JP2000277798A - ダイヤモンド電子素子 - Google Patents
ダイヤモンド電子素子Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 電子の注入効率を高めることにより、発光強
度を著しく増加させることができるダイヤモンド電子素
子を提供する。 【解決手段】 第1のダイヤモンド層1と発光する第2
のダイヤモンド層2とが接合されている。また、第2の
ダイヤモンド層2と第1のダイヤモンド層1を挟むよう
に第1の電極3が設けられている。同様に、第1のダイ
ヤモンド層1と第2のダイヤモンド層2を挟むように第
2の電極4が設けられている。そして、第1のダイヤモ
ンド層1の第1の電極3と接する表面近傍は水素化さ
れ、水素化領域1aが形成されている。なお、第1のダ
イヤモンド層1は、例えばアンドープ・ダイヤモンドか
ら構成されており、第2のダイヤモンド層2には、例え
ばボロン(B)がドーピングされ、第2のダイヤモンド
層2はp型半導体となっている。このため、第1のダイ
ヤモンド層1の抵抗は発光する第2のダイヤモンド層2
のそれよりも高い。
度を著しく増加させることができるダイヤモンド電子素
子を提供する。 【解決手段】 第1のダイヤモンド層1と発光する第2
のダイヤモンド層2とが接合されている。また、第2の
ダイヤモンド層2と第1のダイヤモンド層1を挟むよう
に第1の電極3が設けられている。同様に、第1のダイ
ヤモンド層1と第2のダイヤモンド層2を挟むように第
2の電極4が設けられている。そして、第1のダイヤモ
ンド層1の第1の電極3と接する表面近傍は水素化さ
れ、水素化領域1aが形成されている。なお、第1のダ
イヤモンド層1は、例えばアンドープ・ダイヤモンドか
ら構成されており、第2のダイヤモンド層2には、例え
ばボロン(B)がドーピングされ、第2のダイヤモンド
層2はp型半導体となっている。このため、第1のダイ
ヤモンド層1の抵抗は発光する第2のダイヤモンド層2
のそれよりも高い。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単数又は複数の固
定波長で発光し家庭用電気器具、情報・通信機器、電子
化された輸送機、産業用機械の制御盤、及び信号機等の
表示設備等に利用される固体発光素子に好適なダイヤモ
ンド電子素子に関し、特に、紫外領域での発光強度が高
いダイヤモンド電子素子に関する。
定波長で発光し家庭用電気器具、情報・通信機器、電子
化された輸送機、産業用機械の制御盤、及び信号機等の
表示設備等に利用される固体発光素子に好適なダイヤモ
ンド電子素子に関し、特に、紫外領域での発光強度が高
いダイヤモンド電子素子に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイヤモンドは耐熱性に優れ、現存する
物質の中で最も硬いため、工具の耐摩耗部等に使用され
ている。その上、ダイヤモンドのバンドギャップは約
5.5eVと大きく、通常は良好な絶縁性を示すが不純
物をドーピングすることにより半導体化でき、絶縁破壊
電圧及び飽和ドリフト速度が大きく、誘電率が小さいと
いう優れた電気的特性を有している。このような特徴か
ら、ダイヤモンドは高温・高周波・高電界用の電子デバ
イス・センサ材料として期待されている。更に、バンド
ギャップが大きいことを利用した紫外線等の短波長領域
に対応する光センサ及び発光素子への応用も進められて
いる。
物質の中で最も硬いため、工具の耐摩耗部等に使用され
ている。その上、ダイヤモンドのバンドギャップは約
5.5eVと大きく、通常は良好な絶縁性を示すが不純
物をドーピングすることにより半導体化でき、絶縁破壊
電圧及び飽和ドリフト速度が大きく、誘電率が小さいと
いう優れた電気的特性を有している。このような特徴か
ら、ダイヤモンドは高温・高周波・高電界用の電子デバ
イス・センサ材料として期待されている。更に、バンド
ギャップが大きいことを利用した紫外線等の短波長領域
に対応する光センサ及び発光素子への応用も進められて
いる。
【0003】電流直接励起の固体発光素子としては、直
接励起型半導体のpn接合による発光ダイオード(LE
D)素子が一般に利用されているが、その発光最短波長
はその材料のエネルギーギャップ(価電子帯−伝導帯)
