JP2001002413A - マグネシアスピネル粉末の製造方法 - Google Patents

マグネシアスピネル粉末の製造方法

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JP2001002413A
JP2001002413A JP11172465A JP17246599A JP2001002413A JP 2001002413 A JP2001002413 A JP 2001002413A JP 11172465 A JP11172465 A JP 11172465A JP 17246599 A JP17246599 A JP 17246599A JP 2001002413 A JP2001002413 A JP 2001002413A
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浩 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼結性に優れ、緻密な焼結体が得られ、かつ
焼結時の変形の少ないマグネシアスピネル粉末の製造方
法を提供する。 【解決手段】 水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム及び鉱化剤を混合する第1工程、得られた混合物をそ
のBET比表面積が2m2/g〜5m2/gになる迄焼成
する第2工程、得られた焼成品を粉砕する第3工程から
なる、マグネシアスピネル粉末の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマグネシアスピネル
粉末の製造方法に関する。詳細には、焼結性に優れ、緻
密な焼結体が得られ、かつ焼結時の変形の少ないマグネ
シアスピネル粉末の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マグネシアスピネルは、高融点、透光性
等の優れた特性を有することにより、金属産業、化学産
業、セラミックス産業において使用されている。特に、
高温腐蝕環境における耐食性に優れることから近年その
利用分野は広範囲にわたっている。例えば、耐火物43
〔1〕(1991)第29頁〜第37頁には、マグネシ
アスピネル焼結体の物性が開示され、マグネシアスピネ
ルを転炉の内壁等に適用する場合にはCaO−FeO−
SiO2系転炉スラグの浸透を抑制する作用があること
が記載されている。
【0003】マグネシアスピネルの耐食性はその結晶粒径、
焼結密度により変わることが知られている。結晶粒径、
焼結密度に関しては、高い焼結性を有するマグネシアス
ピネル粉末を用い、成形・焼結させることにより、結晶
粒径が小さく、かつ高い焼結密度を有するマグネシアス
ピネルが得られ、耐食性を向上させることが可能であ
る。
【0004】従来より、マグネシアスピネル粉末の製造方法
として、酸化マグネシウムと酸化アルミニウムとを高温
下で反応させる方法、酸化マグネシウムと酸化アルミニ
ウムとの混合物にホウ素若しくはフッ化物を添加して高
温下で反応させる方法、Mg2+及びAl3+イオンを含む
溶液を加水分解、熱分解する方法は知られている。
【0005】しかし、高温下で反応させる方法では、得られ
るマグネシアスピネル成形体に変形が生じることがあ
り、セラミックス等寸法精度を要求される分野において
は不適であった。
【0006】一方、特開平7−187806号公報には、前
記方法の改良方法としてアルミニウム金属粉末を用いる
方法が開示され、ベーム石とアルミニウム金属粉末及び
水酸化マグネシウムを混合して得られた混合物を湿式粉
砕した後、乾燥、焼結する方法が記載されている。
【0007】しかしながら、前記のアルミニウム金属粉末を
用いる方法は焼結時の収縮が抑制され、得られるマグネ
シアスピネル成形体の変形を低減できる利点はあるがア
ルミニウム金属粉末は取り扱いが困難であり、又焼結時
の雰囲気が酸化雰囲気に制限されることがあった。従っ
て、アルミニウム金属粉末を用いない方法であって、焼
結性に優れ、緻密な焼結体が得られ、なおかつ焼結時の
変形の少ないマグネシアスピネル粉末の製造方法の開発
が要望されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、焼結
性に優れ、緻密な焼結体が得られ、かつ焼結時の変形の
少ないマグネシアスピネル粉末の製造方法を提供するこ
とにある。
【0009】かかる事情下に鑑み、本発明者はマグネシアス
ピネル粉末の製造方法について鋭意検討を重ねた結果、
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム及び鉱化剤を
混合した後、得られた混合物を特定条件で焼成し、粉砕
