JPH0217631A - 発光素子用ダイヤモンド結晶チップ - Google Patents

発光素子用ダイヤモンド結晶チップ

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JPH0217631A
JPH0217631A JP63167970A JP16797088A JPH0217631A JP H0217631 A JPH0217631 A JP H0217631A JP 63167970 A JP63167970 A JP 63167970A JP 16797088 A JP16797088 A JP 16797088A JP H0217631 A JPH0217631 A JP H0217631A
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diamond
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light
blue
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JP63167970A
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Inventor
Akio Hiraki
昭夫 平木
Hiroshi Kawarada
洋 川原田
Hirotoshi Yoshinaga
吉永 博俊
Kazuhito Nishimura
一仁 西村
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Osaka Diamond Industrial Co Ltd
Original Assignee
Osaka Diamond Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、発光素子として用いるダイヤモンド結晶チ
ップに関するものである。
〔技術的背景〕
近年、屋外表示やオーディオ等の民生用機器の表示器等
に、エレクトロルミネッセンスデバイスを用いた発光装
置が多く使用されている。
このような発光装置には、装飾性や多様な表示機能を得
るために、赤色や緑色、黄色、青色などの多種類の発光
色が求められる0発光半導体結晶の発光色は、その材料
の禁制帯幅 (Eg)で決まり、発光波長をλ(nm)
とすると、λ≧hc/Eg=1240/Eg (eV)
なる関係がある。
ここで、hはブランク定数、Cは光速であり、可視光は
、700nmの赤から400nmの紫までであるから、
Egに換算すれば1.7eVから3.1eVに相当する
従来、赤色や緑色の発光については、GaPやGaAS
l−xPx等の多くの半導体チップが知られており、こ
れらのチップを用いることにより、強くて明確な発光を
得ることができ、現在では大量に生産されている。
これに対して青色光を得るためには、2.6eV以上の
禁制帯幅をもつ発光材料が必要である。この青色発光材
料としては、現在、■−v族化合物半導体のGaN、■
族化合物半導体のSiC等が検討されている。しかし、
SiCは、−a的なウルツ拡形結晶構造をもつもので、
Egが室温で約3eVであり、青色までの発光が可能で
あるが、実用に供せられているのは黄色発光素子だけで
あり、発光効率も非常に低い0.GaNも、Egが室温
で3.7eVもあって、紫外線発光まで得られる可能性
のある材料であるが、結晶成長がむずかしく、まだpn
接合をうるまでには達していない状態であり、実用に供
するためには、不純物のコントロールされた良質の結晶
が必要である。しかし、現在の結晶成長技術は、未だそ
の域に達していないのが実状である。
これらの発光材料に共通する理由は、化合物であるが故
の結晶欠陥によるデバイス特性の不安定性である。これ
らの欠陥は禁制帯中心部に深い準位をもち、長波長の発
光に寄与するなどして、青色発光の重大な阻害要因とな
る。別の見方をすれば、青色発光の材料として禁制帯幅
に余裕がないといえる。
〔発明の課題〕
ダイヤモンドは、元素半導体であり、禁制帯幅は5.5
eVと格段に大きく、青色発光にとって余裕がある。し
かも、不純物制inにより10−”newまで抵抗を下
げられる。ダイヤモンドのこれらの諸性質は、共有結合
性による構造安定性も含め、他の広禁制帯幅をもつ半導
体よりも安定した青色光の発光材料となることを示して
いる。
一方、ダイヤモンドは、炭素原子の共有結合であって一
