JPH0752911Y2 - 自動車用ドアロックの操作装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、正逆回転可能なモータを備えるアクチュエー
タを、その出力レバーによって、ドアロック装置の施解
錠レバーを操作できるように、ドアロック装置に配置し
た自動車用ドアロックの操作装置に関する。

〔従来の技術〕

従来のこの種の装置としては、例えば実公昭58−47180
号公報に開示されているものがある。

この装置は、出力レバーを、正逆回転可能なモータによ
り、減速機構を介して、施錠方向又は解錠方向に移動可
能としたアクチュエータを、ドアロック装置の基板から
延長した延長部にネジ止めして固定し、出力レバーによ
って、ドアロック装置のカバープレートに枢着した施解
錠レバーを、施錠方向又は解錠方向に操作できるように
なっている。

この装置においては、ドアロック装置及びアクチュエー
タをドア内に配設する以前に、アクチュエータを、ドア
ロック装置に固定して一体化することにより、ドアに対
する取付作業を容易なものとし、アクチュエータとドア
ロック装置との取付位置調整を、簡単にしかも確実に行
なうことができる。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、上述のような従来の装置においては、アクチュ
エータをドアロック装置の延長部に取付ける際、ネジ止
め作業を行なう必要があり、かつ、ドアロック装置のカ
バープレートに延長部を形成しなければならないため、
アクチュエータのドアロック装置に対する取付作業が面
倒であるとともに、部品点数が増加し、アクチュエータ
をドアロック装置に取付けた形状が大型になり、ドア内
への配置に支障を来すおそれがある。

本考案は、従来技術が有する問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、アクチュエータをドア
ロック装置に簡単かつ確実に取付けることができ、しか
もコンパクトな自動車用ドアロックの操作装置を提供す
ることにある。

〔問題点を解決するための手段〕

前記目的を達成するため、本考案の装置は、出力レバー
を、正逆回転可能なモータにより、減速機構を介して、
施錠方向及び解錠方向に移動可能としたアクチュエータ
を、ドアロック装置のカバープレート上に配置し、該カ
バープレートに枢着された施解錠レバーを、前記出力レ
バーによって、施錠位置及び解錠位置に移動させること
ができるようにした自動車用ドアロックの操作位置にお
いて、 前記カバープレートに形成した支持部と、前記アクチュ
エータのケースに形成した取付部とのいずれか一方に、
先端部が側方に張り出す凸部を、また他方に、前記凸部
を差し込み可能な溝状の凹部をそれぞれ設け、かつ前記
凸部及び凹部より側方に離れた前記支持部と取付部との
対向部分に、互いに係合することにより前記凸部を凹部
より抜け止めする抜け止め手段を設けたことを特徴とし
ている。

〔作用〕

アクチュエータのケースに一体的に形成された取付部
を、ドアロック装置のカバープレートに一体的に形成さ
れた支持部に嵌合することによって、アクチュエータ
は、カバープレートに対して相対回転不能に固定され
る。

したがって、アクチュエータは、取付用のブラケット、
ネジ止め作業を要することなく、ドアロック装置の正規
の位置に、簡単かつ確実に取付けることができる。

アクチュエータの出力レバーの回動によって、施解錠レ
バーを、施錠位置又は解錠位置に作動させることができ
る。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を、添付図面に基づいて説明す
る。

第１図及び第２図に示すように、ドアロック装置（Ａ）
は、施解錠機構（１）を予め内面に組付けておいた合成
樹脂製のカバープレート（２）を、その結合孔（2a）
（2b）を公知のラッチやポール等が組込まれた合成樹脂
製の箱状のドアロック本体（３）の背面に固着されたベ
ースプレート（４）側に形成された結合部（4a）（4b）
に結合することにより、ドアロック本体（３）の外側に
施解錠機構（１）が装着され、かつその外側をカバープ
レート（２）で覆うように形成されている。

