JP4241592B2 - 吊り天井の制振構造 - Google Patents

吊り天井の制振構造 Download PDF

Info

Publication number
JP4241592B2
JP4241592B2 JP2004354148A JP2004354148A JP4241592B2 JP 4241592 B2 JP4241592 B2 JP 4241592B2 JP 2004354148 A JP2004354148 A JP 2004354148A JP 2004354148 A JP2004354148 A JP 2004354148A JP 4241592 B2 JP4241592 B2 JP 4241592B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ceiling
damper
ceiling member
suspended
vibration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2004354148A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005240538A (ja
Inventor
弘之 成原
晴夫 佐々木
和夫 井上
洋治 出雲
信也 本田
浩 日比野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taisei Corp filed Critical Taisei Corp
Priority to JP2004354148A priority Critical patent/JP4241592B2/ja
Publication of JP2005240538A publication Critical patent/JP2005240538A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4241592B2 publication Critical patent/JP4241592B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Description

本発明は、半導体製造工場のクリーンルーム等に用いて好適な吊り天井の制振構造に関するものである。
近年、各種の建築物において、天井部材は単に天井裏と室内とを隔離するためのものでなく、様々な機能が付与されている。例えば、事務所や工場等の建築物においては、当該天井部材の内裏に、空調・照明・音響機器などの各種設備機器を設置するとともに、上層の構造躯体から垂下された吊りボルトによって上記設備機器類の荷重を含めて天井部材を支持する吊り天井の構造が多く採用されている。
図15は、従来のこの種の吊り天井の構造を示すもので、上層の構造躯体1から吊りボルト2を垂下させ、この吊りボルト2の下端部に天井部材3を取り付けたものである。ここで、天井部材3は、天井下地として鉄骨製の野縁や野縁受け等の金物を用いた場合には、この金物に天井仕上げ材をビス止めあるいは嵌め込んだものが用いられており、上記吊りボルト2の下端部が上記金物に固定されている。そして、上記天井部材3の金物に、各種の設備機器4が取り付けられている。
また、上記構成からなる吊り天井の構造においては、地震時の天井部材3の横揺れを防止するために、必要に応じて、吊りボルト2の上端部と隣接する吊りボルト2の下端部との間に、ターンバックルや軽量形鋼をブレース状に配した振れ止め材5を設けることがある。
しかしながら、上記従来の吊り天井の構造では、吊りボルト2や天井部材3は、構造部材と異なり、あくまで仕上げ材の一部であるために、大地震に対しては、設備機器4の落下防止という最低限の要求性能を満たす限りにおいて、多少の損傷はやむを得ないものと考えられているのが現状である。
このため、図15に示す吊り天井の構造に対して、例えば大地震が発生した場合には、図16に示すように、設備機器4を含む天井部材3の質量に対して水平方向の慣性力が作用するため、振れ止め材5の座屈a、天井部材3の周辺部の破壊b、側壁6の破壊c、天井仕上げ材の曲がりdや目地のズレe、設備機器4の移動fやこれによる故障、破損した天井仕上げ材の落下gなどの各種弊害が発生する。
この結果、仮に当該建築物の構造躯体1等が損傷を受けない場合にあっても、上述したような吊り天井における各種の損傷等の弊害に起因して、建築物の機能上重要な設備機器4が停止することにより、建築物全体の機能が停止して経済的に大きな損害を被ることが起こり得る。
