JPH0752670B2 - 電界発光素子及びその製造方法 - Google Patents

電界発光素子及びその製造方法

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JPH0752670B2
JPH0752670B2 JP62258792A JP25879287A JPH0752670B2 JP H0752670 B2 JPH0752670 B2 JP H0752670B2 JP 62258792 A JP62258792 A JP 62258792A JP 25879287 A JP25879287 A JP 25879287A JP H0752670 B2 JPH0752670 B2 JP H0752670B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、照明、デイスプレイあるいはOA機器用等の光
源に応用される電界発光素子及びその製造方法に関す
る。
〔従来の技術〕
蛍光体に交流電界を印加した時に発光するエレクトロル
ミネツセンスを応用した電界発光素子(EL素子)は、低
温面発光体として表示素子等への応用が期待され、一部
実用化もされている。EL素子は、ガラス等の透明基体上
に透明電極を形成し、その上に第1絶縁層、発光層、第
2絶縁層、電極層を順次積層することにより構成され
る。
従来、EL素子の発光層として、水素を含む非単結晶Siや
SiCなどのIV族元素からなる材料を使用した例が知られ
ている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このような材料は、成膜しやすい等の製造上の利点があ
るものの、この材料を用いたEL素子は、駆動に高電圧が
必要であったり、輝度が不充分であったり、発光寿命が
短いといった欠点があった。
そこで本発明の目的は、前述した従来技術の欠点を克服
した電界発光素子を提供するものであって、製造が容易
であり、しかも高輝度で発光強度の大きな新規の電界発
光素子及びその製造方法を提供することにある。
更に本発明の目的は、低電圧で駆動し、発光寿命が十分
長い電界発光素子及びその製造方法を提供することにあ
る。
〔問題点を解決するための手段及び作用〕
上記の目的は、以下の本発明によって達成される。
即ち本発明は、少なくとも1対の電極と発光層とを有す
る電界発光素子に於いて、前記発光層がIV族元素を主体
とする微粒子を含み、且つ該微粒子の少なくとも一部が
酸化されていることを特徴とする電界発光素子である。
また本発明は、IV族元素を含むガスを分解、反応させて
IV族元素を主体とする微粒子を形成する工程、該微粒子
をガスとともにノズルから吹き出させて、基板上に電極
を介して形成された第1の絶縁層上に吹きつけて微粒子
膜を形成する工程、該微粒子膜を酸化する工程及び該微
粒子膜上に第2の絶縁層及び電極を形成する工程を含む
ことを特徴とする電界発光素子の製造方法である。
本発明のEL素子は、発光層がC,Si,Geを代表とするIV族
元素を主とする微粒子を含有する層あるいは微粒子を層
状に堆積した微粒子膜で構成される。さらには前記微粒
子あるいは微粒子膜はその一部が酸化された発光層で構
成されるEL素子である。
以下、第1図の構成図を用い、本発明のEL素子を説明す
る。基板1としてはガラス,ポリエステル、ポリカーボ
ネイト等光を透過する電気絶縁材料が用いられる。発光
を基板側から放射しない構成のEL素子においては不透明
なセラミツク等も利用可能である。基板1上に形成され
る透明電極2はITOのスパツタ蒸着膜などである。第1
絶縁層3および第2絶縁層5はSi3N4,Y2O3,SiO2,SrT
iO3,BaTa2O3等の誘電率が大きく、絶縁耐圧の大きい誘
電体材料であり、スパツタ蒸着,CVD法等の薄膜堆積層で
形成される。第1絶縁層3と第2絶縁層5は各々別の材
料でも、また複数の材料の積層膜でも良い。第2絶縁層
5上にはAl等の金属導電材料からなる上部電極6が形成
される。
本発明のEL素子の発光層4を構成する微粒子あるいは微
粒子膜は主としてIV族元素からなり、その大きさが発光
波長と同程度またはそれ以下のものであれば良い。可視
光の発光の場合には大体1μm以下、望ましくは0.1μ
m以下、さらに望ましくは500Å以下である。我々は鋭
意研究の結果、発光層を上記の様な微粒子又は微粒子の
集合体とする事により、その発光強度を増大させる事が
出来る事を見出した。上記の微粒子の形は特に重要では
なく何でも良いが、比較的球に近く、大きさのそろった
ものを用いる場合の方が効果的である。大きさの下限は
不明であるが、透過電子顕微鏡(TEM)及び電界放射型