に相当する。例えば、Siでは赤外光、GaAsでは赤
色光、InPでは黄色光、GaNでは青色光まで開発さ
れている。そして、それ以上の短波長の光線、例えば紫
外線に相当する半導体としてはダイヤモンドの利用が可
能である。これは、ダイヤモンドのエネルギーギャップ
が5.47eVで波長225nmに相当するからであ
る。
接励起型半導体のpn接合による発光ダイオード(LE
D)素子が一般に利用されているが、その発光最短波長
はその材料のエネルギーギャップ(価電子帯−伝導帯)
に相当する。例えば、Siでは赤外光、GaAsでは赤
色光、InPでは黄色光、GaNでは青色光まで開発さ
れている。そして、それ以上の短波長の光線、例えば紫
外線に相当する半導体としてはダイヤモンドの利用が可
能である。これは、ダイヤモンドのエネルギーギャップ
が5.47eVで波長225nmに相当するからであ
る。
【0004】しかしながら、ダイヤモンドから高品質な
p型半導体を作製することは容易であるが、高品質なn
型半導体は、現在のところ作製されていない。このた
め、通常のLED構造として用いられるpn接合では、
発光させることが困難である。擬似的なn型半導体を使
用した場合には、輝度が低く実用的な強度は得られな
い。
p型半導体を作製することは容易であるが、高品質なn
型半導体は、現在のところ作製されていない。このた
め、通常のLED構造として用いられるpn接合では、
発光させることが困難である。擬似的なn型半導体を使
用した場合には、輝度が低く実用的な強度は得られな
い。
【0005】ところで、ダイヤモンドの絶縁破壊電界は
10MeV/cmもあり、「固体真空」ともいえる材料
である。近時、薄膜ダイヤモンドの合成技術が発展し、
欠陥の少ない材料が利用できるようになってきている。
例えば、ダイヤモンド薄膜を気相から合成する技術が開
示されている(特公昭59−27754号公報及び特公
昭61−3320号公報)。
10MeV/cmもあり、「固体真空」ともいえる材料
である。近時、薄膜ダイヤモンドの合成技術が発展し、
欠陥の少ない材料が利用できるようになってきている。
例えば、ダイヤモンド薄膜を気相から合成する技術が開
示されている(特公昭59−27754号公報及び特公
昭61−3320号公報)。
【0006】また、ボロン(B)原子をドーピングする
ことによりp型半導体ダイヤモンドを合成する技術が開
示されている(特開昭59−137396号公報)。
ことによりp型半導体ダイヤモンドを合成する技術が開
示されている(特開昭59−137396号公報)。
【0007】更に、単結晶ダイヤモンド基板上に気相合
成により単結晶薄膜を合成できることも公知である
(「ダイヤモンドに関する研究」、無機材質研究所研究
報告書第39号、科学技術庁、1984,pp.39−4
3及び特開平2−233590号公報等)。
成により単結晶薄膜を合成できることも公知である
(「ダイヤモンドに関する研究」、無機材質研究所研究
報告書第39号、科学技術庁、1984,pp.39−4
3及び特開平2−233590号公報等)。
【0008】更にまた、シリコン基板上にダイヤモンド
の(100)や(111)の結晶面が配向して成長した
ダイヤモンド薄膜の合成法も開示されている(2nd Inte
rnational Conference on the Applications of Diamon
d Films and Related Materials, Ed. M. Yoshikawa, e
t al., MYU, Tokyo, 1993, pp. 691-696.等)。
の(100)や(111)の結晶面が配向して成長した
ダイヤモンド薄膜の合成法も開示されている(2nd Inte
rnational Conference on the Applications of Diamon
d Films and Related Materials, Ed. M. Yoshikawa, e
t al., MYU, Tokyo, 1993, pp. 691-696.等)。
【0009】このような状況で、n型半導体に頼らない
発光素子(以下、第1の従来例という)の開発が進めら
れており、例えば特開平1−102893号公報に開示
されている。この公報に記載された発光素子において