特に、半導体製造工場のクリーンルームなどでは、大型の空調用のファンフィルターユニット等の多数の重量の嵩む重要な設備機器4が設置されており、これらを含めた天井部材3は相当な重量物となるために、上記損傷が発生して、工場の操業に重大な影響を与えることが避けられない。
一方、吊り天井に作用する地震時の振動を低減する制振構造としては、下記特許文献1に見られるように、コイルばねの上端部に重りを設けるとともに天井材の固有周期に同調させた振動防止装置を用い、上記コイルばねの下端部を天井材の上面に固定することにより、地震時に天井材に作用する振動を、上記重りの慣性力による逆周期で相殺させて、上記天井材の振動を低減化させたものが提案されている。
特開2003−139191号公報
しかしながら、上記従来の吊り天井の制振構造は、比較的軽量で、かつ短い固有周期を有する吊り天井に対しては、相応の制振効果を発揮するものの、上述したような重量が大きく、よって固有周期が長い吊り天井に適用した場合や、あるいは長周期の地震が発生した場合には、振動防止装置の固有周期を合わせることが困難であり、よって実用上、期待する効果が得られないという問題点がある。
さらに、半導体製造工場のクリーンルーム等における吊り天井の構造として、構造躯体から長ボルトを介してプレナムチャンバー天板部材を吊設し、このプレナムチャンバー天井部材の下方に、上記長ボルトの下端に接続した長ボルトによって上記天井部材を吊設するとともに、この天井部材に、ファンフィルターユニットや照明器具、電源線、制御線等の設備機器を取り付けた吊り天井が知られている。
このような吊り天井の構造にあっては、プレナムチャンバー天井部材を設けている結果、天井部材の吊り長さが大きくなるのに対して、当該天井部材には、上述したようにファンフィルターユニット5等の重量が嵩む各種の設備機器が取り付けられている結果、地震が発生した際の天井部材の応答が一段と大きくなってしまうために、より一層効果的な制振構造の開発が要請されている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、重量の大きな設備機器を設置した場合においても、地震時における天井部材やこれに設置された設備機器が損傷を受けることを効果的に防止することができる、吊り天井の制振構造を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、上層の構造躯体から垂下された支承部材によって天井部材が支持されるとともに、上記天井部材に設備機器が取り付けられてなる吊り天井の制振構造であって、上記天井部材と上記構造躯体の側壁との間、または上記天井部材の中央部分と周辺部分との間に、水平方向の相対変位を吸収する間隙部を形成し、当該間隙部に伸縮可能な変形吸収部材を介装するとともに、上記上層の構造躯体にダンパー接合部材の上端部を剛接合し、上記ダンパー接合部材の下端部と上記間隙部により上記構造躯体に対して相対変位可能な上記天井部材または上記天井部材の中央部分との間に、水平方向の振動を吸収する制振ダンパーを設置したことを特徴とするものである。
ここで、上記上層の構造躯体とは、床スラブや梁、あるいはこれらから一体的に垂下された天井の吊り構造体であり、側壁とは、空間の間仕切り壁、外壁、垂れ壁等の天井周囲に配された壁状部材をいう。
また、制振ダンパーとしては、オイルダンパー、粘弾性ダンパー、ガスダンパー、摩擦ダンパーあるいはこれらを組み合わせたものが使用可能である。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の設備機器が、上記間隙部により上記構造躯体に対して相対変位可能な上記天井部材側または天井部材の中央部分側に取り付けられていることを特徴とするものである。
他方、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記構造躯体から垂下された上記支承部材を介して第2の天井部材が吊設され、この第2の天井部材から垂下された上記支承部材を介して上記天井部材が吊設されてなり、上記構造躯体に耐震支柱の上端部を剛接合し、上記耐震支柱の下端部に上記第2の天井部材を剛接合して両者を一体的に連結するとともに、上記第2の天井部材に上記ダンパー接合部材の上端部を剛接合したことを特徴とするものである。
そして、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、複数の上記制振ダンパーが、互いの水平方向の静的反力が相殺される角度で放射状に設置されていることを特徴とするものである。
