JPH0552239A - 振動減衰装置 - Google Patents

振動減衰装置

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Publication number
JPH0552239A
JPH0552239A JP34071591A JP34071591A JPH0552239A JP H0552239 A JPH0552239 A JP H0552239A JP 34071591 A JP34071591 A JP 34071591A JP 34071591 A JP34071591 A JP 34071591A JP H0552239 A JPH0552239 A JP H0552239A
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JP
Japan
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vibration
elastomer
cylindrical roller
damping device
vibration damping
Prior art date
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Pending
Application number
JP34071591A
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English (en)
Inventor
Teruo Sasaki
輝男 佐々木
Akemi Kawanabe
あけみ 川那辺
Hiromi Matsushita
裕臣 松下
Kazuhiro Fujisawa
一裕 藤澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 オイルダンパー、摩擦ダンパーや履歴ダンパ
ーを使用することなく、その各種ダンパーでの不具合を
解消して良好な減衰性能を発揮させる。 【構成】 被減衰体(1)が振動入力により移動する際
に発生する運動エネルギーを消費させてそのエネルギー
損失でもって被減衰体(1)の振動を吸収抑制する振動
減衰装置において、被減衰体(1)の外周に内筒(2)
を固着し、その内筒(2)の凸曲面状の外周面(3)に
エラストマー(4)を貼着し、一方、固定体(9)に固
着されて上記内筒(2)を囲繞するようにその外周に配
置された外筒(6)の凹曲面状の内周面(7)にエラス
トマー(8)を貼着し、上記内筒(2)の外周面(3)
と外筒(6)の内周面(7)との間にエラストマー
(4)(8)を介して円柱状コロ(5)を挟み込んだも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は振動減衰装置に関し、詳
しくは、地震・風・交通振動・機械振動などの振動入力
により建築物や機器類などが移動する際に発生する運動
エネルギーを消費させてそのエネルギー損失でもって建
築物や機器類などの振動を吸収して抑制する振動減衰装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】地震・風・交通振動・機械振動などの各
種振動から建築物や機器類などを保護する場合には免震
装置などの各種の振動抑制装置が使用される。例えば、
免震装置では、振動発生時、その入力振動数より充分低
い共振振動数を付与することにより建築物や機器類など
を保護しているが、この時、その振動を減衰させるもの
として、オイルダンパー、摩擦ダンパーや履歴ダンパー
などを併用するのが一般的である。このオイルダンパ
ー、摩擦ダンパーや履歴ダンパーなどの振動減衰装置
は、上述した免震装置で併用する以外にも、上記各種振
動による運動エネルギーを吸収する振動抑制装置として
単独で使用される場合もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の振動減衰装置として使用されるオイルダンパー、摩
擦ダンパーや履歴ダンパーではそれぞれ以下の問題があ
った。
【0004】オイルダンパーでは、オイルの温度依存性
により、使用される周囲の環境温度変化に対して抵抗力
が変化するため、その調整が非常に困難であり、また、
シリンダ構造によりオイル漏れなどが発生し易くてその
取り扱いが非常に不便であった。
【0005】また、摩擦ダンパーでは、静摩擦と動摩擦
との違いによりその静摩擦から動摩擦へ移行する瞬間に
急激に作動するためその作動状態が急激に変化する。こ
の急激な変化により、高い周波数の振動が入力された場
合と同様の状態となり、ダンパー自体やその周囲に高次
振動が発生し易いという問題があった。
【0006】更に、履歴ダンパーでは、材料の塑性変形
を利用しているため、その変形量を大きくとることが困
