JP2605834B2 - 発光素子の製造方法 - Google Patents

発光素子の製造方法

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JP2605834B2 JP26223988A JP26223988A JP2605834B2 JP 2605834 B2 JP2605834 B2 JP 2605834B2 JP 26223988 A JP26223988 A JP 26223988A JP 26223988 A JP26223988 A JP 26223988A JP 2605834 B2 JP2605834 B2 JP 2605834B2
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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明はアモルファス半導体よりなる発光素子の製造
方法に関するものである。
B.発明の概要 本発明は、発光層の両面に夫々正孔注入層及び電子注
入層を積層してなる発光素子を製造する方法において、 スパッタ法により得られたアモルファス炭素系膜を発
光層として用い、プラズマCGD法により得られたアモル
ファス炭化ケイ素膜を正孔及び電子の各注入層として用
いることによって、 発光層の発光特性が良好であり、しかもこの特性を十
分引き出せるようにしたものである。
C.従来の技術 従来、発光材料としては、発光ダイオードの材料であ
るGaAs,GaAsP,GaP,GaAlAs,ZnSeXTe1-X,ZnX・Cd1-xTe,Cd
Teなどがある。
D.発明が解決しようとする課題 しかしながら、このような従来の発光材料にあって
は、例えば、GaPではピーク波長(発光エネルギーがピ
ークとなる波長)が698nm、光学的エネルギーギャップ
が1.76eVというように、ピーク波長,光学的エネルギー
ギャップは、その発光材料に固有のものである。このた
め発光素材としての発光特性を変えたいときは、所要の
特性を有する発光材料を選択することが必要となり、と
もすると所要のピーク波長,光学的エネルギーギャップ
に由来する特性を得られない場合が生ずる問題点があっ
た。
こうしたことからスパッタ法を利用してアモルファス
炭素系物質を生成し、これを発光材料に適用することが
検討されている。具体的にはこのアモルファス炭素系物
質は、真空容器内で、基板温度を例えば250℃以下に保
ち、且つグラファイトをターゲットとして用いると共
に、例えば133.3mPa〜5×133.3Paの水素ガス存在下で
高周波電圧または直流電圧を印加してスパッタを行うこ
とにより生成される。
このような物質よりなる発光材料は、大きな光学的エ
ネルギーギャップを有する(耐熱的には250℃までその
ギャップはほとんど変化しない)と共に任意の光学的エ
ネルギーギャップ及び発光特性を、スパッタ条件のコン
トロールにより得られるため、要望に応じた材料が容易
に得られるという利点がある。この発光材料よりなる膜
は光学的エネルギーギャップ(Ego)の大小により強力
なフォトルミネッセンス(PL)が観察される。第7図に
EgoとPLのピーク値との関係を示す。特にEgoが3eV程度
の膜は青白発光することからアモルファスの特性を生か
した大面積の青色発光パネルを実現させる可能性があ
る。更に種々のEgoを選択することにより赤から青まで
の色をチューナブルに出す発光素子を作ることもでき
る。またEgoの大小によるPL強度についても室温観察で
非常に強い発光を示し、大画面を有するフラットパネル
ディスプレイへと応用を広げることのできる発光素子材
料(R,G,B三元色を作るもの)として有望なものであ
る。
ところでこのような物質よりなる膜を発光層としたLE