請求項1〜4のいずれかに記載の吊り天井の制振構造によれば、天井部材と構造躯体の側壁との間、または上記天井部材の中央部分と周辺部分との間に間隙部を形成している結果、構造躯体から切り離された上記天井部材あるいは天井部材の中央部分には、地震時に大きな水平方向の変位が生じるが、これら天井部材あるいは天井部材の中央部分と、構造躯体あるいは天井部材の周辺部分との間に、水平方向の振動を吸収する制振ダンパーを設置しているので、上記天井部材あるいは天井部材の中央部分の振動を効果的に低減化させることができる。
しかも、天井部材と構造躯体の側壁との間または上記天井部材の中央部分と周辺部分との間に生じる水平方向の相対変位を、上記間隙部によって吸収することができる。
この結果、重量の大きな設備機器を設置した場合においても、地震時における天井部材やこれに設置された設備機器が損傷を受けることを効果的に防止することができる。
加えて、上記間隙部に伸縮可能な変形吸収部材を介装しているので、室内の仕上げ外観を損なうことが無く、しかも、例えばクリーンルーム等の建物に適用した場合においても、上記間隙部を形成することに起因して周囲の空気環境を劣化させる等の弊害が生じるおそれもない。
したがって、請求項2に記載の発明のように、設備機器が上記間隙部により構造躯体に対して相対変位可能となる上記天井部材側または天井部材の中央部分側に集中的に取り付けられている場合に適用して顕著な効果を奏する。
ここで、制振ダンパーとしてブレース状に配置するものを用いた場合には、天井部材の内裏に設備機器が設置されていない箇所においては何等問題がないものの、当該設備機器が密に配置されている箇所においては、制振ダンパーが設備機器と干渉することにより、配置の自由度が損なわれ、ひいては効果的な制振効果が得られなくなる虞がある。
この点、請求項1または2に記載の発明によれば、上記上層の構造躯体にダンパー接合部材の上端部を剛接合し、このダンパー接合部材の下端部と上記天井部材または天井部材の中央部分との間に、制振ダンパーを配置しているので、ブレース状に配置する場合と比較して、配置の自由度が大幅に増加し、よって効果的な吊り天井の制振効果を発揮することができる。
ところで、上記構造躯体と天井部材との間に、例えばプレナム天井のような第2の天井部材が吊設されている場合には、直接構造躯体から上記ダンパー接合部材を垂下させようとすると、当該ダンパー接合部材を第2の天井部材に貫通させる必要がある。しかしながら、当該構成を採用した場合には、地震時にダンパー接合部材と第2の天井部材とが干渉しないように、上記貫通部分に大きなクリアランスを設ける必要があり、この結果第2の天井部材における気密性を確保することが難しくなるという課題が生じる。
また請求項3に記載の発明においては、上記構造躯体に第2の天井部材が吊設され、この第2の天井部材に上記天井部材が吊設されている場合に、先ず上記構造躯体と第2の天井部材とを耐震支柱によって一体的に連結しているために、地震時に第2の天井部材が構造躯体とほぼ同様の挙動を呈する。
そして、この第2の天井部材にダンパー接合部材の上端部を剛接合し、このダンパー接合部材の下端部と上記天井部材または天井部材の中央部分との間に、制振ダンパーを配置しているので、請求項3に記載の発明と同様に、機器類の配置の自由度が増加するとともに、上記制振ダンパーによって効果的な吊り天井の制振効果を発揮することができる。
この際に、特に請求項4に記載の発明のように、複数の上記制振ダンパーを、互いの水平方向の静的反力が相殺される角度で放射状に設置すれば、制振ダンパーから上記ダンパー接合部材に作用する反力を、互いに相殺して安定的な作動を確保することが可能なる。
なお、発明においては、特に上記制振ダンパーとして、一端部に取付部が一体に形成されたシリンダ内にフリーピストンを介して圧縮ガスとオイルとが充填され、オイル側に配置されたオリフィスを有するピストンに上記シリンダの他端部から延出するロッドが固定されるとともに当該ロッドの先端に他方の取付部が一体に形成されたガススプリングダンパーを使用すれば、小型にも拘わらず高い減衰力が得られるために好適である。
(実施の形態1)
図1および図2は、本発明の第1の実施形態およびその変形例を示すもので、図15に示してものと同一構成部分については、同一符号を付してその説明を簡略化する。
