JPH0753214A - チタン酸アルカリ粉末、その製造方法、その含有複合材料及びチタン酸アルカリ焼結体の製造方法 - Google Patents

チタン酸アルカリ粉末、その製造方法、その含有複合材料及びチタン酸アルカリ焼結体の製造方法

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JPH0753214A
JPH0753214A JP5216840A JP21684093A JPH0753214A JP H0753214 A JPH0753214 A JP H0753214A JP 5216840 A JP5216840 A JP 5216840A JP 21684093 A JP21684093 A JP 21684093A JP H0753214 A JPH0753214 A JP H0753214A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】プラスチック、塗料、化粧品、潤滑材、触媒担
体、ブレーキ材、耐熱材、断熱材、絶縁材、イオン導電
体、イオン交換体等に利用できる新規な形状のチタン酸
アルカリを提供する。 【構成】チタン源として1μm以下の酸化チタン、アル
カリ源として水に可溶性の炭酸塩を用い、アルカリ水溶
液にチタン源が分散したスラリーをスプレードライヤ等
で処理し、球状のチタン酸アルカリを得る。 【効果】球状粉末は高密度で流動性、分散性等に優れ各
種の複合材料に有用である。従来ウィスカに比しメルト
フローレート(MFR)の低下も少ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な粒子形状を有す
るチタン酸アルカリ粉末、その製造方法、そのチタン酸
アルカリ粉末を含有する複合材料及びそのチタン酸アル
カリ粉末を焼結して得られる焼結体の製造方法に関す
る。本発明は、プラスチック、塗料、化粧品、潤滑材、
触媒担体、ブレーキ材、耐熱材、断熱材、電気絶縁材、
イオン導電体、イオン交換体等に利用することができ
る。
【0002】
【従来の技術】チタン酸アルカリはTiO2 −M2
(M:アルカリ金属)で示される複合酸化物でTiO6
八面体の連鎖が、トンネル構造、層状構造、食塩型構造
等の結晶構造を形成しているものである。この構造に基
づく特性を利用して、イオン導電体、耐熱材料、断熱材
料、電気絶縁材料、摩擦材料、イオン交換体等としての
用途が期待されている。従来、チタン酸アルカリの中で
開発が最も進んでいるのは、チタン酸カリウムであり、
それは繊維形状(ウィスカ)として合成し、プラスチッ
クス等の強化繊維として実用化されている。
【0003】チタン酸カリウムの開発は、長繊維化、高
アスペクト比(繊維長/繊維幅)、形状均一性の向上、
形状的不純物(ショット)の低減化、繊維収率の向上等
を図るための繊維形状の改良技術に指向されている。こ
れらはプラスチックス等の補強材としての性能を重視し
たものである。繊維の補強性能は、マトリックス中に配
向することによって、繊維複合材料を高強度化すること
にある。この配向は繊維複合材料を高強度化する反面、
反りや歪みを発生させ、寸法精度を低下させる欠点を持
つ。また、混練等による複合化の際に、繊維形状は混練
物の粘度を著しく増加させ、繊維をマトリックス中に一
様に分散させることが困難になる。
【0004】また、繊維状粉末は、嵩高く、流動性が悪
く、扱いにくいという性質がある。さらに、繊維状粉末
は粉塵が発生しやすく、作業環境上の問題もある。繊維
状粉末では、例えばアスベストの発ガン性が問題になっ
ているが、その原因は繊維状の形状に関係するとの見方
もあり、生体との反応は明らかではないが、いずれにし
ても繊維状粉末の飛散を生じさせないことが望ましい。
従来、チタン酸カリウムを含めて、チタン酸アルカリを
球状に合成した例は知られていない。従来、球状のフィ
ラーとしては、ガラスビーズ、ガラスバルーン、シラス
バルーン等が使用されているにすぎない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、球状
のチタン酸アルカリ粉末及びその製造方法を提供するこ
とである。本発明の他の目的は、球状のチタン酸アルカ
リ粉末の優れた特性を十分に発揮することができるチタ
