JPH10245968A - 免震床構造 - Google Patents
免震床構造Info
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- JPH10245968A JPH10245968A JP5363497A JP5363497A JPH10245968A JP H10245968 A JPH10245968 A JP H10245968A JP 5363497 A JP5363497 A JP 5363497A JP 5363497 A JP5363497 A JP 5363497A JP H10245968 A JPH10245968 A JP H10245968A
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- Japan
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- floor structure
- seismic isolation
- vibration damping
- damping means
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 地震等による短周期振動を絶縁し、工事等に
よる人為的振動を減衰することができる制震手段を所要
箇所に充分且つ適切に配置することにより、所望の防振
効果を達成することができる制震装置を備えた免震床構
造を提供する。 【解決手段】 建築構造物の天井面から懸吊ロッドを介
して懸吊した吊り床構造に対して、短周期振動を絶縁し
人為的振動を減衰する制震装置として、例えば、懸吊ロ
ッドの端末部と吊り床構造の上部または下部との間に介
在する垂直方向振動減衰手段と、吊り床構造と建築スラ
ブとの間に配置する水平方向振動減衰手段と、吊り床構
造と建築構造物壁面との間に介装する水平方向バックア
ップ減衰手段等を単独でまたは複合的に使用して２次元
および３次元の免震を行う。
よる人為的振動を減衰することができる制震手段を所要
箇所に充分且つ適切に配置することにより、所望の防振
効果を達成することができる制震装置を備えた免震床構
造を提供する。 【解決手段】 建築構造物の天井面から懸吊ロッドを介
して懸吊した吊り床構造に対して、短周期振動を絶縁し
人為的振動を減衰する制震装置として、例えば、懸吊ロ
ッドの端末部と吊り床構造の上部または下部との間に介
在する垂直方向振動減衰手段と、吊り床構造と建築スラ
ブとの間に配置する水平方向振動減衰手段と、吊り床構
造と建築構造物壁面との間に介装する水平方向バックア
ップ減衰手段等を単独でまたは複合的に使用して２次元
および３次元の免震を行う。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築構造物内に設
けられる免震床構造、殊に吊り床や転がり支承床構造に
係り、建物に発生または投入される振動の同期成分であ
る短周期振動を制震するよう構成した制震手段を備えた
免震床構造に関する。
けられる免震床構造、殊に吊り床や転がり支承床構造に
係り、建物に発生または投入される振動の同期成分であ
る短周期振動を制震するよう構成した制震手段を備えた
免震床構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、建築構造物において、吊り床およ
び転がり支承床（以下、単に支承床と称する場合があ
る）構造を利用することが知られている。すなわち、先
ず吊り床は、その床構造が建築構造物に対し懸吊ロッド
を介して懸吊され、一方支承床は、その床構造が建築構
造物に対し支承システムを介して転動的に支承されるよ
う構成されている。そして、これら懸吊部或いは支承部
には、それぞれ公知の制震手段が付設されていて、吊り
床においては、その床構造が振り子式に自由揺動される
ことにより、一方支承においては、その床構造が低摩擦
状態で自由移動されることにより、制震作用が達成され
る。この場合、対象建物の制震の目的のために支承床を
揺動させ、その効果で振動エネルギーを吸収することが
主な用途である。
び転がり支承床（以下、単に支承床と称する場合があ
る）構造を利用することが知られている。すなわち、先
ず吊り床は、その床構造が建築構造物に対し懸吊ロッド
を介して懸吊され、一方支承床は、その床構造が建築構
造物に対し支承システムを介して転動的に支承されるよ
う構成されている。そして、これら懸吊部或いは支承部
には、それぞれ公知の制震手段が付設されていて、吊り
床においては、その床構造が振り子式に自由揺動される
ことにより、一方支承においては、その床構造が低摩擦
状態で自由移動されることにより、制震作用が達成され
る。この場合、対象建物の制震の目的のために支承床を
揺動させ、その効果で振動エネルギーを吸収することが
主な用途である。
【０００３】そして、この種の制震床構造は、地震或い
は交通振動等に対する安全或いは環境保全等の面から、
更には精密機械工業等における作業条件等の面から、各
用途に亘り広く適用されるに至っている。
は交通振動等に対する安全或いは環境保全等の面から、
更には精密機械工業等における作業条件等の面から、各
用途に亘り広く適用されるに至っている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来型
の制震床構造は、なお、以下に述べるような改善される
べき基本的難点を有している。
の制震床構造は、なお、以下に述べるような改善される
べき基本的難点を有している。
【０００５】この種の制震床構造には、建築構造物とは
異なるそれ自体の振動が発生する。すなわち、建築構造
物には地震、交通、風圧等による自然的振動が負荷され
ているが、制震床構造には歩行、作業、衝突等による人
為的振動が発生する。そして、自然的振動は、一般的に
は短周期振動であり制震床構造への伝達を絶縁されるべ
きものであるが、人為的振動は、衝撃的振動であり免震
床構造自体内で制震、解消されるべきものである。
異なるそれ自体の振動が発生する。すなわち、建築構造
物には地震、交通、風圧等による自然的振動が負荷され
ているが、制震床構造には歩行、作業、衝突等による人
為的振動が発生する。そして、自然的振動は、一般的に
は短周期振動であり制震床構造への伝達を絶縁されるべ