図1に示すように、この吊り天井の制振構造においては、上記天井部材3の外周縁と構造躯体1の側壁6との間に、地震時における両者の相対変位を吸収可能な間隙部10が形成されている。そして、この間隙部10には、ゴム等の伸縮可能な変形吸収部材11が気密性を確保した状態で介装されている。
さらに、上層の構造躯体1と天井部材3との間には、オイルダンパー、粘弾性ダンパー、ガスダンパー、履歴ダンパー、摩擦ダンパーあるいはこれらを組み合わせることにより構成された制振ダンパー12が、隣接する吊りボルト(支承部材)2間にブレース状に設置されている。
また、図2に示す変形例においては、上記制振ダンパー12が、間隙部10を跨ぐようにして側壁6と天井部材3との間に設置されている。
以上の構成からなる図1あるいは図2に示した吊り天井の制振構造によれば、天井部材3と構造躯体1の側壁6との間に、間隙部10を形成しているため、地震時に構造躯体1から切り離された天井部材3に大きな水平方向の変位が生じるものの、天井部材3と上層の構造躯体1あるいは側壁6との間に、水平方向の振動を吸収する制振ダンパー12を設置しているので、天井部材3における振動を効果的に低減化させることができる。
また、天井部材3の外周縁部と構造躯体1の側壁6との間との間に生じる水平方向の相対変位を、間隙部10によって吸収することができるため、重量の大きな設備機器4を設置した場合においても、地震時における天井部材3やこれに設置された設備機器4が損傷を受けることを効果的に防止することができる。
しかも、間隙部10にゴム等からなる伸縮可能な変形吸収部材11を気密的に介装しているので、室内の仕上げ外観を損なうことが無く、しかも、クリーンルーム等の建物に用いた場合においても、間隙部10を形成することに起因して周囲の空気環境を劣化させる等の弊害が生じるおそれがない。
(実施の形態2)
図3および図4は、本発明の第2の実施形態およびその変形例を示すもので、同様に図1および図15に示したものと同一構成部分については、同一符号を付してある。
本実施形態は、設備機器4が、天井部材3の中央部分側に集中的に配置されている場合に適用したもので、最も側壁4側に配置されている設備機器4の外周側において、天井部材3に間隙部10が形成されている。これにより、天井部材3の中央部分3aと、側壁6に固定された周辺部分3bとの間に、上記間隙部10が形成されていることになる。
そして、同様に間隙部10に伸縮可能な変形吸収部材11が介装されるともに、天井部材3の中央部分3aと構造躯体1との間に、振動を吸収する制振ダンパー12が設置されている。
また、図4に示す変形例においては、上記制振ダンパー12が、間隙部10を跨ぐようにして天井部材3の中央部分3aと周辺部分3bとの間に設置されている。さらに、天井部材の周辺部分3bと上層の構造躯体1との間には、当該周辺部分3bにおける横揺れを防止するための振れ止め材5がブレース状に介装されている。
以上の構成からなる第2の実施形態に示した吊り天井の制振構造においては、天井部材3の中央部分3aと周辺部分3bとの間に間隙部10を形成している結果、地震時にこれら中央部分3aと周辺部分3bとの間に大きな水平方向の変位が生じるが、当該中央部分3aと上層の構造躯体1あるいは周辺部分3bとの間に、制振ダンパー12を設置しているので、天井部材3の中央部分3aにおける振動を効果的に低減化させることができる。
また、天井部材3の中央部分3aと周辺部分3bとの間との間に生じる水平方向の相対変位を、間隙部10によって吸収することができるため、結局第1の実施形態に示したものと同様の作用効果が得られる。
(実施の形態3)
図5〜図7は、本発明の第3の実施形態を示すものであり、図8はその変形例を示すものである。
図5〜図7において、この吊り天井の制振構造においては、天井部材3が、天井下地となる鉄骨製の野縁や野縁受け等の格子状の金物13と、この金物13にビス止めあるいは嵌め込まれた天井仕上げ材14とから構成されている。ここで、この金物13の各格子内に、設備機器4が設置されている。
そして、上端部が上層の構造躯体1に剛接合された剛性の高いダンパー接合部材16が、天井部材3の設備機器4が設置されていない格子区画15の中心部に向けて垂設されている。そしてさらに、このダンパー接合部材16の下端部と金物13との間に、それぞれ制振ダンパー20が介装されている。
図6は、上記制振ダンパー20の一好適例であるフリーピストンを用いたガススプリングダンパーを示すもので、図中符号21がシリンダーである。このシリンダー21は、一端21aが閉じられた筒状部材で、当該一端21aには、取付部22が一体に形成されている。そして、このシリンダー21内には、フリーピストン23がO−リング23aによって気密的に移動自在に設けられ、このフリーピストン23とシリンダー21の一端21aとの間には圧縮ガスGが充填されている。