する場合には、上記課題を全て解決し得ることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は水酸
化アルミニウム、水酸化マグネシウム及び鉱化剤を混合
する第1工程、得られた混合物をそのBET比表面積が
2m2/g〜5m2/gになる迄焼成する第2工程、得ら
れた焼成品を粉砕する第3工程からなる、マグネシアス
ピネル粉末の製造方法を提供するにある。
【0011】また、本発明は水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、鉱化剤並びにステアリン酸、ステアリン酸
塩、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリ
セリン、エタノール及びイソプロパノールからなる群よ
り選ばれた少なくとも1種の添加剤を混合する第1工
程、得られた混合物をそのBET比表面積が2m2/g
〜5m2/gになる迄焼成する第2工程、得られた焼成
品を粉砕する第3工程からなる、マグネシアスピネル粉
末の製造方法を提供するにある。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の第1工程は、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム及び鉱化剤を混合する工
程である。
【0013】本発明に用いる水酸化アルミニウムは式Al2
3・nH2O(式中nは1〜3である。)で示される水
酸化アルミニウムが挙げられ、就中、Al23・3H2
Oで示される水酸化アルミニウムの適用が推奨される。
【0014】前記水酸化アルミニウムの製造方法としては安
価に多量に入手可能であることよりアルミン酸ナトリウ
ム溶液を加水分解する方法等が推奨される。前記水酸化
アルミニウムは、焼成温度、焼成時間、マグネシアスピ
ネル粉末の目的粒子径等により異なり一義的ではない
が、平均粒子径が約10μm以下、好ましくは約0.1
μm〜約5μmであり、D90/D10が約2〜約25であ
り、Na2O含有量0.5重量%以下、好ましくはNa2
O含有量0.01重量%〜0.4重量%、SiO2は含
有量が約0.001重量%〜約0.05重量%であり、
BET比表面積が約1m2/g〜約10m2/gである。
【0015】本発明に用いる水酸化マグネシウムは式MgO
・H2Oで示される水酸化マグネシウム等が挙げられ
る。
【0016】前記水酸化マグネシウムの製造方法としては、
例えば、海水中のマグネシウム塩と石灰乳の反応によっ
て生成する水酸化マグネシウムを精製する方法、マグネ
シウムアルコキシドを加水分解する方法等がある。ま
た、前記水酸化マグネシウムは、通常、平均粒子径が1
μm以下、好ましくは0.01μm〜0.5μmであ
り、D90/D10が約2〜約25であり、Na2O含有量
が約0.001重量%〜約0.3重量%であり、SiO
2は含有量が約0.001重量%〜約0.3重量%であ
り、BET比表面積が約2m2/g〜約50m2/gであ
る。
【0017】本発明に用いる鉱化剤としては、例えばフッ化
水素、フッ化アルミニウム若しくはフッ化マグネシウム
等のフッ化物又は塩化水素、塩化アルミニウム若しくは
塩化マグネシウム等の塩化物等が挙げられ、就中フッ化
アルミニウム及び/又はフッ化マグネシウムの適用が推
奨される。前記鉱化剤の混合量(フッ化物の場合にはF
換算、塩化物の場合はCl換算で示す。)は、焼成温
度、昇温速度等により異なり一義的ではないが、通常、
水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムとの合量10
0重量部に対し約0.01重量部〜約10重量部、好ま
しくは約0.3部〜約3重量部である。鉱化剤の混合量
が約0.01より少ない場合には混合の効果が見られ
ず、約10重量%より多い場合にはもはや混合量に見合
う効果が得られないなかりか、得られるマグネシアスピ
ネルを成形・焼結する場合には高い焼結密度を有するマ
グネシアスピネル焼結体が得られないことがある。
【0018】前記混合は、例えば、水平円筒型混合機、傾斜
円筒型混合機、V型混合機、二重円錐混合機、正立立方
混合機、S字型混合機、連続V型混合機等の容器回転式
混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、ロッド
型混合機、ピン型混合機、複軸型混合機、円錐型スクリ
ュー型混合機、高速流動型混合機、回転円板混合機、マ
ラー型混合機等の機械攪拌式混合機、気流式混合機、振
動ミル等のボールミル等を用いて乾式で行えばよく、就
中乾式振動ミルの適用が推奨される。
【0019】混合に際しては、例えば水酸化アルミニウム、
水酸化マグネシウム及び鉱化剤を混合機に入れ、約0.