ン酸アルカリ粉末含有複合材料を提供することである。
さらに、本発明の目的は高密度のチタン酸アルカリ焼結
体を製造する簡易な方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の技術的構成は次の通りである。本発明は、粒
径1000μm以下の球状の形状を特徴とするチタン酸
アルカリ粉末である。このような球状チタン酸アルカリ
粉末の製造方法は、水可溶性のアルカリ源を溶解した水
溶液に粒径1μm以下のチタン源を混合してスラリーを
調製し、このスラリーを700〜1200℃の雰囲気中
に噴霧して焼成することによるか、あるいは、噴霧乾燥
後に700〜1200℃で焼成することによって達成す
ることができる。また、上記球状チタン酸アルカリは、
粒径1μm以下のチタン源と、粒径100μm以下の粉
末アルカリ源とを乾式混合し、700〜1200℃で焼
成することによっても製造することができる。
【0007】また、本発明は、上記球状チタン酸アルカ
リ粉末を含有させた球状チタン酸アルカリ粉末含有複合
材料を提供する。具体的には、マトリックスが熱可塑性
樹脂である球状チタン酸アルカリ粉末含有複合材料、又
は、マトリックスが熱硬化性樹脂である球状チタン酸ア
ルカリ粉末含有複合材料が優れた特性を示す。なお、上
記球状チタン酸アルカリ粉末を含有させた摩擦材料、塗
料、化粧品も、優れた特性を発揮する。さらに本発明
は、上記球状チタン酸アルカリ粉末を原料に乾式プレス
等で成形し、この成形体を焼結して高密度チタン酸アル
カリ焼結体を製造する方法を提供する。
【0008】
【作用】例えば、チタン酸カリウムは、高い白色度、低
いモース確度、低い熱伝導率、高い屈折率といった物性
をもち、耐熱性、耐薬品性、摺動特性に優れる等の物質
としての特性をもっている。これらの特性に球状という
形状効果が付与されれば、その特徴を生かして、従来の
用途とは異なるさまざまな応用が可能になる。通常の方
法で合成されるチタン酸アルカリの形状は、柱状、板
状、不定形等あるいはそれらの混在した形状である。本
発明のチタン酸アルカリは、粒子が球状であって、原
料、混合方法、焼成条件について研究の結果開発された
ものである。この技術はカリウムはもちろん、その他の
アルカリ、例えばLi、Na、Rb、その他についても
適用できるものである。
【0009】本発明の球状のチタン酸アルカリの製造方
法は、原料を混合する工程と、焼成する工程とから構成
されている。原料を混合する工程は湿式でも乾式でも製
造することができる。
【0010】湿式による混合方法では、水可溶性のアル
カリ源を溶解した水溶液にTi源を分散させてスラリー
を調製する。Ti源としては、酸化チタン、含水酸化チ
タン等を用いることができ、粒径は1μm以下の粒子で
ある。1μmを越えると、球状のチタン酸アルカリ粉末
を得ることが困難となる。アルカリ源としては、水に可
溶性の炭酸塩、炭酸水素塩、硝酸塩、硫酸塩、蓚酸塩等
を用いる。必要に応じ分散剤やバインダを添加すること
もできる。このスラリーをスプレードライヤ等で乾燥す
ることによって水に溶解していたアルカリ源が結晶析出
し、その結果混合物が得られる。原料の種類、調合比、
その他条件に応じて、700〜1200℃の温度範囲で
焼成することでチタン酸アルカリの球状粉末が得られ
る。温度が700℃未満ではチタン酸アルカリが生成し
ない。一方、1200℃を越える温度では結晶が過成長
し、板状や不定形状となるので好ましくない。または、
温度が700〜1200℃の範囲内の雰囲気中でスラリ
ーを噴霧すれば乾燥と焼成を同時に行うことができ、球
状のチタン酸アルカリ粉末が生成する。乾式による混合
方法では粉砕等によって粒度を調整されたアルカリ源の
原料を使用する。アルカリ源として用いる炭酸塩、炭酸
水素塩、硝酸塩、硫酸塩等は、平均粒径が300μm程
度の通常の粗粒子では本発明の球状チタン酸アルカリ粉
末の生成には適さない。粒径100μm以下の粉状のも
のが必要である。さらに好ましくは40μm以下のもの
が好適である。混合機としては、ヘンシェルミキサ、ス
ーパーミキサ、スパルタンリューザー(機器名)等が適
する。混合時にバインダを加えることによって粒径等の
調整もできる。
【0011】焼成工程は、湿式混合の場合と同様に、目