また、フリーピストン23とシリンダー21の他端21bとの間には、ピストン24が移動自在に設けられ、このピストン24に固定されたロッド25が、シリンダー21の他端21bから外部に延出されている。そして、シリンダー21の他端21bは、シール26を介してシリンダー21に一体的に取り付けられたロッドガイド27によって液密的に封じられている。
ここで、シリンダー21内のピストン24の移動方向前後の空間には、オイルOが充填されており、ピストン24には、これら前後の空間を連通させるオリフィス28が形成されている。さらに、ロッド25の先端部には、取付部29が一体的に形成されている。
そして、図7に示すように、設備機器4が設置されていない格子区画15において、上記構成からなる4本の制振ダンパー20の一方の取付部29がダンパー接合部材16の下端部に連結され、他方の取付部22が金物13の各コーナー部に連結されることにより、これら制振ダンパー20は、ダンパー接合部材16から水平方向の4方向に向けて放射状に設置されている。
なお、図8は、4本の制振ダンパー20の一方の取付部29をダンパー接合部材16の下端部に連結し、他方の取付部22を金物13の各辺部に連結することにより、これら制振ダンパー20を、ダンパー接合部材16から互いに直交する水平方向の4方向に向けて放射状に設置したものである。
以上の構成からなる吊り天井の制振構造によれば、上述した第1および第2の実施形態に示したものと同様の作用効果が得られるうえ、さらに構造躯体1にダンパー接合部材16の上端部を剛接合し、このダンパー接合部材16の下端部と天井部材3の設備機器4が設置されていない格子区画15を画成する金物13との間に、制振ダンパー20を配置しているので、当該制振ダンパー20が設備機器4と干渉することが無く、よってブレース状に配置する場合と比較して、配置の自由度が大幅に増加し、よって効果的な吊り天井の制振効果を発揮することができる。
また、上記制振ダンパー20は、フリーピストンを用いたガススプリングダンパーであるために、シリンダー21内が常時圧縮ガスGの圧力Pに保持されている。この結果、地震時に制振ダンパー20に作用する外力が、上記圧力Pとピストン24の受圧面積Aとの積(P×A)よりも大きくなった場合に、ロッド25が移動する。そして、ピストン24がシリンダ21内を移動することにより、オイルOを介したフリーピストン23に対する圧縮と、ピストン24のオリフィス28を通じたオイルOの移動とにより、上記地震によりロッド25に作用する外力が吸収・緩和される。
したがって、上記制振ダンパー20によれば、小型にも拘わらず高い減衰力を得ることができ、よって特に天井内裏の狭隘な箇所に設置した場合においても、所望の制振効果を得ることができる。
加えて、上記制振ダンパー20を水平方向の4方向に向けて放射状に設置しているので、制振ダンパー20からダンパー接合部材16に向けて作用する反力を、互いに相殺して安定的な作動を確保することができる。
(実施の形態4)
図9〜図13は、本発明の第4の実施形態を、図14はその変形例を示すものであり、同様に図5〜図7に示したものと同一構成部分については、同一符号を付してある。
図9〜図13に示すように、この吊り天井の制振構造においては、構造躯体1から垂下された吊りボルト(支承部材)2によってプレナムチャンバー天井部材(第2の天井部材)30が吊設され、このプレナムチャンバー天井部材30から垂下された吊りボルト(支承部材)2によって上記天井部材3が吊設されている。
ここで、構造躯体1の一部となる大梁または小梁を構成する構造鉄骨1aに、補強鉄骨1bが直交方向に架設されている。また、プレナムチャンバー天井部材30は、メインバー31とクロスバー32とが格子状に組まれた枠材の下面に、天井仕上げ材33が取り付けられたもので、メインバー31が構造鉄骨1aと直交する方向に配置されている。
さらに、上記天井部材3の格子状の金物13も、メインバー13aとクロスバー13bとによって組まれており、メインバー13aがプレナムチャンバー天井部材30におけるメインバー31と直交する方向に配置されるとともに、その所定個所の格子内に、図示されない設備機器4が設置されている。
そして、これら構造躯体1とプレナムチャンバー天井部材30とは、所望の個所に配置された耐震支柱34によって、一体的に連結されている。