は、発光層として半導体ダイヤモンドが使用されてお
り、MS(電極/半導体ダイヤモンド)構造、MiS
(電極/アンドープ絶縁性ダイヤモンド/半導体ダイヤ
モンド)構造の所謂発光ダイオード型となっている。
発光素子(以下、第1の従来例という)の開発が進めら
れており、例えば特開平1−102893号公報に開示
されている。この公報に記載された発光素子において
は、発光層として半導体ダイヤモンドが使用されてお
り、MS(電極/半導体ダイヤモンド)構造、MiS
(電極/アンドープ絶縁性ダイヤモンド/半導体ダイヤ
モンド)構造の所謂発光ダイオード型となっている。
【0010】また、特開平3−122093号公報に
は、ダイヤモンド膜を使用し赤、緑又は青の光を発光す
る発光デバイス(以下、第2の従来例という)が開示さ
れている。
は、ダイヤモンド膜を使用し赤、緑又は青の光を発光す
る発光デバイス(以下、第2の従来例という)が開示さ
れている。
【0011】更に、特開平3−222376には、導電
性基板上にp型又はn型の半導体ダイヤモンドからなる
発光層、アンドープダイヤモンド層及び電極を順次積層
した構造を有する発光素子(以下、第3の従来例とい
う)が開示されている。
性基板上にp型又はn型の半導体ダイヤモンドからなる
発光層、アンドープダイヤモンド層及び電極を順次積層
した構造を有する発光素子(以下、第3の従来例とい
う)が開示されている。
【0012】これらの第1乃至第3の従来例の特徴は、
pn接合を構成するn型半導体の替わりに金属を陰極と
してMS構造又はMiS構造を形成し、陰極から電子を
p型半導体層又はアンドープダイヤモンド層に注入し、
そのp型半導体層又はアンドープダイヤモンド層中の不
純物又は欠陥準位を介して再結合発光させることを目的
としていることである。
pn接合を構成するn型半導体の替わりに金属を陰極と
してMS構造又はMiS構造を形成し、陰極から電子を
p型半導体層又はアンドープダイヤモンド層に注入し、
そのp型半導体層又はアンドープダイヤモンド層中の不
純物又は欠陥準位を介して再結合発光させることを目的
としていることである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ように、ダイヤモンドのバンドギャップは5.5eVも
あるため、その伝導帯に電子を注入することは困難であ
り、前述の従来技術における発光効率は極めて低いとい
わざるを得ない。
ように、ダイヤモンドのバンドギャップは5.5eVも
あるため、その伝導帯に電子を注入することは困難であ
り、前述の従来技術における発光効率は極めて低いとい
わざるを得ない。
【0014】図5はダイヤモンドのバンド図であって、
(a)は順方向に電圧が印加された場合のバンド図、
(b)は逆方向に電圧が印加された場合のバンド図であ
る。図5(a)及び(b)において、○は正孔を示し、
●は電子を示している。図5(a)に示すように、順方
向では、電子を発光層に注入させるためにはショットキ
ー障壁をトンネルさせる必要があるため、高い電界が必
要となる。また、熱い正孔の注入によるインパクトアイ
オイナゼーテョンによる電子−正孔対が発光に寄与する
ものの、その発生確率は低い。一方、図5(b)に示す
ように、逆方向では、ショットキー障壁をトンネルした
熱い正孔や僅かな電子によるインパクトアイオナイゼー
テョンによって電子−正孔対が発生して発光に寄与する
ものの、この場合にも、その発生確率は極めて低い。
(a)は順方向に電圧が印加された場合のバンド図、
(b)は逆方向に電圧が印加された場合のバンド図であ
る。図5(a)及び(b)において、○は正孔を示し、
●は電子を示している。図5(a)に示すように、順方
向では、電子を発光層に注入させるためにはショットキ
ー障壁をトンネルさせる必要があるため、高い電界が必
要となる。また、熱い正孔の注入によるインパクトアイ
オイナゼーテョンによる電子−正孔対が発光に寄与する
ものの、その発生確率は低い。一方、図5(b)に示す
ように、逆方向では、ショットキー障壁をトンネルした
熱い正孔や僅かな電子によるインパクトアイオナイゼー
テョンによって電子−正孔対が発生して発光に寄与する
ものの、この場合にも、その発生確率は極めて低い。
【0015】ダイヤモンドのエネルギーギャップは5.