的とするチタン酸アルカリ粉末の性状、アルカリ源の種
類、調合比等に応じて、温度700℃〜1200℃の範
囲で行う。700℃以上とするのはチタン酸アルカリを
生成させる反応温度以上に保つためであり、1200℃
以下に制限するのはチタン酸アルカリ結晶の粒成長を抑
え、かつ、球状に焼結させる条件に適合させるためであ
る。得られた球状のチタン酸アルカリ粉末は、利用する
目的に合わせて分級することが好ましい。球状のチタン
酸アルカリ粉末はその形状に由来する粉体特性として、
嵩密度が高く、流動性に優れる。従って、ハンドリング
性と作業性が良い。また、転がりがよく、伸展性(の
び)に優れる。このことは動摩擦係数が小さいことで説
明することができる。
【0012】本発明の球状チタン酸アルカリ粉末をプラ
スチックスや塗料等と複合させる場合、粘度増加が少な
いため、複合材料の流動特性、加工性を向上することが
できる。例えばMFR(メルトフローレート)の低下が
少ない。この特性を利用すれば高充填の複合材料を作る
ことができる。MFRは、JIS K7210に規定さ
れている流動性である。また、本発明の球状チタン酸ア
ルカリ粉末を混入した成形品は等方性を有し、応力分布
や収縮が均一であるため、表面平滑性に優れ、反りがな
く寸法安定性に優れている。これらの複合材料はチタン
酸アルカリ粉末が球状であるため生ずる形状効果の他
に、チタン酸アルカリの本来の特性を付与されるため、
耐薬品性、耐熱性、機械的強度の向上等も図ることがで
きる。
【0013】さらに、これらの複合材料は球状のチタン
酸アルカリ粉末を他のフィラーと併用した場合にも効果
が現れる。この場合、球状チタン酸アルカリ粉末が存在
することによって、次の効果が現れる。 (1)フィラー全体の分散が改善される。 (2)寸法安定性に優れる成形品を得ることができる。 (3)機械的強度が向上する。 (4)品質の均質性が改善される。 (5)生産能力が増加する。 摺動特性に優れるチタン酸アルカリ粉末を摩擦材に利用
する場合、球状チタン酸アルカリ粉末を用いれば、更に
優れた摩擦材を得ることができる。すなわち、温度が上
昇しても摩擦係数が低下せず、摩耗量も少ないので、ブ
レーキ材等に好適である。
【0014】さらに、塗料に配合しても、塗膜の耐摩耗
性の向上を図ることができる。化粧品用粉体として白色
顔料に要求される特性としては、動摩擦係数が小さく、
被覆性が高いこと等が挙げられる。チタン酸アルカリ粉
末はもともと被覆性が高く、隠蔽力が高いので、球状の
チタン酸アルカリ粉末は、化粧品用途として有用であ
る。チタン酸アルカリの高密度焼結体を得る原料として
も、本発明の球状のチタン酸アルカリ粉末は有用であ
る。すなわち、充填性が高いため、乾式プレス等簡易な
装置を用いた成形によって高密度の成形体を得ることが
でき、この成形体を常圧焼結することによって高密度な
焼結体とすることができる。従って、ホットプレスやH
IPなどの高価な設備を必要としない。水中での沈降性
に優れる本発明の球状のチタン酸アルカリ粉末は、固液
分離容易なイオン交換体として用いることも期待され
る。
【0015】
【実施例】
実施例−1 平均粒径0.3μmのアナターゼ型酸化チタンと、種々
の粒度の炭酸カリウムをTiO2 /K2 O=6のモル比
に計量し、表1に示す製造条件で混合した。各温度で大
気中で1時間焼成した焼成品を、走査型電子顕微鏡で形
状を観察し、球状のものについては、画像解析による統
計処理で平均の円形度と円相当径を算出し、表1に示し
た。表1中の円形度及び円相当径は次式で求めた。 円形度=4π×(面積)/(周囲長)2 円相当径=2×√(面積/π) 生成相は、粉末X線回析で決定した。実施例では優れた
球状を示し、嵩比重も比較例では0.35〜0.37で
あったが、実施例では0.57〜0.78と非常に大き
い値を示している。
【0016】実施例−2 1μm以下のチタン原料と、44μm以下に粉砕したそ
れぞれ、Li、Na、K、Rb化合物である各種のアル
カリ原料とを調合し、スパルタンリューザーで混合し
た。更に、各温度で大気中1時間焼成した焼成品を実施
例−1と同様に評価した。結果を表2に示した。粒子形
状はいずれも球状を示し、平均円相当径19〜28μ
m、平均円形度0.81〜0.93、嵩比重0.55〜
