
X方向での振動減衰作用に加えて、第2上部及び下部コ
ロ(15)(17)によりY方向での振動減衰作用を発揮さ
せることができ、あらゆる方向での振動を速やかに減衰
させることができる。尚、図示しないが、上部及び下部
加重板(4)(6)は共にその図中XY方向に対してス
トッパ機構などにより移動しないように固定されてい
る。
【0020】ここで、各実施例におけるコロ(8)
(9)(14)〜(17)を、各段ごとに図5に示すように
連結板(24)で回転自在に支持するようにすれば、コロ
(8)(9)(14)〜(17)での個々のコロの位置関係
が保持できて好適であり、更に、上記連結板(24)をコ
ロ(8)(9)(14)〜(17)の上下いずれかにある加
重板にその転がり方向に沿って滑動自在に連結すれば、
長期間の使用に対してもコロ(8)(9)(14)〜(1
7)の位置関係を正確に維持できて耐久性能の向上が図
れて好ましい。尚、上記連結板(24)は必ずしも必要で
はない。
【0021】更に、上述したエラストマーは鉛直荷重を
長期間受けていると、その部分がクリープを起こして凹
みが発生する。この現象は振動入力を受けた時のトリガ
の役目を果たすが、同時に大きな振動入力を受けた時に
コロ(8)〔(9)(14)〜(17)〕が隣接するクリー
プによる凹みに落ち込み、上下振動が発生することにな
る。そこで、これを防止するため、図6に示すようにコ
ロ(8)〔(9)(14)〜(17)〕の配列ピッチa、
b、c、d、eが異なる〔好ましくはa≠b≠c≠d≠
e〕ように設定すればよい。このようにすれば、すべて
のコロ(8)〔(9)(14)〜(17)〕がクリープによ
る凹みに同時に落ち込むことを未然に回避できる。
【0022】また、コロ(8)〔(9)(14)〜(1
7)〕の配列方向を転がり方向に対して傾けることによ
っても凹みへの落ち込みによる上下振動の発生を防止す
ることが可能である。この時、図7に示すように転がり
方向に対して逆方向で同一角度だけ傾いた二本のコロ
〔図では(8a)(8b)で示す〕を一対とする必要があ
り、より好ましくは上述した二本のコロ(8a)(8b)を
二対〔図では(8a)(8b)と(8c)(8d)で示す〕で1
セットとすることにより、良好な直進性並びに振動減衰
性〔大きな抵抗反力〕が得られる。即ち、図8に示すよ
うに転がり方向に対して逆方向で同一角度αだけ傾いた
二本のコロ(8a)(8b)において、転がり方向に変位D
が作用したとすると、コロ(8a)(8b)にはその傾斜角
αに対応した変位Da、Dbがそれぞれ逆方向に発生する
が、上記コロ(8a)と(8b)は連結板(24)〔図5参
照〕で連結されているため、この変位Da、Dbだけコロ
(8a)(8b)とエラストマーとの間で滑りが発生しこれ
が減衰力として作用する。尚、上述した傾斜角αは45°
程度まで可能であるが、抵抗力が大き過ぎる点、及び不
安定である点から30°以下が好適である。より実用的に
は10°以下が適切である。
【0023】更に、上述した各実施例では、すべてのコ
ロ(8)〔(9)(14)〜(17)〕が軸方向に沿って均
一な径を有するものについて説明したが、このようにす
べてのコロ(8)〔(9)(14)〜(17)〕が軸方向に
沿って均一な径を有しなければならない必要はない。従
って、図9の(a)〜(c)に示すようにそのうちの一
部のコロ(8)〔(9)(14)〜(17)〕が軸方向に沿
って部分的に大小異なる径を有するものであってもよ
い。
【0024】具体的には、例えば、図9の(a)に示す
ように軸方向に沿って小刻みに径が大小異なるようにし
た場合、図9の(b)に示すように軸方向に沿って所定
の幅で大径部分(ア)と小径部分(イ)を交互に配置す
るようにした場合、図9の(c)に示すように軸方向に
沿って径が連続的に増減する曲面を持つ大径部分(ア)
と小径部分(イ)とを交互に配置するようにした場合な
どがある。このようなコロ(8)〔(9)(14)〜(1
7)〕では、JIS A形の硬度 50°〜 90°のエラストマー
を使用した場合、小径部分の直径をφRとすると、大径
部分の直径rを、φR≦r≦φ1.12Rの範囲とすること
が好ましい。この範囲内であれば、コロとエラストマー
が荷重を受けた時にエラストマーの弾性変形により、コ
ロの小径部分もエラストマーに完全に接触して受圧する
ことになる。
【0025】このようにしたコロ(8)〔(9)(14)
〜(17)〕では、軸方向に沿って均一な径を有するもの
に比べ、コロとエラストマーとの接触面積が大きくな
る。即ち、コロ(8)〔(9)(14)〜(17)〕の転動
時、コロとエラストマーとの間に生じた摩擦によってコ
ロの転動する運動エネルギーが消費された分がエネルギ
ー損失となるが、コロとエラストマーとの接触面積の増
大に伴いエネルギー損失も増大する。従って、エネルギ
ー減衰性が高くなってより一層良好な減衰性能が得られ
る。
【0026】尚、以上の説明した実施例では、円柱コロ
を使用した場合について説明したが、本発明はこれに限
定されることなく、例えば、図10及び図11に示すような
断面円形状である円錐コロを使用することも可能であ
る。
【0027】図10及び図11に示す実施例は円錐コロを被
減衰体の上下に放射状に配列させて回転方向で減衰性能
を発揮する振動減衰装置であり、図1及び図2の振動減
衰装置と同一又は相当部分には同一参照符号を付して重
複説明する。
【0028】この実施例での相違点は、前述の実施例で
の円柱状の上部及び下部コロ(8)(9)の代わりに円
錐状の上部及び下部コロ(25)(26)を使用したことに
ある。具体的には、この上部及び下部コロ(25)(26)
はテーパ状をしており、水平面内で放射状に連結されて
配置される。即ち、上部及び下部コロ(25)(26)は、
