JP5111194B2 - 橋梁用伸縮装置及び橋梁用伸縮構造 - Google Patents

橋梁用伸縮装置及び橋梁用伸縮構造 Download PDF

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本発明は、隣り合う床版と床版、または床版と橋台の遊間部に設置されてこれらを橋軸方向に接続するための橋梁用伸縮装置、及び該装置を設置した橋梁用伸縮構造に関する。
道路等に設けられる橋梁は、温度変化に伴って橋軸方向に伸縮するので、その変形を吸収するため橋桁と橋桁、及び橋桁と橋台との間には遊間部が設けられるのが一般的である。その結果、橋桁及び橋台の上に位置する床版及びその上の舗装面にも遊間部としての間隙ができ、橋梁の伸縮に伴って、遊間部の大きさが変化する。
道路等に設置される従来の橋梁用伸縮装置及び橋梁用伸縮構造は、隣り合う床版と床版、または床版と橋台の遊間部の上部を路面と同レベルに覆うことを目的とし、遊間部の上部で路面の平面的連続性を形成するものであった。例えば、特許文献1に記載の伸縮性ジョイントは、多数の湾曲した板ばね又は蛇行するばね板をゴム状弾性体で囲んで扁平な直方体形状とし、ばねの弾性変形により長さを変化させ得るようにしたものである。この伸縮性ジョイントは、隣り合う床版の端部上面に形成された凹部に嵌め入れられる。その寸法は、床版間の遊間間隙の最大値を想定して決められる結果、温度変化による間隙寸法の変化は伸縮性ジョイントを圧縮するように作用し、床版端部との間に隙間を生じることなく常に遊間間隙を覆った状態を保つとされている。
しかしながら、この伸縮性ジョイントは、温度変化による橋梁の伸縮の吸収をするに留まるものであり、地震の際の橋梁構成部分の大きな振幅に対して制震作用をなすものではない。
一方、地震に対して橋梁の制震作用をなす装置は、例えば、特許文献2及び3に記載されている。特許文献2に記載の装置は、隣り合う橋桁(または橋桁のウェブもしくは橋桁のフランジ)の各端部に固定されるベースプレートと、ベースプレートのそれぞれに固定された免震ゴムと、これらの免震ゴムを連結する連結プレートとを備えたものである。
特許文献3に記載の装置は、隣り合う橋梁の縦桁の端部間(または横桁の端部と橋脚)をベローズにより連結し、地震による橋脚の揺れをベローズの塑性変形によるエネルギー吸収で低減させようとするものである。
しかしながら、これらの制震装置は、いずれも少なくとも一端を橋桁に固定するものである。したがって、制震装置とは別個に、床版に伸縮装置を設ける必要があった。また、橋桁への制震装置の固定は、重量の大きい装置を路面より下方で行なう必要があるので、橋梁の新設時には可能であるが、既設の橋梁の場合は作業が極めて困難であった。
このような問題は、橋梁用伸縮装置及び橋梁用伸縮構造が道路の橋梁に設置される場合のみならず、鉄道の橋梁、ビル等の建物と建物とをつないで渡り廊下の役割をなす橋梁、歩道橋等、種々の橋梁において生じる。
特許第3102638号公報 特許第2968469号公報 特開2001−40616公報
本発明は、温度変化に伴う橋梁の伸縮に対して橋梁間の遊間部を恒常的に覆い、且つ地震時には制震作用をも奏する橋梁用伸縮装置及び橋梁用伸縮構造を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するため、隣り合う床版と床版、または床版と橋台の遊間部に設置されてこれらを橋軸方向に接続する橋梁用伸縮装置であって、設置状態において上下方向に延びる壁部により構成され平面視において曲折形状をなすベローズ、及び該ベローズの両端部に結合され橋軸に沿って相反する方向へ延び床版又は橋台に埋設される固定部を備えた金属製の作動部材と、前記ベローズの上方で路面に沿って前記遊間部を覆う部分を有する伸縮構造部とを備え、前記作動部材は、ベローズの前記曲折形状に基づき、前記遊間部の伸縮が温度変化による小さい伸縮の場合には金属疲労上問題のない範囲の応力状態で変形し、地震の揺れによる大きい伸縮の場合には塑性変形して制震作用をなすことを特徴とする橋梁用伸縮装置を提供するものである。