般に優秀な電気の絶縁体であるが、結晶内部にボロンが
介在している場合、p型持性を示すようになり、電気を
通す導電体となる。このようなp型持性を有するダイヤ
モンドは、気相合成、或いは高圧合成のダイヤモンドに
ボロンを不純物として混入して人工的に形成することが
できる。
また、天然ダイヤモンドとしても存在が認められており
、Ib型ダイヤモンドとして分類されている。また、こ
のIb型ダイヤモンドは、Ib型やIb型のダイヤモン
ドにボロンイオンを高速照射し、イオン注入により上記
ダイヤモンドを改質して形成することもできる。
以上のことより、発光ダイオードやエレクトロミネッセ
ンスデバイス等の半導体結晶チップに代えてダイヤモン
ド結晶を発光素子として用いることにより、安定した青
色光の発光装置を形成できる可能性がある。
このような考えに基づき、本発明者等は、すでに特願昭
63−1093383号、特願昭63−1093385
号において、ダイヤモンド結晶を発光素子として用いた
発光装置を提案している。
第1図は、その発光装置の一例を示している。
この発光装置は、上述したIb型ダイヤモンドの結晶チ
ップ1の下面に、タングステンから成る金属電極2をシ
シットキー接合により接合し、結晶チップ1の上面に、
Tiからなる金属電極3をオーミック接合により結合し
ており、その各電極板2.3に順方向に加電圧回路4を
接続して形成している。
上記構造の発光装置では、シッットキー接合に順方向に
電圧を加えると、結晶チシプ1と金属電極2の界面部分
が青色に発光するのが観察できる。
この発光は、ダイヤモンドの光透過性のため、結晶チッ
プ1の全周囲で見ることができる。これは、金属電極2
からダイヤモンドに電子が注入され、少数キャリアと呼
ばれる電子の一部が多数キャリア(正孔)と再結合する
ことにより発光すると考えられる。
ところで、上記のごとき発光装置は、使用するダイヤモ
ンド結晶により、その発光強度や、発光色が異なる。す
なわち、同じIb型のダイヤモンド結晶であっても、発
光輝度が高いものと低いものがあり、また、発光色も濃
い青色から、緑色に近い青色のものまでばらつきがある
ダイヤモンドの発光は、結晶格子の中に含まれる不純物
や格子欠陥、及び格子欠陥と不純物との結合したものが
発光中心となり、その存在により大きく左右される考え
られる。このため、上記のような発光強度や発光色のば
らつきは、ダイヤモンド結晶中に存在する発光中心のば
らつきによるものと思われる。
ところが、従来は、結晶内部の不純物や格子欠陥等と、
それらが発光に与える効果との正確な結び付きが解明さ
れておらず、使用するダイヤモンド結晶が予め持ってい
る特性がそのまま発光デバイスの光特性とならざるを得
ない状態にある。
また、青色のような短波長は、視覚器に入る刺激、いわ
ゆる視覚的強度が緑色や黄色等に比べて弱く、印象の強
い青色光を得るには、他の色の発光に比べて強い発光強
度が必要とされる。すなわち、赤色や緑と同程度の明る
さを得るためには、青色光の発光チップは、相当強い発
光強度を備えなければならない、ところが、従来の天然
や人造ダイヤモンド結晶の発光強度は、全体に弱くて不
十分なものしか得られず、時に強い発光強度を備えるも
のも存在するが、これを安定して選択することができな
い実状にある。このことは、ダイヤモンド結晶チップを
発光素子とした発光デバイスを商品化する上で大きな障
害になっている。
〔発明の目的〕
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、発光
素子として用いるダイヤモンド結晶チップにおいて、発
光色が青色で、しかも強く発光する結晶チップを提供し
ようとするものである。
〔目的を達成するための手段〕
上記の目的を達成するためのこの発明のダイヤモンド結
晶チップは、結晶中に、ボロンを1ppm以上含有し、
かつ、窒素含有量が10ppm以下であることを要件と
するものである。
以下、その内容を詳述する。
本発明者等は、ダイヤモンドの結晶中に含まれる不純物
や格子欠陥と発光との関連についてさらなる研究を進め
、青色発光及び発光強度に関係する発光バンドや発光中
心の同定を行なった。その具体的な方法は、ダイヤモン
ド結晶に電子線を照射し、その時の発光現象から得られ
る発光スペクトル(カソードルミネッセンススペクトル
二基下CLスペクトルとする)を出し、このCLスペク
トルから結晶中の発光中心(不純物、格子欠陥)及びバ
ンド構造の情報を得た。また、カソードルミネッセンス
像に顕微鏡による結晶面の光学像を対応させることによ