D(Light Emitting diode)を作る場合、電子と正孔を
発光層に注入する注入層が必要であり、この注入層とし
ては、半導体化したp型,n型の上記のアモルファス炭素
系物質を用いることが最良である。しかしながらこの物
質を注入層として用いる場合、目標特性であるEgo>2e
V,ρ(抵抗率)<106Ω・cmを有するp型,n型膜を作る
ことが非常に難かしく、この問題点が上記のアモルファ
ス炭素系物質の発光素子への適用を妨げている。
本発明の目的は、スパッタ法を利用して得たアモルフ
ァス炭素系物質の特性を十分に引き出すことのできる発
光素子を製造する方法を提供することにある。
E.課題を解決するための手段 本発明は、発光層の両面に夫々正孔注入層及び電子注
入層を積層してなる発光素子を製造する方法において、 炭化水素ガスと水素化ケイ素ガスとp型不純物ガスと
を含む低圧の反応ガスを真空容器内でグロー放電させて
分解ガスを重合させるプラズマ化学的蒸着法を行い、こ
れによりp型のアモルファス炭化ケイ素膜よりなる正孔
注入層を生成する工程と、 ガス圧力が3〜665Paである水素ガスを導入した真空
容器内に電圧を印加して、固体炭素系物質よりなる第1
のターゲット部とケイ素よりなる第2のターゲット部と
から構成されると共に第2のターゲット部のターゲット
全体に対する面積比が0.03〜10%である複合ターゲット
に水素ガスのエネルギー粒子を衝突させるスパッタ法を
行い、これによりアモルファス炭素系膜よりなる発光層
を生成する工程と、 炭化水素ガスと水素化ケイ素ガスとn型不純物ガスと
を含む低圧の反応ガスを真空容器内でグロー放電させて
分解ガスを重合させるプラズマ化学的蒸着法を行い、こ
れによりn型のアモルファス炭化ケイ素膜よりなる電子
注入層を生成する工程とからなることを特徴とする。
本発明においては、発光層を生成する工程において、
真空容器内に導入されるガスは、水素ガスとヘリウムガ
スとの混合ガスであり、ヘリウムガスの濃度が3〜90容
量%であると共に混合ガス圧力が3〜665Paであっても
よい。
また上記の混合ガスとしては、水素ガスと窒素ガスと
の混合ガスであり、窒素ガスの濃度が0.1〜20容量%で
あると共に混合ガス圧力が3〜665Paであってもよい
し、あるいは水素ガスとヘリウムガスと窒素ガスとの混
合ガスであり、この混合ガス中におけるヘリウムガス濃
度が3〜80容量%、窒素ガス濃度が0.1〜20容量%、混
合ガス圧力が3〜665Paであってもよい。
F.実施例 第1図は本発明発光素子の実施例を示す構成図であ
る。第1図中1は例えば63cm2程度の面積をもつガラス
基板、2は酸化錫よりなる透明電極、3はB3+をドーパ
ントした30nm程度の厚さのp型のアモルファス炭化ケイ
素膜(以下「a−SiC膜」という。)よりなる正孔注入
層、4は300nmの厚さのアモルファス炭素系膜(以下
「a−C:Si.H」という。)よりなる発光層、5はP5+
ドーパントした50nm程度の厚さのn型nのa−SiC膜よ
りなる電子注入層、6はアルミニウム電極である。
次に上記の発光素子の製造方法について第2図を参照
しながら説明する。同図中7は真空容器であり、連続す
る3つの真空室71〜73に区画されている。先ずCH4,SiH4
及びB2H6の混合ガスをH2ガスにより約30倍に希釈した反
応ガスを第1の真空室71に導入すると共にこのガスに高
周波電源E1により高周波電圧を印加し、グロー放電によ
って生成する分解ガスを電極が形成された基板8上にて
重合させ、以ってp型のa−SiC膜を得る。即ち、この
a−SiC膜はプラズマCVD(Chemical Vapor Depositio
n)法により生成されたものである。続いて真空状態を
破ることなくa−SiC膜を形成した基板8を第2の真空
室72に移し、この中にH2ガスを導入すると共に高周波電
源E2により高周波電圧を印加して、カソードK上に置か
