JPH0753903A - 水性インク組成物及びそれを用いた記録方法 - Google Patents

水性インク組成物及びそれを用いた記録方法

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JPH0753903A
JPH0753903A JP19862893A JP19862893A JPH0753903A JP H0753903 A JPH0753903 A JP H0753903A JP 19862893 A JP19862893 A JP 19862893A JP 19862893 A JP19862893 A JP 19862893A JP H0753903 A JPH0753903 A JP H0753903A
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希世文 永井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクジェットインクとして諸特性を満足
し、乾燥性に優れ且つ画質の劣化が少なく特に2色の境
界部分における画像の境界にじみが改良された水性イン
ク組成物及びそれを用いて良好に画像を形成するための
記録方法を提供することを目的とする。 【構成】 水に分散又は溶解する着色剤、水及び湿潤剤
とともに、下記一般式(I)で表される化合物の少なく
とも一種を含有することを特徴とする水性インク組成
物、及びそれを用いた記録方法。 【化1】 (式中、Mはアルカリ金属イオン、第4級アンモニウ
ム、第4級ホスホニウム、アルカノールアミンを表し、
m及びnは0以上の整数で、それらの和は10〜14で
ある。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、水性インク組成物に
関し、より詳しくはインクジェット記録用水性インク組
成物及びそれを用いた記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェットプリンターは低騒
音、低ランニングコストといった利点から普及し、普通
紙印字可能なカラープリンターも市場に投入されてい
る。しかしながら、画像の色再現性、耐水性、耐光性、
画像の乾燥性と画像にじみと吐出の信頼性を全てを満足
することは難しい。特にカラープリンターの場合、イエ
ロー、マゼンタ、シアンの淡色印字部で画像劣化がなく
とも、レッド、グリーン、ブルーの2色重ね部分で画像
の劣化が発生しやすい。特に定着装置を用いないで乾燥
を行なう場合、特開昭55−29546号公報のように
浸透性を高めるために界面活性剤を添加することにより
乾燥は向上するが、紙質により著しくにじむ。また、特
開昭55−298546号公報では浸透力を高めるため
界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウムを添加してい
るが、この場合溶解度が低いため高温では界面活性剤が
析出するといった問題があった。特公昭60−2379
3号公報には界面活性剤としてジアルキルスルホコハク
酸が乾燥性が向上し、画質劣化が少ないとされている
が、紙による画素径が著しく異なり画像濃度の低下も著
しいといった問題やアルカリ側では活性剤が分化し、保
存時に活性効果がなくなるといった問題がある。また特
公昭58−6752号公報にはアセチレン結合を有する
エチレンオキサイド付加体を界面活性剤に用いることに
より浸透性を向上させることによりにじみの少ない速乾
性インクが開示されている。しかしながら、染料によっ
て、例えばDKB168等の直接性染料とは疎水性相互
作用のため乾燥速度が向上しないといった問題がある。
【0003】また、特開昭56−57862号公報等に
は強塩基性物質を添加するインクが開示されているが、
ロジンサイズされた酸性紙では効果があるもののアルキ
ルケテンダイマーやアルケニルスルホコハク酸をサイズ
剤とした紙には効果がない。また酸性紙でも2色重ね部
分では効果がない。また特開平1−203483号公報
には多価アルコール誘導体及びペクチンを含有すること
を特徴とした記録液が開示されているが、これは増粘剤
としてペクチンを添加し、にじみを防止するものである
が、ペクチンは水酸基を親水基とする非イオン性である
ため印字休止後の吐出安定性にかけるという問題があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の点に
鑑みてなされたもので、インクジェットインクとして諸
特性を満足し、乾燥性に優れ且つ画質の劣化が少なく特
に2色の境界部分における画像の境界にじみが改良され
た水性インク組成物及びそれを用いて良好に画像を形成
するための記録方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、第一に水に分
散又は溶解する着色剤、水及び湿潤剤とともに下記一般
式(I)で表される化合物の少なくとも一種を含有する
ことを特徴とする水性インク組成物、
【0006】
【化1】 (式中、Mはアルカリ金属イオン、第4級アンモニウ
ム、第4級ホスホニウム、アルカノールアミンを表し、
m及びnは0以上の整数で、それらの和は10〜14で
ある。)第二に、第一のインク組成物において前記一般
式(I)で表される化合物の対イオンがナトリウム、リ
チウム及び/又は下記一般式(II)で表される第4級ア
ンモニム、第4級ホスホニウム、アルカノールアミン陽
イオンであること、
【0007】
【化2】 (式中、Yは窒素又はリンを表し、R1〜R4は各々水素