り、発光領域の比較を行なった。
CL測測定は、走査型電子顕微鏡(JSN−840型)
を使用した。このシステムには、集光ミラー、分光器、
2.0−3.5eVのフォトン・エネルギーに適した光
電子増倍管が組み込んであり、走査電子線の加速電圧は
5−20kV、電流は5XIO−” −IXIO−”A
の範囲で行なった。
ところで、従来よりダイヤモンド結晶のカッ−・ドルミ
ネッセンスにおいては、可視領域で数多くの発光バンド
、発光中心が報告されている。この中で、発光強度の高
いものは、青色および緑色領域に存在し、この領域で代
表的なものとして、バンドA、H3センター、N3セン
ター、及び転位からの発光が知られている。
バンドへの発光は、ダイヤモンドの全てのタイプ(Ia
、Ib、I[a、l1b)で共通して観測され、ピーク
は、2.2−3. Oe Vに存在する。この発光機構
はドナーとアクセプターのペア(D−Aペア)間での再
結合過程により説明される。この場合、発光のエネルギ
ーE(r)は、 E(y)=Eg  (Ea+Ed)+e”/(4zεr
)(1)であり、ここにEgはダイヤモンドの禁制帯幅
、Eaはアクセプター準位、Edはドナー準位、εは誘
電定数、TはD−Aパフ間の距離である。Eaにボロン
(B)の0.37eV、Edに窒素(N)の4eVを代
入すると、E ((X))は、1.1 e V程度であ
る。しかし、ダイヤモンドは誘電率が小さいためクーロ
ン・ポテンシャルの項が大きく、その値は1.5eV以
上になると考えられる。
N3センターによる発光は、ダイヤモンドで最も研究さ
れてきた発光の一つである。これは、2゜46eVにゼ
ロ・フォノン線が存在し、発光スペクトルは2.3eV
にピークを持ち、黄緑色に発光する。このタイプの発光
では伝導帯まで電子が励起する必要がないため、適当な
光源によりフォトルミネッセンス(PL)を観測してい
る例もある。
その発光センターは、N原子−空孔−N原子(N−V−
N)で構成されると解釈される。
N3センターは、N3センターと似たタイプの発光をし
、2.99eVにゼロ・フォノン線が存在し、発光スペ
クトルは2.8eV付近にピークをもつ、このセンター
は、炭素(C)原子と四面体結合する4個の原子のうち
3個がN原子となる構造で説明され、含有Nが非常に多
いダイヤモンドで観測される。
転位からの発光は、CLでのみ観測され、スペクトルは
2.4eVから少なくとも3.1eVにわたり、ピーク
は2.8eV付近に存在する。この発光の原因について
は、転位周辺の格子歪による禁制帯幅のnarrowi
ng 、転位芯が作る局在した電子状態、転位周辺に集
った近接したドナーアクセプタベアなどが考えられてい
る。
本発明者等は、上記の発光バンドや発光中心の知識に基
づき、天然ダイヤモンド、高圧合成ダイヤモンド、気相
合成ダイヤモンドについてCLN定を行ない、その各ダ
イヤモンドにおける青色発光と上記の発光バンドや発光
中心との関連を調べた。以下、その検討内容を説明する
(検討内容の説明) (i)  天然ダイヤモンドと高圧合成ダイヤモンド第
2図(a)は、天然ダイヤモンドIa型からのCLスペ
クトルである。このスペクトルは、2.9 e■に明ら
かなピークが存在し、また2、3eVにも小さなピーク
が存在する、2.9eVのピークは、バンドAによるも
のである。2.3eVのピークはバンドAあるいは11
3センターによるものと考えられる。
第2図(b)は、天然ダイヤモンドのIla型のCLス
ペクトルである。このスペクトルは、2.9eVにのみ
ピークが存在し、バンドAによるもの、或いは転位によ
るものとも考えられる。第2図(C)は、高圧合成ダイ
ヤモンドの1b型のCLスペクトルである。この場合は
、2.9−3. Oe Vに小さなピークが存在し、2
.3eVに大きなピークが存在する。2.3e■という
緑色領域のピークは高圧合成ダイヤモンドのバンドAに
特長的なものである。
一方、高エネルギー側の小さなピークもバンドAによる
ものと考えられる。
以上のように天然および高圧合成法によるダイヤモンド
のCLスペクトルは、天然では青色領域に大きなピーク
が存在し、高圧合成では逆に緑色領域に大きなピークが
存在する。この天然と高圧合成での発光ピークの違いは
、天然でのD−Aベアが高圧合成にくらべて非常に接近
していることで説明することができる。すなわち、結晶
成長およびその環境から、高圧合成では、成長速度が早
いためドナーとアクセプターが散逸したままであり、天
然では、成長速度が遅いか、高温に保持されていた時間
