JP4858848B2 - 桁間連結装置 - Google Patents

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Description

本発明は桁間連結装置に係り、特に道路高架橋等の支承位置で橋桁間に取り付けられ、桁間の連続性を高め、振動や騒音の低減、地震時の桁に生じる被害の軽減を図ることができる桁間連結装置に関する。
高速道路などの高架橋においては、車両の通行によって生じる交通振動が問題となることがある。従来の高架橋は、経済性を考えて、単純合成桁を橋脚間に架設した構造形式が多く建設されている。最近では車両の走行性向上やジョイント部の維持管理の簡略化等の理由から、多径間連続橋が採用されることも多くなった。しかし、連続橋では温度応力による影響を防止するために、桁の軸方向伸縮変形を吸収する構造を設ける必要があり、連続橋であっても、一定の長さごとに桁間に隙間構造が設けられている。一方、交通振動は、桁間のつなぎ目で発生してることが知られており、桁のつなぎ目を連続化することを目的とした提案も多数なされている。
埋設ジョイントは、舗装面をつなぎ目を平滑にすることが可能な路面部の連結構造であり、車両がつなぎ目を通過する際の騒音および振動をある程度、低減することができる。しかし、ジョイント部を跨いで車両荷重の飛び移りそのものは発生してしまうため、桁を直接連結した場合に比べ、その低減効果は小さい。また、地震時の落橋防止に対する対策としての効果も小さい。
一方、桁を連結(ノージョイント化)すれば、交通振動は大幅に低減することができるので、単純桁の連結を目的とした工法も多数提案されている。これらの提案の目的は、交通振動低減、つなぎ目の雨水対策、落橋防止、橋梁損傷時の復旧作業の容易さなど多岐にわたり、交通振動低減対策としての効果は大きい。しかし、温度応力の影響を大きく受けるため、ノージョイント化が可能な連続区間長には制限がある。
また、通常の車両通行時ではなく、大地震時の落橋防止のために橋桁を連結し、かつ免震性能を付与した装置も提案されている(特許文献1)。特許文献1に記載された装置では、橋脚上に載置された鋼桁の端部側部に、積層ゴムを介して連結プレートが取り付けられている。この装置により単純支持構造の鋼桁同士が連結されるようになっている。すなわち特許文献1に開示された積層ゴムは、せん断変形する部材として用いられている。地震時における鋼桁間の連続性は、縦長の略直方体形状積層ゴムのせん断変形により保持され、これにより落橋防止が図られる。この連結プレートからなる免震落橋防止装置は、地震時の大変形を対象として積層ゴムのせん断剛性等が設定されているため、車両通行時に生じる、交通振動のような微小変形の振動には効果があまり見込めない。
交通振動のような上下方向の微小振幅に対応させるためには、がたつきのない連結装置が有効である。所定の効果が得られる連結装置として、出願人はすでに、連結部材にアスファルト等の粘弾性材料を介装して桁間の連結を行うようにした制振高架橋(特許文献2)を提案している。この制振高架橋では、粘弾性体の粘性抵抗により微小振動にも振動減衰効果が期待できる。
特開平9−184111号公報参照。 特開2000−73311公報参照。
ところで、上述の特許文献1,2に開示された装置は、ともに基本的に鋼桁側のベース部材と連結鋼板の側面に積層ゴムやアスファルトを介装させた構造となっている。交通振動を低減するためには、桁間をなるべく剛性の高い部材で連結することが有効であるが、特許文献1,2のように積層ゴムやアスファルトを介装させた構造では、せん断変形する部材として用いられているため、十分な剛性が確保できない。また、長スパンの桁においては、季節および昼夜の温度差に伴う桁の軸方向伸縮が生じるが、その際の桁端の可動量を十分、吸収可能な構造とする必要がある。そこで、本発明の目的は上述した従来の技術が有する問題点を解消し、橋脚梁部等の支承上に隣接して据え付けられる高架橋の桁間に生じる上下方向の変位拘束を果たすとともに、発生振動を減衰可能な構造を有する桁間連結装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は支承上に隣接して支持された橋桁の一方の桁端部に取り付けられ、かんぬきとしての機能を奏するプレートと、かんぬき受けとして、前記プレートの一部を、その内部に挿入して保持する、他方の桁端部に取り付けられたプレート受け部とを備えた桁間連結装置であって、前記プレート受け部内に挿入されたプレートの全周が粘弾性体層を介して前記プレート受け部に保持されたことを特徴とする。