れた固体炭素系物質及びケイ素よりなる複合ターゲット
TにH2ガスのエネルギー粒子を衝突させるスパッタ法を
行い、これによりa−C:Si、H膜を前記a−SiC膜上に
積層生成する。しかる後に真空状態を破ることなくこれ
らの膜を形成した基板8を第3の真空室73に移し、B2H6
ガスの代わりにPH3ガスを用いた他は第1の真空室71
て適用した方法と同様にしてn型のa−SiC膜を得、そ
の後このa−SiC膜上に電極膜を形成することによって
p−i−n型の発光素子が得られる。なお第2図中91
93は磁気シールにより回転可能に設けられたサスセプ
タ、Aはアノード、10,11はヒータ、E1〜E3は高周波電
源である。
以上において前記複合ターゲットとしては、例えば第
3図(a),(b)に示すように固体炭素系物質よりな
る第1のターゲット部T1にケイ素よりなる第2のターゲ
ット部T2をリング状に配置して埋設してなる構造のも
の、第4図(a),(b)に示すように第1のターゲッ
ト部T1に5個の円形状の第2のターゲット部T2を島状に
配置した構造のもの、あるいは第5図(a),(b)に
示すように第1のターゲット部T1に多数の角形の第2の
ターゲット部T2を小円状に配置した構造のもの等を用い
ることができる。
ここで第2図に示す装置を用い、かつ第3図に示す構
造のターゲットを用いて発光素子を製造する場合の製造
条件の3つの例(試料1〜3)を以下に挙げる。
(1)試料1について 正孔注入層 真空容器内ガス圧力 66.7Pa(0.5Torr) 基板温度 200℃ CH4ガス:SiH4ガス 1:1 B2H3ガス:(CH4ガス+SiH4ガス) 3:1000 高周波電源電力 20W (入力電極面積に対し(0.25W/cm2) 発光層 真空容器内H2ガス圧力 100Pa(0.75Torr) 複合ターゲットにおける第2のターゲット部の面積比1
% 基板温度 70℃ 高周波電力 300W ターゲットの径 75mm 電子注入層 真空容器内ガス圧力 66.7Pa(0.5Torr) 基板温度 200℃ CH4ガス:SiH4ガス 1:1 PH3ガス:(CH4ガス+SiH4ガス) 5.8:1000 高周波電源電力 20W (入力電極面積に対し0.25W/cm2) (2)試料2について 正孔注入層及び電子注入層 試料1と同じ条件で製造した。
発光層 真空容器内H2ガス圧力を40Pa(0.3Torr)とした他は試
料1と同じ条件で製造した。
(3)試料3について 正孔注入層及び電子注入層 試料1と同じ条件で製造した。
発光層 真空容器内ガス圧力を13.3Pa(0.1Torr)とした他は試
料1と同じ条件で製造した。
以上の各試料1〜3についてELピーク波長とEL強度と
の関係を調べたところ第6図に示す関係が得られた。第
6図中実線〜のグラフは夫々1〜3に対応する。ま
た各試料1〜3についてPLピーク波長とEgoとの関係を
調べたところ、第7図に示す関係が得られ。いずれの試
料1〜3も目視で十分観察できる発光を示し、十分な発
光特性を有していることが判った。試験に用いた順方向
バイアス電圧は5Vであり、電流密度は200mA/cm2であっ
た。以上の実施例では、a−Sic膜としてEgoが2.0eV,ρ
が106Ω・cmのものを用いたが、Egoが2.0eVよりも大き
く、ρが106Ω・cmよりも小さいものを用いれば発光特
性は更に良くなる。また基板温度についてはa−C:Si、
H膜の耐熱性により制限されるが、a−C:Si、H膜は35
0℃以上に加熱されるとEgoが低下し、かつ膜厚が小さく
なるため、300℃程度が限界である。
ところでp型a−Sic膜、a−C:Si、H膜及びn型の
a−Sic膜を積層しp−i−n型セルを作った場合、a
−C:Si、H膜とa−Sic膜(p型またはn型)との接合
はヘテロ接合となるから、その接合が良好になされるか
