JPH0754044B2 - 遮音床材 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、住宅，ビル建築などの内装に用いられる木
質系床材において、軽量衝撃音を低減する遮音床材に関
する。

（従来の技術） 最近住宅，ビル建築など多層建築において、上下階の遮
音が問題となっている。

室内で発生する会話や衝撃音は壁体を通じて隣室に聞こ
える程度は壁面の面比重を大きくすることでほぼ解決さ
れてきた。

しかし、直接床面を刺激する衝撃音は、ただ単に床材の
面比重を大きくするだけでは解決されていない。

床面を刺激する衝撃音には、重量衝撃音と軽量衝撃音が
あり、このうち重量衝撃音は床材の種類にはほとんど関
係なく、コンクリートスラブの厚みなどの建築構造枢体
に影響されるので、床材メーカーの改良目標にはなり難
いが、軽量衝撃音は床材の種類，構成に大きく影響され
るので、この改良が種々行われている。

この軽量衝撃音の改良に対して、従来木質基材にカーペ
ットあるいはクッションシートなどを敷設してきたが、
ダニの発生源となる衛生上の問題や、部分貼り替えの難
しいメンテナンスの不経済性の理由等から木質化粧床材
での遮音要求が強まって来ている。

しかし、木質化粧床材の軽量衝撃音の低減は中々難し
く、一部の商品には木質化粧床材の裏面に軽量発泡シー
トや高比重遮音シートを貼着しているケースはあるが、
未だ充分な遮音効果を発揮していない。

（発明が解決しようとする問題点） そこでこの発明は、木質化粧床材にあって、なお軽量衝
撃音が低減できる遮音床材を提供するものである。

（問題点を解決するための手段） 以下、上記問題点を解決するこの発明は木質化粧床材に
おいて、木質化粧単板と木質基材との間に、高密度シー
ト材と低密度シート材とを配置するものより構成され
る。

即ち、床面に与えられた衝撃音は高密度シート材料で減
衰され、更に低密度シート材料によって吸収または乱反
射して分散されるために低減されるものと思われる。

しかもこの遮音層は、衝撃音の発生源近くに配置される
ことが好ましく、木質基材の裏面よりも木質基材と木質
化粧単板との間に配置するとよい。更には、この高密度
シート材料と低密度シート材料とを交互に配置して多数
層にすれば一段と遮音効果が得られるが、コスト面と作
業性との兼ね合いで決定すればよい。

尚、ここでいう高密度，低密度とは、特に厳格に規定す
るものではないが、高密度シート材料には比重約１以上
のシートを、低密度シート材料には比重約１以下のシー
トを考えればよく、出来れば両比重の差が大きいものを
用いることが好ましい。

木質化粧単板は、薄い程遮音には良いが、床材としての
耐久性，点荷重に対する単板の割れ，へこみ等の問題か
ら0.2〜3mm、好ましくは0.5〜2mm程度がよい。

また、木質単板にはコルクシートも含まれる。

尚、木質床材の施工方法には、根太組み工法やモルタル
面に直接貼り着ける直貼り工法などがあるため、直貼り
工法用には不陸調整のため本遮音床材の裏面に低密度シ
ート材料を貼着する場合がある。

次にこの発明の２〜３の実施例を遮音効果について述べ
る。

（実施例１） 厚み8mmの5ply合板からなる木質基材（１）と、厚み1.0
mmのブナ単板からなる木質化粧単板（２）との間に、比
重0.1の2mm厚み発泡ポリエチレンシートからなる低密度
シート材（３）と、比重2.0の塩ビに金属粉を混入した2
mmシートからなる高密度シート材（４）とをエポキシ系
接着剤で冷圧接着し、更に木質基材（１）の裏面に比重
0.1の2mm厚み発泡ポリエチレンシート（２）を貼着して
遮音床材とした。

（実施例２） 厚み8mmの5ply合板からなる木質基材（１）と、厚み1.0
mmのブナ単板からなる木質化粧単板（２）との間に、比
重0.1の2mm厚み発泡ポリエチレンシートからなる低密度
シート材（３）を、比重2.0の塩ビに金属粉を混入した2
mmシートからなる高密度シート材（４）をそれぞれサン
ドウイッチ状に挟み、エポキシ系接着剤で冷圧接着し、
更に木質基材（１）の裏面に比重0.1の2mm厚み発泡ポリ
エチレンシート（２）を貼着して遮音床材とした。

（実施例３） 厚み8mmの5ply合板からなる木質基材（１）と、厚み1.0
mmのブナ単板からなる木質化粧単板（２）との間に、比
重2.0の塩ビに金属粉を混入した1mmシートからなる高密
度シート材（４）と比重0.1の1mm厚み発泡ポリエチレン
シートからなる低密度シート材（３）とを２組重ね、エ
ポキシ系接着剤で冷圧接着し、更に木質基材（１）の裏
面に比重0.1の2mm厚み発泡ポリエチレンシート（２）を
貼着して遮音床材とした。

（比較例１） 厚み8mmの5ply合板からなる木質基材（１′）に、厚み
1.0mmのブナ単板からなる木質化粧板（２′）をエポキ
シ系接着剤で冷圧接着し、更に木質基材（１′）の裏面
に比重0.1の2mm厚み発泡ポリエチレンシートからなる低
密度シート材（３）を貼着して床材とした。

（比較例２） 厚み8mmの5ply合板からなる木質基材（１′）に、厚み
1.0mmのブナ単板からなる木質化粧板（２′）をエポキ
シ系接着剤で冷圧接着し、更に木質基材（１′）の裏面
に比重2.0の塩ビに金属粉を混入した1mmシートからなる
高密度シート材（４）と、比重0.1の2mm厚み発泡ポリエ
チレンシートからなる低密度シート材（３）とを貼着し
て床材とした。

以上の各遮音床材をJISA-1418に基づいて床衝撃音レベ
ルを測定したところ第４図〔尚、図中Ａは、実施例１の
遮音特性を示し、Ｂは、実施例２の遮音特性を示し、Ｃ
は、実施例３の遮音特性、Ｄは、比較例１の遮音特性を
示し、Ｅは、比較例２の遮音特性を示す。〕の結果を得
た。

（発明の効果） 第４図の結果から明らかなようにこの発明は、高密度シ
ートと低密度シートとを木質化粧単板と木質基材との間
に配置することによって極めて高い遮音特性が得られる
ことが判明した。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の一実施例を示す断面図、第２図
は、従来の床材の断面図、第３図は、従来の遮音床材の
断面図、第４図は、この発明の実施例と比較例との衝撃
音テストのグラフ図である。 １、１′……木質基材、２、２′……木質化粧板、３…
…低密度シート材、４……高密度シート材、Ａ……実施
例１の遮音特性、Ｂ……実施例２の遮音特性、Ｃ……実
施例３の遮音特性、Ｄ……比較例１の遮音特性、Ｅ……
比較例２の遮音特性、

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−62526（ＪＰ，Ａ) 実開 昭53−165725（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭55−140635（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭60−63628（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−32011（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−78436（ＪＰ，Ｕ)

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】木質化粧床材において、木質化粧単板と木
   質基材との間に、比重2.0の塩ビに金属粉を混入したシ
   ートからなる高密度シート材と、比重0.1の発泡ポリエ
   チレンシートからなる低密度シート材とを配置すること
   を特徴とする遮音床材。
2. 【請求項２】高密度シート材と低密度シート材とが交互
   に配置され、かつ、少なくともいづれか一方が二層以上
   の複数層になっていることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載の遮音床材。