記プレート受け部は、前記プレートの先端側全体を内部に収容し保持する扁平箱状ケーシングとすることが好ましい。
記プレート受け部は、前記プレートの中間部位をフランジ部で保持する帯板状部材とすることが好ましい。
前記粘弾性体層として、前記プレートと前記プレート受け部の隙間にゴム層を充填形することが好ましい。
記プレートの上下端部を面取りし、あるいは前記ケーシングの内周隅部に面当して、前記粘弾性体層に対しての応力集中を緩和させることが好ましい。
本発明によれば、橋脚等の支承上で、隣接して据え付けられる高架橋の橋桁間に生じる上下方向の変位を拘束できるとともに、部材間の応力伝達において粘弾性体層の作用により、桁間に生じる発生振動を減衰させる効果も奏することができる。
以下、本発明の桁間連結装置の実施するための最良の形態として、以下の実施例について添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の桁間連結装置10を、道路高架橋の単純桁1の桁連結箇所に適用した実施例を示した全体構造図である。図1に示したように、連結対象となる単純桁1A,1B(以下、単に桁1と記す。桁の区別をつける場合は符号A,Bを付記する。)は、橋脚2の梁部上面3に設置された沓座4上に、所定の間隙(クリアランス)を設けて可動支持されている。同図に示したように、この桁間連結装置10の構成部材としては、隣接した一方の桁1Aの側面に、この桁間において、一方の側から延在する「かんぬき(ラッチ:latch)」としての機能を果たす板状部材(プレート)11(以下、ラッチプレート11と記す。)が、他方の桁1Bの側面に、「かんぬき受け」として機能して、「かんぬき」を収容する扁平箱形状のケーシング21(機能面からは、ラッチプレートに対応させてラッチプレート受けと呼ぶ。)が取り付けられている。具体的には、桁間連結装置10として、一方の桁1Aのラッチプレート11の先端部11aが、他方の桁1Bのラッチプレート受けとしてのケーシング21内に挿入、収容される。このように、ラッチプレート11とケーシング21とは、桁間において「かんぬき」と「かんぬき受け」の役割を果たし、この係止状態が保持されて桁間が連結される。このとき、舗装部路面5位置には、収縮目地ジョイント6が配置され、桁に生じる温度伸縮等を吸収し、通行車両7の通過時の静粛化が図られている。

図2は、桁1に取り付けられた桁間連結装置10の構成を示した部分拡大斜視図である。同図に示した桁1として、本実施例では鋼製箱桁が使用されている。この鋼製箱桁の側面に、厚板長方形状をなすラッチプレート11が8本の取付ボルト8によって固定されている。ラッチプレート11の先端は、取り付けられた桁端から、隣接した桁側に突出している。ラッチプレート11の取付に際しては、桁側面とラッチプレート11との間にスペーサプレート12を介装してラッチプレート11を桁1Aの側面に固定することにより、ラッチプレート11を桁外側面から所定の離れだけ離し、ラッチプレート11を後述するケーシング21の挿入用の開口部24に収容させることができる。本実施例では、ラッチプレート11には、高さ1000mm,橋軸方向長さ2000mm,板厚30mmの一般構造用鋼板(SS400)が用いられている。
一方、ラッチプレート11が取り付けられた桁1Aと連続する隣接の桁1Bの側面には、ケーシング21が取り付けられている。本実施例では、ケーシング21は、図2に示したように、内部に挿入されたラッチプレート11を保持可能な、両端面が開放された扁平な箱状をなし、外形高さ1120mm,橋軸方向長さ800mmで、板厚40mmの一般構造用鋼板(SS400)を加工して製作されたもので、ベースプレート22を介して桁側面に取り付けられている。ケーシング21の内法寸法は、図3(b)に示したように、ラッチプレート11の移動量(=橋梁供用時における桁の想定伸縮量)に応じて決定されるが、本実施例では、ラッチプレート11が収容された状態で、その全周囲に少なくとも2cmの隙間23が設けられている。その隙間23にはラッチプレート11が収容された状態で、ラッチプレート11の全周にわたり、ゴム層31がラッチプレート11とケーシング21の内面と一体をなして形成されている。このゴム層31は、あらかじめラッチプレート11をケーシング21にセットした状態でラッチプレート11の周囲に均一な厚さをなすように、スペーサ28(図11参照)を埋設してラッチプレート11の位置保持が図られ、流動状のゴム素材を隙間に充填して所定の粘弾性状体とし、ラッチプレート11の全周を完全に被覆したものである。ゴム素材としては、天然ゴム、各種合成ゴム、高減衰ゴム等を使用することができる。ラッチプレート11は、ケーシング21内に位置する部位の両側面及び上下面の全周がゴム層31で覆われているため、両側面及び上下面でラッチプレート11の変形に応じたせん断抵抗、引張圧縮抵抗を発揮することができる。すなわち、橋軸方向に関する水平方向変位に加え、この連結位置で、一方の桁1Aが支承位置を支点として、スパン中央が上下方向に撓むように変位する現象が生じた場合、支点の近傍に設けられた桁間連結装置10に面内ねじれせん断力が生じるが、ケーシング21の上下面でラッチプレート11の変位を有効に拘束できるため、面内ねじれせん断力によって生じる上下面での引張圧縮作用に対する抵抗性も有する。