否か、即ち注入層から発光層に正孔(電子)がうまく注
入されるか否かが問題であったが、試料1〜3について
ダイオード特性を調べてみると、接合が良好になされて
いることが判った。試料1についてのダイオード特性を
第8図にて実線1F,1Rとして示し、またケイ素を複合し
ないグラファイトターゲットを用いて同条件で作製した
発光素子のダイオード特性を同図にて鎖線2F、点線2Rと
して示す。ただしFは順方向バイアスされたとき、Rは
逆方向バイアスされたときの電圧−電流特性であること
を示す。この結果から、ターゲットにケイ素を複合させ
ることによりダイオード特性が改善されることがわか
る。
ここで、試料1の作製条件においてケイ素よりなる第
2のターゲット部の面積比を変えることによりPLピーク
強度がどのように変化するかを調べたところ、第9図に
示す結果が得られた。この結果からわかるように上記の
面積比が10%まではPLピーク強度はほとんど変わらない
が、これを越えるとPLピーク強度が落ち込み、50%では
大きく低下いており、発光素子としては思わしくないも
のになる。
更に試料1の作製条件において上記の面積比を変える
ことによりEgoと抵抗率ρとがどのように変化するかを
調べたところ、第10図に示す結果が得られた。この結果
からわかるように、面積比が0.03%未満ではρは可成り
大きくて電流密度が小さくなってしまい、10%を越える
とEgoが2eV以下となってしまう。従って第2のターゲッ
ト部の面積比は0.03〜10%であることが望ましい。
また試料1の作製条件においてH2ガスの圧力を変化さ
せたときにEgoとρとがどのように変わるかを調べたと
ころ、第11図に示す結果が得られた。この結果からわか
るようにガス圧力が3Pa以下ではEgoが2eV以下となり、6
65Paを越えるとρ=1013Ω・cm以上となって電流密度が
小さくなり、発光素子として思わしくないものになる。
従ってH2ガス圧力は3〜665paであることが望ましい。
本発明では、発光層を生成する工程で用いるガスとし
てH2ガスとHeガスとの混合ガスであってもよく、この方
法を第2図に示す装置により実施する場合には、第2の
真空室72にH2ガスとHeガスとを導入すればよい。
次にこの方法を第2図に示す装置を用いて実施し、こ
れにより発光素子を製造する場合の製造条件の3つの例
(試料4〜6)を以下に挙げる。
(1)試料4について 正孔注入層及び電子注入層 試料1と同じ条件で製造した。
発光層 真空容器内混合ガス圧力 100Pa(0.75Torr) 混合ガス中のHeガス濃度 50容量% 複合ターゲットにおける第2のターゲット部の面積比1
% 基板温度 70℃ 高周波電力 300W (2)試料5について 正孔注入層及び電子注入層 試料1と同じ条件で製造した。
発光層 真空容器内混合ガス圧力を40Pa(0.3Torr)とした他は
試料4の同じ条件で製造した。
(3)試料6について 正孔注入層及び電子注入層 試料1と同じ条件で製造した。
発光層 真空容器内混合ガス圧力を13.3Pa(0.1Torr)とした他
は試料4と同じ条件で製造した。
以上の各試料4〜6についてELピーク波長とEL強度と
の関係を調べたところ第6図に示す関係が得られた。第
6図中実線〜のグラフは夫々4〜6に対応する。ま
た各試料4〜6についてPLピーク波長とEgoとの関係を
調べたところ、第7図に示す関係が得られた。いずれの
試料4〜6も目視で十分観察できる発光を示し、十分な
発光特性を有していることが判った。
ここで上記の試料1の作製条件において、Heガス濃度
を変えることによりEgo及び成膜速度がどのように変化
するかを調べた。結果は第12図に示す通りである。この
結果から判るようにHeガス濃度が小さすぎると成膜速度
が可成り遅く、大きすぎるとEgoが2eV以下となって思わ
しくないので、Heガス濃度は3〜90容量%が望ましい。