5eV(225nmの波長に相当)であり、他の材料の
それと比して極めて大きいが、そのバンド構造は間接遷
移型である。また、n型不純物のドーピングが困難な格
子構造材もあり、通常のLEDのようにpn接合でのバ
ンド間電子−正孔再結合での発光は不可能である。
5eV(225nmの波長に相当)であり、他の材料の
それと比して極めて大きいが、そのバンド構造は間接遷
移型である。また、n型不純物のドーピングが困難な格
子構造材もあり、通常のLEDのようにpn接合でのバ
ンド間電子−正孔再結合での発光は不可能である。
【0016】また、これまでに開発されたMS型又はM
iS型発光素子では、電子の注入が困難であるため、そ
の発光強度は低いものに留まっている。
iS型発光素子では、電子の注入が困難であるため、そ
の発光強度は低いものに留まっている。
【0017】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、電子の注入効率を高めることにより、発光
強度を著しく増加させることができるダイヤモンド電子
素子を提供することを目的とする。
のであって、電子の注入効率を高めることにより、発光
強度を著しく増加させることができるダイヤモンド電子
素子を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1のダイ
ヤモンド電子素子は、第1のダイヤモンド層と、この第
1のダイヤモンド層に接合され発光する第2のダイヤモ
ンド層と、前記第1及び第2のダイヤモンド層に夫々接
する第1及び第2の電極と、を有し、前記第1のダイヤ
モンド層の抵抗は前記第2のダイヤモンド層の抵抗より
も高く、前記第1のダイヤモンド層の前記第1の電極と
接する表面の少なくとも一部の領域は水素化されている
ことを特徴とする。
ヤモンド電子素子は、第1のダイヤモンド層と、この第
1のダイヤモンド層に接合され発光する第2のダイヤモ
ンド層と、前記第1及び第2のダイヤモンド層に夫々接
する第1及び第2の電極と、を有し、前記第1のダイヤ
モンド層の抵抗は前記第2のダイヤモンド層の抵抗より
も高く、前記第1のダイヤモンド層の前記第1の電極と
接する表面の少なくとも一部の領域は水素化されている
ことを特徴とする。
【0019】本発明に係る第2のダイヤモンド電子素子
は、第1のダイヤモンド層と、この第1のダイヤモンド
層に接合され発光する第2のダイヤモンド層と、この第
2のダイヤモンド層に接合された導電性基板と、前記第
1のダイヤモンド層及び前記導電性基板に夫々接する第
1及び第2の電極と、を有し、前記第1のダイヤモンド
層の抵抗は前記第2のダイヤモンド層の抵抗よりも高
く、前記第1のダイヤモンド層の前記第1の電極と接す
る表面の少なくとも一部の領域は水素化されていること
を特徴とする。
は、第1のダイヤモンド層と、この第1のダイヤモンド
層に接合され発光する第2のダイヤモンド層と、この第
2のダイヤモンド層に接合された導電性基板と、前記第
1のダイヤモンド層及び前記導電性基板に夫々接する第
1及び第2の電極と、を有し、前記第1のダイヤモンド
層の抵抗は前記第2のダイヤモンド層の抵抗よりも高
く、前記第1のダイヤモンド層の前記第1の電極と接す
る表面の少なくとも一部の領域は水素化されていること
を特徴とする。
【0020】本発明においては、第2の電極に対して第
1の電極に負の電圧が印加されると、電子が第1の電極
から第1のダイヤモンド層中の水素化された領域に供給
される。そして、この電子は第1のダイヤモンド層の内
部へと放出され、更に発光する第2のダイヤモンド層へ
と注入される。そして、第1のダイヤモンド層から注入
された電子と第2のダイヤモンド層内に存在する正孔と
の再結合により所望の発光が得られる。
1の電極に負の電圧が印加されると、電子が第1の電極
から第1のダイヤモンド層中の水素化された領域に供給
される。そして、この電子は第1のダイヤモンド層の内
部へと放出され、更に発光する第2のダイヤモンド層へ
と注入される。そして、第1のダイヤモンド層から注入
された電子と第2のダイヤモンド層内に存在する正孔と
の再結合により所望の発光が得られる。
【0021】なお、本発明においては、前記第1のダイ
ヤモンド層は、アンドープダイヤモンドからなり、前記
第2のダイヤモンド層はボロンがドーピングされたp型