ここで、ケーシング21内に形成された粘弾性抵抗体としてのゴム層31の作用について説明する。ケーシング21内に収容されたラッチプレート11とケーシング21内面との間の隙間には上述したように、ゴム層31が形成されている。このとき、ラッチプレート11とゴム層31のゴム素材とは十分に密着し、ラッチプレート11がケーシング21内を橋軸方向に変位したとき、ゴム素材はラッチプレート11の変形量に追従したせん断変形を示す。このラッチプレート11とケーシング21内面との間の隙間(ゴム層31の層厚)t(図3(b)参照)は、材料温度変動による桁の変位量(伸縮量)と、ゴム素材に設定された許容せん断変形角とから設定することができる。すなわち、許容せん断変形角がα%であるとき、温度変動による桁間の変位量をΔ(mm)とすると、ゴム層31の厚さtは最小厚さtmin以上となるようにすればよい。
min=100×Δ/α(mm)
たとえば、使用ゴムの許容せん断変形角150%、桁変位量Δ=30mmと設定した場合、ゴム層31の最小厚さを20mmとすることができる。
また、隣接した桁1A,1Bがこの桁間連結装置10を取り付けた桁端の支承を支点として、桁のスパン中央が上下に撓むような変位が生じた際、ラッチプレート11の上下に位置するゴム層31の一方が圧縮抵抗部材として、他方が引張抵抗部材として作用する。このとき側面板により側方変位も拘束されるため、ゴム材はほぼ非圧縮性の素材であるので、ゴム層31の剛性が増大し、ラッチプレート11の変位を有効に拘束することができる。また、ラッチプレートは、上下方向の寸法が大きな板形状であるため、桁間連結装置10で連結された桁1A,1Bは上下方向に関しても、応力伝達可能に連結された構造として挙動する。
なお、上述の剛性増加に比べ、ラッチプレート11の面外方向については、板材であるラッチプレート11の曲げ剛性が小さいために、上下方向よりも連結効果が小さくなる。その結果として、桁間連続装置10を面外方向に剥離させる力が小さくなり、桁間連続装置と橋桁との取付ボルト等の取付部材の数量を少なくできる効果もある。桁間連続装置10に面内ねじれせん断力が生じた場合、ケーシング21の開放縁において局所的に大きな応力が発生する。ケーシングの破壊を防ぐために、ケーシング21を補剛することが好ましい。図4は、その補剛例を示した斜視図である。同図に示したように、ケーシング21の開放縁側の外周に側面視して略コ字形をなす補強鋼材25を付加することにより、開口部24において、開口部24がラッチプレート11の移動に追従して変形するのを防止することができる。図示した補強部材25は、ケーシング21の外側に増設するように付加されたものであるが、あらかじめ開口部24の厚さを増した構造のケーシング21を加工製作することもできる。また、図4では、両側の開口部24に補強部材を設けたが、桁スパンの中央付近での上下振動の影響により、支点位置としての桁端に設けられたラッチプレート11が取付け部を中心として面内回転するような動作を示す場合が想定される。そのような挙動に対しては、ラッチプレート11の先端側のみに補強鋼材25を取り付けることで対応することができる。
一方、桁間連結装置10位置での面内せん断力の作用が小さいことが想定される場合には、ラッチプレート11の橋軸方向の水平変位をスムースに支持するとともに、面内せん断変形に対して最小限の変位拘束が可能であればよい。そこで、図5各図に示したように、ケーシング21に代えて、ラッチプレート受け部材とし、縦長形状の帯状体の受け部材26を桁側面に取り付けて、この受け部材26のフランジ26aとラッチプレート11との隙間にゴム層31を形成し、ラッチプレート11の先端側を、ラッチプレート受け部材のフランジ位置で移動可能に保持することも可能である。