本発明はまた、前記目的を達成するため、上記の橋梁用伸縮装置を、隣り合う床版と床版、または床版と橋台の遊間部において路幅方向に複数設置したことを特徴とする橋梁用伸縮構造を提供するものである。
本発明に係る橋梁用伸縮装置は、ベローズ及び固定部を備えた作動部材と、ベローズの上方を覆うように配置される伸縮構造部とを備え、隣り合う床版と床版、または床版と橋台の遊間部に設置される。そして、作動部材は、平面視において曲折形状をなすベローズにより、遊間部の伸縮が温度変化による小さい伸縮の場合には金属疲労上問題のない範囲の応力状態で変形し、地震の揺れによる大きい伸縮の場合には塑性変形して制震作用をなす。また、ベローズは、設置状態において上下方向に延びる壁部により構成されているので、上下方向への剛性は高く、上記変形を許容しながらも路面荷重を支えることができる。金属疲労上問題のない範囲の応力状態でベローズが変形するというのは、弾性変形領域での変形を含むと共に、弾性変形領域を超える変形であっても、橋梁の耐用期間に亘って疲労に対する強度を維持し得る範囲の変形をも含む。以下では、金属疲労上問題のない範囲の応力状態での変形を「通常変形」ということがある。
このベローズの両端部には、橋軸に沿って相反する方向へ延び床版又は橋台に埋設される固定部の両端部に結合され橋軸に沿って相反する方向へ延びる固定部が結合され、設置時に床版又は橋台に埋設される。こうして、固定部材が橋軸方向に延びて床版又は橋台と一体化されることにより、橋脚部の温度変化による伸縮や、地震時の揺れと、ベローズの変形との相互作用が確保される。
特に、この伸縮装置は、床版と床版、または床版と橋台の遊間部に設置されるので、温度変化に伴う橋梁の伸縮に対して橋梁間の遊間部を恒常的に覆い、路面の平面的連続性を維持する。また、ベローズの上方で路面に沿って遊間部を覆う部分を有する伸縮構造部を備えているので、雨水などが遊間部から作動部材に到達するのが防止され、錆による機能不良が回避される。しかも地震時にはベローズが塑性変形して揺れのエネルギを吸収し、制震作用を発揮する。これにより、橋桁などの別の箇所に制震装置を設ける必要がなくなる。
また、床版は、通常、鉄筋コンクリート製のものが路幅全体に形成されている結果、重量が大きく、地震時にはこれが橋梁揺れの主たる慣性質量となる。本発明の伸縮装置は、この慣性質量の大きな床版に直接設置されるので、極めて効果的な制震作用を奏する。しかも、路幅全体に亘って多数の伸縮装置を適宜の間隔をおいて設置することができるので、強力な制震作用を発揮することができる。
また、このようにして比較的小型の装置を多数配置するので、遊間部の間隙寸法を小さくすることができ、車輌が通行時に受ける衝撃を小さくし、騒音の発生を抑えることができる。さらに、小型装置を多数配置する構造は、地震時の動的解析をモデル化して行なうのを容易にし、本装置を設置した橋梁の固有振動数を考慮すれば、揺れに伴う橋梁同士の衝突の問題を回避することも可能となる。
さらに、舗装面のすぐ下の床版に設置するので、新設の橋梁のみならず、既設の橋梁にも後付け施工が可能である。すなわち、既設の橋梁に対しては、舗装面と床版(設置箇所によってはさらに橋台)に設置用凹所を形成し、そこに本発明に係る伸縮装置を納めてコンクリートの打設により固定部を埋め込めばよい。したがって、設置後の取り替えも容易であり、損傷箇所のみの取り替えですむ。
これらの点は、橋桁に設置される従来の制震装置からは得られない効果である。すなわち、橋桁は、通常、床版に比べて重量は大きくないため、橋桁での制震は、床版の大きな慣性質量に対して間接的に作用するに過ぎない。また、固定は主桁に対して行なうので、装置の設置数が限られてしまい、強力な制震作用を得るには大掛かりな装置が必要となる。その結果、遊間部の間隙寸法を大きくする必要が生じ、また、施工コストが高騰し、橋梁によっては設置が不可能となる場合もある。そして、その動的解析やモデル化も難解となり、制震作用の正確な把握が困難である。さらに、橋桁への施工であるので、既設の橋梁に後付け施工することは困難である。