走査電子顕微鏡による観察結果によれば100Å以下、数1
0Åの平均粒径を持つ超微粒子であっても効果が認めら
れる。
本発明に係る発光層を製造する装置としては、例えば第
2図に示す装置を使用する事が出来る。第2図の中で7
は縮小拡大ノズル、8はノズルののど部、9は磁気コイ
ル、10は下流室、11は空胴共振器、12は基体ホルダー、
13は基体、14はマイクロ波投入窓、15はマイクロ波の導
波管、16はガス導入口である。反応ガスを16から空胴共
振器内12へ導入した時、反応は12の中で起き、12は反応
室として働く。
例えばA−Siの粒子膜をつくる場合にはガス導入口16よ
りSiH4ガスと、必要ならばH2ガスを送り込み、反応室内
でプラズマを発生させて、ガスを分解して反応させ、微
粒子を形成させる。そしてこれを一部未反応の気体状の
活性種とともにノズル7から吹き出させ基体13の上に吹
きつけて固定する。プラズマにエネルギーを与える手段
としてはマイクロ波や紫外線あるいはRFなどの高周波な
どの電磁波や低周波や直流などの電場印加などが使え
る。実用上最も使い易いのは紫外線又はマイクロ波であ
り、この時は反応室の形状を工夫する必要はあるが、反
応室内に電極などの構造物を置く必要はなく、エネルギ
ー投入用の窓があれば良い。マイクロ波プラズマを用い
る場合にも色々なやり方があり、同軸管を用いる方法
(JapaneseJ.A.P 21(8)1470(1982))や(Journal
of Non−Crystalline Solids 77/78813(1985))に見
られる方法などがあるが、効率的な微粒子形成を行う立
場からみれば、反応室をマイクロ波の空胴共振器とする
方法が非常に有効である。
プラズマ励起手段がマイクロ波であろうとそれ以外の方
法であろうと、投入パワーは基体上に堆積させた微粒子
膜の発光強度をある程度左右する。強い発光を得るため
にはプラズマ中の発光種Hαの656nm付近の発光の発光
強度IHとSiHの414nm付近の発光の発光強度ISとの比IS
IHが0.2以下となる様な大きなパワー投入をすると効果
がある。反応室内の圧力を1.0Torr以上にすれば1μ/
−sec程度の高速堆積も可能である。ノズルはプラズマ
内で出来た微粒子を一部の活性種とともに高速で吹き出
し、基体に吹きつけて固定化するために設けてある。ノ
ズルの形状は一般的には何でも良いが、微粒子の基体へ
の付着力を高め、また微粒子をビーム化して基体上に効
率的に集めるためには、上流側から下流側へ、いわゆる
縮少拡大型の口径変化をもつ超高速ノズルを使用する事
が望ましい。その断面形状は円形だけでなく特開昭61−
221377号公報に示されている様な様々な変形が目的に応
じて使用可能である。ノズルより下流側の基体室付近は
通常10-3Torr以下程度に圧力を下げて使用する。ノズル
上流と下流との圧力比は数10位から100位程度ある事が
望ましい。
微粒子堆積中に基体の加熱をすれば発光は若干増加する
が、200℃以上の加熱では逆に強度が弱まる事があるの
で、基体の温度を高くし過ぎる事は必ずしも望ましくな
い。
このようにして形成された微粒子膜は、ESRで測定した
スピン密度が10-17cm-3以下となり、発光は室内灯の下
で肉眼で確認出来る。粒径は条件にもよるが100〜200Å
程度が普通である。
上述の微粒子生成装置を用いて作製した微粒子はポリシ
ランもしくはアモルフアスSiである。EL素子を使用する
場合、アモルフアスSiの方がより強く発光するために望
ましい。また作製した微粒子あるいは微粒子膜をそのま
ま使用するより、酸素あるいは水蒸気雰囲気中で加熱す
る等の酸化処理を施こした微粒子あるいは微粒子膜を使
用するとより強い発光輝度のEL素子が得られる。
またSiH4だけでなく通常A−Si成膜に使われるシラン誘
導体例えばSi2H6やSiF4なども使用可能である。さらに
他のIV族系のガス、例えばCH4,CH3OH,C2H6その他の炭
化水素系ガスを用いればアモルフアスの炭素膜ができる
し、GeH4などによりA−Ge膜も全く同様の装置を用いて
微粒子構造の発光層が形成出来る。
またSi系ガスとC系のガス、Si系のガスとGe系のガスの
様に2種、3種のガスを混合して使用することも可能で
ある。
〔実施例〕
次に実施例によりさらに具体的に本発明を説明する。
実施例1 ガラス基板上に透明電極としてITOを0.2μm、第1絶縁
層としてSi3N4を0.3μmそれぞれスパツタ法およびCVD
で形成した。その上に第2図に示す微粒子形成装置を用
い、原料ガスとしてSiH4をH2で3%に稀釈した混合ガス
より微粒子膜を0.25μm形成した。この微粒子膜の形成
条件は、マイクロ波出力が150W、空胴共振器の圧力は0.