きものであるが、人為的振動は、衝撃的振動であり免震
床構造自体内で制震、解消されるべきものである。
【０００６】しかるに、従来の制震床構造においては、
特に、制震床の長周期化が充分ではなく、前述したよう
に、懸吊または支承部等の要部には、制震手段がそれぞ
れ介在されているものの、制震床構造の防振効果が、実
際には、使用者の要望に充分答えられていなかった。な
お因みに、これらの難点は、主として、制震手段の配置
および機能が充分でなく或いは適切でなかったことに起
因している。
特に、制震床の長周期化が充分ではなく、前述したよう
に、懸吊または支承部等の要部には、制震手段がそれぞ
れ介在されているものの、制震床構造の防振効果が、実
際には、使用者の要望に充分答えられていなかった。な
お因みに、これらの難点は、主として、制震手段の配置
および機能が充分でなく或いは適切でなかったことに起
因している。
【０００７】そこで、本発明の目的は、短周期振動を絶
縁し、従来不可能であった制震床の長周期化を確実に行
うことができる制震手段を所要箇所に充分且つ適切に配
置することにより、免震防振効果を所望の水準に達成す
ることができる免震床構造を提供することにある。
縁し、従来不可能であった制震床の長周期化を確実に行
うことができる制震手段を所要箇所に充分且つ適切に配
置することにより、免震防振効果を所望の水準に達成す
ることができる免震床構造を提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】先の目的を達成するため
に、本発明に係る免震床構造は、この床構造に制震装置
を配置し床自体の揺動を制御することを特徴とする。
に、本発明に係る免震床構造は、この床構造に制震装置
を配置し床自体の揺動を制御することを特徴とする。
【０００９】本発明に係る免震床構造は、先ず、建築構
造物の天井面から懸吊ロッドを介して懸吊される吊り床
構造から構成されて水平方向の長周期化を実現させ、そ
して、制震手段は、前記懸吊ロッドの端末部と吊り床構
造の底面または天井面との間に配置される垂直方向振動
減衰手段からなる。また、制震手段は、吊り床構造と建
築構造物基礎床面との間に配置される水平方向振動減衰
手段とからも構成され、さらに別の制震手段として、吊
り床構造と建築構造物壁面との間に水平方向バックアッ
プ減衰手段を付設することもできる。
造物の天井面から懸吊ロッドを介して懸吊される吊り床
構造から構成されて水平方向の長周期化を実現させ、そ
して、制震手段は、前記懸吊ロッドの端末部と吊り床構
造の底面または天井面との間に配置される垂直方向振動
減衰手段からなる。また、制震手段は、吊り床構造と建
築構造物基礎床面との間に配置される水平方向振動減衰
手段とからも構成され、さらに別の制震手段として、吊
り床構造と建築構造物壁面との間に水平方向バックアッ
プ減衰手段を付設することもできる。
【００１０】また、本発明に係る免震床構造は、建築構
造物の基礎面上に水平方向に直交する２軸直動ユニット
を介して支承される転がり支承床構造から構成すること
ができ、そしてこの場合には、制震手段は、前記支承床
構造と建築構造物基礎床面との間に介在される垂直方向
振動減衰手段および復元手段からなり、また、支承床構
造と建築構造物床面との間に配置される水平方向振動減
衰手段とから構成してもよく、さらに支承床構造と建築
構造物壁面との間に水平方向バックアップ減衰手段を付
設することもできる。復元手段としては、コイルばねや
積層ゴム、高減衰ゴムのようなゴム体が使用される。
造物の基礎面上に水平方向に直交する２軸直動ユニット
を介して支承される転がり支承床構造から構成すること
ができ、そしてこの場合には、制震手段は、前記支承床
構造と建築構造物基礎床面との間に介在される垂直方向
振動減衰手段および復元手段からなり、また、支承床構
造と建築構造物床面との間に配置される水平方向振動減
衰手段とから構成してもよく、さらに支承床構造と建築
構造物壁面との間に水平方向バックアップ減衰手段を付
設することもできる。復元手段としては、コイルばねや
積層ゴム、高減衰ゴムのようなゴム体が使用される。
【００１１】次に、本発明に係る制震手段を構成する垂
直方向振動減衰手段は、円筒状の直立多重構造からな
り、懸吊ロッドを挿通して端止するための保護スリーブ
と、この保護スリーブをベアリングを介して囲繞する横
揺れ防止ボッシュと、前記横揺れ防止ボッシュを取り囲
み垂直方向振動を吸収するコイルばねの収納筒と、前記
収納筒の外周に位置して短周期振動を絶縁し従来不可能
であった長周期振動を減衰する粘性体を保持する外筒と
粘性体中へ挿通されかつ一端部が免震床に固定される減
衰筒とから構成される。
直方向振動減衰手段は、円筒状の直立多重構造からな
り、懸吊ロッドを挿通して端止するための保護スリーブ
と、この保護スリーブをベアリングを介して囲繞する横
揺れ防止ボッシュと、前記横揺れ防止ボッシュを取り囲
み垂直方向振動を吸収するコイルばねの収納筒と、前記
収納筒の外周に位置して短周期振動を絶縁し従来不可能
であった長周期振動を減衰する粘性体を保持する外筒と
粘性体中へ挿通されかつ一端部が免震床に固定される減
衰筒とから構成される。
【００１２】一方、水平方向振動減衰手段は、粘弾性体
の収納皿体とこの収納皿体上に移動自在に担持されかつ
垂直ロッドを備える円盤と、前記垂直ロッドに摺動自在
にかつ弾力的に嵌合されかつエア抜き孔を有するシリン
ダとから構成される。
の収納皿体とこの収納皿体上に移動自在に担持されかつ
垂直ロッドを備える円盤と、前記垂直ロッドに摺動自在
にかつ弾力的に嵌合されかつエア抜き孔を有するシリン
ダとから構成される。
【００１３】また、水平方向バックアップ減衰手段は、
シリンダ・ピストン構造体からなり、シリンダ内にピス
トンヘッドを介して２つの室を画成して粘性体を挿入す
ると共にこれらの２つの室をバイパス連通管により連通
してダンパ減衰部を構成する。
シリンダ・ピストン構造体からなり、シリンダ内にピス
トンヘッドを介して２つの室を画成して粘性体を挿入す
ると共にこれらの２つの室をバイパス連通管により連通
してダンパ減衰部を構成する。
【００１４】本発明においては、短周期振動を絶縁し従
来免震が不可能だった長周期振動を減衰する制震手段
が、所要箇所に充分且つ適切に、すなわち、防振に必要
な全ての機能を全体的に分担できるように配置されてい