本発明装置において、前記作動部材は、1対の前記ベローズが、各々の凸形の曲折部を相反する方向に向けて対称形に配置され、前記固定部に接合されたものとすることができる。これにより、1対のベローズの変形が固定部の長手方向を中心として対称的に生じ、ベローズや床版での固定箇所の損傷が防止される。
前記伸縮構造部は、設置時に前記ベローズの上方に配置され上端部が路面と同じ高さに位置し橋軸方向において路面との間に間隙を形成する鋼板製カバーと、該鋼板製カバーと路面との間の間隙を埋めるように配置されるゴム製充填材とを備えたものとすることができる。
前記伸縮構造部は、前記ベローズを囲むように設けられたゴム製囲繞部とされ、該ゴム製囲繞部の上端部が、設置時に前記ベローズの上方で路面に沿って位置するように配置されているものとすることができる。このゴム製囲繞部は、ベローズの通常変形時にはベローズと共に伸縮するので、施工した床版との間に隙間を生じ難い。また、遊間部がゴム材で塞がれるので、車両通行時の騒音が遊間部を経て下方へ伝わるのを防止することができる。
複数の前記ベローズは、設置時に路幅方向に延びるウェブプレートに結合され、該ウェブプレートにおける前記ベローズとは反対側に複数の前記固定部が結合され、前記伸縮構造部は前記複数のベローズの上方で前記遊間部を覆うように路幅方向に延び、これらにより伸縮ユニットを形成しているものとすることができる。このようにユニット化することにより、施工が迅速容易となる。また、複数のベローズ及び固定部がウェブプレートに結合される結果、全体としての剛性が増し、優れた耐久性と制震作用が得られる。
本発明はまた、上記の橋梁用伸縮装置を、隣り合う床版と床版、または床版と橋台の遊間部において路幅方向に複数設置したことを特徴とする橋梁用伸縮構造を提供するものである。この伸縮構造によれば、上述した伸縮装置の利点を生かした優れた性能の伸縮部を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明に係る道路伸縮装置及び道路伸縮構造の施工対象となる橋梁の一例を橋軸に垂直な断面で示している。この橋梁は、橋脚1上に支承2を介して橋桁3が支持され、その上に床版4が支持されている。床版4の両側には地覆5が設けられている。床版4は、鉄筋コンクリート製であり、多数の鉄筋4aがコンクリート4b内に配筋されている。
図2は、図1に示した橋梁を上から図、図3は縦断側面図であり、床版4と床版4との間の遊間部Sに本発明の一実施形態に係る道路伸縮装置10が設置された状態を示している。図4は、道路伸縮装置10設置部分の一部を拡大して示す平面図、図5はその縦断側面図である。
この道路伸縮装置10は、ベローズ30及び該ベローズの両端に結合された固定部40を備えた金属製の作動部材20と、ベローズの上方で路面に沿って遊間部Sを覆うように配置され伸縮構造部50とを備えている。ベローズ30は、設置状態において上下方向に延びる壁部により構成され平面視において曲折形状をなしている。
固定部40は、設置状態において路幅方向に延びるウェブプレート41と、該ウェブプレート41から橋軸に沿って橋軸方向へ延び床版又は橋台に埋設される異形棒鋼42及び定着用鋼板43と、ウェブプレート41から異形棒鋼42とは反対側に短く延びベローズ30に結合される取り付け金具44とを備えている。
ウェブプレート41は、本装置を施工する際に床版に設けられる凹所の深さに対応した高さとするのが望ましい。これにより、凹所に本装置を設置した後、コンクリート打設する際に、ウェブプレート41が型枠の一部として機能し、効率的な施工が可能となる。
定着用鋼板43は、床版のコンクリートと強く結合し、地震時に伸縮装置から受ける水平力を床版の橋軸方向に伝達して分散させる役割をなす。この実施形態では、定着用鋼板43は、取り付け金具44の反対側の位置で上下方向に延びるようにしてウェブプレート41に溶接され、水平に延びる平板状の保持片43aを両側に溶接されて補強されている。異形棒鋼42は、周面に環状の凸部を多数設けてコンクリートとの接合性を高めたものであり、定着用鋼板43の間に並列して配置され、端部をウェブプレート41に溶接されている。