5時間〜約10時間混合すればよい。水酸化アルミニウ
ムと水酸化マグネシウムの混合量はマグネシアスピネル
の化学量論比となるように各々の混合量を決めればよ
い。また、鉱化剤としてフッ化アルミニウム及び/又は
フッ化マグネシウムを用いる場合には、得られるマグネ
シアスピネル粉末がマグネシアスピネルの化学量論組成
となるように、フッ化物として混合されるアルミニウム
及び/又はマグネシウムの量を考慮して水酸化アルミニ
ウムと水酸化マグネシウムの混合量を決めることが好ま
しい。典型的には、水酸化アルミニウム72.5重量
部、水酸化マグネシウム27.5重量部及びフッ化アル
ミニウム1.5重量部を振動ミルに入れ約1時間混合す
る方法、水酸化アルミニウム72.5重量部、水酸化マ
グネシウム27.5重量部及び塩化アルミニウム1.2
5重量部(Cl換算1重量部)を振動ミルに入れ約1時
間混合する方法等が挙げられる。
【0020】また、成形体のマグネシアスピネル単一相化を
促進する目的で、前記混合に際して平均粒子径が1μm
以下のマグネシアスピネル微粒子を添加してもよい。前
記マグネシアスピネル微粒子の混合量は、例えば、得ら
れるマグネシアスピネル粉末100重量部に対して約
0.1重量部〜約10重量部である。
【0021】さらに、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム及び鉱化剤に加えて、ステアリン酸、ステアリン酸
塩、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリ
セリン、エタノール及びイソプロパノール等からなる群
より選ばれた少なくとも1種の添加剤を混合することに
より、焼結時に、より高い焼結密度を有する焼結体が得
られ、かつ反りの発生を抑制できるマグネシアスピネル
粉末を得ることが可能である。前記添加剤の混合量は、
通常、水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムとの合
量100重量部に対し約0.001重量部〜約5重量
部、好ましくは約0.01部〜約1重量部である。
【0022】本発明の第2工程は、第1工程で得られた混合
物をそのBET比表面積が2〜5m2/g、好ましくは
2.5m2/g〜4.5m2/gになる迄焼成する工程で
ある。
【0023】前記焼成は、通常、静置式焼成炉、流動焼成
炉、媒体流動焼成炉、回転炉、ベルト炉、トンネル炉、
遠赤外線焼成炉、マイクロ波焼成炉、通気焼成炉、シャ
フト炉等を用いる方法が適用できる。
【0024】焼成に際しては、例えば第1工程で得られた混
合物を、前記の焼成炉に入れ、得られる焼成品が実質的
にマグネシアスピネル単一相であって、BET比表面積
が2m2/g〜5m2/g、好ましくは2.5m2/g〜
4.5m2/gになる迄焼成すればよい。BET比表面
積が前記範囲を外れる場合、次工程で粉砕を行ったとし
ても、得られるマグネシアスピネル粉末を成形・焼結す
る時に高い焼結密度を有するマグネシアスピネル焼結体
が得られない。焼成温度、焼成時間は前記BET比表面
積になる範囲であれば適宜選択すれば良い。代表的には
焼成温度約1100℃〜約1300℃であり、焼成時間
は約1時間〜約50時間である。また、昇温速度は焼成
炉の種類により異なり一義的ではないが、約50℃/時
間〜約300℃/時間である。
【0025】本発明の第3工程は、第2工程で得られた焼成
品を粉砕する工程である。
【0026】前記粉砕は、ローラーミル、高速回転粉砕機、
転動ボールミル、振動ボールミル、遊星ミル、攪拌ミ
ル、ジェット粉砕機等を用いて行えばよい。
【0027】粉砕に際しては、例えば第2工程で得られた焼
成物を前記の粉砕機に入れ、得られるマグネシアスピネ
ル粉末の平均粒子径が約0.1μm〜約3μm、好まし
くは約0.5μm〜約2μmとなるように粉砕すればよ
い。
【0028】また、第3工程で得られたマグネシアスピネル
粉末を分級して平均粒子径、粒子径分布を調整しても勿
論良い。前記分級は慣性分級機、強制渦型又は自由渦型
の遠心分級機、静電分級機等を用いて行うことが可能で
ある。
【0029】本発明の製造方法により得られるマグネシアス
ピネル粉末は、通常、焼結密度が約3.3g/cm3
上であり、反りが約3%以下、好ましくは2%以下であ
る。前記マグネシアスピネル粉末を使用して製作した焼
結体は金属産業、化学産業又はセラミックス産業等に使
用され、特に高温耐蝕環境における耐食性を要求される
材料として有用である。