更に上記の試料1の作製条件において、発光層生成時
の混合ガス圧力を変えることによりEgo及び成膜速度が
どのように変化するかを調べた。結果は第13図に示す通
りである。黒点を中心に付した白丸印はH2ガスのみの場
合における成膜速度である。この結果から判るように混
合ガス圧力が1.33Pa以下ではEgoが2eVとなって思わしく
なく、665Pa以上では成膜速度が遅くなりすぎるため、
混合ガス圧力は3Pa〜665Paであることが望ましい。
本発明では、発光層を生成する工程で用いるガスとし
てH2ガスとN2ガスとの混合ガスであってもよく、この方
法を第2図に示す装置により実施する場合には、第2の
真空室72にH2ガスとN2ガスとを導入すればよい。
次にこの方法を第2図に示す装置を用いて実施し、こ
れにより発光素子を製造する場合の製造条件の3つの例
(試料7〜9)を以下に挙げる。
(1)試料7について 正孔注入層及び電子注入層 試料1と同じ条件で製造した。
発光層 真空容器内混合ガス圧力 100Pa(0.75Torr) 混合ガス中のN2ガス濃度 5容量% 複合ターゲットにおける第2のターゲット部の面積比1
% 基板温度 70℃ 高周波電力 300W (2)試料8について 正孔注入層及び電子注入層 試料1と同じ条件で製造した。
発光層 真空容器内混合ガス圧力を40Pa(0.3Torr)とした他は
試料7の同じ条件で製造した。
(3)試料9について 正孔注入層及び電子注入層 試料1と同じ条件で製造した。
発光層 真空容器内混合ガス圧力を13.3Pa(0.1Torr)とした他
は試料7と同じ条件で製造した。
以上の各試料7〜9についてELピーク波長とEL強度と
の関係を調べたところ第6図に示す関係が得られた。第
6図中実線〜のグラフは夫々7〜9に対応する。ま
た各試料7〜9についてPLピーク波長とEgoとの関係を
調べたところ、第7図に示す関係が得られた。いずれの
試料7〜9も目視で十分観察できる発光を示し、十分な
発光特性を有していることが判った。
ここで上記試料7の作製条件において、H2ガス濃度を
変化させることによってPLピーク強度とELピーク強度と
がどのように変化するかを調べた。結果は第14図に示す
通りであり、縦軸には、N2ガス濃度を0としたときのPL
ピーク強度(IPO)に対するそのときの濃度におけるPL
ピーク強度(IP)の比率(IP/IPO)とN2ガス濃度を0と
したときのELピーク強度(IEO)に対するときの濃度に
おけるPLピーク強度(IE)の比率(IE/IEO)とを割り当
てている。この結果から大きなPLピーク強度及びELピー
ク強度を得るためには、N2ガス濃度は0.1〜20容量%で
あることが望ましい。
更に上記試料7の作製条件において、発生層生成時の
混合ガス圧力を変えることによってEgoと抵抗率ρとが
どのように変化するかを調べた。結果は第11図に示す結
果と同じであった。この結果からわかるように混合ガス
圧力が3Pa以下ではEgoが2eVとなって思わしくない特性
となり、665Paを越えると抵抗率ρが1013Ω・cm以上と
高くなりすぎることが予想され、従って混合ガス圧力は
3〜665Paであるこのが望ましい。
本発明では、発光層を生成する工程で用いるガスとし
てH2ガスとHeガスとの混合ガスであってもよく、この方
法を第2図に示す装置により実施する場合には、第2の
真空室72にH2ガスとHeガスとを導入すればよい。
次にこの方法を第2図に示す装置を用いて実施し、こ
れにより発光素子を製造する場合の製造条件の3つの例
(試料10〜12)を以下に挙げる。
(1)試料10について 正孔注入層及び電子注入層 試料1と同じ条件で製造した。ただし、正孔注入層を生
成する工程において、H2ガスにより混合ガスを10倍に希
釈している。