図7は、ベローズ30を拡大して示す平面図である。図示のように、ベローズ30は、円弧状に湾曲した曲折部31と、その両側から相反する方向に平面状に延びる翼部32とを備え、翼部32からベローズ30への移行部37はベローズ30とは弧状部分により滑らかに接続されている。この実施形態では、施工を迅速容易にするために、2個のベローズの湾曲凸側を接近させ、その先端部を接合板33で結合してベローズアッセンブリ30aとしている。接合板33には、設置時に上に位置する端部に、伸縮構造部50への固定用の取り付け片34が固着されている。道路伸縮装置10においては、このベローズアッセンブリ30aが相互に結合されている。この結合は、図7に実線と一点鎖線で示す1対のベローズ30が、各々の曲折部の凸形状を相反する方向に向けて対称形になるように配置される。こうして隣り合ったベローズ30は、翼部32と固定部40の取り付け金具44とに設けられた貫通孔に、ボルト35を通して固定されている。
伸縮構造部50は、この実施形態では、鋼板製カバー51及びゴム製充填材52により形成されている。鋼板製カバー51は、設置状態で、ベローズの上方に配置され、上端部が路面と同じ高さに位置する。その取付は、予め道路への設置前に行なわれ、図4,図5,図7に示すように、鋼板製カバー51の上面に皿穴を設け、この皿穴とベローズアッセンブリ30aにおける取り付け片34の貫通孔34aとにボルト36を通し、その下部にナットを締結することにより行なわれる。また、鋼板製カバー51は、橋軸方向における両側の面において路面との間に間隙を形成するように橋軸方向の寸法が決められ、鋼板製カバー51と路面との間の間隙を埋めるようにゴム製充填材52が配置され、鋼板製カバー51及び路面端部に接着される。ゴム製充填材52は、鋼板製カバー51と路面との間の間隙より橋軸方向の寸法が大きく形成され、寸法を圧縮して間隙に充填される。これにより、道路が温度変化により伸縮する時に、鋼板製カバー51と路面との間にすき間が発生するのが防止される。
このようにして、複数のベローズ30及び固定部40がウェブプレートに結合され、伸縮構造部50は複数のベローズの上方を覆い、これらにより道路伸縮ユニットを形成している。
この道路伸縮装置10の主要部分の材質及び寸法は、以下の通りである。これらの仕様は一つの例示であって、本発明がこれらに限定されるものではない。
(1) ベローズ30(図7参照)
(寸法は鋼板厚さの中心間で示す)
材質:BHS鋼又はFCA鋼
長さ(橋軸方向の寸法)L1:260mm
高さH(図5):250mm
曲折部の曲率半径R1:40mm
移行部の曲率半径R2:30mm
曲折部及び両端の移行部からなる部分の橋軸方向の寸法L2:80mm
曲折部の橋軸方向に垂直な方向の寸法W:180mm
厚さt:6mm
(2) 固定部40
・ウェブプレート41
材質:SM400A
路幅方向の長さ:1000mm
対向するウェブプレート41間の距離:300mm
・異形棒鋼42
材質:SD345
長さ:550mm
配置間隔:200mm
・定着用鋼板43
材質:SM400A
高さ:250mm
配置間隔:200mm
(3) 伸縮構造部50
材質:SM400及びNRゴム
鋼板の幅(橋軸方向の寸法):400mm
鋼板の厚さ:32mm
充填ゴムの幅(橋軸方向の寸法):30mm
充填ゴムの厚さ:25mm

なお、この道路伸縮装置10は、上記寸法及び材質に限定されるものではなく、必要に応じて種々の設定が可能である。また、ウェブプレート41の路幅方向の長さに応じて、異形棒鋼42及び定着用鋼板43の配置数を調整するのが望ましい。
次に、この道路伸縮装置10の施工方法について説明する。新設の橋梁の場合は、床版を形成する際に、床版4及び舗装面6の端部に本装置を設置する凹所を形成しておく。そこに本装置を設置し、ウェブプレート41が床版の端面に位置するように配置し、凹所にコンクリートを打設する。床版端部の凹所には、床版の構造筋を突出させておき、これに並設する異形棒鋼42との相互作用で、コンクリート打設後に本装置と床版とを一体化する。