が非常に永かったため、極性の異なる両不純物が近づく
ことが可能であったと考えられる。
また、第3図は、高圧合成ダイヤモンドIb型結晶の発
光状態を模式的に示したものである。この結晶粒子は(
100)及び(111)面から構成されている0発光に
ついては、(100)面から、強く発光しており、(1
111面からはほとんど発光していない、(1001面
は緑色発光が支配的であるが、部分的には青色発光して
いる。
また、(110)面(第3図の上部の(100)面と中
央の(100)面とが交わる狭い領域)は青色発光して
いる。これらは図3(C)のCLスペクトルに存在する
2個のピークに対応する。上記のようにこのタイプのダ
イヤモンドでは、(111)セクターは発光せず、(1
001セクターは緑色発光し、(1101セクターは青
色発光しており、紫外線吸収により(1111、+10
0)、(110)とN濃度が低くなる結果が得られてい
る。このことから、高圧合成ダイヤモンドでは、N濃度
がCLスペクトルのピーク位置に大きな影響を与えるこ
とがわかる。
(ii )  気相合成ダイヤモンド 気相合成ダイヤモンドの結晶は、有磁場マイクロ波プラ
ズマ化学気相堆積法、及びマイクロ波プラズマ、Cv法
により薄膜状に形成した。この気相合成ダイヤモンド薄
膜の作製条件は、基板は5i(100)、反応ガスはH
2で希釈されたCH4、CH4の濃度は0.3−0.5
%、基板温度は85〇−900“C1膜厚は1−3 f
iIlである。
第4図(a)とら)にその典型的な2つのタイプの発光
スペクトルを示す。第4図(a)の発光スペクトルは、
1.9eVから3.2eVにわたるもので、半値幅は約
0.55eVである0発光ピークは、2.45eVに位
置しており、緑色の発光領域にある。
第4図ら)に示すスペクトルは、2.OeVから3゜5
eVにわたり、2.8eVのピークと2.3eV付近の
小さなピークからなっている。肉眼での発光の観察では
、青色から青紫色に見える。
上記のCLスペクトル(第4図(a)およびω))のピ
ークの0.35eVもの違いは、前述の天然あるいは高
圧合成ダイヤモンドのバンドAの発光ピークの違いと同
じ要因に基づ(ものと考えられる。この場合、要因とし
て2つの可能性が考えられる。
その第1は、Nの濃度であり、第2は、D−Aノペア間
の距離である。前者は、高圧合成法ダイヤモンドの結果
に基づいている。この高圧合成ダイヤモンドでは、上述
したように緑色発光が支配的であるが、(1101セク
ターは青色発光しており、ここでは濃度が他のセクター
と比べ非常に低いことが紫外線吸収により明らかにされ
ている。
一方、D−Aバフ間の距離は、天然ダイヤモンドの結果
に基づいている。この場合、バンドAの発光は、Nの濃
度とは無関係に青色であり、これは近接したD−Aベア
が非常に多いことで説明される。
本発明等は、プラズマCVD法でのダイヤモンド形成過
程において上記の2つの可能性を検討した。D−Aペア
の距離に影響を与える実験パラメータには、基板温度、
堆積速度、マイクロ波の入力電力や気圧に影響されるプ
ラズマ密度等がある。
しかし、これらのパラメータと発光ピークの違いとの相
関関係は認められなかった。
一方、Nの濃度については、先ず、堆積中のNの混入の
可能性について考えると、Nの混入源は、絶縁材料とし
て使用したBNの反応管内部の残留するN以外には考え
られない。このことから、BNを使用していない反応管
で堆積を実施すると、CLスペクトルは第4図(b)に
示したちの同じものが得られ、青色発光が観察された。
したがってプラズマCVD法によるダイヤモンド薄膜の
高エネルギー側(青色領域)の発光原因は、N濃度が低
いことによると考えられる。この点においても、高圧合
成ダイヤモンドのCLの実験結果と偵でいる。
(iii )  他の不純物 他の不純物、例えばアルミニウム(AI)とシリコン(
Si )が、発光に与える影響も考えられる。
これらの不純物の混入源は、実験に使用した絶縁材料と
基板が考えられ、ダイヤモンド薄膜中の濃度は、0.0
1−0.1原子%である。しかし、これらの濃度と発光
ピークの違いとの相関性は認められない。すなわち、A
1原子は、ダイヤモンド中でアクセプターになる可能性
は極めて薄く、Si原子も、ダイヤモンド中で電気的に
活性ではない。
Sin、では原色のCLが観察されているが、観測され
たSi原子が仮に全てSin、となって存在したとして
も、その量は図7Q))に示した青色発光に寄与するに
は少なすぎる。