発光層 真空容器内混合ガス圧力 100Pa(0.75Torr) 混合ガス中のN2ガス濃度 5容量% (H2ガス+Heガス)に対するHeガス濃度 30容量% 複合ターゲットにおける第2のターゲット部の面積比1
% 基板温度 70℃ 高周波電力 300W (2)試料11について 正孔注入層及び電子注入層 試料10と同じ条件で製造した。
発光層 真空容器内混合ガス圧力を40Pa(0.3Torr)とした他は
試料10と同じ条件で製造した。
(3)試料12について 正孔注入層及び電子注入層 試料1と同じ条件で製造した。
発光層 真空容器内混合ガス圧力を13.3Pa(0.1Torr)とした他
は試料10と同じ条件で製造した。
以上の各試料10〜12についてELピーク波長とEL強度と
の関係を調べたところ第6図に示す関係が得られた。第
6図中実線〜のグラフは夫々10〜12に対応する。ま
た各試料10〜12についてPLPピーク波長とEgoとの関係を
調べたところ、第7図に示す関係が得られた。いずれの
試料10〜12も目視で十分観察できる発光を示し、十分な
発光特性を有していることが判った。
ここで上記の試料10の製作条件において、Heガス濃度
(He/H2+He+N2)を変えることによりEgo及び成膜速度
がどのように変化するかを調べたところ、第15図に示す
結果が得られた。この場合H2ガスとN2ガスとの混合ガス
に対するN2ガスの濃度(N2/H2+N2)は5容量%に固定
してある。この結果から判るようにHeガス濃度が小さす
ぎると成膜速度が可成り遅く、大きすぎるとEgoが2eV以
下となって思わしくないので、Heガス濃度は3〜80容量
%が望ましい。
更に上記試料10の作製条件において、N2ガス濃度を変
化させることによってPLピーク強度とELピーク強度とが
どのように変化するかを調べた。この場合H2ガスとN2
スとの混合ガスに対するN2ガス濃度は30容量%に固定し
てある。結果は第16図に示す通りであり、縦軸は第14図
と同じである。この結果から大きなPLピーク強度及びEL
ピーク強度を得るためには、N2ガス濃度は0.1〜20容量
%であることが望ましい。
更に上記の試料1の作製条件において、発光層生成時
の混合ガス圧力を変えることによりEgo及び成膜速度が
どのように変化するかを調べた。結果は第13図に示す結
果と同じであった。従って混合ガス圧力は3.0Pa〜665Pa
であることが望ましい。
以上において試料4〜12についてダイオード特性を調
べてみたところ、既述した試料1と同様の結果であっ
た。更に試料4,7,10の各々の作製条件においてケイ素よ
りなる第2のターゲット部の面積比を変えて、面積比と
PLピーク強度、Ego、抵抗率ρとの関係を調べたところ
既述した試料1と同様の結果であった。
G.発明の効果 本発明によれば、スパッタ法により得られたa−C:S
i、H膜あるいはa−C:Si、H、N膜を発光層として用
いているため、大きな光学的エネルギーギャップを有す
ると共に短波長側にピーク波長を有する特長があり、更
に発光特性をスパッタ法条件を変えることによりコント
ロールできるから要望に応じた発光層が容易に得られ
る。しかも発光層を生成する工程において、Heガスを導
入しているため成膜速度が大きく、またN2ガスを導入し
ているためEL,PL強度が改善される。またターゲットと
して固体炭素系物質とケイ素との複合ターゲットを用い
ているから、良好なダイオード特性を得ることができる
と共に、抵抗率が小さな素子を製造することができる。
そしてプラズマCVD法により得られたa−SiC膜を正孔及
び電子の注入層として用いているため、発光層と注入層
とがヘテロ接合により結合されていても電子及び正孔が
うまく発光層に注入されると共に、光学的エネルギーギ
ャップ及び抵抗率について目標特性を満足する注入層を
容易に作り出すことができるから、これによりa−C:S
i、H膜(あるいはa−C:Si、H、N膜)即ち発光層の