すなわち、各々の耐震支柱34は、上端部が構造鉄骨1aと補強鉄骨1bとの交差部にボルト35等によって剛接合されるとともに、下端部がプレナムチャンバー天井部材30のメインバー31とクロスバー32との交差部にボルト36等によって剛接合されている。
さらに、構造鉄骨1aおよび補強鉄骨1bと、耐震支柱34の下部との間には、4方向にブレース37が設けられている。
他方、耐震支柱34の下方に位置するメインバー31とクロスバー32との交差部下面には、耐震支柱34と上下方向に連続するように上記ダンパー接合部材16の上端部がボルト38等により剛接合されている。また、プレナムチャンバー天井部材30のメインバー31およびクロスバー32と、ダンパー接合部材16の下部との間には、4方向にブレース39が設けられている。
ここで、このダンパー接合部材16の下端部は、所定の隙間を介して天井部材3のメインバー13aとクロスバー13bとの交差部の上方に配置されている。そして、4本の制振ダンパー20の一方の取付部29がダンパー接合部材16の下端部に連結され、他方の取付部22がメインバー13aまたはクロスバー13bに連結されることにより、これら制振ダンパー20が、ダンパー接合部材16から水平方向の4方向に向けて放射状に設置されている。
また、図14は、本実施形態の変形例を示すもので、この吊り天井の制振構造においては、ダンパー接合部材16が、天井部材3の設備機器4が設置されていない格子区画15の中心部に向けて垂設されている。そしてさらに、このダンパー接合部材16の下端部と金物13との間に、それぞれ制振ダンパー20が介装されている。
ちなみに、上記制振ダンパー20の設置形態としては、例えば図7に示したように、設備機器4が設置されていない格子区画15において、4本の制振ダンパー20の他方の取付部22を金物13の各コーナー部に連結することにより、これら制振ダンパー20を、ダンパー接合部材16から水平方向の4方向に向けて放射状に設置してもよい。
あるいは、図8に示したように、他方の取付部22を金物13を構成するメインバー13aまたはクロスバー13bに連結することにより、これら制振ダンパー20を、ダンパー接合部材16から互いに直交する水平方向の4方向に向けて放射状に設置することもできる。
以上の構成からなる吊り天井の制振構造によれば、構造躯体1と、この構造躯体1から吊りボルト2によって吊設されたプレナムチャンバー天井部材30とを、所望の個所に配設した耐震支柱34およびブレース37とによって剛に連結しているために、地震時におけるプレナムチャンバー天井部材30の構造躯体1に対する変位を大幅に抑制して、当該プレナムチャンバー天井部材30を構造躯体1とほぼ同様に挙動させることができる。
そして、このプレナムチャンバー天井部材30に、ダンパー接合部材16の上端部を剛接合し、このダンパー接合部材16の下端部と天井部材30との間に、制振ダンパー20を配置しているので、第3の実施形態に示したものと同様の作用効果を得ることができる。
この際に、構造鉄骨1aおよび補強鉄骨1bと耐震支柱34の下部との間に、ブレース37を設けているので、構造躯体1とプレナムチャンバー天井部材30との一体性を高めることができる。また、ダンパー接合部材16と耐震支柱34とを上下方向に連続的に設けるとともに、プレナムチャンバー天井部材30のメインバー31およびクロスバー32との間に4方向にブレース39を設けているので、ダンパー接合部材16の強度を高めて確実に制振ダンパー20を機能させることができる。
本発明の吊り天井の制振構造の第1の実施形態を示す縦断面図である。 図1の変形例を示す縦断面図である。 本発明の第2の実施形態を示す縦断面図である。 図3の変形例を示す縦断面図である。 本発明の第3の実施形態を示す縦断面図である。 図5の制振ダンパーの構成を示す縦断面図である。 図5の平面図である。 図7の変形例を示す平面図である。 本発明の第4の実施形態を示す縦断面図である。 図9の要部の拡大図である。 図10のA−A線視断面図である。 図10のB−B線視断面図である。 図10のC−C線視断面図である。 図9の変形例を示す要部を拡大した縦断面図である。 従来の吊り天井の構造を示す縦断面図である。 図15の吊り天井が大地震を受けた際の状態およびその損傷箇所を示す図である。
符号の説明
1 構造躯体
1a 構造鉄骨
2 吊りボルト(支承部材)
3 天井部材
4 設備機器
6 側壁
10 間隙部
11 変形吸収部材
12、20 制振ダンパー
16 ダンパー接合部材
30 プレナムチャンバー天井部材(第2の天井部材)
34 耐震支柱