原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル
基、ハロゲン化アルキル基を表す。)第三に、第一及び
第二のインク組成物において無機塩の含有量が100p
pm以下であること、第四に、前記水性インク組成物を
微細な吐出口より吐出して液滴として飛翔させ、ステキ
ヒトサイズ度が3秒以上の被記録材に画像を形成する記
録方法を要旨とする。以下に本発明を更に詳細に説明す
る。
【0008】本発明は紙への浸透性を高める目的で下記
一般式(I)の化合物を添加することにより表面張力を
50mJ/m2以下に低下させ、インクと紙表面との濡
れ性を向上し、紙への浸透速度を高めることが可能であ
るが、従来知られる界面活性剤に比べ、画像劣化が少な
いことを見出した。また一般式(I)の化合物は直鎖構
造のものと異なり水に対する溶解性が高く環境温度の変
化に対しても安定であり、さらにこれらの化合物は染料
にかかわらず浸透速度もほぼ同等になる特徴を有してい
る。
【0009】
【化1】 (式中、Mはアルカリ金属イオン、第4級アンモニウ
ム、第4級ホスホニウム、アルカノールアミンを表し、
m及びnは0以上の整数で、それらの和は10〜14で
ある。)さらに本発明の化合物の対イオンとしてナトリ
ウム、リチウム及び下記一般式(II)で表される第4級
アンモニウム、第4級ホスホニウムを用いることにより
優れた溶解安定性を示すことを見出した。
【0010】
【化2】 (式中、Yは窒素又はリンを表し、R1〜R4は各々水素
原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル
基、ハロゲン化アルキル基を表す。)
【0011】なお、無機塩との相互作用により染料の析
出が発生しないようにするために、インク中の無機塩の
含有量を100ppm以下にすることがインクの保存安
定性の点から好ましい。また、オフィスで使用されてい
るコピー用紙等の記録紙にインクを30〜60μmの微
細な吐出口より吐出し重量が30ng〜150ngの液
滴として6〜20m/sで飛翔させ、ステキヒトサイズ
度が3秒以上の所謂普通紙に記録することにより高画
質、高解像の記録画像を形成する記録方式を提供するこ
とが出来る。本発明で用いる一般式(I)の化合物を遊
離酸型にて具体的に示すと下記のとおりであるが、これ
らに限定されるものではない。
【0012】
【表1】
【0013】これらは単独で用いても複数を混合して用
いても良い。これらの化合物は直鎖構造のラウリル硫酸
ナトリウム等の合成に用いられる従来の方法ではなく、
例えば飽和炭化水素をスルホン化する際に紫外線を照射
することにより合成することが出来る。これらの化合物
の添加量は0.05〜10重量%の範囲で用いることに
よりプリンターシステムにより要求されるインク特性に
対し所望の浸透性を与えることが可能である。0.05
%より少ない場合、2色重ね部の境界でのにじみが発生
しやすく、10重量%を超えて添加すると化合物(I)
が環境温度の変化により分離しやすくなったり、染料の
析出等が発生することがあるため好ましくはない。また
上記一般式(I)の化合物を合成する際に副生物として
無機塩が生成されるが、インク中にこのような無機塩が
含まれると長期間保存した場合、染料溶解性が低下し染
料が析出する。そこで一般式(I)の化合物、もしくは
インク組成物をイオン交換樹脂で精製を行ない、インク
中の無機塩の含有量を100ppm以下にすることによ
り優れたインクの保存安定性が得られる。このようにす
ることにより熱を印加してインク吐出を行なう記録方法
においても信頼性が向上する。次にこれら界面活性剤は
保存時の溶解安定性を高める目的で対イオンをリチウ
ム、ナトリウム、第4級アンモニウム、第4級ホスホニ
ウム、アルカノールアミンにすることが好ましい。例え
ばリチウム塩の場合は水酸化リチウムを添加することに
より行なわれ、一般式(II)の第4級アンモニウム、ホ
スホニウム、アルカノールアミン陽イオンに関しては、
具体的には以下に示す水酸化物を添加することにより行
なわれる。
【0014】
【表2】
【0015】なお、本発明において一般式(I)の化合
物の対イオンの全てがナトリウム、リチウム及び/又は
上記一般式(II)である必要はなく、他のアルカリイオ
ンと混合することもできる。ナトリウム、リチウム及び
/又は上記一般式(II)のイオンの量としては一般式
(I)の化合物のモル数に対して30%以上、より好ま
しくは50%以上となるように添加されることが好まし
い。本発明のインク組成物は水を液媒体として使用する
ものであるが、記録液を所望の物性にするため、インク
の乾燥を防止するため、本発明の化合物の溶解安定性を
向上するため等の目的で下記の水溶性有機溶媒を使用す
ることが出来る。 エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、グリセロール、1,2,6−ヘキサ
ントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,
2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アル
コール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エ
チレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
エチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエー
テル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、
プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アル
コールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフ
ェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエー
テル等の多価アルコールアリールエーテル類;N−メチ
ル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロ
リドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプ
ロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合
物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−
ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールア
ミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モ
ノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等
のアミン類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオ
ジエタノール等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネ
ート、炭酸エチレン等である。これらの溶媒は水と共に
単独もしくは複数を混合して用いられる。これらの中で
特に好ましいものはジエチレングリコール、チオジエタ
ノール、ポリエチレングリコール200〜600、トリ
エチレングリコール、グリセロール、1,2,6−ヘキ
サントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ペト
リオール、1,5−ペンタンジオール、N−メチル−2
−ピロリドンであり、これらを用いることにより本発明
の一般式(I)の化合物の高い溶解性と水分蒸発による
噴射特性不良の防止に対して優れた効果が得られる。
【0016】本発明の一般式(I)の化合物以外で表面
張力を調整する目的で添加できる浸透剤としてはジエチ
レングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコ
ールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノア
リルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエー
テル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレン
グリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコール
のアルキル及びアリールエーテル類、フッ素系界面活性
剤、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール
類が上げられるが、特に好ましいのはジエチレングリコ
ールモノブチルエーテルである。本発明における表面張
力は紙への浸透性を示す指標であり特に表面形成されて
から1秒以下の短時間での動的表面張力で、飽和時間で
測定される静的表面張力とは異なる。この測定方法とし
ては特開昭63−31237号公報等に記載の公知の方
法で測定できるが、本発明ではWilhelmy式の吊
り板式表面張力計を用いて測定した。表面張力の値は5
0mJ/m2以下が好ましく、より好ましくは40mJ
/m2以下で、このようにすることで優れた乾燥性を得
ることが出来る。
【0017】着色剤として用いられる水溶性染料として
は、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染
料、塩基性染料、反応性染料、食用染料に分類される染
料で、耐水、耐光性に優れたものが用いられる。これら
の染料の具体例としては以下のものが上げられるがこれ
らに限定されるものではない。 酸性染料及び食用染料 C.I.アシッド.イエロー 17,23,42,44,79,142 C.I.アシッド.レッド 1,8,13,14,18,26,27,35, 37,42,52,82,87,89,92, 97,106,111,114,115,134 186,249,254,289 C.I.アシッド.ブルー 9,29,45,92,249 C.I.アシッド.ブラック 1,2,7,24,26,94 C.I.フード.イエロー 3,4 C.I.フード.レッド 7,9,14 C.I.フード.ブラック 1,2 直接染料 C.I.ダイレクト.イエロー 1,12,24,26,33,44,50, 120,132,142,144,86 C.I.ダイレクト.レッド 1,4,9,13,17,20,28,31, 39,80,81,83,89,225, 227 C.I.ダイレクト.オレンジ 26,29,62,102 C.I.ダイレクト.ブルー 1,2,6,15,22,25,71,76, 79,86,87,90,89,163, 165,199,202 C.I.ダイレクト.