施解錠機構（１）は、第４図にも示すように、中間部
が、カバープレート（２）に枢着されて、施錠位置と解
錠位置との間を回動する施解錠レバー（５）と、この施
解錠レバー（５）と係合して連動するとともに、前記ド
アロック本体（３）に枢着され、かつラッチとポールと
の係合を解除させるオープンレバー（６）と係脱するサ
ブレバー（７）と、該サブレバー（７）の一端と係合し
て、これを上下動させるアウトサイドレバー（８）、及
びインサイドレバー（９）と、カバープレート（２）の
ほぼ中間部に枢着されたキャンセルレバー（10）とを備
えている。

施解錠レバー（５）の上端部（5a）は、ロッド（図示
略）を介して、ドアの車室内側に配設されたノブ（図示
略）に連結され、同じく下端部（5b）には、長孔（5c）
が穿設されている。この長孔（5c）には、長寸の丸棒を
クランク状に屈曲形成してなるクランクシャフト（11）
の先端に連設された短軸部（11a）が遊嵌されている。

クランクシャフト（11）は、カバープレート（２）と一
体形成されて後方に突出する軸受部（12）に支承され、
その後方におけるクランクアーム部（11b）は、ホルダ
（13）の扇型凹部（13a）内に位置して係合している。

ホルダ（13）は、ドアの車外側に設けたキーシリンダ
（図示略）に連結されている。

前記施解錠レバー（５）の後方には、後述するアクチュ
エータの出力レバーに係合可能な作用部（5d）が形成さ
れている。

カバープレート（２）の軸受部（12）の後方には、軸受
部（12）と平行に後部が開口し、かつ第５図に示すよう
に横断面Ｔ型状の凹部（14a）を有する支持部（14）が
一体的に形成され、かつその左方には、凹部（14a）の
一方を閉塞するストッパ部（14b）が形成されている。

アクチュエータ（Ｂ）は、第６図に示すように、ケース
（15）内に設けられた正逆回転可能なモータ（16）と、
ケース（15）内に回転不能に固定された内歯歯車（1
7）、及びこの内歯歯車（17）の歯数よりわずかに少な
い歯数をもって内歯歯車（17）に噛合する外歯歯車（1
8）を有し、モータ（16）の回転を減速する公知の遊星
歯車式の減速機構（19）と、該減速機（19）の出力軸
（20）に固着された出力レバー（21）とから構成され、
かつケース（15）の外側には、前記支持部（14）のＴ型
状の溝部（14a）に嵌合可能な、すなわち先端部が側方
に張り出す凸部（22a）を有する取付部（22）及びその
左方には、前方に長く突出した係合部（23）が一体的に
形成されている。

アクチュエータ（Ｂ）をドアロック装置（Ａ）に取付け
るには、カバープレート（２）をドアロック本体（３）
に結合する以前に、アクチュエータ（Ｂ）の出力レバー
（21）を、カバープレート（２）に枢着された施解錠レ
バー（５）側に対向させて、取付部（22）の凸部（22
a）を、第１図において矢示Ｉ方向から、カバープレー
ト（２）の支持部（14）の凹部（14a）にストッパ（14
b）に当接するまで差し込んで嵌合させる。すると、ア
クチュエータ（Ｂ）は、カバープレート（２）に対して
相対回転不能に固定される。

この状態で、カバープレート（２）の結合孔（2a）（2
b）を、ドアロック本体（３）の結合部（4a）（4b）に
嵌合して、カバープレート（２）をドアロック本体
（３）に結合することにより、アクチュエータ（Ｂ）を
ドアロック装置（Ａ）に固定することができる。

このとき、カバープレート（２）の結合孔（2b）から突
出した結合部（4b）の先端が、アクチュエータ（Ｂ）の
係合部（23）に対して係合し、アクチュエータ（Ｂ）の
凸部（22）が、支持部（14）の凹部（14a）内におい
て、その抜け方向（矢示Ｉ方向に対し逆方向）への移動
を阻止して、アクチュエータ（Ｂ）を、より確実にドア
ロック装置（Ａ）に対して固定することができる。