これにより、ダイヤモンド中で電気的に活性な不純物は
、アクセプターとしてのBと深いドナーとしてのNに限
定することができる。これらの不純物は少量であっても
、他の不純物よりもバンドAの発光に深い影響を与える
と考えられる。
(iv)  発光強度についての考案 図7(a)および(b)に示したCLスペクトルは、同
じ電流密度にて観察したものであり、これらの試料から
の発光は電流密度を増大させると、発光ピ一りが高エネ
ルギー側に移動することが確認できる。これはD−Aペ
ア型の発光の特長を示すものである。したがって、両者
の発光スペクトルとも、バンドAに属すると考えられる
このバンドAの発光強度については、第9頁の(1)式
から得られ、そしてこの式から発光強度を上げる要素を
導き出すことができる。すなわち、(1)式において、
Eg、Ea、Edは一定値であるため、発光エネルギー
E(γ)を大きくするためには、クーロン・ポテンシャ
ルの項(e’ / (4πεγ))の値を大きくする必
要がある。このクーロンポテンシャルの項を大きくする
には、D−Aパフ間の距M(r)を小さくすればよく、
この(r)は、結晶中にアクセプターとしてのボロンを
多く含有させることにより小さくできる。すなわち、ボ
ロンが増加すると、ドナーとしての窒素と結びついてD
−Aペアの数が増大、このベア数の増大に伴なってD−
Aバフ間の距#(T)が小さくなる。
上述の検討により、以下のことが結論される。
青色の発光は、結晶中に含まれるN濃度により大きな影
響を受け、Ne1度が少ないほど、スペクトルのピーク
位置は高周波数側に移動し、青色になる。また、発光強
度は、結晶中のBの含有量に大きな影響を受け、Bの含
有量が大きくなると、D−Aペア間の距離が小さくなり
、発光強度が増大する。上記の結論を検証するため、結
晶サンプルを作成し、実験を行った。
〔実験例〕
結晶中の窒素の含有量を減らすには、製造過程において
ダイヤモンド結晶と窒素との接触を無くすことにある0
例えば、マイクロ波プラズマC■D等の気相合成法にあ
っては、絶縁材料としてBN等の窒素を含む材料を使用
せず、また、反応内部の真空度を上げて、管内の窒素を
取除くことにより、窒素含有量の少ないダイヤモンド結
晶を形成することができる。
さらに、反応ガス内のowlを多くすることにより、窒
素と酸素との反応により脱窒素が行われ、生成されたダ
イヤモンド結晶内の窒素量を減らすことができる。通常
、反応ガスは、CH,とHzの混合ガスであるが、この
CH,に、−酸化炭素(Co)やアルコール(CzHs
OH)、アセトン((CH3)オCO等を添加してCV
D反応を行なうと、添加物に含まれる0□と窒素が反応
して結び付き、結晶内への窒素の含有を防止する。
第5図(a)(b)のサンプルは、それぞれ上記のよう
な脱窒素処理をしたプラズマCVD法により形成された
ダイヤモンド結晶薄膜のCLスペクトルをとったもので
、第5図(a)のサンプルは、CHa3%とHz97%
の混合ガスにより、第5図(b)のサンプルは、上記の
CHaに代えて5%のCOをH7に混合したものである
。なお、両者共結晶中にボロンを200ppm含んでい
る。図から明らかなように、COを混合した第5図(b
)のサンプルは、第5図(a)のサンプルに比べて、ス
ペクトルのピーク位置が短波長に移り、発光色は、青色
に移行している。また、発光強度も第5図(b)のサン
プルの方が若干大きくなっている。
上記N濃度の影響は、第2図(a)と第2図(b)の天
然ダイヤモンドにおけるIa型のIIa型のCLスペク
トルを比較しても明らかに解る。すなわち、Ia型のダ
イヤモンドは、結晶内に不純物窒素を多分に含むが、I
la型のダイヤモンドは、不純物窒素をほとんど含んで
おらず、両者のスペクトルを比較すると、Ila型のス
ペクトル波形はEa型に比べて尖鋭なものになり、その
発光は強い青色を呈する。
ボロンの含有量は、前述したように、気相合成、或いは
高圧合成時に、材料にボロンを不純物として混合するこ
とにより変化させることができる。
また、ダイヤモンド結晶にボロンイオンを高速照射して
注入することにより含有量を調節することができる。テ
ストは、プラズマCVDにより形成したダイヤモンド結
晶fm膜において、ボロン含有量が50ppm以下のも
の、200ppmのもの、11000ppのものを作成
し、そのCLスペクトルを比較した、結果を第6図(a
)■)(C)に示す、なお、3者共、結晶内の窒素含有
量はOppmであス 図から明らかなように、ボロンを200ppm含んだも