半導体ダイヤモンドからなることが望ましい。更に、前
記第2のダイヤモンド層におけるボロン原子濃度は、1
×1020cm-3以上であることが望ましい。このような
濃度とすることにより、紫外線等の種々の波長の発光が
可能となる。
ヤモンド層は、アンドープダイヤモンドからなり、前記
第2のダイヤモンド層はボロンがドーピングされたp型
半導体ダイヤモンドからなることが望ましい。更に、前
記第2のダイヤモンド層におけるボロン原子濃度は、1
×1020cm-3以上であることが望ましい。このような
濃度とすることにより、紫外線等の種々の波長の発光が
可能となる。
【0022】本発明に係る第3のダイヤモンド電子素子
は、第1のダイヤモンド層と、この第1のダイヤモンド
層に接合され発光する第2のダイヤモンド層と、この第
2のダイヤモンド層に接合された第3のダイヤモンド層
と、前記第1及び第3のダイヤモンド層に夫々接する第
1及び第2の電極と、を有し、前記第1のダイヤモンド
層の抵抗は前記第3のダイヤモンド層の抵抗よりも高
く、前記第1のダイヤモンド層の前記第1の電極と接す
る表面の少なくとも一部の領域は水素化されていること
を特徴とする。
は、第1のダイヤモンド層と、この第1のダイヤモンド
層に接合され発光する第2のダイヤモンド層と、この第
2のダイヤモンド層に接合された第3のダイヤモンド層
と、前記第1及び第3のダイヤモンド層に夫々接する第
1及び第2の電極と、を有し、前記第1のダイヤモンド
層の抵抗は前記第3のダイヤモンド層の抵抗よりも高
く、前記第1のダイヤモンド層の前記第1の電極と接す
る表面の少なくとも一部の領域は水素化されていること
を特徴とする。
【0023】本発明に係る第4のダイヤモンド電子素子
は、第1のダイヤモンド層と、この第1のダイヤモンド
層に接合され発光する第2のダイヤモンド層と、この第
2のダイヤモンド層に接合された第3のダイヤモンド層
と、この第3のダイヤモンド層に接合された導電性基板
と、前記第1のダイヤモンド層及び前記導電性基板に夫
々接する第1及び第2の電極と、を有し、前記第1のダ
イヤモンド層の抵抗は前記第3のダイヤモンド層の抵抗
よりも高く、前記第1のダイヤモンド層の前記第1の電
極と接する表面の少なくとも一部の領域は水素化されて
いることを特徴とする。
は、第1のダイヤモンド層と、この第1のダイヤモンド
層に接合され発光する第2のダイヤモンド層と、この第
2のダイヤモンド層に接合された第3のダイヤモンド層
と、この第3のダイヤモンド層に接合された導電性基板
と、前記第1のダイヤモンド層及び前記導電性基板に夫
々接する第1及び第2の電極と、を有し、前記第1のダ
イヤモンド層の抵抗は前記第3のダイヤモンド層の抵抗
よりも高く、前記第1のダイヤモンド層の前記第1の電
極と接する表面の少なくとも一部の領域は水素化されて
いることを特徴とする。
【0024】本発明においては、第1のダイヤモンド層
の水素化された領域が電子供給源となり、第3のダイヤ
モンド層が正孔供給源となり、発光する第2のダイヤモ
ンド層において所望の発光が得られる。
の水素化された領域が電子供給源となり、第3のダイヤ
モンド層が正孔供給源となり、発光する第2のダイヤモ
ンド層において所望の発光が得られる。
【0025】なお、本発明においては、前記第1のダイ
ヤモンド層は、アンドープダイヤモンドからなり、前記
第3のダイヤモンド層はボロンがドーピングされたp型
半導体ダイヤモンドからなることが望ましい。
ヤモンド層は、アンドープダイヤモンドからなり、前記
第3のダイヤモンド層はボロンがドーピングされたp型
半導体ダイヤモンドからなることが望ましい。
【0026】また、前記第2のダイヤモンド層には発光
中心を形成する不純物元素が導入されていることが望ま
しい。
中心を形成する不純物元素が導入されていることが望ま
しい。
【0027】更にまた、前記水素化は、水素プラズマ処
理により行われたものであることが望ましい。水素プラ
ズマ処理によれば、確実な水素化が可能である。
理により行われたものであることが望ましい。水素プラ
ズマ処理によれば、確実な水素化が可能である。
【0028】
【発明の実施の形態】本願発明者等が前記課題を解決す
べく、鋭意実験研究を重ねた結果、水素化されたダイヤ
モンド薄膜から電界放出により電子が真空中に容易に放