図5(a)は、図3(a)に示した場合と同等のラッチプレート11を桁の一方に取り付け、その先端側を、隣接した桁の側面に平行に取り付けた2本のラッチ受け部材26のフランジ26aで支持する桁間連結装置10の構成を示している。図5(b)は、隣接する桁1A,1Bにそれぞれ取り付けられたラッチ受け部材26,26…のみで、ラッチプレート11を支持した構成を示している。この構成では、図3,図5(a)に示したように、ラッチプレート11自体が桁1に固定されないので、すべてのラッチ受け部材26,26…に形成されたゴム層31により、桁1に生じた橋軸方向の変位量に伴うラッチプレート11のずれを吸収するとともに、上下方向の変位に対しては十分な剛性を確保している。なお、ラッチプレート11の橋軸方向の端部にはストッパフランジ27が形成されており、ラッチプレート11に過大な変位量が生じたときにラッチプレート11がラッチ受け部材26から脱落するのを防止できる。
図6は、図1に示した桁間連結装置10のケーシング21を橋台9側に設けた適用例を示した説明図である。
図7各図は、ラッチプレート11とケーシング21内面との間に形成された粘弾性抵抗体としてのゴム層31への応力集中緩和を図ったケーシング21内形状及びラッチプレート11の断面形状を、ラッチプレート11の挿入口側から見た端面図である。上述したように、桁間連結装置10の位置でケーシング21に挿入されたラッチプレート11が上下方向に変位する場合、図7(a)に示した通常のラッチプレート11の断面形状では、プレート上下端面の隅角部位置でゴム層31との剥離が生じやすく、またプレート上面とケーシング21の上部隙間または下部隙間に充填されたゴム層31に応力集中が生じるおそれがある。そこで、この応力集中の緩和のために、たとえば図7(b)に示したように、ラッチプレート11の上下端部を丸面取りすることにより、充填されたゴム層31との間の応力伝達を均等に行うことができる。また、あわせて図7(c)に示したように、ケーシング21の入隅角部に、断面が直角二等辺三角形のコーナー部材等の面当て部材32を取り付けて、入隅角部に面当てすることで、ラッチプレート11が上下に移動した際に、ケーシング21の上下端の隙間23に生じる応力集中を緩和することができる。さらに、図7(d)に示したように、ケーシング21の内周面に内接する扁平な筒状管体33を挿入して、この管体33内にゴム素材を充填してゴム層31を形成することもできる。この筒状管体33を利用したゴム層31では、桁間連結装置10の更新時に、ケーシング21内に固着された筒状管体33を、ラッチプレート11の先端部とともに抜き取るようにして撤去することで、ケーシング21とラッチプレート11との連結を解除でき、個々の部材に分解して古い桁間連結装置を容易に撤去することができる。
図8(a)は、橋軸方向に伸びた断面半円形の棒状突起34,34…を、ラッチプレート11の側面に複数段水平に配列した変形例を示している。一方、図8(b)に示したように、ケーシング21の内周面にも同様の棒状突起35,35…を取りつける。図7(a)〜(d)では、上下方向の変形に対して、主にラッチプレート上下端のゴムの圧縮によって力を伝達しており、ラッチプレート11の側面部では、ゴムのせん断剛性のみが上下方向の剛性に寄与している。これに対して、図8(b)に示した構造では、ラッチプレート11側面の突起34とケーシング21の内側面の突起35との間にくさび効果が生じ、このくさび効果によってゴム圧縮域が形成されて上下方向の剛性が、より大きくなる。
次に、本発明の桁間連結装置10を橋桁断面全体に配置した場合の作用効果について説明する。図9(a)には、橋梁上部工の断面が模式的に示されている。同図に示したように、複数本のプレキャストコンクリート橋桁が図示しない沓座上に設置され、その上に床版が一体的に構築されている。各桁の両側面に本発明の桁間連結装置10Vが取り付けられている。図9(b)は、プレキャストコンクリート橋箱桁1cの断面を模式的に示している。この箱桁1cにおいては、箱桁1cの立壁1dの両面に桁間連結装置10Vが取り付けられている。このように、橋脚上で隣接した梁間での桁間連結装置10Vの設置数に応じて、各装置が負担する伝達応力が異なるため、桁間連結装置10のサイズを適宜設定した経済設計を行うことが好ましい。図9(a),(b)に示した配置構造の場合には、桁に生じる温度差に伴う桁の伸縮方向に対する可動状態を保持できるとともに、桁間での上下方向の応力伝達を確実に行うことができる。