難であり、それにもかかわらず、反復使用を続けている
と経時的に破断や特性変化などの不具合が生じ易いとい
う問題があった。
【0007】そこで、本発明は上記問題点に鑑みて提案
されたもので、その目的とするところは、上述したオイ
ルダンパー、摩擦ダンパーや履歴ダンパーを使用するこ
となく、その各種ダンパーでの不具合を解消して良好な
減衰性能を発揮し得る振動減衰装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明における上記目的
を達成するための技術的手段は、被減衰体が回転或いは
往復揺動方向の振動入力により移動する際に発生する運
動エネルギーを消費させてそのエネルギー損失でもって
被減衰体の回転或いは往復揺動方向の振動を抑制する振
動減衰装置において、被減衰体とその被減衰体に対して
静止状態にある固定体との間に形成された回転中心を有
する凸曲面と凹曲面との間にエラストマーを介して複数
の円柱状コロを並列状態で挟み込んだことである。
【0009】上記円柱状コロのすべてがその軸方向に沿
って均一な径を有することが望ましく、更に、そのうち
の一部がその軸方向に沿って部分的に大小異なる径を有
することがより一層望ましい。
【0010】
【作用】本発明に係る振動減衰装置では、被減衰体とそ
の被減衰体に対して静止状態にある固定体との間に形成
された回転中心を有する凸曲面と凹曲面との間にエラス
トマーを介して複数の円柱状コロを並列状態で挟み込ん
だことにより、地震・風・交通振動・機械振動などの各
種振動の入力時、円柱状コロがエラストマー上を転動す
ることによりそのエラストマーの粘弾性変形とそれと同
時に発生するエラストマーと円柱状コロとの摩擦でもっ
て円柱状コロの運動エネルギーが徐々に消費されてその
エネルギー損失でもって上記各種振動が減衰する。この
時、円柱状コロが静止状態から転動開始する際には、ま
ず、エラストマーが粘弾性変形した上で円柱状コロが転
動することになるため、その初動が非常に平滑であり、
而も、その作動時に高次振動が発生することもない。仮
に、高次振動が入力されたとしてもエラストマーがその
振動を吸収してしまうので問題とはならない。また、材
料に発生する塑性変形などが非常に小さいため、反復使
用しても装置の破壊や特性の大きな変化などが生じるこ
ともない。このように、従来のようなダンパーを使用し
ないためその不具合を解消することができ、円柱状コロ
の転動とその転動によるエラストマーの粘弾性変形とそ
れと同時に発生するエラストマーと円柱状コロとの摩擦
でもって良好な減衰性能が発揮される。
【0011】上記円柱状コロのすべてがその軸方向に沿
って均一な径を有するものであれば、円柱状コロの転動
時、エラストマーと円柱状コロとの摩擦でもって円柱状
コロの転動する運動エネルギーが消費された分がエネル
ギー損失となる。更に、そのうちの一部がその軸方向に
沿って部分的に大小異なる径を有するものであれば、円
柱状コロとエラストマーとの接触部分の増大に伴いエネ
ルギー損失も増大する。
【0012】
【実施例】本発明に係る振動減衰装置の実施例を図1乃
至図9に示して説明する。
【0013】図1乃至図3に示す実施例は図中θ方向で
軸中心Oを回転中心とする回転方向運動に減衰性能を発
揮する振動減衰装置である。
【0014】この振動減衰装置において、(1)は建築
物や機器類などの一部を構成する回転軸などの被減衰体
で、軸中心Oを回転中心として図中θ方向で回転方向の
各種振動が入力されるものである。(2)は被減衰体
(1)の周面に固着された鋼板などからなる内筒で、そ
の凸曲面である外周面(3)にシート状のエラストマー
(4)を貼着する。(5)は内筒(2)の外周のエラス
トマー(4)上にその周方向に亘って多数配置されてそ
の軸方向にそれぞれほぼ平行に配列した円柱状コロで、
その材質は荷重に耐え得るものであればよく、例えば、
金属、コンクリート、セラミックス、硬質プラスチッ
ク、FRP等が好ましい。(6)は上記円柱状コロ
(5)の外側にその円柱状コロ(5)を囲繞するように
配置された鋼板などからなる外筒で、その凹曲面である
内周面(7)にシート状のエラストマー(8)を貼着す
る。尚、エラストマー(4)(8)は、通常、温度依存
性の少ない天然ゴムやブタジエンゴム、シリコンゴム等
の圧縮永久歪みの少ない配合物が好ましいが、使用条件
により他の各種ゴム材料又はプラスチック等の樹脂材料
でもよい。上記円柱状コロ(5)は内筒(2)と外筒
(6)との間にエラストマー(4)(8)を介して挟圧
される。エラストマー(4)(8)の円柱状コロ(5)
が当接する面が円柱状コロ(5)の転がり面となる。
(9)は外筒(6)の一部に取り付けられた固定体であ
る。上記外筒(6)の一部には、その軸方向に沿ってス
リット(10)が形成されており、このスリット(10)を