るので、建築構造物に負荷される自然的短周期振動の免
震床構造への伝達が有効に絶縁されると同時に、免震床
構造で発生される人為的および衝撃的振動が良好に制
震、解消されることから、免震床構造の防振効果が確実
に達成される。
来免震が不可能だった長周期振動を減衰する制震手段
が、所要箇所に充分且つ適切に、すなわち、防振に必要
な全ての機能を全体的に分担できるように配置されてい
るので、建築構造物に負荷される自然的短周期振動の免
震床構造への伝達が有効に絶縁されると同時に、免震床
構造で発生される人為的および衝撃的振動が良好に制
震、解消されることから、免震床構造の防振効果が確実
に達成される。
【００１５】
【実施例】次に、本発明に係る制震手段を備えた免震床
構造の実施例を添付図面を参照しながら以下詳細に説明
する。なお、この実施例は、本発明を適用した一例に過
ぎないが、これによって、本発明の目的および作用効果
が一層明瞭に理解されるであろう。
構造の実施例を添付図面を参照しながら以下詳細に説明
する。なお、この実施例は、本発明を適用した一例に過
ぎないが、これによって、本発明の目的および作用効果
が一層明瞭に理解されるであろう。
【００１６】図１に、本発明に係る免震床構造であっ
て、吊り床構造の一実施例を垂直方向および水平方向の
振動減衰を併せて行う３次元免震床を示す。
て、吊り床構造の一実施例を垂直方向および水平方向の
振動減衰を併せて行う３次元免震床を示す。
【００１７】吊り床構造１０は、建築構造物１２の天井
面１４に取着したベアリング式球座１６により一端部を
保持される懸吊ロッド１８，１８を介して懸吊されてい
る。懸吊ロッド１８，１８の他端末部と吊り床構造１０
の支持ビーム１１の下端面との間にベアリング式球座２
０，２０を介して垂直方向振動減衰手段２２，２２をそ
れぞれ配設し、さらに吊り床構造１０と建築床スラブ２
４との間に台座２６および支持部材２８を介して水平方
向振動減衰手段３０を配置する。垂直方向振動減衰手段
２２，２２は、図２に示す通り天井面１４から支承枠体
を介して懸吊配置することもできる。垂直方向振動減衰
手段２２，２２を先に述べた通り懸吊ロッドの上部に配
置する場合か、あるいは水平方向振動減衰手段を配置す
ることなく水平方向振動減衰手段のみを使用して２次元
免震床とする場合は、懸吊ロッド１８の下端は図３に示
されるようにビーム１１に直接固定される。吊り床構造
１０と建築構造物壁面３２との間には、さらに水平方向
バックアップ減衰手段３３を介装させて強大な水平方向
振動を吸収するよう構成することもできる。そして更
に、吊り床構造１０と建築構造物床面２４との間にはソ
フトトリガー３４を設け、強大な水平方向振動の瞬間的
感知を図ることもできる。なお、図中の参照符号の３６
は、懸吊ロッド１８の被服防火材を示し、３８は建築構
造物床面との摺動連結板を示す。
面１４に取着したベアリング式球座１６により一端部を
保持される懸吊ロッド１８，１８を介して懸吊されてい
る。懸吊ロッド１８，１８の他端末部と吊り床構造１０
の支持ビーム１１の下端面との間にベアリング式球座２
０，２０を介して垂直方向振動減衰手段２２，２２をそ
れぞれ配設し、さらに吊り床構造１０と建築床スラブ２
４との間に台座２６および支持部材２８を介して水平方
向振動減衰手段３０を配置する。垂直方向振動減衰手段
２２，２２は、図２に示す通り天井面１４から支承枠体
を介して懸吊配置することもできる。垂直方向振動減衰
手段２２，２２を先に述べた通り懸吊ロッドの上部に配
置する場合か、あるいは水平方向振動減衰手段を配置す
ることなく水平方向振動減衰手段のみを使用して２次元
免震床とする場合は、懸吊ロッド１８の下端は図３に示
されるようにビーム１１に直接固定される。吊り床構造
１０と建築構造物壁面３２との間には、さらに水平方向
バックアップ減衰手段３３を介装させて強大な水平方向
振動を吸収するよう構成することもできる。そして更
に、吊り床構造１０と建築構造物床面２４との間にはソ
フトトリガー３４を設け、強大な水平方向振動の瞬間的
感知を図ることもできる。なお、図中の参照符号の３６
は、懸吊ロッド１８の被服防火材を示し、３８は建築構
造物床面との摺動連結板を示す。
【００１８】垂直方向振動減衰手段２２は、図４に示す
ように、円筒状の直立多重構造からなり、中心部の横揺
れ防止ボッシュ４０に囲繞される懸吊ロッド挿入管４２
と、コイルばね４４を収納する中間筒４６と、その中間
筒を囲繞して粘性体４８を装入するための室４９を形成
する外筒５０とから構成されている。
ように、円筒状の直立多重構造からなり、中心部の横揺
れ防止ボッシュ４０に囲繞される懸吊ロッド挿入管４２
と、コイルばね４４を収納する中間筒４６と、その中間
筒を囲繞して粘性体４８を装入するための室４９を形成
する外筒５０とから構成されている。
【００１９】粘性体装入室４９内には、さらに、一端部
をボッシュ４０のフランジ部５２に固着した摩擦円筒体
５４を挿入し、ばね４４の押え板５６を押圧する調整ボ
ルト５８を嵌着する。このように構成することにより、
吊り床構造１０は、その水平レベルをボルト５８を操作
して調整することができ、しかも垂直方向の振動に対し
てその垂直度を規制かつ保持することができる。更に、
吊り床構造１０で発生する人為的振動は、減衰部粘性体
４８と摩擦円筒体５４との間における粘性減衰特性によ
って懸吊ロッド１８を介し有効に減衰される。なおこの
場合、懸吊ロッド１８から伝達される自然的短周期振動
は、垂直方向振動減衰手段２２全体の長周期化されたこ
とによる免震特性によって有効に絶縁される。また因み
に、コイルばね４４のクッション作用は、例えば、空気
バッグによるクッション作用に置換することもできる。
をボッシュ４０のフランジ部５２に固着した摩擦円筒体
５４を挿入し、ばね４４の押え板５６を押圧する調整ボ
ルト５８を嵌着する。このように構成することにより、
吊り床構造１０は、その水平レベルをボルト５８を操作
して調整することができ、しかも垂直方向の振動に対し
てその垂直度を規制かつ保持することができる。更に、
吊り床構造１０で発生する人為的振動は、減衰部粘性体
４８と摩擦円筒体５４との間における粘性減衰特性によ
って懸吊ロッド１８を介し有効に減衰される。なおこの
場合、懸吊ロッド１８から伝達される自然的短周期振動
は、垂直方向振動減衰手段２２全体の長周期化されたこ