ブラック 19,22,32,38,51,56,71, 74,75,77,154,168,171 塩基性染料 C.I.ベーシック.イエロー 1,2,11,13,14,15,19,21 23,24,25,28,29,32,36, 40,41,45,49,51,53,63, 64,65,67,70,73,77,87, 91 C.I.ベーシック.レッド 2,12,13,14,15,18,22, 23,24,27,29,35,36,38, 39,46,49,51,52,54,59, 68,69,70,73,78,82,102 104,109,112 C.I.ベーシック.ブルー 1,3,5,7,9,21,22,26,35 41,45,47,54,62,65,66, 67,69,75,77,78,89,92, 93,105,117,120,122, 124,129,137,141,147, 155 C.I.ベーシック.ブラック 2,8 反応性染料 C.I.リアクティブ.ブラック 3,4,7,11,12,17 C.I.リアクティブ.イエロー 1,5,11,13,14,20,21, 22,25,40,47,51,55,65 67 C.I.リアクティブ.レッド 1,14,17,25,26,32,37, 44,46,55,60,66,74,79 96,97 C.I.リアクティブ.ブルー 1,2,7,14,15,23,32, 35,38,41,63,80,95 等が使用できる。特に酸性染料および直接染料が好まし
く用いることが出来る。
【0018】顔料としては有機顔料としてアゾ系、フタ
ロシアニン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジ
オキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン
系、イソインドレノン系、アニリンブラック、アゾメチ
ン系、ローダミンBレーキ顔料、カーボンブラック等が
上げられ、無機顔料として酸化鉄、酸化チタン、炭酸カ
ルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウ
ムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロ
ー、金属粉等があげられる。顔料分散剤としては親水性
高分子として、天然系ではアラビアガム、トラガンガ
ム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、
アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプ
ン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天
等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、
コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキス
トラン等の微生物系高分子、半合成系ではメチルセルロ
ース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチル
セルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸
ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデ
ンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プ
ロピレングリコールエステル等の海藻系高分子、純合成
系ではポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、
ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋
ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸及びそのアルカリ
金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹
脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフ
タレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン
酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコー
ル、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアル
カリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン
性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラック等
の天然高分子化合物等があげられる。
【0019】本発明のインクには上記着色剤、溶媒のほ
かに従来より知られている添加剤を加えることが出来
る。例えば防腐防かび剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウ
ム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1
−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタ
クロロフェノールナトリウム等が使用できる。pH調整
剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずにp
H7以上に調整できるものであれば、任意の物質を使用
出来ル。例えばジエタノールアミン、トリエタノールア
ミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウムトウのアリカリ金属元素の水酸化物、水
酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4
級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等があげら
れる。キレート試薬としては、例えばエチレンジアミン
四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロ
キシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチ
レントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナト
リウム等が上げられる。防錆剤としては、例えば酸性亜
硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アン
モン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸
ペンタエリストール、ジシクロヘキシルアンモニウムニ
トライト等がある。その他目的に応じて水溶性紫外線吸
収剤、水溶性赤外線吸収剤、界面活性剤等を添加するこ
ともできる。
【0020】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、各実施例に用いた化合物(I−1)〜(I−1
0)は合成後イオン交換樹脂を用いて精製を行なったも
のを使用した。
【0021】実施例1 下記処方の組成物を60℃でかくはん溶解し、室温にて
放冷後、pHが8になるように水酸化リチウム10%水
溶液にて調整し、これを0.22μmのテフロンフィル
ターにて濾過しイエローインク1を調製した。 C.I.アシッドイエロー23 1.2重量% グリセロール 5重量% ジエチレングリコール 5重量% 化合物(I−1) 0.8重量% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量% イオン交換水 87.8重量%
【0022】実施例2 下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、水酸化
ナトリウムでpHを9にしてマゼンタインク1を調製し
た。 C.I.アシッドレッド254 1.7重量% 1,2,6−ヘキサトリオール 8重量% 1,5−ペンタジオール 8重量% 化合物(I−2) 1.2重量% 化合物(II−1)の25%水溶液 0.8重量% 2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.2重量% イオン交換水 80.1重量%
【0023】実施例3 下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、水酸化
リチウムでpHを9にしてシアンインク1を調製した。 C.I.アシッドブルー249 1.9重量% N−メチル−2−ピロリドン 5重量% グリセロール 2重量% プロピレングリコールモノブチルエーテル 2重量% 化合物(I−3) 1.2重量% 化合物(II−3)の25%水溶液 0.5重量% デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量% イオン交換水 88.4重量%
【0024】実施例4 下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、水酸化
リチウムでpHを9にしてブラックインク1を調製し
た。 C.I.フードブラック2 3.2重量% エチレングリコール 5重量% 1,5−ペンタンジオール 10重量% グリセロール 2重量% 化合物(I−4) 0.8重量% 化合物(II−4)の25%水溶液 2重量% 安息香酸ナトリウム 0.2重量% イオン交換水 76.8重量%
【0025】実施例5 下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、水酸化
ナトリウムでpHを9にしてイエローインク2を調製し
た。 C.I.ダイレクトイエロー120 1重量% トリエチレングリコール 5重量% ペントリオール 10重量% 化合物(I−5) 2重量% 化合物(II−2)の25%水溶液 1.5重量% イオン交換水 80.5重量%
【0026】実施例6 下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、水酸化
リチウムでpHを9にしてマゼンタインク2を調製し
た。 C.I.ダイレクトレッド9 1.5重量% プロピレングリコール 8重量% グリセロール 7重量% 化合物(I−6) 1重量% 化合物(II−7)の25%水溶液 2重量% イオン交換水 80.5重量%
【0027】実施例7 下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、水酸化
リチウムでpHを9にしてシアンインク2を調製した。 C.I.ダイレクトブルー199 1.8重量% N−メチル−2−ピロリドン 8重量% 1,5−ペンタンジオール 8重量% 化合物(I−1) 0.8重量% 安息香酸ナトリウム 0.1重量% イオン交換水 81.3重量%