またアクチュエータ（Ｂ）は、従来の取付用の延長部や
ネジ止め作業等を要することなく、出力レバー（21）が
施解錠レバー（５）に対してほぼ同一平面上に位置する
ようにして、ドアロック装置（Ａ）上の正規の位置に簡
単に固定することができ、出力レバー（21）の回動によ
って、施解錠レバー（５）を施錠位置又は解錠位置に作
動させることができる。

次に、アクチュエータ（Ｂ）による施解錠操作について
説明する。

車室内外に設けた操作スイッチの解錠操作によって、ア
クチュエータ（Ｂ）のモータ（16）が予め定めた方向に
正転すると、それに伴って、出力レバー（21）は、減速
機構（19）を介して、第４図に示す中立位置から反時計
方向の解錠方向に回動させられて、施解錠レバー（５）
の作用部（5d）に当接し、施解錠レバー（５）を、施錠
位置から解錠位置に作動させた後、解錠検出手段（図示
略）によって、モータ（16）が反転制御され、中立位置
に復帰回動して停止する。

また、操作スイッチが施錠操作されたときには、モータ
（16）が逆転して、出力レバー（21）は、時計方向の施
錠方向に回動し、施解錠レバー（５）を、作用部（5d）
を介して、解錠位置から施錠位置に作動させた後、中立
位置に復帰回動する。

出力レバー（21）は、中立位置にあるとき、施解錠レバ
ー（５）の作用部（5d）の移動軌跡外に位置しており、
ノブ等の手動操作に伴い、作用部（5d）が出力レバー
（21）に干渉して、施解錠レバー（５）の移動に支障を
来すことはない。

上述の実施例においては、カバープレート（２）の支持
部（14）に凹部（14a）を、またアクチュエータ（Ｂ）
のケース（15）の取付部（22）に凸部（22a）をそれぞ
れ形成したが、凹部をケース（15）の取付部（22）に、
また凸部を支持部（14）に形成してもよく、また、その
形状を限定するものではない。

〔考案の効果〕

本考案によれば、次のような効果を奏することができ
る。

（ａ）抜け止め手段が互いに係合するまで、凸部を凹部
に差し込むだけで、アクチュエータを、ねじ等の固着手
段を用いることなく、ドアロック装置に簡単かつ迅速に
取付けることができるとともに、部品点数を少なくする
ことができる。

（ｂ）抜け止め手段を、凸部及び凹部より側方に離れた
支持部と取付部との対向部分に設けたことにより、本来
の凸部の凹部からの抜け止め作用だけでなく凸部と凹部
の噛合い部分を中心とするアクチュエータの回転やねじ
れ、及びがたつき等をも防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示すドアロック装置及び
アクチュエータの分解斜視図、 第２図は、同じく反対側より見た斜視図、 第３図は、アクチュエータをドアロック装置に取付けた
状態のドアロックの操作装置の平面図、 第４図は、同じくドアロックの操作装置の側面図、 第５図は、要部の部分断面図、 第６図は、第５図におけるVI−VI線断面図である。 （Ａ）ドアロック装置、（Ｂ）アクチュエータ （１）施解錠機構、（２）カバープレート （３）ドアロック本体、（５）施解錠レバー （14）支持部、（14a）凹部 （15）ケース、（16）モータ （19）減速機構、（21）出力レバー （22）取付部、（22a）凸部 （23）係合部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】出力レバーを、正逆回転可能なモータによ
   り、減速機構を介して、施錠方向及び解錠方向に移動可
   能としたアクチュエータを、ドアロック装置のカバープ
   レート上に配置し、該カバープレートに枢着された施解
   錠レバーを、前記出力レバーによって、施錠位置及び解
   錠位置に移動させることができるようにした自動車用ド
   アロックの操作装置において、 前記カバープレートに形成した支持部と、前記アクチュ
   エータのケースに形成した取付部とのいずれか一方に、
   先端部が側方に張り出す凸部を、また他方に、前記凸部
   を差し込み可能な溝状の凹部をそれぞれ設け、かつ前記
   凸部及び凹部より側方に離れた前記支持部と取付部との
   対向部分に、互いに係合することにより前記凸部を凹部
   より抜け止めする抜け止め手段を設けたことを特徴とす
   る自動車用ドアロックの操作装置。