利用して外筒(6)をその周方向に締め付けることによ
り微小寸法だけ縮径させて回転中心Oに向かう押圧力を
作用させる。この押圧力により円柱状コロ(5)はエラ
ストマー(4)(8)に沈み込んでそのエラストマー
(4)(8)の粘弾性変形でもって所望の抵抗力が発現
する。尚、その抵抗力は、外筒(6)のスリット(10)
の大きさ、及びそのスリット(10)を利用した外筒
(6)の締め付け力により調整することができる。
【0015】上記構成からなる振動減衰装置では、地震
・風・交通振動・機械振動などの各種振動の発生時、図
中θ方向の振動成分の入力により、エラストマー(4)
(8)間で円柱状コロ(5)がθ方向に沿って転動す
る。この時、円柱状コロ(5)は、外筒(6)のスリッ
ト(10)を利用した締め付け力でもってその回転中心O
に向けて押圧されているため、前述したようにエラスト
マー(4)(8)に沈み込んだ状態で移動しようとする
ので、そのエラストマー(4)(8)の粘弾性変形とそ
れと同時に発生するエラストマー(4)(8)と円柱状
コロ(5)との摩擦でもって発現する抵抗力により、円
柱状コロ(5)の転動運動に対して摩擦減衰作用が発揮
される。この時、円柱状コロ(5)が静止状態から転動
開始する際には、まず、エラストマー(4)(8)が粘
弾性変形した上でその円柱状コロ(5)が転動すること
になるため、その初動が非常に平滑であり、而も、その
作動時に高次振動が発生することもない。仮に、高次振
動が入力されたとしてもエラストマー(4)(8)がそ
の振動を吸収してしまうので問題とはならない。また、
材料に発生する塑性変形などが非常に小さいため、反復
使用しても装置の破壊や特性の大きな変化などが生じる
こともない。以上にように、円柱状コロ(5)の転動、
この転動に伴うエラストマー(4)(8)の粘弾性変形
とそれと同時に発生するエラストマー(4)(8)と円
柱状コロ(5)との摩擦により、上記回転方向での振動
がエネルギー損失でもって減衰して被減衰体(1)は速
やかに停止状態に保持される。
【0016】尚、上述したエラストマー(4)(8)は
円柱状コロ(5)の内外に配置されているが、円柱状コ
ロ(5)のいずれか一方の片側だけであっても上記と同
様の減衰性能が得られる。
【0017】上述した図1乃至図3に示す実施例では、
軸中心Oを回転中心とした回転方向θでの回転振動を減
衰させる振動減衰装置について説明したが、軸中心を揺
動中心とした揺動方向θでの往復揺動振動を減衰させる
振動減衰装置についても適用可能である。
【0018】以下、往復揺動振動を減衰させる振動減衰
装置の実施例を図4に示し説明する。尚、図1乃至図3
の振動減衰装置と同一又は相当部分には同一参照符号を
付して重複説明は省略する。
【0019】この振動減衰装置は、軸中心Oを揺動中心
とした揺動方向θでの往復揺動振動が発現する被減衰体
(1)を円柱状コロ(5)を介して固定体(9)上に載
置した構造のものである。具体的には、被減衰体(1)
の下面は軸中心Oを中心となす所定の曲率半径を有する
凸曲面(3)を形成し、一方、被減衰体(1)の凸曲面
(3)と沿うように、固定体(9)の上面は軸中心Oを
中心となす所定の曲率半径を有する凹曲面(7)を形成
している。それぞれの凸曲面(3)及び凹曲面(7)上
にはシート状のエラストマー(4)(8)が貼着されて
いる。円柱状コロ(5)は凸曲面(3)及び凹曲面
(7)の周方向に複数配置されてその軸方向にそれぞれ
ほぼ平行に配列した状態で、エラストマー(4)(8)
を介して被減衰体(1)と固定体(9)との間に挟み込
まれる。この時、被減衰体(1)の荷重でもって下方に
向けて押圧力が作用し、この押圧力により、前述の実施
例と同様、円柱状コロ(5)はエラストマー(4)
(8)に沈み込んでそのエラストマー(4)(8)の粘
弾性変形とそれと同時に発生するエラストマー(4)
(8)と円柱状コロ(5)との摩擦でもって所望の抵抗
力が発現する。
【0020】尚、この実施例では、エラストマー(4)
(8)について、被減衰体(1)及び固定体(9)の凸
曲面(3)及び凹曲面(7)でその両端部位(a)での
エラストマーに高減衰性能を有するものを使用し、その
間の中央部位(b)でのエラストマーに通常の性能を有
するものを使用している。
【0021】この振動減衰装置では、被減衰体(1)に
揺動方向の往復揺動振動が入力されると、エラストマー
(4)(8)間の円柱状コロ(5)が転動することによ
り、その時のエラストマー(4)(8)の粘弾性変形と
それと同時に発生するエラストマー(4)(8)と円柱
状コロ(5)との摩擦でもって発現する抵抗力により、
円柱状コロ(5)の転動運動に対して摩擦減衰作用が発
揮される。このようにして、円柱状コロ(5)の転動、
この転動に伴うエラストマー(4)(8)の弾性変形に
より、揺動方向での往復揺動振動がエネルギー損失でも
って減衰して被減衰体(1)は速やかに停止状態に保持