出されることは公知であるが、この電子の放出が4MV
/cmの絶縁性能をもつ「固体真空」ともいえる品質の
良いアンドープダイヤモンド材内部へも生じることを見
い出した。なお、水素化されたダイヤモンド材とは、文
献「水素化されたダイヤモンド薄膜の電気的・光学的特
性」(NEW DIAMOND 第13巻 第3号、p.7(199
7))に示されるような水素が導入されたダイヤモンド
材をいい、例えば化学気相成長(CVD)により成長し
たままのダイヤモンド薄膜及び水素プラズマにさらされ
たダイヤモンド材等に形成される。このような水素化さ
れたダイヤモンド材を使用することにより、電子の注入
効率を飛躍的に改善してダイヤモンド発光素子の強度を
大幅に増加させ、例えば紫外線領域においても強度が高
い発光が得られる。
べく、鋭意実験研究を重ねた結果、水素化されたダイヤ
モンド薄膜から電界放出により電子が真空中に容易に放
出されることは公知であるが、この電子の放出が4MV
/cmの絶縁性能をもつ「固体真空」ともいえる品質の
良いアンドープダイヤモンド材内部へも生じることを見
い出した。なお、水素化されたダイヤモンド材とは、文
献「水素化されたダイヤモンド薄膜の電気的・光学的特
性」(NEW DIAMOND 第13巻 第3号、p.7(199
7))に示されるような水素が導入されたダイヤモンド
材をいい、例えば化学気相成長(CVD)により成長し
たままのダイヤモンド薄膜及び水素プラズマにさらされ
たダイヤモンド材等に形成される。このような水素化さ
れたダイヤモンド材を使用することにより、電子の注入
効率を飛躍的に改善してダイヤモンド発光素子の強度を
大幅に増加させ、例えば紫外線領域においても強度が高
い発光が得られる。
【0029】以下、本発明の実施例に係るダイヤモンド
電子素子について、添付の図面を参照して具体的に説明
する。図1は本発明の第1の実施例に係るダイヤモンド
電子素子を示す模式図である。
電子素子について、添付の図面を参照して具体的に説明
する。図1は本発明の第1の実施例に係るダイヤモンド
電子素子を示す模式図である。
【0030】第1の実施例においては、第1のダイヤモ
ンド層1と発光する第2のダイヤモンド層2とが接合さ
れている。また、第2のダイヤモンド層2と第1のダイ
ヤモンド層1を挟むように第1の電極3が設けられてい
る。同様に、第1のダイヤモンド層1と第2のダイヤモ
ンド層2を挟むように第2の電極4が設けられている。
そして、第1のダイヤモンド層1の第1の電極3と接す
る表面近傍は水素化され、水素化領域1aが形成されて
いる。なお、第1のダイヤモンド層1は、例えばアンド
ープダイヤモンドから構成されており、第2のダイヤモ
ンド層2には、例えばボロン(B)がドーピングされ、
第2のダイヤモンド層2はp型半導体となっている。こ
のため、第1のダイヤモンド層1の抵抗は発光する第2
のダイヤモンド層2のそれよりも高い。
ンド層1と発光する第2のダイヤモンド層2とが接合さ
れている。また、第2のダイヤモンド層2と第1のダイ
ヤモンド層1を挟むように第1の電極3が設けられてい
る。同様に、第1のダイヤモンド層1と第2のダイヤモ
ンド層2を挟むように第2の電極4が設けられている。
そして、第1のダイヤモンド層1の第1の電極3と接す
る表面近傍は水素化され、水素化領域1aが形成されて
いる。なお、第1のダイヤモンド層1は、例えばアンド
ープダイヤモンドから構成されており、第2のダイヤモ
ンド層2には、例えばボロン(B)がドーピングされ、
第2のダイヤモンド層2はp型半導体となっている。こ
のため、第1のダイヤモンド層1の抵抗は発光する第2
のダイヤモンド層2のそれよりも高い。
【0031】このように構成された第1の実施例のダイ
ヤモンド電子素子においては、第1の電極3にマイナス
の電圧を印加し、第2の電極4にプラスの電圧を印加す
ると、電子が第1の電極3から第1のダイヤモンド層1
中の水素化領域1aに供給される。そして、この電子は
アンドープダイヤモンドからなる第1のダイヤモンド層
1にかかる高電界によりその内部に放出される。そし
て、内部に放出された電子は加速され、p型半導体であ
る第2のダイヤモンド層2へと注入される。
ヤモンド電子素子においては、第1の電極3にマイナス
の電圧を印加し、第2の電極4にプラスの電圧を印加す