【0030】
【実施例】以下に実施例により本発明方法を更に詳細に
説明するが、本発明方法はこれにより限定されるもので
はない。尚、水酸化アルミニム、水酸化マグネシウム及
びマグネシアスピネル粉末の物性測定は以下の方法で行
った。
【0031】水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムの物
性測定 平均粒子径(μm): レーザー散乱式粒度分布計〔リ
ード アンド ノースラップ(LEED&NORTHR
UP)社製マイクロトラック〕により、50重量%径を
測定した。 BET比表面積(m2/g): 窒素吸着法により測定
した。 SiO2(%): JIS H1901に準じて測定し
た。 Na2O(%): JIS H1901に準じて測定し
た。
【0032】マグネシアスピネル粉末の物性測定 平均粒子径(μm): レーザー散乱式粒度分布計〔リ
ード アンド ノースラップ(LEED&NORTHR
UP)社製マイクロトラック〕により、50重量%径を
測定した。 BET比表面積(m2/g): 窒素吸着法により測定
した。 SiO2(%): JIS H1901に準じて測定し
た。 Na2O(%): JIS H1901に準じて測定し
た。 結晶構造(−):粉末X線回折法(CuKα、管電圧4
0kV、管電流20mA、走査速度2°/分、発散スリ
ット1°、散乱スリット1°、受光スリット0.6m
m)により、線強度を測定し、ASTMに基づいて同定
した。 焼結密度(g/cm3):水中アルキメデス法により測
定した。 反り(%): 焼結体を厚み方向の反りの大きさ(t
1)と焼結体の厚み(t0)を測定し、下式より求め
た。 反り(%)=t1/t0×100
【0033】実施例1 Al23・3H2Oで示される水酸化アルミニウム(平
均粒子径1μm、Na2O含有量0.5重量%、SiO2
含有量0.01重量%)72.5重量部、水酸化マグネ
シウム(平均粒子径0.1μm、Na2O含有量0.0
1重量%、SiO2含有量0.08重量%)27.5重
量部、弗化アルミニウム1.5重量部(F換算1.0重
量部)及びステアリン酸1重量部を振動ミルに入れ、1
時間混合した。得られた混合粉末を静置式焼成炉に入
れ、1100℃で10時間焼成して焼成品Aを得た。得
られた焼成品Aは結晶構造がマグネシアスピネル単一相
であり、BET比表面積が2.9m2/gであった。次
いで、焼成品Aを振動ミルで1時間粉砕してマグネシア
スピネル粉末を得た。得られたマグネシアスピネル粉末
は平均粒子径が0.95μmであり、BET比表面積が
3.6m2/gであった。
【0034】マグネシアスピネル粉末10gを金型に入れ、
200kg/cm2で一軸プレス成形してペレット(3
0mmφ)を製作した後、1ton/cm2で静水圧プ
レスを行い、得られたペレットを各々焼結温度1600
℃・2時間、1680℃・2時間の条件で焼結した。得
られた焼結体の焼結密度は3.49g/cm3(160
0℃)、3.54g/cm3(1680℃)であり、1
600℃で充分に緻密化していた。また、焼結体の反り
は、1.0%(1600℃)、0.9%(1680℃)
であった。
【0035】実施例2 Al23・3H2Oで示される水酸化アルミニウム(平
均粒子径1μm、Na2O含有量0.5重量%、SiO2
含有量0.01重量%)72.5重量部、水酸化マグネ
シウム(平均粒子径0.1μm、Na2O含有量0.0
1重量%、SiO2含有量0.08重量%)27.5重
量部、弗化アルミニウム1.5重量部(F換算1.0重
量部)及びステアリン酸1重量部を振動ミルに入れ、1
時間混合した。得られた混合粉末を静置式焼成炉を入
れ、1100℃で8時間焼成して焼成品Bを得た。得ら
れた焼成品Bは結晶構造がマグネシアスピネルの単一相
であり、BET比表面積が3.7m2/gであった。次
いで、焼成品Bを振動ミルで1時間粉砕してマグネシア
スピネル粉末を得た。得られたマグネシアスピネル粉末
は、平均粒子径が0.87μmであり、BET比表面積
が4.6m2/gであった。
【0036】マグネシアスピネル粉末10gを金型に入れ、
200kg/cm2で一軸プレス成形してペレット(3
0mmφ)を製作した後、1ton/cm2で静水圧プ
レスを行い、得られたペレットを焼結温度1600℃・
2時間の条件で焼結した。得られた焼結体の焼結密度は
3.35g/cm3であり、焼結体の反りは2.1%で
あった。
【0037】比較例1 Al23・3H2Oで示される水酸化アルミニウム(平