また、その接合をより強固にするために、図4及び図5に示すように、路幅方向に延びる貫通鉄筋61を異形棒鋼42に接して配置し、逆U字状のU字鉄筋62を複数の貫通鉄筋61に跨るように配置するのが望ましい。この場合は、貫通鉄筋61を通すための貫通孔43bが定着用鋼板43に設けられる。
こうして本装置を床版4に固定した後、打設したコンクリートの上面に舗装面6aを施工すればよい。このようにして、本発明の一実施形態に係る道路伸縮構造が得られる。
既設の橋梁に道路伸縮装置10を設置する場合は、床版4の端部のコンクリートを掘削し、露出した鉄筋を必要に応じて切断して凹所を設け、そこに本装置を設置し、凹所にコンクリートを打設する。その基本的な工程は、上述した新設橋梁の場合と同様である。
伸縮構造部50は、図6に示すように、ゴム製伸縮板とすることもできる。この伸縮構造部50は、設置時にベローズの上方に配置され、上端部が路面と同じ高さに位置し、両側の路面間の間隙を埋めるように取り付けられる。この取付は、図4及び図5に示した伸縮構造部50の鋼板製カバー51と同様である。
以上の説明は、床版と床版との間の遊間部に本装置を設置する例についてのものであるが、同様にして、図8に示すように、床版4と橋台7との間の遊間部に本装置10を設置することができる。
図9は、本発明の他の実施形態に係る道路伸縮装置10’を設置した道路伸縮構造を上から見た図、図10はその縦断側面図であり、床版4と床版4との間の遊間部Sに道路伸縮装置10’が設置された状態を示している。図11は、道路伸縮装置10’設置部分の一部を拡大して示す平面図、図12はその縦断側面図である。これらの図面中、先の実施形態と同一又は同種の部分については、同じ番号を付して説明を省略する。
この道路伸縮装置10’は、先の実施形態の道路伸縮装置10と同じ作動部材20を備えたものであり、伸縮構造部が、ベローズ30を囲むゴム製囲繞部50’により形成されており、該ゴム製囲繞部の上端部が、設置時に前記ベローズの上方で路面に沿って位置するように配置されている。ゴム製囲繞部50’は、作動部材20を製造したのち、ベローズ30を囲む成形型にゴム原料を注入し、加硫することにより得られる。
この実施形態では、複数のベローズ30及び固定部40がウェブプレートに結合され、これとゴム製囲繞部50’により道路伸縮ユニットが形成されている。
道路伸縮装置10’を床版4と床版4との間の遊間部Sに設置する施工方法は、先の道路伸縮装置10と同様である。また、これと同様にして、図13に示すように、床版4と橋台7との間の遊間部にこの装置10’を設置することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、ベローズは、上記の形状に限らず、温度変化時の通常変形及び地震時の塑性変形に基づく上記作用を奏する種々の形状とすることができる。但し、ベローズを形成する壁部は、設置状態において上下方向に延び、路面荷重を支えることができるように形状、寸法、材質が決められる。図14(a)〜(f)は、ベローズの種々の形態を平面図で示している。実線で示すベローズに破線で示すベローズを組み合わせて使用することもできる。
伸縮構造部は、以上のものの他、種々の形態で形成することができ、例えば、2枚の鋼板を伸縮方向に並べ、対向する辺を櫛歯状に噛合わせたものとすることもできる。この場合は、櫛歯状の噛合い部分またはその下方をゴム材などの防水材で覆うのが望ましい。
伸縮装置は、必ずしもウェブプレートに接合してユニット化する必要はなく、個々に施工することも可能である。また、橋梁の幅に応じてユニットを必要数配置し、残りの幅部分に個々の伸縮装置を配置することもできる。
コンクリート床版には、鉄筋コンクリート製の他、プレストレスコンクリート(PCコンクリート)製のものもあるが、本発明はいずれにも適用することができる。また、橋梁が短い場合は、床版が橋桁を兼ねることもあるが、本発明はこのような橋梁に対しても適用することができる。