とによる免震特性によって有効に絶縁される。また因み
に、コイルばね４４のクッション作用は、例えば、空気
バッグによるクッション作用に置換することもできる。
【００２０】次に、図５において、水平方向振動減衰手
段３０は、粘弾性体の収納皿体６０とこの収納皿体６０
上に隙間調整ボルト５９により出力調整可能な転子６１
を介して移動自在に担持されかつ垂直ロッド６２と一体
的に形成される円盤６４と、前記垂直ロッドに摺動自在
にかつ弾力的に嵌合されかつエア抜き孔６６を有するシ
リンダ減衰部６８と垂直ロッド６２とシリンダ６８との
間に介装されるベアリングブッシュ６９とから構成さ
れ、このシリンダ６８は、コイルばね部材７０を介して
円盤６０上に弾力的に担持される。
段３０は、粘弾性体の収納皿体６０とこの収納皿体６０
上に隙間調整ボルト５９により出力調整可能な転子６１
を介して移動自在に担持されかつ垂直ロッド６２と一体
的に形成される円盤６４と、前記垂直ロッドに摺動自在
にかつ弾力的に嵌合されかつエア抜き孔６６を有するシ
リンダ減衰部６８と垂直ロッド６２とシリンダ６８との
間に介装されるベアリングブッシュ６９とから構成さ
れ、このシリンダ６８は、コイルばね部材７０を介して
円盤６０上に弾力的に担持される。
【００２１】なお、図中の参照符号７２は、粘弾性体の
収納皿６０を被蓄する防塵ベローズを示す。従って、こ
のような構成によれば、吊り床構造１０で発生する人為
的振動は、この振動によって相対移動される粘弾性体と
その収納皿６０との減衰特性によって建築構造物床面２
４を介し有効に減衰される。一方、台座２６から伝達さ
れる自然的短周期振動は、円盤６４と収納皿体６０が直
接的に接触してなく、しかも粘弾性体の存在による防振
特性によって有効に絶縁される。
収納皿６０を被蓄する防塵ベローズを示す。従って、こ
のような構成によれば、吊り床構造１０で発生する人為
的振動は、この振動によって相対移動される粘弾性体と
その収納皿６０との減衰特性によって建築構造物床面２
４を介し有効に減衰される。一方、台座２６から伝達さ
れる自然的短周期振動は、円盤６４と収納皿体６０が直
接的に接触してなく、しかも粘弾性体の存在による防振
特性によって有効に絶縁される。
【００２２】図６において、水平方向バックアップ減衰
手段３３は、シリンダ・ピストン型構造からなり、すな
わち、シリンダ７２内でピストン７４を介して画成され
た２つの室７６，７８内に収容される粘弾性体８０が外
付け連通管８２を介して流動するよう構成したダンパ減
衰部を形成する。そして、この水平方向バックアップ減
衰手段３３は、更に、その一方の室７８にバッファ８４
を設け、壁面３２との対接部にはゴムパッド８４および
コイルばね８６を設けることにより、低剛性でしかも高
減衰能力を備えるよう構成することができる。そして、
このような構成によれば、大地震等に際しての建築構造
物１２および吊り床構造１０間の接触衝突等に起因する
不慮の振動を有効に絶縁および／または減衰することが
できる。
手段３３は、シリンダ・ピストン型構造からなり、すな
わち、シリンダ７２内でピストン７４を介して画成され
た２つの室７６，７８内に収容される粘弾性体８０が外
付け連通管８２を介して流動するよう構成したダンパ減
衰部を形成する。そして、この水平方向バックアップ減
衰手段３３は、更に、その一方の室７８にバッファ８４
を設け、壁面３２との対接部にはゴムパッド８４および
コイルばね８６を設けることにより、低剛性でしかも高
減衰能力を備えるよう構成することができる。そして、
このような構成によれば、大地震等に際しての建築構造
物１２および吊り床構造１０間の接触衝突等に起因する
不慮の振動を有効に絶縁および／または減衰することが
できる。
【００２３】図７において、ソフトトリガー３４は、例
えば、建築床スラブ２４および免震床構造体の床梁材１
３にそれぞれ取付具９０，８８を介して鉛連結帯９２を
取着する。なお、鉛連結帯９２は、上下水平方向に有効
に作用させるためくの字形に構成することが望ましい。
そして、大地震時に免震床と床スラブの相対変形量が大
きくなった場合は破断してヒューズの機能を果す。
えば、建築床スラブ２４および免震床構造体の床梁材１
３にそれぞれ取付具９０，８８を介して鉛連結帯９２を
取着する。なお、鉛連結帯９２は、上下水平方向に有効
に作用させるためくの字形に構成することが望ましい。
そして、大地震時に免震床と床スラブの相対変形量が大
きくなった場合は破断してヒューズの機能を果す。
【００２４】このように、本発明に係る免震床構造（吊
り床構造）は、短周期振動を絶縁し、従来不可能だった
長周期振動を減衰する制震手段が、所要箇所に充分且つ
適切に、すなわち、防振に必要な全ての機能を全体的に
分担できるように配置されている。従って、本発明によ
れば、建築構造物に負荷される自然的短周期振動の免震
床構造への伝達が有効に絶縁されると同時に、免震床構
造で発生される人為的振動が良好に制震、解消されて免
震床構造の防振効果が所望に達成されることができる。
すなわち、前記実施例の吊り床構造は、懸吊ロッドおよ
び垂直方向振動、減衰手段に係る垂直免震と水平方向振
動減衰手段による水平免震とからなる３次元システムに
構成されることに留意する必要がある。
り床構造）は、短周期振動を絶縁し、従来不可能だった
長周期振動を減衰する制震手段が、所要箇所に充分且つ
適切に、すなわち、防振に必要な全ての機能を全体的に
分担できるように配置されている。従って、本発明によ
れば、建築構造物に負荷される自然的短周期振動の免震
床構造への伝達が有効に絶縁されると同時に、免震床構
造で発生される人為的振動が良好に制震、解消されて免
震床構造の防振効果が所望に達成されることができる。
すなわち、前記実施例の吊り床構造は、懸吊ロッドおよ
び垂直方向振動、減衰手段に係る垂直免震と水平方向振
動減衰手段による水平免震とからなる３次元システムに
構成されることに留意する必要がある。
【００２５】次に、本発明に係る吊り床構造の別の実施
例を図８に示し、これは懸吊ロッドの吊り構造を変更し
たものである。すなわち、吊り床構造１０は、建築構造
物１２の天井面１４の支持金具９４に取着した直交２軸
直動式の懸吊ユニット９６から、ベアリング式球座９８
を介して支持されるロッド１８により間接的に懸吊され
るよう構成される。なお、制震手段としては、図１の実