【0028】実施例8 下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、水酸化
ナトリウムでpHを9にしてブラックインク2を調製し
た。 C.I.ダイレクブラック168 2.8重量% チオジエタノール 5重量% グリセロール 10重量% 化合物(I−7) 1.5重量% 安息香酸 0.1重量% イオン交換水 80.1重量%
【0029】実施例9 実施例8の化合物(II−7)にかえてイオン交換樹脂を
用いて精製したSAS60(ヘキスト社製)を使用した
以外は同様にしてブラックインク3を調製した。
【0030】比較例1 実施例1において化合物(I−1)を除いたほかは同様
にして比較用のイエローインク3を調製した。 比較例2 実施例2において化合物(I−2)をジ(2−エチルヘ
キシル)スルホコハク酸ナトリウムにかえた以外は同様
にして比較用のマゼンタインク3を調製した。 比較例3 実施例3において化合物(I−3)をドデシルベンゼン
スルホン酸にかえた以外は同様にして比較用のシアンイ
ンク3を調製した。 比較例4 実施例4において化合物(II−4)の25%水溶液を除
いたほかは同様にして比較用のブラックインク4を調製
した。 比較例5 実施例5において化合物(I−10)をラウリル硫酸ナ
トリウムにかえた以外は同様にして比較用のイエローイ
ンク4を調製した。 比較例6 実施例6において化合物(II−7)の25%水溶液を除
いたほかは同様にして比較用のマゼンタインク4を調製
した。 比較例7 実施例7において化合物(I−1)をドデシル硫酸ナト
リウムにかえた以外は同様にして比較用のシアンインク
4を調製した。 比較例8 実施例8の化合物(I−7)にかえて未精製のSAS6
0(ヘキスト社製)を使用した以外は同様にして比較用
のブラックインク5を調製した。
【0031】次に上記実施例及び比較例について下記の
試験を行なった。 (1)画像の鮮明性 サーマルインクジェット方式の300dpiのノズルを
有するインクジェットプリンターA及び積層PZTを液
室流路の加圧に使用した300dpiのノズルを有する
インクジェットプリンターBにて印字を行ない、2色重
ね部境界のにじみ、画像にじみ、色調、濃度を目視によ
り総合的に判断した。印字用紙には市販の再生紙、上質
紙及びボンド紙の3種類を用いた。 (2)画像の乾燥性 印字後の画像に一定条件で濾紙を押しつけインクが濾紙
に転写しなくなるまでの時間を測定した。いずれの紙に
おいても10秒以内で乾燥した場合には○と判定した。 (3)保存安定性 各インクをポリエチレン容器に入れ、−20℃、5℃、
20℃、70℃のそれぞれの条件下で3ヵ月間保存し、
保存後の表面張力、粘度及び沈殿物析出の有無を調べ
た。いずれの条件下で保存しても物性等の変化がないも
のを○とした。 (4)印字休止時の信頼性 プリンターBにおいてプリンター動作中にキャップ、ク
リーニング等を行なわないで印字休止した後、復帰でき
るかを調べ、どれだけの時間(秒)で噴射方向がずれる
か、あるいは吐出液滴の重量が変化するかでその信頼性
を評価した結果を表3に示す。
【0032】
【表3】
【0033】
【効果】表3の結果から明らかなように本発明の水性イ
ンク組成物は紙表面に対する濡れ性が改善され、インク
ジェットインクとしての諸特性を満足し、乾燥性に優れ
且つ画質の劣化が少なく特に2色の境界部分における画
像の境界にじみが改良されるとともに対イオン、無機塩
素の含有量を規定することにより、より吐出安定性及び
保存安定性等の信頼性に優れたインクジェット用水性イ
ンク組成物を提供することが出来る。また本発明の水性
インク組成物により所謂普通紙とインクジェット用コー
ト紙のいずれに対しても良好な濡れ性を示し、にじみの
少ないカラー画像を形成できる記録方法を提供すること
が出来る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水に分散又は溶解する着色剤、水及び湿潤
    剤とともに、下記一般式(I)で表される化合物の少な
    くとも一種を含有することを特徴とする水性インク組成
    物。 【化1】 (式中、Mはアルカリ金属イオン、第4級アンモニウ
    ム、第4級ホスホニウム、アルカノールアミンを表し、
    m及びnは0以上の整数で、それらの和は10〜14で
    ある。)
  2. 【請求項2】前記一般式(I)で表される化合物の対イ
    オンがナトリウム、リチウム及び/又は下記一般式(I
    I)で表される第4級アンモニム、第4級ホスホニウ
    ム、アルカノールアミン陽イオンであることを特徴とす
    る請求項1記載の水性インク組成物。 【化2】 (式中、Yは窒素又はリンを表し、R1〜R4は各々水素
    原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル
    基、ハロゲン化アルキル基を表す。)
  3. 【請求項3】無機塩の含有量が100ppm以下である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の水性インク組成
    物。
  4. 【請求項4】請求項1記載の水性インク組成物を微細な
    吐出口より吐出して液滴として飛翔させ、ステキヒトサ
    イズ度が3秒以上の被記録材に画像を形成することを特
    徴とする記録方法。
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