さらに箱桁構造においては、図9(c)及び図10に示したように、一体構造の箱桁1cの頂版下面と底版上面とに、ケーシング21とラッチプレート11とを、ほぼ水平となるように配置した桁間連結装置10U,10Lを設置することもできる。橋梁上部工において、桁1を橋脚梁部の支承部で支持した場合、図10に示したように、車両通行時に桁1にには許容範囲内での上下振動が生じる。この上下振動に応じて、箱桁の頂版側下面および底面上面に取り付けられた桁間連結装置10U,10Lのラッチプレート11はケーシング21内において、図10に示したように、矢印方向に水平移動する。このときケーシング21内にラッチプレート11を保持するゴム層31に高減衰ゴムを使用することにより、単純桁の上下振動をラッチプレート11のケーシング21内での水平移動に変換させ、この水平移動量を高減衰ゴムで低減し、経時的に減衰させることにより、単純桁の上下振動を減衰させることができる。
また、桁間連結装置によって橋桁が連結されると、単純桁の場合に比べて、桁の上下方向の固有振動数が高くなる。固有振動数が高いと、同じ減衰の場合でも短時間で振動が低減されるという効果がある。
図11は、桁間連結装置10の製作時の一例を示した説明図である。同図に示したように、桁間連結装置10はあらかじめケーシング21内に、周囲が所定層厚のゴム層31で覆われて収容された状態で製作される。その製作手順として、図11に示したように、ラッチプレート11のケーシング21内に収容される範囲に所定数のスペーサ28を取り付けておき、ラッチプレート11がケーシング21内に挿入された際に、周囲に所定寸法の隙間が形成されるようにしておく。一方、ケーシング21の底面には底板29を仮止めしておく。そしてラッチプレート11を所定深さだけケーシング21内に収容させた後、原料ゴムおよび所定の添加充填剤からなるゴム素材をケーシング21とラッチプレート11の隙間に充填する。さらに原料ゴムの充填されたケーシング21とラッチプレート11とを加硫工程に置き、内部に形成されるゴム層31に所定のゴム弾性性状が得られるように加硫化することが好ましい。ゴム層31がケーシング21内に形成された後に底板29を取り外し、製品を完成させる。以後、ラッチプレート11、ケーシング21とがゴム層を介して一体化された桁間連結装置10を、取り付け現場に搬入して桁1の端部の所定位置に固定ボルト(図示せず)等を介して固定することができる。
本発明の桁間連結装置が取り付けられた桁端部が橋脚梁部上で支持された状態を示した概略説明図。 桁側面に取り付けられた桁間連結装置の一実施例を拡大して示した斜視図。 図2に示した桁間連結装置の正面図、端面図。 桁間連結装置の他の実施例(補強されたケーシング)を示した斜視図。 桁間連結装置の他の実施例(帯状ラッチ受け部材)を示した斜視図。 本発明の桁間連結装置が取り付けられた桁端部が橋台上で支持された状態を示した概略説明図。 ケーシング内のラッチプレートによる応力集中緩和の各態様を示した部分端面図。 図7のラッチプレートによる応力集中緩和の変形例を示した斜視図、部分端面図。 各種橋桁断面における桁間連結装置の配置例を示した桁全体断面図。 桁床版側に取り付けられた桁間連結装置の作用の一例を示した橋桁支持部全体図。 桁間連結装置の製作時の一態様を示した説明図。
符号の説明
1,1A,1B 桁
2 橋脚
10 桁間連結装置
11 ラッチプレート
21 ケーシング
23 隙間
24 開口部
25 補強鋼材
26 ラッチ受け材
31 ゴム層(粘弾性体層)

Claims (6)

  1. 支承上に隣接して支持された橋桁の一方の桁端部に取り付けられ、かんぬきとしての機能を奏するプレートと、かんぬき受けとして、前記プレートの一部を、その内部に挿入して保持する、他方の桁端部に取り付けられたプレート受け部とを備えた桁間連結装置であって、前記プレート受け部内に挿入されたプレートの全周が粘弾性体層を介して前記プレート受け部に保持されたことを特徴とする桁間連結装置。
  2. 記プレート受け部は、前記プレートの先端側全体を内部に収容し保持する扁平箱状ケーシングである請求項1に記載の桁間連結装置。
  3. 記プレート受け部は、前記プレートの中間部位をフランジ部で保持する帯板状部材である請求項1に記載の桁間連結装置。
  4. 前記粘弾性体層は、前記プレートと前記プレート受け部の隙間に充填され形成されたゴム層であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の桁間連結装置。
  5. 記プレートは、上下端部が面取りされ、前記粘弾性体層に対しての応力集中を緩和させた請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の桁間連結装置。
  6. 前記ケーシングは、内周隅部が面当てされ、前記粘弾性体層に対しての応力集中を緩和させた請求項に記載の桁間連結装置。
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