JP2508015B2 - 発光材料の製造方法 - Google Patents

発光材料の製造方法

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【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は、アモルフアス炭素系物質からなり、発光特
性並びに半導体特性を有する発光材料及びその製造方法
に関する。
B.発明の概要 本発明は、発光材料をスパツタリングにより製造する
方法であつて、固体炭素系物質をターゲットとして真空
度が3×10-7Torr〜0.5Torrの雰囲気中で水素ガスとア
ルゴンガスの混合ガスにドーパントとして少量のB2H6,P
H3,N2のうちの少なくとも1種以上を混入したスパッタ
ガスの存在下で基板温度を100℃以下に保ちながらター
ゲットの対向電極から高周波電圧もしくは直流電圧を印
加してスパッタを行うことにより、 発光特性並びに半導体特性を有するアモルフアス炭素
材料を得ることを可能となし、また、その光学ギヤツプ
及び発光特性をスパツタ条件によりコントロールし得る
ようにしたものである。
C.従来の技術 従来、発光材料としては、発光ダイオードの材料であ
るCaAs,GaAsP,GaP,GaAlAs,ZnSeXTe1-X,ZnXCd1-XTe,CdTe
などがある。
D.発明が解決しようとする問題点 しかしながら、このような従来の発光材料にあつて
は、例えばGaPではピーク波長が698nm、ホトエネルギー
が1.76eVというように、ピーク波長,ホトエネルギー
は、その発光材料に固有のものであり、発光素材として
の発光特性を変えたいときは、所要のピーク波長,ホト
エネルギーに近い特性を有する発光材料を選択すること
が必要となり、ともすると所要のピーク波長,ホトエネ
ルギーに由来する特性を得られない場合が生ずる問題点
があつた。
この発明は、かかる問題点を解消するために成された
ものであつて、任意の光学ギヤツプ並びに任意の発光特
性を有する発光材料を得んとするものである。
E.問題点を解決するための手段 この発明は、真空容器内に配置した基板ホルダ上に基
板として石英ガラス,シリコンもしくは金蒸着ガラスの
何れかを固定し、固体炭素系物質をターゲットとして用
いるとともに該ターゲットに対向電極を配置し、真空度
が3×10-7Torr〜0.5Torrの雰囲気中で、水素ガスとア
ルゴンガスの混合ガスにドーパントとして少量のB2H6,P
H3,N2のうちの少なくとも1種以上を混入したスパッタ
ガスの存在下で前記基板温度を100℃以下に保ちながら
ターゲットの対向電極から高周波電圧もしくは直流電圧
を印加してスパッタを行い、基板上に発光特性を有する
アモルファス炭素材料を析出形成した発光材料の製造方
法を提供する。
F.作用 ターゲット側に高周波電圧もしくは直流電圧を印加し
てスパツタを行なうことにより、固体炭素系物質を炭素
又は炭化水素のイオン,ラジカル粒子となし、基板上に
アモルフアス炭素を析出させる。この際、基板温度を10
0℃以下に保つとともにスパッタガスとして水素ガスと
アルゴンガスの混合ガスにドーパントとして少量のB
2H6,PH3,N2のうちの少なくとも1種以上を混入したガス
を用いて、真空度が3×10-7Torr〜0.5Torrの雰囲気中
でターゲットの対向電極から高周波電圧もしくは直流電
圧を印加してスパッタを行うことにより、発光特性が光
学ギャップ幅に応じたピークエネルギーを持ち、青色発
光ダイオード等の任意の発光特性を有する材料をスパッ
タ条件によってコントロールすることができる G.実施例 以下、この発明に係る発光材料の実施例を図面に基づ
いて説明する。
〔第1実施例〕 第1図は、概念的に示したスパツタ装置の説明図であ
る。
同図中、1は金属製の真空容器であつて、その内部
に、直径75mmのグラフアイトターゲツト2と、該グラフ
アイトターゲツト2から20mm離れた位置に設けられた対
向電極3と、当該真空容器1の内壁に、スパツタ粒子の
イオンボンバードメンドを避けるため、該グラフアイト
ターゲツト2から所定距離を有する位置に配設された基
板ホルダ4と、を有している。また、前記真空容器1に
は、図示しない真空ポンプに直結されている排気管5
と、雰囲気ガスの導入に供される雰囲気ガス導入管6と