0.61の球状チタン酸アルカリを得ることができた。
【0017】実施例−3 平均粒径が0.3μmのアナターゼ型酸化チタンと、4
4μm以下に粉砕したK2 CO3 をTiO2 /K2 O=
6のモル比に調合し、ヘンシェルミキサで混合した混合
粉末をロータリーキルンで最高温度940℃、滞留時間
2時間で焼成し、球状K2 Ti613を得た。得られた
球状K2 Ti613を乾式分級し、粗いものを除くこと
によって、図2(写真)に示すような平均円相当径11
μm、平均円形度0.91の球状粉を得た。この球状粉
を化粧品用途に使用されるタルク、マイカ、カオリンの
粉末と比較して動摩擦係数を測定した結果を表3に示
す。表3に示すように、本発明の粉体は比較例に比し、
非常に優れた滑沢性を有するものである。
【0018】実施例−4 実施例−3で得た平均円相当径11μmの球状K2 Ti
613と鐘紡(株)製、PBT720(ポリブチレンテ
レフタレート)を所定の配合割合で2軸スクリュー混練
押出機により溶融混和させた後、ペレタイザでペレット
を製造した。得られたペレットをJIS K7210に
よるMFRを250℃、2160gの荷重下で測定した
結果を図1に示す。なお、比較のため市販されているK
2 Ti613ウィスカ(繊維長10〜20μm、繊維径
0.2〜0.5μm)についても同様の試験を行い、図
1に併せて示した。図1から明らかなように、球状チタ
ン酸カリウムはウィスカに比し配合量増加に伴うMFR
の低下が著しく小さい。
【0019】実施例−5 POM(ポリアセタール樹脂)(ポリプラスチック
(株)製M90)と表4に示す配合組成の原料を2軸ス
クリュー押出混練機で溶融、混和させた後、ペレタイザ
にてペレットを製造した。なお、球状K2 Ti613
実施例3で得たものでK2 Ti613ウイスカは繊維長
10〜20μm、繊維径0.2〜0.5μmのものを使
用した。次いで、このペレットを射出成形して各試験片
を得た。これらの試験片の特性を測定し表4に示した。
試験片の試験方法は、引張強度:JIS K7111、
曲げ強度:JIS K7203、曲げ弾性率:JIS
K7203、アイゾット衝撃強度:JIS K711
0、熱変形温度:JIS K7207にて測定し、MF
RはJIS K7210により190℃、2160gの
荷重下で測定した。表面平滑性と反りは、目視で判定し
た。表4から明らかなように、球状のチタン酸カリウム
粉末を添加した試験片は、ウィスカ状のチタン酸カリウ
ムやガラス繊維を添加した射出成形品に比し、MFRの
低下が少なく、表面平滑性が高く反りが少ない。また、
ウィスカ状のチタン酸カリウムやガラス繊維と併用した
場合、MFRの低下が少なく強度の増加、熱変形温度が
同等となり、表面平滑性や反りなどの特性が向上してい
る。
【0020】実施例−6 実施例−3で得られた本発明の球状K2 Ti613を表
5に示す配合組成に配合したものをニーダで混練した
後、140℃で圧縮成形して複合不飽和ポリエステル樹
脂成形体を製造した。得られた複合不飽和ポリエステル
樹脂成形体の曲げ試験は、JIS K7203により、
4×10×80mmの試験片で行い、引張試験はJIS
K7113の3号試験片で行った。結果を表5に示し
た。表5から明らかなように、球状チタン酸カリウム粉
末を配合した実施例では混練が容易で曲げ強度、曲げ弾
性率が高く、引張強度が優れている。
【0021】実施例−7 本発明の球状K2 Ti613及び市販のK2 Ti613
ウィスカをそれぞれ表6に示す配合組成で均一に混合し
た後、金型中において温度150℃、圧力250kg/
cm2 で圧縮成形し、その後180℃で熱処理し、試験
体を作製した。得られた試験体について、JIS D4
411の摩擦性能試験を行った。その結果を表6に示し
た。実施例では摩擦係数が100℃で比較例より小さ
く、200℃、350℃でもほとんど低下することな
く、摩耗量も100℃で比較例と同等以下であり、20
0℃、350℃における摩耗量増加は比較例に比し、著
しく小さく、優れた耐摩耗性能を有している。
【0022】実施例−8 平均粒径0.5μmのルチル型酸化チタンと44μm以
下に粉砕したNa2 CO3 をTiO2 /Na2 O=6の
モル比に調合しヘンシェルミキサーで混合した。この混