均粒子径1μm、Na2O含有量0.5重量%、SiO2
含有量0.01重量%)72.5重量部、水酸化マグネ
シウム(平均粒子径0.1μm、Na2O含有量0.0
1重量%、SiO2含有量0.08重量%)27.5重
量部、弗化アルミニウム1.5重量部(F換算1.0重
量部)及びステアリン酸1重量部を振動ミルに入れ、1
時間混合した。得られた混合粉末を静置式焼成炉を入
れ、1000℃迄昇温後徐冷して焼成品Cを得た。得ら
れた焼成品Cは結晶構造がマグネシアスピネルの単一相
であり、BET比表面積が6.1m2/gであった。次
いで、焼成品Cを振動ミルで1時間粉砕してマグネシア
スピネル粉末を得た。得られたマグネシアスピネル粉末
は平均粒子径が0.84μmであり、BET比表面積が
6.2m2/gであった。
【0038】マグネシアスピネル粉末10gを金型に入れ、
200kg/cm2で一軸プレス成形してペレット(3
0mmφ)を製作した後、1ton/cm2で静水圧プ
レスを行い、得られたペレットを焼結温度1600℃・
2時間の条件で焼結した。得られた焼結体の焼結密度は
2.77g/cm3であり、焼結体の反りは4.8%で
あった。
【0039】比較例2 Al23・3H2Oで示される水酸化アルミニウム(平
均粒子径1μm、Na2O含有量0.5重量%、SiO2
含有量0.01重量%)72.5重量部、水酸化マグネ
シウム(平均粒子径0.1μm、Na2O含有量0.0
1重量%、SiO2含有量0.08重量%)27.5重
量部、弗化アルミニウム1.5重量部(F換算1.0重
量部)及びステアリン酸1重量部を振動ミルに入れ、1
時間混合した。得られた混合粉末を静置式焼成炉を入
れ、1300℃で4時間焼成して焼成品Dを得た。得ら
れた焼成品Dは結晶構造がマグネシアスピネルの単一相
であり、BET比表面積は1.4m2/gであった。次
いで、焼成品Dを振動ミルで1時間粉砕してマグネシア
スピネル粉末を得た。得られたマグネシアスピネル粉末
は平均粒子径が1.21μmであり、BET比表面積が
1.9m2/gであった。
【0040】マグネシアスピネル粉末10gを金型に入れ、
200kg/cm2で一軸プレス成形してペレット(3
0mmφ)を製作した後、1ton/cm2で静水圧プ
レスを行い、得られたペレットを焼結温度1600℃・
2時間の条件で焼結した。得られた焼結体の焼結密度は
3.27g/cm3であり、焼結体の反りは0.4%で
あった。
【0041】焼成品Cの様に、焼成品のBET比表面積が高
い場合は焼結密度が低く、反りが大きい。焼成品Dの様
に、焼成品のBET比表面積が低い場合は焼結密度が低
い。
【0042】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明の製造方法は
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム及び鉱化剤を
混合した後、得られた混合物を特定の比表面積になるよ
うに焼成し、粉砕するといった簡易な方法により、焼結
性に優れ、緻密な焼結体が得られ、かつ焼結時の変形の
少ないマグネシアスピネル粉末を提供するものであり、
その産業上の利用価値は大である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
    ム及び鉱化剤を混合する第1工程、得られた混合物をそ
    のBET比表面積が2m2/g〜5m2/gになる迄焼成
    する第2工程、得られた焼成品を粉砕する第3工程から
    なる、マグネシアスピネル粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
    ム、鉱化剤並びにステアリン酸、ステアリン酸塩、ポリ
    エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチ
    レングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、
    エタノール及びイソプロパノールからなる群より選ばれ
    た少なくとも1種の添加剤を混合する第1工程、得られ
    た混合物をそのBET比表面積が2m2/g〜5m2/g
    になる迄焼成する第2工程、得られた焼成品を粉砕する
    第3工程からなる、マグネシアスピネル粉末の製造方
    法。
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