が連通している。なお、7は、グラフアイトターゲツト
2と対向電極3間に高周波電力を印加する高周波電源で
ある。
かかるスパツタ装置を用いて、以下の条件でスパツタ
が行なわれている。
○雰囲気ガス及び圧力 真空容器1内に配置した基板ホルダ4上に基板として
石英ガラス,シリコンもしくは金蒸着ガラスの何れかを
固定し、真空度を3×10-7Torrにまで下げた後に99.999
9%の水素ガスとアルゴンガスの混合ガスに少量のB2H6,
PH3,N2のうちの少なくとも1種以上を混入したスパッタ
ガスを導入して真空度を0.5Torrに保ち、グラファイト
ターゲット2の対向電極3から高周波電圧もしくは直流
電圧を印加してスパッタを行った。
○高周波電源 電力 300W 陽極電圧 2KV 周波数 13.56MHz 陽極電流 0.2A ○スパツタ時間 2時間 ○基板 石英ガラス,シリコン,金,Al ○基板温度 100℃以下に制御した。
○成膜速度 0.3nm/min ○膜厚 0.6μm このようにして得られた膜状のアモルフアス炭素系物
質の構造は、電子線回折の結果からアモルフアスの特徴
であるハローパターンを示した。また、石英ガラス基板
上に成膜した試料についてHe−Cdレーザ(325nm)を用
い、発光特性を調べた結果は第2図及び第7図に示され
ている。この膜の光学ギヤツプは、第3図及び第7図に
示されるように、3.5eVであり、また、発光エネルギー
のピークは、第2図及び第7図に示されるように、450n
mであつた。そして、常磁性電子スピン共鳴により測定
したスピン密度は、3×1016/cm3であつた。
〔第2実施例〕 この実施例においても、第1実施例と同様のスパツタ
装置を用いている。
特に、雰囲気ガスである水素の圧力は、真空容器1を
予め3×10-7Torrまで真空にした後、純度99.9999%の
水素ガスに少量のアルゴンガスを加えた混合ガスを導入
し、この混合ガスに少量のB2H6,PH3,N2のうちの少なく
とも1種以上を混入したスパッタガスを導入して真空度
を0.5Torrに保つた。また、成膜速度は、0.2nm/minであ
つた。なお、他の条件は第1実施例と同様に設定されて
いる。
このようにして得られた膜の構造は電子線回折の結果
からアモルフアスの特徴であるハローパターンを示し
た。また、基板上に成膜した材料について、He−Cdレー
ザ(325nm)を用いて発光特性を調べた結果は、第2図
に示されている。
この膜の光学ギヤツプは、第3図に示されているよう
に、2.7eVであつた。
〔第3実施例〕 この実施例においては、第1実施例と同様のスパツタ
装置を用いている。
また、真空容器1を予め3×10-7Torrまで真空にした
後、純度99.9999%の水素ガスに少量のアルゴンガスを
加えた混合ガスを導入し、この混合ガスに少量のB2H6,P
H3,N2のうちの少なくとも1種以上を混入したスパッタ
ガスを導入して真空度を0.5Torrに保つた。そして、こ
の時の成膜速度は、0.15nm/minであつた。
このようにして得られた膜の構造も、電子線回折の結
果からアモルフアスの特徴であるハローパターンを示し
た。また、基板上に成膜した材料について、He−Cdレー
ザ(325nm)を用いて発光特性を調べた結果は第2図に
示されている。
この膜の光学ギヤツプは、第3図に示されているよう
に、2.0eVであり、発光エネルギーのピークは第2図に
示されるように690nmであつた。
以上、第1〜第3実施例について説明したが、これら
実施例にあつては、水素ガスとアルゴンの混合ガスによ
り、固体炭素系物質、例えばグラフアイト,グラツシー
カーボン,炭化水素系物質を、低圧ガス(低圧力のH2
ス)中でスパツタにより、炭素または炭化水素イオン,
ラジカル粒子となし、基板上に、発光特性並びに半導体
特性を有する発光材料を析出させることを可能としたも
のである。
また、スパツタリングにより得られた発光材料である
アモルフアス炭素系物質は、淡黄色から無色に近い透明
物質であり、光学ギヤツプが2〜3.0eVの値を有してい
る。発光特性は、光学ギヤツプの幅に応じて様々のピー
クエネルギーを有し、2.8〜1.8eV(450〜690nm)の範囲
であつた。この性質は、実用上青色発光ダイオード,半
導体レーザダイオード,表示パネル等としての使用可能
性を有している。
第4図は、第1〜第3実施例で得られた発光材料の、