施例と同様に垂直方向振動減衰手段２２、水平方向振動
減衰手段２８およびバックアップ減衰手段３３のみが設
けられているが、ソフトトリガーも、必要に応じて前記
実施例の場合と同様に設けることができることは勿論で
ある。この直交２軸直動式の懸吊ユニット９６は、摩擦
係数が極めて小さいため、長周期化が可能となり、吊り
長さが不足する場合など懸吊ユニット９６を介入するこ
とによって免震床の性能を達成させることができる。
例を図８に示し、これは懸吊ロッドの吊り構造を変更し
たものである。すなわち、吊り床構造１０は、建築構造
物１２の天井面１４の支持金具９４に取着した直交２軸
直動式の懸吊ユニット９６から、ベアリング式球座９８
を介して支持されるロッド１８により間接的に懸吊され
るよう構成される。なお、制震手段としては、図１の実
施例と同様に垂直方向振動減衰手段２２、水平方向振動
減衰手段２８およびバックアップ減衰手段３３のみが設
けられているが、ソフトトリガーも、必要に応じて前記
実施例の場合と同様に設けることができることは勿論で
ある。この直交２軸直動式の懸吊ユニット９６は、摩擦
係数が極めて小さいため、長周期化が可能となり、吊り
長さが不足する場合など懸吊ユニット９６を介入するこ
とによって免震床の性能を達成させることができる。
【００２６】図９において、本発明に係る直交２軸直動
式の懸吊ユニット９６は、移動体９８と、この移動体９
８を介して配置される直交２軸、すなわち、Ｘ方向レー
ル１００とＹ方向レール１０２と、移動体９８とＸ方向
レール１００との間に配置されるボールベアリングまた
はローラベアリング１０４並びに復元ばね１０６とから
構成されて、極めて小さな人為的入力でＸ，Ｙ平面内の
如何なる方向にも容易に移動されると共に、負荷が解除
されると速やかに元位置へ復帰する。
式の懸吊ユニット９６は、移動体９８と、この移動体９
８を介して配置される直交２軸、すなわち、Ｘ方向レー
ル１００とＹ方向レール１０２と、移動体９８とＸ方向
レール１００との間に配置されるボールベアリングまた
はローラベアリング１０４並びに復元ばね１０６とから
構成されて、極めて小さな人為的入力でＸ，Ｙ平面内の
如何なる方向にも容易に移動されると共に、負荷が解除
されると速やかに元位置へ復帰する。
【００２７】すなわち、この本実施例によれば、吊り床
構造の自由揺動が、直交２軸直動式懸吊システムの作用
によって、図１の実施例の場合よりも一層軽減される。
換言すれば、免震床構造の防振効果を更に向上させるこ
とができる。なお、この実施例においても、３次元免震
が達成されていることは明らかである。
構造の自由揺動が、直交２軸直動式懸吊システムの作用
によって、図１の実施例の場合よりも一層軽減される。
換言すれば、免震床構造の防振効果を更に向上させるこ
とができる。なお、この実施例においても、３次元免震
が達成されていることは明らかである。
【００２８】さらに、新たに、本発明に係る免震床構造
の支承床構造の別の実施例を、図１０に示す。この支承
床構造１０８は、建築構造物１１０の建築スラブ１１２
上に水平方向に直交する２軸直動式の支承ユニット１２
０を配置して支承するようにして基本的に構成され、そ
して制震構造は、支承床構造１０８と建築構造物１１０
の建築スラブ１１２との間に介在される復元ゴム体１１
４と、同様に支承床構造１０８と建築スラブ１１２との
間に支持部材１１６を介して介在される水平方向振動減
衰手段１１８と、基礎面１１２上に配置されて支承床構
造１０８を支持する直交２軸直動式支承ユニット１２
０，１２０と、支承床構造１０８と建築構造物壁面１２
２との間に介在される水平方向バックアップ減衰手段１
２４とから構成される。
の支承床構造の別の実施例を、図１０に示す。この支承
床構造１０８は、建築構造物１１０の建築スラブ１１２
上に水平方向に直交する２軸直動式の支承ユニット１２
０を配置して支承するようにして基本的に構成され、そ
して制震構造は、支承床構造１０８と建築構造物１１０
の建築スラブ１１２との間に介在される復元ゴム体１１
４と、同様に支承床構造１０８と建築スラブ１１２との
間に支持部材１１６を介して介在される水平方向振動減
衰手段１１８と、基礎面１１２上に配置されて支承床構
造１０８を支持する直交２軸直動式支承ユニット１２
０，１２０と、支承床構造１０８と建築構造物壁面１２
２との間に介在される水平方向バックアップ減衰手段１
２４とから構成される。
【００２９】図１１に示すように、本発明に係る直交２
軸直動式の支承ユニット１２０は、特開平８−２４００
３３号公報に記載されるものであり、ブロック体１２６
と、このブロック１２６を介して配置される直交２軸、
すなわち、Ｘ方向レール１２８およびＹ方向レール１３
０と、これらのブロック１２６および各レール１２８、
１３０の間に配置されるベアリングボール１３２とから
構成されて、比較的大きな荷重を担持できると同時に、
極めて小さな人為的入力でＸ，Ｙ平面内の如何なる方向
にも容易に移動する。
軸直動式の支承ユニット１２０は、特開平８−２４００
３３号公報に記載されるものであり、ブロック体１２６
と、このブロック１２６を介して配置される直交２軸、
すなわち、Ｘ方向レール１２８およびＹ方向レール１３
０と、これらのブロック１２６および各レール１２８、
１３０の間に配置されるベアリングボール１３２とから
構成されて、比較的大きな荷重を担持できると同時に、
極めて小さな人為的入力でＸ，Ｙ平面内の如何なる方向
にも容易に移動する。
【００３０】第１１図に示す直交２軸直動式支承ユニッ
トの例では、ボールベアリング１３２を収納する溝１３
３，１３５は、レール１２８，１３０の長手方向両側部
に刻設されるが、図１２に示す例ではさらにレール１２
８，１３０の長手方向上面両端部にもボールベアリング
収納溝１３７を刻設し、図１３に示す例においてはボー
ルベアリング収納溝１３９，１４１をレール長手方向上
面に２条並設し、また図１４に示す例では、レール長手
方向上面にローラベアリング１４３を収納する幅広の溝
１４５を刻設して耐荷重性を高めることができる。
トの例では、ボールベアリング１３２を収納する溝１３
３，１３５は、レール１２８，１３０の長手方向両側部
に刻設されるが、図１２に示す例ではさらにレール１２
８，１３０の長手方向上面両端部にもボールベアリング