Claims (4)

  1. 上層の構造躯体から垂下された支承部材によって天井部材が支持されるとともに、上記天井部材に設備機器が取り付けられてなる吊り天井の制振構造であって、
    上記天井部材と上記構造躯体の側壁との間、または上記天井部材の中央部分と周辺部分との間に、水平方向の相対変位を吸収する間隙部を形成し、当該間隙部に伸縮可能な変形吸収部材を介装するとともに、上記上層の構造躯体にダンパー接合部材の上端部を剛接合し、上記ダンパー接合部材の下端部と上記間隙部により上記構造躯体に対して相対変位可能な上記天井部材または上記天井部材の中央部分との間に、水平方向の振動を吸収する制振ダンパーを設置したことを特徴とする吊り天井の制振構造。
  2. 上記設備機器は、上記間隙部により上記構造躯体に対して相対変位可能な上記天井部材側または上記天井部材の中央部分側に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の吊り天井の制振構造。
  3. 上記構造躯体から垂下された上記支承部材を介して第2の天井部材が吊設され、この第2の天井部材から垂下された上記支承部材を介して上記天井部材が吊設されてなり、
    上記構造躯体に耐震支柱の上端部を剛接合し、上記耐震支柱の下端部に上記第2の天井部材を剛接合して両者を一体的に連結するとともに、上記第2の天井部材に上記ダンパー接合部材の上端部を剛接合したことを特徴とする請求項1または2に記載の吊り天井の制振構造。
  4. 複数の上記制振ダンパーが、互いの水平方向の静的反力が相殺される角度で放射状に設置されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の吊り天井の制振構造。
JP2004354148A 2004-01-27 2004-12-07 吊り天井の制振構造 Active JP4241592B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004354148A JP4241592B2 (ja) 2004-01-27 2004-12-07 吊り天井の制振構造