本発明は、上述した道路の橋梁に設置されるものに限定されるものではなく、鉄道の橋梁、ビル等の建物と建物とをつないで渡り廊下の役割をなす橋梁、歩道橋等、種々の橋梁に対して適用することができる。
伸縮装置及び伸縮構造の施工対象となる橋梁の一例を橋軸に垂直な断面図である。 図1に示した橋梁に本発明の一実施形態に係る伸縮装置を施工した状態を上から図である。 図2の状態の縦断側面図である。 図1に示した伸縮装置の設置部分の一部を拡大して示す平面図である。 図4に示した部分の縦断側面図である。 図5と同様の部分において異なる伸縮構造部を備えた例の縦断側面図である。 図1に示した伸縮装置のベローズを拡大して示す平面図である。 図1示した伸縮装置の他の施工形態の縦断側面図である。 本発明の他の実施形態に係る伸縮装置を設置した伸縮構造を上から見た図である。 図9に示した設置箇所の縦断側面図である。 図9に示した伸縮装置の設置部分の一部を拡大して示す平面図である。 図11に示した部分の縦断側面図である。 図9示した伸縮装置の他の施工形態の縦断側面図である。 ベローズの種々の形態を示す平面図である。
符号の説明
1 橋脚
2 支承
3 橋桁
4 床版
7 橋台
10,10’ 道路伸縮装置
20 作動部材
30 ベローズ
40 固定部
41 ウェブプレート
31 曲折部
50 伸縮構造部
50’ ゴム製囲繞部(伸縮構造部)
S 遊間部

Claims (7)

  1. 隣り合う床版と床版、または床版と橋台の遊間部に設置されてこれらを橋軸方向に接続する橋梁用伸縮装置であって、設置状態において上下方向に延びる壁部により構成され平面視において曲折形状をなすベローズ、及び該ベローズの両端部に結合され橋軸に沿って相反する方向へ延び床版又は橋台に埋設される固定部を備えた金属製の作動部材と、前記ベローズの上方で路面に沿って前記遊間部を覆う部分を有する伸縮構造部とを備え、前記作動部材は、ベローズの前記曲折形状に基づき、前記遊間部の伸縮が温度変化による小さい伸縮の場合には金属疲労上問題のない範囲の応力状態で変形し、地震の揺れによる大きい伸縮の場合には塑性変形して制震作用をなすことを特徴とする橋梁用伸縮装置。
  2. 1対の前記ベローズが、各々の凸形の曲折部を相反する方向に向けて対称形に配置され、前記固定部に接合されていることを特徴とする請求項1に記載の橋梁用伸縮装置。
  3. 前記伸縮構造部が、設置時に前記ベローズの上方に配置され上端部が路面と同じ高さに位置し橋軸方向において路面との間に間隙を形成する鋼板製カバーと、該鋼板製カバーと路面との間の間隙を埋めるように配置されるゴム製充填材とを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の橋梁用伸縮装置。
  4. 前記伸縮構造部が、設置時に前記ベローズの上方に配置され上端部が路面と同じ高さに位置するゴム製伸縮板とされていることを特徴とする請求項1または2に記載の橋梁用伸縮装置。
  5. 前記伸縮構造部が、前記ベローズを囲むように設けられたゴム製囲繞部とされ、該ゴム製囲繞部の上端部が、設置時に前記ベローズの上方で路面と同じ高さに位置するように配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の橋梁用伸縮装置。
  6. 複数の前記ベローズが、設置時に路幅方向に延びるウェブプレートに結合され、該ウェブプレートにおける前記ベローズとは反対側に複数の前記固定部が結合され、前記伸縮構造部は前記複数のベローズの上方で前記遊間部を覆うように路幅方向に延び、これらにより伸縮ユニットを形成していることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の橋梁用伸縮装置。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の橋梁用伸縮装置を、隣り合う床版と床版、または床版と橋台の遊間部において路幅方向に複数設置したことを特徴とする橋梁用伸縮構造。
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