合粉末をローラーハース式連続焼成炉で、大気中、最高
温度1050℃、焼成時間2時間30分で焼成し、球状
Na2 Ti613粉末を得た。得られた球状Na2 Ti
613粉末を乾式分級によって粗いものを除き、平均円
相当径12μm、平均円形度0.89の球状粉末を得
た。この球状Na2 Ti613粉末を用いて、2mmφ
のガラスビーズをメディアにしたSGIサンドミルで表
7に示す配合A、B、C、Dにより塩化ゴム系樹脂ワニ
スを塗料化した。分散時間を3〜15分として外観を調
べた結果を表8に示す。球状のNa2 Ti613粉末は
分散が良好である。さらに15分間分散して得た塗料を
鋼板に吹きつけ塗りを行い、テーバー式耐摩耗性テスト
(砥石CS12、荷重750g、50回転)を実施した
結果を表9に示す。実施例B、Dは減量が少なく耐摩耗
性に優れている。
【0023】実施例−9 表10に示す形状の異なるK2 Ti613を500kg
/cm2 の圧力で一軸加圧成形した成形体を1150℃
で3時間、大気中で焼成して焼結体を得た。得られた焼
結体の密度と3点曲げ強度を調べた。結果を表10に示
す。ウィスカ及びウィスカの粉砕品に比べ、球状K2
613粉末を原料とした焼結体は相対密度が高く、曲
げ強度が著しく大きい。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】
【表7】
【0031】
【表8】
【0032】
【表9】
【0033】
【表10】
【0034】
【発明の効果】本発明の球状チタン酸アルカリは従来の
繊維状チタン酸カリウムに比し、高密度で流動性がよく
ハンドリングや作業性に優れ、プラスチックス、塗料、
化粧品、潤滑材、触媒担体、ブレーキ材、耐熱材、断熱
材、電気絶縁材、イオン導電体、イオン交換体に用いる
と優れた性能を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】チタン酸カリウム配合量とMFRとの関係を示
すグラフである。
【図2】実施例3で得られた代表的な球状チタン酸アル
カリの走査型電子顕微鏡写真(倍率200倍)である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径1000μm以下の球状の形状を特
    徴とするチタン酸アルカリ粉末。
  2. 【請求項2】 水可溶性のアルカリ源を溶解した水溶液
    に粒径1μm以下のチタン源を混合してスラリーを調製
    し、噴霧乾燥後700〜1200℃で焼成するか、該ス
    ラリーを700〜1200℃の雰囲気中に噴霧して焼成
    することを特徴とする請求項1記載のチタン酸アルカリ
    粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】 粒径1μm以下のチタン源と、粒径10
    0μm以下のアルカリ源とを乾式混合し、700〜12
    00℃で焼成することを特徴とする請求項1記載のチタ
    ン酸アルカリ粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のチタン酸アルカリ粉末を
    含有させた材料であることを特徴とする請求項1記載の
    チタン酸アルカリ粉末含有複合材料。
  5. 【請求項5】 マトリックスが熱可塑性樹脂であること
    を特徴とする請求項4記載のチタン酸アルカリ粉末含有
    複合材料。
  6. 【請求項6】 マトリックスが熱硬化性樹脂であること
    を特徴とする請求項4記載のチタン酸アルカリ粉末含有
    複合材料。
  7. 【請求項7】 材料が摩擦材料であることを特徴とする
    請求項4記載のチタン酸アルカリ粉末含有複合材料。
  8. 【請求項8】 材料が塗料であることを特徴とする請求
    項4記載のチタン酸アルカリ粉末含有複合材料。
  9. 【請求項9】 材料が化粧品であることを特徴とする請
    求項4記載のチタン酸アルカリ粉末含有複合材料。
  10. 【請求項10】 請求項1記載のチタン酸アルカリ粉末
    を成形し、焼結することを特徴とするチタン酸アルカリ
    焼結体の製造方法。
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