収納溝１３７を刻設し、図１３に示す例においてはボー
ルベアリング収納溝１３９，１４１をレール長手方向上
面に２条並設し、また図１４に示す例では、レール長手
方向上面にローラベアリング１４３を収納する幅広の溝
１４５を刻設して耐荷重性を高めることができる。
【００３１】このように、本発明に係る支承床構造によ
れば、その支承ユニットで支承される床構造が、その所
要箇所に、前述した吊り床構造と同様に、短周期振動を
絶縁し人為的振動を減衰する制震手段を充分且つ適切
に、すなわち、防振に必要な全ての機能を全体的に分担
できるように配置されている。従って、この支承床構造
においても、前述の吊り床構造と同様に、建築構造物に
負荷される自然的短周期振動の免震床構造への伝達が有
効に絶縁されると同時に、免震床構造で発生される人為
的長周期振動が良好に制震、解消される。すなわち、免
震床構造の所望の防振効果が達成される。なお、前記支
承床構造に対しても、必要に応じてソフトトリガーを設
けることができる。
れば、その支承ユニットで支承される床構造が、その所
要箇所に、前述した吊り床構造と同様に、短周期振動を
絶縁し人為的振動を減衰する制震手段を充分且つ適切
に、すなわち、防振に必要な全ての機能を全体的に分担
できるように配置されている。従って、この支承床構造
においても、前述の吊り床構造と同様に、建築構造物に
負荷される自然的短周期振動の免震床構造への伝達が有
効に絶縁されると同時に、免震床構造で発生される人為
的長周期振動が良好に制震、解消される。すなわち、免
震床構造の所望の防振効果が達成される。なお、前記支
承床構造に対しても、必要に応じてソフトトリガーを設
けることができる。
【００３２】次に、本発明に係る支承床構造のさらに別
の実施例を、図１５に示す。この実施例は、実施例（図
１０）における水平方向の免震に加えて、本発明に係る
垂直方向振動減衰手段を付設して構成したものである。
の実施例を、図１５に示す。この実施例は、実施例（図
１０）における水平方向の免震に加えて、本発明に係る
垂直方向振動減衰手段を付設して構成したものである。
【００３３】すなわち、支承床構造１３４は、平行維持
装置１３６を介して分離された床部支持ビーム１３８と
保持ビーム１４０とを含み、これらのビーム１３８，１
４０間に垂直方向支持復元減衰手段２２，２２を配置
し、さらに保持ビーム１４０を支承ユニット１４２，１
４２で支承するよう構成する。なお、平行維持装置１３
６は、ピン接合された平行四辺形リンクからなり、支持
ビーム１３８と保持ビーム１４０との平行度を維持する
ことにより床構造１３４のロッキングを防止する。
装置１３６を介して分離された床部支持ビーム１３８と
保持ビーム１４０とを含み、これらのビーム１３８，１
４０間に垂直方向支持復元減衰手段２２，２２を配置
し、さらに保持ビーム１４０を支承ユニット１４２，１
４２で支承するよう構成する。なお、平行維持装置１３
６は、ピン接合された平行四辺形リンクからなり、支持
ビーム１３８と保持ビーム１４０との平行度を維持する
ことにより床構造１３４のロッキングを防止する。
【００３４】従って、この実施例によれば、支承床構造
の免震システムが、垂直方向支持復元減衰手段を介して
垂直方向にも拡大され、すなわち、先の図１０の実施例
の場合の２次元から３次元へと拡大されるので、この結
果、免震床構造の防振効果が更に向上される。
の免震システムが、垂直方向支持復元減衰手段を介して
垂直方向にも拡大され、すなわち、先の図１０の実施例
の場合の２次元から３次元へと拡大されるので、この結
果、免震床構造の防振効果が更に向上される。
【００３５】図１６に、吊り床の構造の懸吊ロッドの長
さによって決まる振動周期と地震等の加速度に対する吊
り床（１階、３階、６階）の応答性を示す。従来の制震
吊り床スラブは、地震等の加速度に対する応答性を意図
的に高く設定し、床スラブを地震等の振動に共振させ振
動のエネルギーを吸収するよう設計される。このため、
吊り床スラブの振動周期が地震等の短周期とほぼ一致す
るよう懸吊ロッドの長さを決定する。具体的には、図１
６に示すように、従来の制震吊り床スラブの懸吊ロッド
は、床スラブの振動周期が１秒以下になるようその長さ
を設定することで、地震等の周期が１秒未満の短周期の
揺れに吊り床スラブを共振させて振動のエネルギを吸収
するよう構成する。
さによって決まる振動周期と地震等の加速度に対する吊
り床（１階、３階、６階）の応答性を示す。従来の制震
吊り床スラブは、地震等の加速度に対する応答性を意図
的に高く設定し、床スラブを地震等の振動に共振させ振
動のエネルギーを吸収するよう設計される。このため、
吊り床スラブの振動周期が地震等の短周期とほぼ一致す
るよう懸吊ロッドの長さを決定する。具体的には、図１
６に示すように、従来の制震吊り床スラブの懸吊ロッド
は、床スラブの振動周期が１秒以下になるようその長さ
を設定することで、地震等の周期が１秒未満の短周期の
揺れに吊り床スラブを共振させて振動のエネルギを吸収
するよう構成する。
【００３６】これに対し、本発明に係る免震吊り床構造
は、地震等の加速度に対する応答性をできるだけ低く設
定し、吊り床を地震等の振動から免震させるよう設計さ
れる。このため、吊り床スラブの振動周期が地震等の周
期に比較して十分に長周期化するよう懸吊ロッドの長さ
を決定する。具体的には、図１６に示すように本発明に
係る免震吊り床は、その振動周期が約３秒以上になるよ
うその長さを設定することで、地震等の周期が１秒未満
の短周期の揺れに対し吊り床がほとんど応答しないた
め、免震が可能となる。
は、地震等の加速度に対する応答性をできるだけ低く設
定し、吊り床を地震等の振動から免震させるよう設計さ
れる。このため、吊り床スラブの振動周期が地震等の周
期に比較して十分に長周期化するよう懸吊ロッドの長さ
を決定する。具体的には、図１６に示すように本発明に
係る免震吊り床は、その振動周期が約３秒以上になるよ
うその長さを設定することで、地震等の周期が１秒未満
の短周期の揺れに対し吊り床がほとんど応答しないた
め、免震が可能となる。
【００３７】本発明に係る２軸直動ユニットは、その周
期が無限大であるため、このユニットにより支承される
支承床の周期は、積層ゴム体、コイルばね等の垂直方向
復元手段が有する周期により決定される。地震等の短周
期振動の応答性をできるだけ低く設定するため、垂直方