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004018424 2004-01-27
JP2004354148A JP4241592B2 (ja) 2004-01-27 2004-12-07 吊り天井の制振構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005240538A JP2005240538A (ja) 2005-09-08
JP4241592B2 true JP4241592B2 (ja) 2009-03-18

Family

ID=35022557

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004354148A Active JP4241592B2 (ja) 2004-01-27 2004-12-07 吊り天井の制振構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4241592B2 (ja)

Families Citing this family (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4901220B2 (ja) * 2006-01-16 2012-03-21 鹿島建設株式会社 構造物の二重構造、及び構造物の二重構造の施工方法
JP2008095353A (ja) * 2006-10-11 2008-04-24 Top Rise Kk 天井構造及びその構築方法
JP5027490B2 (ja) * 2006-12-04 2012-09-19 戸田建設株式会社 耐震天井構造、天井制震装置及び天井制震装置の取付方法
JP4972567B2 (ja) * 2008-01-18 2012-07-11 戸田建設株式会社 耐震天井構造及び耐震天井の取付方法
JP5213048B2 (ja) * 2009-02-20 2013-06-19 東急建設株式会社 天井振れ止めシステム
JP5442359B2 (ja) * 2009-08-25 2014-03-12 東日本旅客鉄道株式会社 吊り天井構造及びその施工方法
JP5715508B2 (ja) * 2011-06-20 2015-05-07 鹿島建設株式会社 振動抑制装置
JP5552094B2 (ja) * 2011-06-20 2014-07-16 鹿島建設株式会社 振動抑制装置
JP2013155579A (ja) * 2012-01-31 2013-08-15 Shimizu Corp 吊り天井構造
JP5953147B2 (ja) * 2012-07-05 2016-07-20 大成建設株式会社 多重天井構造
JP6041142B2 (ja) * 2013-02-07 2016-12-07 清水建設株式会社 吊り天井構造
JP6289035B2 (ja) * 2013-10-30 2018-03-07 文化シヤッター株式会社 建物天井の構造
JP6309314B2 (ja) * 2014-03-13 2018-04-11 株式会社竹中工務店 天井構造
JP6718723B2 (ja) * 2016-03-30 2020-07-08 株式会社フジタ 耐震天井
KR101833822B1 (ko) * 2016-05-24 2018-04-13 지희선 천장틀 및 이를 위한 내진부재
KR101833820B1 (ko) * 2016-05-24 2018-03-02 지희선 천장틀 및 이를 위한 내진부재
KR101805791B1 (ko) * 2016-05-27 2018-01-10 주식회사 한솔클래스 천장틀용 반자대 커플러 및 이를 갖는 천장틀
KR102020234B1 (ko) * 2017-09-08 2019-09-11 세메스 주식회사 레이스웨이 유닛 및 이를 갖는 oht
KR102204594B1 (ko) * 2017-12-08 2021-01-18 손진욱 진동흡수용 천정석고보드 프레임 구조체
KR101924172B1 (ko) * 2018-07-25 2018-11-30 (주)삼우종합건축사사무소 크린룸 시스템 천정의 내진 보강구조
JP7257668B2 (ja) * 2018-12-07 2023-04-14 エヌパット株式会社 振れ止め装置及び施工方法
CN113027031B (zh) * 2021-03-29 2022-07-05 深圳市旋木尚艺装饰工程有限公司 一种吊顶骨架减震隔音安装结构

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005240538A (ja) 2005-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4241592B2 (ja) 吊り天井の制振構造
KR102158964B1 (ko) 내진장치가 구비된 수배전반
JP5570605B2 (ja) 建物内の運動を減衰するための方法および構造
JP5868169B2 (ja) 空調用室内機
CA2524547A1 (en) Fork configuration dampers and method of using same
JP6372034B2 (ja) 防振減震装置
JP6991422B2 (ja) 構造物用制振装置
JP2011069068A (ja) 免制震構造
JP3858432B2 (ja) 連結構造物の制振方法
JP4096917B2 (ja) 吊り天井の制振構造
WO2019020991A1 (en) BUILDING, INTEGRATED DAMPING UNIT AND DAMPING METHOD
JP2000186743A (ja) 据付機器用防振架台
JP2017089109A (ja) 塔状構造物
JP4529564B2 (ja) 吊り天井の耐震構造
JP5639766B2 (ja) 床構造
JP2005133533A (ja) 制振壁
JP2007009450A (ja) パネル工法建築物の免震装置および免震構造
US11299902B2 (en) Damping system utilizing space between stair chamber and inner building
KR102116398B1 (ko) 경량철골틀의 내진장치
JP4030447B2 (ja) 免震装置付きユニット式建物
JP5808570B2 (ja) 建物
JP4573709B2 (ja) パッシブダンパー
JPH08233029A (ja) バッグによる免震及びダンパー装置
JP7351732B2 (ja) 建物の制振機構
JP2012102539A (ja) 制振装置及びそれを用いた木造建物の制振構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070730

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080820

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080826

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081027

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081209

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081222

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120109

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4241592

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120109

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130109

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140109

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250