される。この時、この実施例では、エラストマー(4)
(8)の両端部位(a)に高減衰性能を有するものを使
用しているため、その両端部位(a)に達した円柱状コ
ロ(5)には通常の減衰性能を有するエラストマーより
も、より一層大きな抵抗力が付与されて円柱状コロ
(5)の転動運動に対して大きな摩擦減衰作用が発揮さ
れ、より一層減衰性能の向上が図れる。
【0022】ここで、各実施例における円柱状コロ
(5)を、各段ごとに図5に示すように連結板(11)で
回転自在に支持するようにすれば、円柱状コロ(5)で
の個々の円柱状コロの位置関係が保持できて好適であ
り、更に、連結板(11)を円柱状コロ(5)の内外いず
れかにある内外筒(2)(6)、或いは被減衰体
(1)、固定体(9)にその転がり方向に沿って滑動自
在に連結すれば、長期間の使用に対しても円柱状コロ
(5)の位置関係を正確に維持できて耐久性能の向上が
図れて好ましい。尚、連結板(11)は必ずしも必要では
ない。
【0023】更に、上述したエラストマーは荷重を長期
間受けていると、その部分がクリープを起こして凹みが
発生する。この現象は振動入力を受けた時のトリガの役
目を果たすが、同時に大きな振動入力を受けた時に円柱
状コロ(5)が隣接するクリープによる凹みに落ち込
み、振動が発生することになる。そこで、これを防止す
るため、図6に示すように円柱状コロ(5)の配列ピッ
チa、b、c、d、eが異なる〔好ましくはa≠b≠c
≠d≠e〕ように設定すればよい。このようにすれば、
すべての円柱状コロ(5)がクリープによる凹みに同時
に落ち込むことを未然に回避できる。
【0024】また、円柱状コロ(5)の配列方向を転が
り方向に対して傾けることによっても凹みへの落ち込み
による振動の発生を防止することが可能である。この
時、図7に示すように転がり方向に対して逆方向で同一
角度だけ傾いた二本の円柱状コロ〔図では(5a)(5b)
で示す〕を一対とする必要があり、より好ましくは上述
した二本の円柱状コロ(5a)(5b)を二対〔図では(5
a)(5b)と(5c)(5d)で示す〕で1セットとするこ
とにより、良好な直進性並びに振動減衰性〔大きな抵抗
反力〕が得られる。即ち、図8に示すように転がり方向
に対して逆方向で同一角度αだけ傾いた二本の円柱状コ
ロ(5a)(5b)において、転がり方向に変位Dが作用し
たとすると、円柱状コロ(5a)(5b)にはその傾斜角α
に対応した変位Da、Dbがそれぞれ逆方向に発生するが、
円柱状コロ(5a)と(5b)は連結板(11)〔図5参照〕
で連結されているため、この変位Da、Dbだけ円柱状コロ
(5a)(5b)とエラストマーとの間で滑りが発生しこれ
が減衰力として作用する。尚、上述した傾斜角αは45°
程度まで可能であるが、抵抗力が大き過ぎる点、及び不
安定である点から30°以下が好適である。より実用的に
は10°以下が適切である。
【0025】更に、上述した各実施例では、すべての円
柱状コロ(5)が軸方向に沿って均一な径を有するもの
について説明したが、このようにすべての円柱状コロ
(5)が軸方向に沿って均一な径を有しなければならな
い必要はない。従って、図9の(a)〜(c)に示すよ
うにそのうちの一部の円柱状コロ(5)が軸方向に沿っ
て部分的に大小異なる径を有するものであってもよい。
【0026】具体的には、例えば、図9の(a)に示す
ように軸方向に沿って小刻みに径が大小異なるようにし
た場合、図9の(b)に示すように軸方向に沿って所定
の幅で大径部分(ア)と小径部分(イ)を交互に配置す
るようにした場合、図9の(c)に示すように軸方向に
沿って径が連続的に増減する曲面を持つ大径部分(ア)
と小径部分(イ)とを交互に配置するようにした場合な
どがある。このような円柱状コロ(5)では、JIS A形
の硬度 50°〜 90°のエラストマー(4)(8)を使用
した場合、小径部分(イ)の直径をφRとすると、大径
部分(ア)の直径rを、φR≦r≦φ1.12Rの範囲とす
ることが好ましい。この範囲内であれば、円柱状コロ
(5)とエラストマー(4)(8)が荷重を受けた時に
エラストマー(4)(8)の弾性変形により、円柱状コ
ロ(5)の小径部分(イ)もエラストマー(4)(8)
に完全に接触して受圧することになる。
【0027】このようにした円柱状コロ(5)では、軸
方向に沿って均一な径を有するものに比べ、円柱状コロ
(5)とエラストマー(4)(8)との接触面積が大き
くなる。即ち、円柱状コロ(5)の転動時、円柱状コロ
(5)とエラストマー(4)(8)との間に生じた摩擦
によって円柱状コロ(5)の転動する運動エネルギーが
消費された分がエネルギー損失となるが、円柱状コロ
(5)とエラストマー(4)(8)との接触面積の増大
に伴いエネルギー損失も増大する。従って、エネルギー
減衰性が高くなってより一層良好な減衰性能が得られ
る。