向復元手段の周期を地震等の周期より十分長くなるよう
に、例えば３秒以上になるよう設定して、支承床を免震
する。
期が無限大であるため、このユニットにより支承される
支承床の周期は、積層ゴム体、コイルばね等の垂直方向
復元手段が有する周期により決定される。地震等の短周
期振動の応答性をできるだけ低く設定するため、垂直方
向復元手段の周期を地震等の周期より十分長くなるよう
に、例えば３秒以上になるよう設定して、支承床を免震
する。
【００３８】加えて、本発明によれば、免震吊り床構造
に人為的長周期の揺れが生じた場合でも、変位を早期に
小さくするための２次元あるいは３次元の減衰装置が機
能して人為的長周期の揺れを減衰する。
に人為的長周期の揺れが生じた場合でも、変位を早期に
小さくするための２次元あるいは３次元の減衰装置が機
能して人為的長周期の揺れを減衰する。
【００３９】以上、本発明を好適な一実施例について説
明したが、本発明は前記実施例に限定されることなく、
その精神を逸脱しない範囲内において多くの改良変更が
可能である。すなわち、例えば、吊り床構造に対して
も、平行維持装置を設けた分離部材床構造を適用するこ
とができ、また、支承床構造に対しても、ソフトトリガ
ーの設置を適用することができる。更に、例えば、水平
方向振動減衰装置は、条件に応じて、バックアップ減衰
装置と実質的に同等なシリンダ・ピストン型の粘性体ダ
ンパから構成することもできる。
明したが、本発明は前記実施例に限定されることなく、
その精神を逸脱しない範囲内において多くの改良変更が
可能である。すなわち、例えば、吊り床構造に対して
も、平行維持装置を設けた分離部材床構造を適用するこ
とができ、また、支承床構造に対しても、ソフトトリガ
ーの設置を適用することができる。更に、例えば、水平
方向振動減衰装置は、条件に応じて、バックアップ減衰
装置と実質的に同等なシリンダ・ピストン型の粘性体ダ
ンパから構成することもできる。
【００４０】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る制震
手段を備えた免震床構造は、建築構造物内に設けられる
免震床構造において、この床構造と、建築構造物の前記
床構造に対する支持および／または対向部との間に、制
震手段を介在することを特徴とし、そしてこの制震手段
は、短周期振動を絶縁し、人為的振動を減衰する粘弾性
体減衰部を含むよう構成されて、短周期振動を絶縁し、
人為的振動を減衰する制震手段が、床構造と建築構造物
との間の所要箇所に充分且つ適切に、すなわち、防振に
必要な全ての機能を全体的に分担できるように配置され
ているので、建築構造物に負荷される自然的短周期振動
の免震床構造への伝達が有効に絶縁されると同時に免震
床構造で発生される人為的長周期振動が良好に制震、解
消される。従って、免震床構造の防振効果が所期の通り
に達成される。
手段を備えた免震床構造は、建築構造物内に設けられる
免震床構造において、この床構造と、建築構造物の前記
床構造に対する支持および／または対向部との間に、制
震手段を介在することを特徴とし、そしてこの制震手段
は、短周期振動を絶縁し、人為的振動を減衰する粘弾性
体減衰部を含むよう構成されて、短周期振動を絶縁し、
人為的振動を減衰する制震手段が、床構造と建築構造物
との間の所要箇所に充分且つ適切に、すなわち、防振に
必要な全ての機能を全体的に分担できるように配置され
ているので、建築構造物に負荷される自然的短周期振動
の免震床構造への伝達が有効に絶縁されると同時に免震
床構造で発生される人為的長周期振動が良好に制震、解
消される。従って、免震床構造の防振効果が所期の通り
に達成される。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る制震手段付き免震床構造の吊り床
構造の一実施例を示す全体側面図である。
構造の一実施例を示す全体側面図である。
【図２】本発明に係る制震手段を備えた免震床構造の吊
り床構造の別の実施例を示す全体側面図である。
り床構造の別の実施例を示す全体側面図である。
【図３】本発明に係る制震手段付き免震床構造の吊り床
構造のさらに別の実施例を示す全体側面図である。
構造のさらに別の実施例を示す全体側面図である。
【図４】図１および図８に示す垂直方向振動減衰手段の
一実施例を示す断面図である。
一実施例を示す断面図である。
【図５】図１および図１０に示す水平方向振動減衰手段
の一実施例を示す断面図である。
の一実施例を示す断面図である。
【図６】図１および図８に示す水平方向振動減衰手段の
一実施例を示す断面図である。
一実施例を示す断面図である。
【図７】図１に示すソフトトリガーの一実施例を示す側
面図である。
面図である。
【図８】本発明に係る制震手段を備えた免震床構造の吊
り床構造の別の実施例を示す全体側面図である。
り床構造の別の実施例を示す全体側面図である。
【図９】図８に示す直交２軸直動式懸吊ユニットの一実
施例を示す断面図である。
施例を示す断面図である。
【図１０】本発明に係る制震手段を備えた免震床構造の
支承床構造の一実施例を示す全体側面図である。
支承床構造の一実施例を示す全体側面図である。
【図１１】図１０および図１２に示す直交２軸直動式支
承ユニットの一実施例を示す斜視図である。
承ユニットの一実施例を示す斜視図である。
【図１２】直交２軸直動式支承ユニットの別の実施例を
示す斜視図である。
示す斜視図である。
【図１３】直交２軸直動式支承ユニットのさらに別の実
施例を示す斜視図である。
施例を示す斜視図である。
【図１４】直交２軸直動式支承ユニットの他の実施例を
示す斜視図である。
示す斜視図である。
【図１５】本発明に係る制震手段を備えた免震床構造の
支承床構造の別の実施例を示す全体側面図である。
支承床構造の別の実施例を示す全体側面図である。
【図１６】吊り床の構造の懸吊ロッドの長さによって決
まる振動周期と地震等の加速度に対する吊り床の応答性
との関係を示したグラフである。
まる振動周期と地震等の加速度に対する吊り床の応答性
との関係を示したグラフである。