夫々赤外吸収スペクトルを示している。同図により、お
よそ2900cm-1,1460cm-1,1380cm-1に、夫々C−Hnの伸縮
振動,変角振動による強い吸収が観察され、これにより
発光材料であるアモルフアス炭素系物質には、水素が結
合していることがわかる。
また、スパツタ時の水素ガスとアルゴンガスの混合ガ
ス圧を変えた場合の赤外吸収スペクトルも第4図には示
してあるが、水素圧と赤外吸収スペクトル強度の間に
は、相関が有り、赤外吸収スペクトル強度の各モードで
の積分値は、結合水素量に依存することにより、混合ガ
ス圧と膜中の結合水素量は相関することがわかる。即
ち、スパッタ条件を変化させずに、スパッタガスとして
の水素ガスとアルゴンガスの真空度1Torr,0.1Torr,0.01
Torrに変えた場合の赤外吸収スペクトルを示したが、波
数に関係なく真空度が高いほど赤外線の透過率が高くな
っていることが判明した。これにより、真空度と赤外吸
収スペクトルとの間に相関が存在することが理解され
る。
第3図には、第4図と同様に各混合ガス圧での可視,
紫外吸収スペクトルが示されており、光学ギヤツプもま
た混合ガス圧との相関を示すことがわかる。なお、その
最大値は、3.0eVであつた。
さらに、第2図も第3図,第4図と同様に各混合ガス
圧での、発光特性を示している。
同図において、発光ピークは、第3図に示した光学ギ
ヤツプより幾分低いエネルギーとなるが、最大2.8eV(4
50nm)の値を示し、この値は、現在までに報告されてい
るアモルフアスケイ素,アモルフアス炭化ケイ素材料を
含めて最大の値である。
〔第4実施例〕 この実施例においても、第1実施例と同様のスパツタ
装置を用いている。
まず、真空容器1を予め4×10-5Pa(3×10-7Torr)
まで真空にした後、純度99.9999%の水素ガスに少量の
アルゴンガスを加えた混合ガスを導入し、この混合ガス
に少量のB2H6,PH3,N2のうちの少なくとも1種以上を混
入したスパッタガスを導入して真空度を0.5Torrに保つ
た。
次に、陽極電圧2KVで13.56MHzの高周波電力を供給
し、2時間のスパツタを行なつた。なお、この時の陽極
電流は0.2Aであつた。
また、基板としては、石英ガラス,シリコン,金蒸着
ガラスを用い、その基板温度は100%以下に制御した。
この時の膜厚は、0.6μmであつた。
このようにして得られた膜の構造は、電子線回折の結
果からアモルフアスの特徴であるハローパターンを示し
た。
また、石英ガラス上に成膜した試料についてHe−Cdレ
ーザ(325nm)を用いて発光特性を調べた結果、第7図
中破線で示すように、発光のピーク波長は480nmであつ
た。
そして、光学ギヤツプは、第6図に示すように3.0eV
を示した。常磁性電子スピン共鳴により測定したスピン
密度は、5×1016/cm3であつた。
〔第5実施例〕 この第5実施例〜第8実施例は、アルゴンガスの混合
割合を変化させてスパッタを行った例であり、この第5
実施例では真空容器1を予め3×10-7Torrまで真空にし
た後、純度99.9999%の水素ガスに10%のアルゴンガス
を加えた混合ガスを導入し、この混合ガスに少量のB
2H6,PH3,N2のうちの少なくとも1種以上を混入したスパ
ッタガスを導入して真空度を0.5Torrに保つた。
次に、陽極電圧2KVで13.56MHzの高周波電圧を供給
し、2時間のスパツタを行なつた。この時の陽極電流も
前記第4実施例と同様に、0.2Aであつた。
そして、基板として石英ガラス,シリコン,金蒸着ガ
ラスを用い、その基板温度を100℃以下に制御した。こ
の時の膜厚は、0.5μmであつた。
このようにして得られた膜の構造は、電子線回折の結
果、アモルフアスの特徴であるハローパターンを示し
た。
また、石英ガラス上に成膜した試料についてHe−Cdレ
ーザ(325nm)を用い発光特性を調べた結果、第7図中
に示すように、発光のピーク波長は550nmであつた。
光学ギヤツプは、第6図に示すように3.0eVであつ
た。常磁性電子スピン共鳴により測定したスピン密度は
8×1016/cm3であつた。
〔第6実施例〕 真空容器1を予め3×10-7Torrまで真空にした後、純
度99.9999%の水素ガスに50%のアルゴンガスを加えた
混合ガスを導入し、この混合ガスに少量のB2H6,PH3,N2
のうちの少なくとも1種以上を混入したスパッタガスを