のは、50ppm以下のものに比べて発光強度著しく増
大している。一方、第6図(b)と(C)から、ボロン
を11000ppを含んだものは、2QOpPm含んだ
ものに比べて発光強度が低下している。この理由は、ボ
ロン含有量が増大すると、D−Aベアが増大して発光強
度が上がるが、ボロン量の増大と共に電気抵抗値が下が
り、ある一定値以上に電気抵抗値が下がると、半導体と
しての特性が低下し、発光強度も低下すると考えられる
これにより、高レベル発光強度を得るためのボロン含有
量には、一定の範囲があることが示唆される。この最良
なボロン含有量について、本発明者等は、各種実験の結
果、50〜500ppmの範囲を推選する。
ところで、上記の結晶チップの発光は、チップに照射す
る電流密度を増大させると、発光ピークが高エネルギー
側に移動すると共に、密度に比例して発光強度が増大す
る。この電流密度を各種変化させた場合のCLスペクト
ルの変化を、第7図(a)(b) (C)に示す。サン
プルの結晶チップは、脱窒素処理したダイヤモンド薄膜
で、結晶中に200ppmのボロンを含有したものを使
用した。第7図(a)は、10mX10/7114角形
で10(lpm”の薄膜結晶に5X10−”Aの電流を
加えたもので、電流密度は5X10−目A / 4 ”
である。第7図(b)は(a)のサンプルの照射面のう
ち115の部分に同じ電流を加えたもので、電流密度は
(a)に比べて5倍になる。この(b)のCLスペクト
ルでは、スペクトルの強さは(a)に比べて小さくなっ
ているが、これは照射面積が小さいために全体の発光強
度が小さくなっているためで、単位面積当りの強度は著
しく増大している。また、第7図(C)は、照射面積を
1/100に絞り、(a)に比べて100倍の電流密度
(5X10−I*A/μ2)を加えたものであり、単位
面積当りの強度が増大していると共に、発光ピークの位
置が高エネルギー側に移動しており、また、スペクトル
の形状も極めて尖鋭な形状になっている。この(C)の
サンプルの発光は、(a)や0))に比べて青色が濃く
、かつ強い発光強度を示す。
なお、この発明に係るダイヤモンド結晶チップは、第1
図に示すp−n接合の発光ダイオードの他に、電界直接
励起を利用したエレクトロミネッセンスデバイスにも適
用することができる。その発光デバイスの代表的な構造
を第8図と第9図に示す、すなわち、第8図のものは、
ダイヤモンド結晶チップ10の両側を絶縁体11.12
ではさみ、その絶縁体11.12にそれぞれ透明電極1
3と金属電極14を接合したもので、第9図のものは、
絶縁体11を、電極13が接合した半導体結晶の発光チ
ップ10と金属電極14とではさんで形成したものであ
る。なお、図中15は、ガラス基板である。
〔発明の効果〕
以上説明したように、この発明は、ダイヤモンドが持つ
青色発光性に基づいて、ダイヤモンドを半導体デンバイ
スに応用した場合に、安定した青色発光と、強い発光強
度を備えた結晶チップを提供するものであり、従来はと
んど存在していなかった青色光の発光装置を実現する。
そして、このような発光装置は、ダイヤモンドの光物性
を自然体で利用することになるため、デバイス特性の信
顛性およびデバイスの量産性において極めて有利になる
利点を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図はダイヤモンド結晶チップを用いた発光デバイス
の構造図、第2図(a)(b) (C)は天然ダイヤモ
ンド及び高圧合成ダイヤモンドのCLスペクトル図、第
3図は高圧合成ダイヤモンドの発光状態の模式図、第4
図(a) (b)は気相合成ダイヤモンドのCLスペク
トル図、第5図(a)(b)は結晶中のN含有量を変化
させた場合のCLスペクトルを比較して示す図、第6図
(a)(b)(C)は結晶中のB含有量を変化させた場
合のCLスペクトルを比較して示す図、第7図は電流密
度を変化させた場合のCLスペクトルを比較して示す図
、第8図と第9図はそれぞれ他の発光デバイスの構造を
示す図である。 1.10・・・・・・ダイヤモンド結晶チップ。 ■。 2゜ 手続補正書彷創 昭和63年10月 8日

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)結晶中に、ボロンを1ppm以上含有し、窒素含
    有量が10ppm以下である発光素子用ダイヤモンド結
    晶チップ。
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