１０ 吊り床構造 １１ 支持ビーム １２ 建築構造物 １４ 天井面 １６ ベアリング式球座 １８ 懸吊ロッド ２０ ベアリング式球座 ２２ 垂直方向振動減衰手段 ２４ 建築床スラブ ２６ 台座 ２８ 支持部材 ３０ 水平方向振動減衰手段 ３２ 建築構造物壁面 ３３ 水平方向バックアップ減衰手段 ３４ ソフトトリガー ４０ ブッシュ ４２ 懸吊ロッド挿入管 ４４ コイルばね ４９ 室 ５４ 円筒体 ６０ 収納皿体 ６１ 転子 ６２ ロッド ６６ エア抜き孔 ６８，７２ シリンダ ７４ ピストン ８０ 粘弾性体 １０６ ばね １１４ ゴム体 １２０ 直交２軸直動式支承ユニット １２６ ブロック体 １３２ ベアリングボール １３８，１４０ ビーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 ＦＩ Ｆ１６Ｆ 15/04 Ｆ１６Ｆ 15/04 Ａ
Claims (18)
- 【請求項１】 建築構造物内に設けられる免震床構造に
おいて、この床構造に制震装置を配置することを特徴と
する免震床構造。 - 【請求項２】 免震床構造は、建築構造物の天井面から
懸吊ロッドを介して懸吊される吊り床構造からなり、制
震装置は前記懸吊ロッドの端末部と吊り床構造の底面ま
たは天井面との間に配置される垂直方向振動減衰手段よ
りなる請求項１記載の免震床構造。 - 【請求項３】 垂直方向振動減衰手段は、円筒状の直立
多重構造からなり、懸吊ロッドを挿通して端止するため
の保護スリーブと、この保護スリーブをベアリングを介
して囲繞する横揺れ防止ボッシュと、前記横揺れ防止ボ
ッシュを取り囲み垂直方向振動を吸収するコイルばねの
収納筒と、前記収納筒の外周に位置して建物内に発生す
る周期振動を減衰する粘弾性体を保持する外筒と粘弾性
体中へ挿通されかつ一端部が免震床に固定される減衰筒
とから構成される請求項２記載の免震床構造。 - 【請求項４】 制震装置は、吊り床構造と建築構造物床
面との間に介在される水平方向振動減衰手段よりなる請
求項１記載の免震床構造。 - 【請求項５】 水平方向振動減衰手段は、粘弾性体の収
納皿体とこの収納皿体上に転子を介して移動自在に担持
されかつ垂直ロッドを備える円盤と、前記垂直ロッドに
摺動自在にかつ弾力的に嵌合されかつエア抜き孔を有し
かつ垂直方向の摺動に追従するように配置されたシリン
ダから構成される請求項４記載の免震床構造。 - 【請求項６】 制震装置は、吊り床構造と建築構造物壁
面との間に介在される水平方向バックアップ減衰手段か
らなる請求項１記載の免震床構造。 - 【請求項７】 水平方向バックアップ減衰手段は、シリ
ンダ・ピストン構造体からなり、シリンダ内にピストン
ヘッドを介して２つの室を画成して粘弾性体を挿入する
と共にこれらの２つの室をバイパス連通管により連通し
てダンパ減衰部を構成する請求項６記載の免震床構造。 - 【請求項８】 懸吊ロッドと天井面との間に支持手段を
介して直交２軸直動型懸吊ユニットを配設することから
なる請求項２記載の免震床構造。 - 【請求項９】 直交２軸直動型懸吊ユニットは、移動体
とこの移動体を介して配置される２つの直交レール部材
と、移動体と前記直交レール部材との間に介装される軸
受とこれらの要素の復元ばねとから構成される請求項８
記載の免震床構造。 - 【請求項１０】 免震床構造は転がり支承により支持し
た床構造からなり、この転がり支承は建築構造物の床面
上に水平方向に直交する２軸直動ユニットであって、床
構造と建築構造物床面との間に配置され、制震装置は水
平方向振動減衰手段と復元手段とからなる請求項１記載
の免震床構造。 - 【請求項１１】 水平方向振動減衰手段は、粘弾性体の
収納皿体とこの収納皿体上に転子を介して移動自在に担
持されかつ垂直ロッドを備える円盤と、前記垂直ロッド
に摺動自在にかつ弾力的に嵌合されかつエア抜き孔を有
しかつ垂直方向の摺動に追従するように配置されたシリ
ンダから構成される請求項１０記載の免震床構造。 - 【請求項１２】 ２軸直動ユニットは、球形または円筒
形のベアリングを介装して交差移動する２つのレールか
ら構成される請求項１０記載の免震床構造。 - 【請求項１３】 ２軸直動ユニットと建築構造物床面と
の間に基板を介して垂直方向振動減衰手段を介在させる
請求項１０記載の免震床構造。 - 【請求項１４】 垂直方向振動減衰手段は、円筒状の直
立多重構造からなり、懸吊ロッドを挿通して端止するた
めの保護スリーブと、この保護スリーブをベアリングを
介して囲繞する横揺れ防止ボッシュと、前記横揺れ防止
ボッシュを取り囲み垂直方向振動を吸収するコイルばね
の収納筒と、前記収納筒の外周に位置して建物内に発生
する周期振動を減衰する粘弾性体を保持する外筒と粘弾
性体中へ挿通されかつ一端部が免震床に固定される減衰
筒とから構成される請求項１３記載の免震床構造。 - 【請求項１５】 復元手段は、ゴム体からなる請求項１
０記載の免震床構造。 - 【請求項１６】 復元手段は、コイルばねからなる請求
項１０記載の免震床構造。 - 【請求項１７】 ２軸直動ユニットと水平方向振動減衰
手段とにより支承される基板と垂直方向振動減衰手段に
より支承される免震床との間に平行維持装置を介装する
ことからなる請求項１０記載の免震床構造。 - 【請求項１８】 建築床スラブと免震床構造体との間に
鉛連結帯からなるソフトトリガーを介装することからな
る請求項１、２、６、８並びに１０記載の免震床構造。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5363497A JPH10245968A (ja) | 1997-03-07 | 1997-03-07 | 免震床構造 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5363497A JPH10245968A (ja) | 1997-03-07 | 1997-03-07 | 免震床構造 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10245968A true JPH10245968A (ja) | 1998-09-14 |
Family
ID=12948346
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5363497A Pending JPH10245968A (ja) | 1997-03-07 | 1997-03-07 | 免震床構造 |
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