導入して真空度を0.5Torrに保つた。
次いで、陽極電圧2KVで13.56MHzの高周波電力を供給
し、2時間のスパツタを行なつた。この時の陽極電流も
0.2Aであつた。
なお、基板としては、石英ガラス,シリコン,金蒸着
ガラスを用い、その基板温度を100℃以下に制御した。
この結果、膜厚が0.4の膜が得られた。
このようにして得られた膜の構造は、電子線回折の結
果、アモルフアスの特徴であるハローパターンを示し
た。
また、石英ガラス上に成膜した試料についてHe−Cdレ
ーザ(325nm)を用いて発光特性を調べた結果は、第7
図に示すように、発光のピーク波長が600nmであつた。
さらに、光学ギヤツプは第6図に示すように2.8eVで
あつた。常磁性電子スピン共鳴により測定したスピン密
度は、2×1017/cm3であつた。
〔第7実施例〕 真空容器1を予め3×10-7Torrまで真空にした後、純
度99.9999%の水素ガスに70%のアルゴンガスを加えた
混合ガスを導入し、この混合ガスに少量のB2H6,PH3,N2
のうちの少なくとも1種以上を混入したスパッタガスを
導入して真空度を0.5Torrに保つた。
次いで、陽極電圧2KVで13.56MHzの高周波電力を供給
し、2時間のスパツタを行なつた。この時の陽極電流も
0.2Aであつた。
なお、基板としては、石英ガラス,シリコン,金蒸着
ガラスを用い、その基板温度を100℃以下に制御した。
この結果、膜厚が0.3の膜が得られた。
このようにして得られた膜の構造は、電子線回折の結
果、アモルフアスの特徴であるハローパターンを示し
た。
また、石英ガラス上に成膜した試料についてHe−Cdレ
ーザ(325nm)を用いて発光特性を調べた結果は、第7
図に示すように、発光のピーク波長が650nmであつた。
さらに、光学ギヤツプは第6図に示すように2.5eVで
あつた。常磁性電子スピン共鳴により測定したスピン密
度は、4×1017/cm3であつた。
〔比較例1〕 本例は前記各実施例における真空度を0.5Torrから1To
rrにして同様にスパッタを行った比較例であり、真空容
器1を予め3×10-7Torrまで真空にした後、純度99.999
9%の水素ガスに50%のアルゴンガスを加えた混合ガス
を導入し、この混合ガスに少量のB2H6,PH3,N2のうちの
少なくとも1種以上を混入したスパッタガスを導入して
真空度を1Torrに保つた。
次いで、陽極電圧2KVで13.56MHzの高周波電力を供給
し、2時間のスパツタを行なつた。この時の陽極電流も
0.2Aであつた。
なお、基板としては、石英ガラス,シリコン,金蒸着
ガラスを用い、その基板温度を100℃以下に制御した。
この結果、膜厚が0.4の膜が得られた。
このようにして得られた膜の構造は、電子線回折の結
果、アモルフアスの特徴であるハローパターンを示し
た。
また、石英ガラス上に成膜した試料についてHe−Cdレ
ーザ(325nm)を用いて発光特性を調べた結果は、第7
図に示すように、発光のピーク波長が520nmであつた。
さらに、光学ギヤツプは第6図に示すように3.0eVで
あつた。常磁性電子スピン共鳴により測定したスピン密
度は、8×1016/cm3であつた。
上記した第1実施例,第4〜第7実施例及び比較例1
の製膜条件及び特性のデータを下記の表にまとめて示
す。
上記した各実施例で得られたアモルフアス炭素は、淡
黄色から無色に近い透明な物質であり、光学ギヤツプが
2〜3.5eVの値を有し、ドーピングを行ないたい元素を
含むガス(例えば、ジボラン,ホスフイン,窒素など)
を水素と共にスパツタガスとして導入する事により半導
体化することが可能となる。
また、発光特性は、光学ギヤツプ幅に応じて様々のピ
ークエネルギーを有し、1.8〜2.8(450〜690nm)の範囲
であつた。この性質は、実用上青色発光ダイオード,表
示パネル等への使用可能性を有する。
なお、第5図に示すアモルフアス炭素の赤外吸収スペ
クトルを示すグラフより、およそ2900cm-1,1460cm-1,13
80cm-1にそれぞれC−Hに起因する伸縮振動,変角振動
による強い吸収が観察され、これにより、本発明に係る
発光材料には、水素が結合していることが解る。
そして、C=Cの二重結合に結合した水素による吸収
が見られないことにより、この発光材料中の炭素は、ほ