【0028】尚、本発明では、被減衰体(1)と固定体
(9)との配置関係が上述した各実施例とは逆となる場
合、例えば、図1に示す実施例では、内筒(2)に被減
衰体(1)、外筒(6)に固定体(9)がそれぞれ固着
されている場合について説明したが、これとは逆に内筒
(2)に固定体(9)、外筒(6)に被減衰体(1)が
固着されている場合でも適用可能である。
【0029】
【発明の効果】本発明に係る振動減衰装置によれば、被
減衰体とその被減衰体に対して静止状態にある固定体と
の間に形成された回転中心を有する凸曲面と凹曲面との
間にエラストマーを介して複数の円柱状コロを並列状態
で挟み込んだことにより、各種振動の入力時、回転或い
は往復揺動方向の振動成分に対して円柱状コロがエラス
トマー上を転動することにより、そのエラストマーの粘
弾性変形とそれと同時に発生するエラストマーと円柱状
コロとの摩擦でもって円柱状コロの運動エネルギーが徐
々に消費されてそのエネルギー損失でもって振動を速や
かに減衰させることができる。このように、円柱状コロ
の初動が非常に平滑であり、その作動時に高次振動が発
生せず、仮に、高次振動が入力されてもエラストマーが
振動を吸収してしまうので問題とはならない。また、材
料に塑性変形などが発生しないため、反復使用しても装
置の破壊や特性の大きな変化などが生じることもない。
このように、従来のようなダンパーを使用しないためそ
の不具合を解消することができ、円柱状コロの転動とそ
の転動によるエラストマーの粘弾性変形とそれと同時に
発生するエラストマーと円柱状コロとの摩擦でもって良
好な減衰性能が発揮される実用的価値大なる振動減衰装
置を提供することができる。
【0030】また、軸方向に部分的に大小異なる径を有
する円柱状コロを一部に使用すれば、円柱状コロとエラ
ストマーとの接触部分の増大によりエネルギー損失も増
大するので、エネルギー減衰性が高くなり、より一層良
好な減衰性能を発揮する振動減衰装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る振動減衰装置の第1の実施例を示
す斜視図
【図2】図1の平面図
【図3】図1の一部断面を含む正面図
【図4】本発明の第2の実施例を示す正面図
【図5】円柱状コロを支持した連結板を示す正面図
【図6】円柱状コロの配列ピッチを異ならせた状態を示
す平面図
【図7】円柱状コロの配列方向を傾けた状態を示す平面
【図8】図7の一対の円柱状コロを示す拡大平面図
【図9】(a)(b)(c)は軸方向に部分的に大小異
なる径を有する円柱状コロの具体的な三例を示す拡大平
面図
【符号の説明】
1 被減衰体 2 内筒 3 凸曲面 4 エラストマー 5 円柱状コロ 6 外筒 7 凹曲面 8 エラストマー 9 固定体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被減衰体が回転或いは往復揺動方向の振
    動入力により移動する際に発生する運動エネルギーを消
    費させてそのエネルギー損失でもって被減衰体の回転或
    いは往復揺動方向の振動を抑制する振動減衰装置におい
    て、被減衰体とその被減衰体に対して静止状態にある固
    定体との間に形成された回転中心を有する凸曲面と凹曲
    面との間にエラストマーを介して複数の円柱状コロを並
    列状態で挟み込んだことを特徴とする振動減衰装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の円柱状コロのすべてがそ
    の軸方向に沿って均一な径を有することを特徴とする振
    動減衰装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の円柱状コロのうちの一部
    がその軸方向に沿って部分的に大小異なる径を有するこ
    とを特徴とする振動減衰装置。
JP34071591A 1991-06-14 1991-12-24 振動減衰装置 Pending JPH0552239A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14318491 1991-06-14
JP3-143184 1991-06-14

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JPH0552239A true JPH0552239A (ja) 1993-03-02

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JP34071591A Pending JPH0552239A (ja) 1991-06-14 1991-12-24 振動減衰装置

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