特性を十分に引き出すことができ、実用価値の高い発光
素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に係る発光素子を示す構成図、
第2図は発光素子の製造装置を示す構成図、第3図
(a),(b)〜第5図(a),(b)は複合ターゲッ
トを示す平面図及び断面図、第6図はダイオードの発光
特性を示す特性図、第7図はアモルファス炭素系膜のEo
とPLとの関係を示す特性図、第8図はダイオード特性を
示すグラフ、第9図はPLピーク強度に対するケイ素の影
響を示す測定結果図、第10図は抵抗率ρ,Egoに対するケ
イ素の影響を示す測定結果図、第11図は抵抗率ρ,Egoの
ガス圧依存性を示す測定結果図、第12図及び第15図はEg
oと成膜速度のHeガス濃度依存性を示す測定結果図、第1
3図はEgoと成膜速度のガス圧依存性を示す測定結果図、
第14図及び第16図はPL及びELピーク強度のN2ガス濃度依
存性を示す測定結果図である。 1……基板、2,6……電極、3……正孔注入層、4……
発光層、5……電子注入層、7……真空容器、71〜73
…真空室、8……基板、91〜93……サスセプタ、T……
ターゲット、T1……第1のターゲット部、T2……第2の
ターゲット部。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発光層の両面に夫々正孔注入層及び電子注
    入層を積層してなる発光素子を製造する方法において、 炭化水素ガスと水素化ケイ素ガスとp型不純物ガスとを
    含む低圧の反応ガスを真空容器内でグロー放電させて分
    解ガスを重合させるプラズマ化学的蒸着法を行い、これ
    によりp型のアモルファス炭化ケイ素膜よりなる正孔注
    入層を生成する工程と、 ガス圧力が3〜665Paである水素ガスを導入した真空容
    器内に電圧を印加して、固体炭素系物質よりなる第1の
    ターゲット部とケイ素よりなる第2のターゲット部とか
    ら構成されると共に第2のターゲット部のターゲット全
    体に対する面積比が0.03〜10%である複合ターゲットに
    水素ガスのエネルギー粒子を衝突させるスパッタ法を行
    い、これによりアモルファス炭素系膜よりなる発光層を
    生成する工程と、 炭化水素ガスと水素化ケイ素ガスとn型不純物ガスとを
    含む低圧の反応ガスを真空容器内でグロー放電させて分
    解ガスを重合させるプラズマ化学的蒸着法を行い、これ
    によりn型のアモルファス炭化ケイ素膜よりなる電子注
    入層を生成する工程とからなることを特徴とする発光素
    子の製造方法。
  2. 【請求項2】発光層を生成する工程において、真空容器
    内に導入されるガスは、水素ガスとヘリウムガスとの混
    合ガスであり、ヘリウムガスの濃度が3〜90容量%であ
    ると共に混合ガス圧力が3〜665Paである請求項(1)
    記載の発光素子の製造方法。
  3. 【請求項3】発光層を生成する工程において、真空容器
    内に導入されるガスは、水素ガスと窒素ガスとの混合ガ
    スであり、窒素ガスの濃度が0.1〜20容量%であると共
    に混合ガス圧力が3〜665Paである請求項(1)記載の
    発光素子の製造方法。
  4. 【請求項4】発光層を生成する工程において、真空容器
    内に導入されるガスは、水素ガスとヘリウムガスと窒素
    ガスとの混合ガスであり、この混合ガス中におけるヘリ
    ウムガス濃度が3〜80容量%、窒素ガス濃度が0.1〜20
    容量%、混合ガス圧力が3〜665Paであることを特徴と
    する請求項(1)記載の発光素子製造方法。
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