とんど炭素の二重結合は無いと考えられる。
第5図にはスパッタ条件を変化させずに、スパッタガ
スとしての水素ガスとアルゴンガスの混合比を変えて、
該アルゴンガスの比率を0%,10%,50%,70%にした場
合の赤外吸収スペクトルを示したが、波数に関係なくア
ルゴンガスの混合比が高いほど赤外線の透過率が高くな
っていることが判明した。これにより、アルゴンガスの
混合比と赤外吸収スペクトルとの間に強い相関が存在す
ることが理解される。
また、第6図は、光学ギヤツプのアルゴン分圧依存性
を示している。この光学ギヤツプもまたアルゴン分圧比
との相関を示し、3.5〜2.0まで変化した。
第7図は、各アルゴン分圧で作成した試料の発光特性
を示しており、発光ピークは、第6図に示した光学ギヤ
ツプより幾分低い値となるが最下2.8eV(450nm)の値を
示し、この値は現在までに報告されているアモルフアス
ケイ素,アモルフアス炭化ケイ素材料を含め最下の値で
ある。
そして、これらのアモルフアス炭素(発光材料)の抵
抗率は、1014〜107Ωcmの間にあり、水素,アルゴンガ
ス中に添加するドーピングガスにより大きく変化させる
ことが出来た。
H.発明の効果 以上の説明から明らかなように、この発明に係る発光
材料の製造方法に依れば、基板温度を100℃以下に保つ
とともにスパッタガスとして水素ガスとアルゴンガスの
混合ガスにドーパントとして少量のB2H6,PH3,N2のうち
の少なくとも1種以上を混入したガスを用いて、真空度
が3×10-7Torr〜0.5Torrの雰囲気中でターゲットの対
向電極から高周波電圧もしくは直流電圧を印加してスパ
ッタを行うことにより、発光特性及び半導体特性を有す
るアモルファス炭素を製造することができる。
また、本発光材料は、その発光特性が光学ギヤツプ幅
に応じて様々のピークエネルギーを有し、実用上青色発
光ダイオード,表示パネル等への使用を可能とする効果
がある。
さらに、本発光材料は、短波長側(青色)の発光ピー
クを有することが特徴であり、また、任意の光学ギヤツ
プ並びに任意の発光特性を有する材料を、スパツタ条件
によりコントロールできるため、要望に応じた発光材料
を作ることを可能とした効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明に係る発光材料の製造に用いられた
スパツタ装置の説明図、第2図は、各水素圧条件で作ら
れた発光材料の発光特性を示すグラフ、第3図は、同発
光材料の光学ギヤツプを示すグラフ、第4図及び第5図
は、同発光材料の赤外吸収スペクトルを示すグラフ、第
6図は、光学ギヤツプのアルゴン分圧依存性を示すグラ
フ、第7図は、各発光材料の発光特性を示すグラフであ
る。 1……真空容器、2……グラファイトターゲット、3…
…対向電極、4……基板ホルダ、5……排気管、6……
雰囲気ガス導入管、7……高周波電源。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空容器内に配置した基板ホルダ上に基板
    として石英ガラス,シリコンもしくは金蒸着ガラスの何
    れかを固定し、固体炭素系物質をターゲットとして用い
    るとともに該ターゲットに対向電極を配置し、真空度が
    3×10-7Torr〜0.5Torrの雰囲気中で、水素ガスとアル
    ゴンガスの混合ガスにドーパントとして少量のB2H6,P
    H3,N2のうちの少なくとも1種以上を混入したスパッタ
    ガスの存在下で前記基板温度を100℃以下に保ちながら
    ターゲットの対向電極から高周波電圧もしくは直流電圧
    を印加してスパッタを行い、基板上に発光特性を有する
    アモルファス炭素材料を析出形成したことを特徴とする
    発光材料の製造方法。
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Title
JapaneseJournalofAppliedPhysicsVol.23no.4(1984)pp.L234−L237

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JPS63126234A (ja) 1988-05-30

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