4Torr、下流室の圧力は4.5mTorrであった。この時のガ
ス流量は約100SCCMである。また、ガラス基体を取り付
けた基体ホルダーは水冷した。この様に形成した微粒子
の粒径は100〜200Åの範囲にあった。赤外分光分析の結
果2090cm-1に強いピークがみられ、この微粒子が主とし
てSiH2からなることが推測される。上述の作製法で形成
した素子を100℃,3時間酸化処理したのち、第2絶縁層
としてSi3N4を0.3μm、Alの上部電極を0.5μm積層
し、EL素子を作製した。
比較のために発光層をCVD法で形成したアモルフアスSiC
膜とした他は実施例1と同一材料と同一構成のEL素子を
作製した。このSiC膜表面を実施例1と同様FE−SEMで観
察したが、実施例1に見られた微粒子構造はみられなか
った。
前述の実施例1のEL素子と比較例のEL素子を1KHzで駆動
した時の発光スペクトル18,19を第3図に示す。
第3図に示す如く、本発明のEL素子は、比較例のものよ
り発光強度が格段に大きいことがわかる。
実施例2 発光層形成の原料ガスとしてSiH4とCH4を1:1に混合した
ガスを使用した他は実施例1と同一の材料および作製法
でEL素子を作製した。このEL素子も実施例1と同様に明
るく発光したが、ピーク波長は実施例1よりも短波長側
にシフトし、白色に近い光を発した。
実施例3 発光層形成の原料ガスとしてSiH4とGeH4を2:1に混合し
たガスを使用した他は実施例1と同一構成のEL素子を作
製した。このEL素子も実施例1と同様に明るく発光した
が、発光波長ピークは実施例1よりも長波長側にシフト
し、赤色の発光を示した。
〔発明の効果〕
以上説明した様に、本発明によればC、Si、Ge等IV族元
素を主成分とする微粒子あるいは微粒子層を発光層とす
ることにより、低駆動電圧で高輝度の発光が可能とな
る。
また本発明によれば、シヨツトキー結合型の構造のEL素
子にも適用される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の電界発光素子の断面構造を示す図、 第2図は本発明電界発光素子の発光層形成のための製造
装置の概略図、 第3図は本発明実施例1および比較例の電界発光素子の
発光スペクトルを表わす図である。 1…基体、2…透明電極 3…第1絶縁層、4…発光層 5…第2絶縁層、6…上部電極 7…ノズル、8…ノズルのど部 9…磁気コイル、10…下流室 11…空胴共振器、12…基体ホルダ 13…基体 14…マイクロ波投入窓 15…マイクロ波導波管 16…ガス導入管 17…排気系 18…実施例1のEL素子のスペクトル 19…比較例のEL素子のスペクトル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津田 尚徳 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キャ ノン株式会社内 (72)発明者 石渡 恭彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キャ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−56477(JP,A) 特開 昭59−175592(JP,A) 特開 昭59−56391(JP,A) 特開 昭61−105834(JP,A) 特開 平1−101388(JP,A) 特開 平1−100917(JP,A) 特開 平1−100916(JP,A) 特開 昭63−66282(JP,A) 特開 昭62−254394(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1対の電極と発光層とを有する
    電界発光素子に於いて、前記発光層がIV族元素を主体と
    する微粒子を含み、且つ該微粒子の少なくとも一部が酸
    化されていることを特徴とする電界発光素子。
  2. 【請求項2】前記発光層が、微粒子を層状に堆積した微
    粒子膜を含む特許請求の範囲第1項記載の電界発光素
    子。
  3. 【請求項3】前記微粒子がアモルファス構造をなす特許
    請求の範囲第1項記載の電界発光素子。
  4. 【請求項4】IV族元素を含むガスを分解、反応させてIV
    族元素を主体とする微粒子を形成する工程、該微粒子を
    ガスとともにノズルから吹き出させて、基板上に電極を
    介して形成された第1の絶縁層上に吹きつけて微粒子膜
    を形成する工程、該微粒子膜を酸化する工程及び該微粒
    子膜上に第2の絶縁層及び電極を形成する工程を含むこ
    とを特徴とする電界発光素子の製造方法。
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