同心状に配置された大径のリング状連結板(27)と小径
のリング状連結板(28)により放射状配置された状態で
回転自在に支持される。この上部及び下部コロ(25)
(26)の転動面は、被減衰体(1)の上面及び下面に円
錐状及び逆円錐状加重板(29)(30)を別体又は一体に
設置し、その加重板(29)(30)の上面及び下面にエラ
ストマー(31)(32)を貼着すると共に、上部加重板
(4)の下面及び下部加重板(6)の上面に逆円錐状加
重板(33)及び円錐状加重板(34)を別体又は一体に設
置し、その加重板(33)(34)の下面及び上面にエラス
トマー(35)(36)を貼着することにより形成される。
【0029】この振動減衰装置では、水平回転方向θで
の振動が入力されると、上部及び下部コロ(25)(26)
がそのコロ配列中心点Oを回転中心としてエラストマー
(31)(32)及び(35)(36)上で転動する。この時、
前述した実施例と同様、この上部及び下部コロ(25)
(26)の転動とその転動によるエラストマー(31)(3
2)及び(35)(36)の粘弾性変形とそれと同時に発生
するエラストマー(31)(32)及び(35)(36)と上部
及び下部コロ(25)(26)との摩擦でもって発現する抵
抗力により、回転方向θの振動がエネルギー損失でもっ
て減衰して被減衰体(1)は速やかに停止状態に保持さ
れる。尚、図示しないが、上部及び下部加重板(4)
(6)は共にその回転方向θに対してストッパ機構など
により移動しないように固定されている。
【0030】尚、図10及び図11に示す実施例での円錐コ
ロについて、前述したように軸方向に部分的に大小異な
る径を有するコロを一部に適用することも可能である。
【0031】
【発明の効果】本発明に係る振動減衰装置によれば、上
部固定体と下部固定体との間に配置された被減衰体を、
その上下からエラストマーを介して断面円形状コロで挟
み込んだことにより、各種振動の入力時、断面円形状コ
ロがエラストマー上を転動することによりそのエラスト
マーの粘弾性変形とそれと同時に発生するエラストマー
と断面円形状コロとの摩擦でもって断面円形状コロの運
動エネルギーが徐々に消費されてそのエネルギー損失で
もって各種振動を速やかに減衰させることができる。こ
のように、断面円形状コロの初動が非常に平滑であり、
その作動時に高次振動が発生せず、仮に、高次振動が入
力されてもエラストマーが振動を吸収してしまうので問
題とはならない。また、材料に発生する塑性変形などが
非常に小さいため、反復使用しても装置の破壊や特性の
大きな変化などが生じることもない。このように、従来
のようなダンパーを使用しないためその不具合を解消す
ることができ、断面円形状コロの転動とその転動による
エラストマーの粘弾性変形とそれと同時に発生するエラ
ストマーと断面円形状コロとの摩擦でもって良好な減衰
性能が発揮される実用的価値大なる振動減衰装置を提供
することができる。
【0032】また、軸方向に部分的に大小異なる径を有
する断面円形コロを一部に使用すれば、コロとエラスト
マーとの接触面積の増大によりエネルギー損失も増大す
るので、エネルギー減衰性が高くなり、より一層良好な
減衰性能を発揮する振動減衰装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る振動減衰装置の第1の実施例を示
す正面図
【図2】図1のI−I線に沿う断面図
【図3】本発明の第2の実施例を示す正面図
【図4】図3のII−II線に沿う断面図
【図5】断面円形状コロを支持した連結板を示す正面図
【図6】断面円形状コロの配列ピッチを異ならせた状態
を示す平面図
【図7】断面円形状コロの配列方向を傾けた状態を示す
平面図
【図8】図7の一対の断面円形状コロを示す拡大平面図
【図9】(a)(b)(c)は軸方向に部分的に大小異
なる径を有する断面円形コロの具体的な三例を示す拡大
平面図
【図10】本発明の第3の実施例を示す断面図
【図11】図10のIII−III線に沿う断面図
【符号の説明】
1 被減衰体 2 エラストマー 3 エラストマー 5 エラストマー 7 エラストマー 8 断面円形状コロ 9 断面円形状コロ 10 上部固定体 11 下部固定体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被減衰体が振動入力により移動する際に
    発生する運動エネルギーを消費させてそのエネルギー損
    失でもって被減衰体の振動を吸収抑制する振動減衰装置
    において、上部固定体と下部固定体との間に配置された
    被減衰体を、その上下からエラストマーを介して断面円
    形状コロで挟み込んだことを特徴とする振動減衰装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の断面円形コロを複数列に
    並置し、そのすべてのコロが軸方向に沿って均一な径を
    有することを特徴とする振動減衰装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の断面円形コロを複数列に
    並置し、そのうちの一部のコロが軸方向に沿って部分的
    に大小異なる径を有することを特徴とする振動減衰装
    置。
JP3340714A 1991-06-14 1991-12-24 振動減衰装置 Pending JPH0552238A (ja)

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JP14318391 1991-06-14

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