ると、電子が第1の電極3から第1のダイヤモンド層1
中の水素化領域1aに供給される。そして、この電子は
アンドープダイヤモンドからなる第1のダイヤモンド層
1にかかる高電界によりその内部に放出される。そし
て、内部に放出された電子は加速され、p型半導体であ
る第2のダイヤモンド層2へと注入される。
【0032】第2のダイヤモンド層2においては、ダイ
ヤモンド固有の励起子発光、導入された不純物(B)に
よって形成された発光中心からの発光及び高濃度にドー
ピングされたボロンに起因する紫外線発光がカソードル
ミネッセンス等により確認されるが、本実施例において
は、第1のダイヤモンド層1から注入された電子とp型
ダイヤモンド層2内に存在する正孔との再結合により所
望の光が発光する。
ヤモンド固有の励起子発光、導入された不純物(B)に
よって形成された発光中心からの発光及び高濃度にドー
ピングされたボロンに起因する紫外線発光がカソードル
ミネッセンス等により確認されるが、本実施例において
は、第1のダイヤモンド層1から注入された電子とp型
ダイヤモンド層2内に存在する正孔との再結合により所
望の光が発光する。
【0033】なお、水素化されたダイヤモンドから電子
が放出されやすい理由は明らかではないが、水素により
導入される結晶欠陥が重要な役割を担っていると考えら
れる。
が放出されやすい理由は明らかではないが、水素により
導入される結晶欠陥が重要な役割を担っていると考えら
れる。
【0034】なお、発光する第2のダイヤモンド層2と
第2の電極4との間に導電性基板を設けることも可能で
ある。
第2の電極4との間に導電性基板を設けることも可能で
ある。
【0035】次に、上述のような導電性基板が設けられ
たダイヤモンド電子素子を製造する方法について説明す
る。図2は本発明の実施例に係るダイヤモンド電子素子
を製造する方法を示す断面図である。
たダイヤモンド電子素子を製造する方法について説明す
る。図2は本発明の実施例に係るダイヤモンド電子素子
を製造する方法を示す断面図である。
【0036】先ず、長辺の長さが20mmで、短辺の長
さが10mmの長方形板状のp型Si低抵抗基板(導電
性基板)5の(100)面に、合成時のダイヤモンドの
核発生密度を上昇させるためにダイヤモンドパウダーに
より超音波傷付け処理を行う。
さが10mmの長方形板状のp型Si低抵抗基板(導電
性基板)5の(100)面に、合成時のダイヤモンドの
核発生密度を上昇させるためにダイヤモンドパウダーに
より超音波傷付け処理を行う。
【0037】次いで、例えばCH4ガス:0.6体積
%、水素ガス:99.4体積%の雰囲気中で1時間Bド
ープダイヤモンド薄膜を成長させた後、例えばCH4ガ
ス:0.3体積%、水素ガス:99.7体積%の雰囲気
中で5時間Bドープダイヤモンド薄膜を成長させる。な
お、Bドープダイヤモンド薄膜の成長時におけるガス中
のB/C比は6667原子ppmである。また、この時
の基板温度は、例えば800℃、ガス圧力は、例えば5
0Torrである。これにより、発光する第2のダイヤ
モンド層2が基板5上に形成される。
%、水素ガス:99.4体積%の雰囲気中で1時間Bド
ープダイヤモンド薄膜を成長させた後、例えばCH4ガ
ス:0.3体積%、水素ガス:99.7体積%の雰囲気
中で5時間Bドープダイヤモンド薄膜を成長させる。な
お、Bドープダイヤモンド薄膜の成長時におけるガス中
のB/C比は6667原子ppmである。また、この時
の基板温度は、例えば800℃、ガス圧力は、例えば5
0Torrである。これにより、発光する第2のダイヤ
モンド層2が基板5上に形成される。
【0038】その後、例えばCH4ガス:0.3体積
%、酸素ガス:0.15体積%、水素ガス希釈の雰囲気
中で1時間第1のダイヤモンド層1を第2のダイヤモン
ド層2上に積層する。次に、CH4ガス及び酸素ガスの
導入を停止し水素ガスのみを流し続けてプラズマ処理を
行うことにより、第1のダイヤモンド層1の表面近傍に
水素化領域1aを形成する。なお、第1のダイヤモンド
層1の成長時の基板温度は、例えば800℃、ガス圧力
は、例えば50Torrである。
%、酸素ガス:0.15体積%、水素ガス希釈の雰囲気
中で1時間第1のダイヤモンド層1を第2のダイヤモン
ド層2上に積層する。次に、CH4ガス及び酸素ガスの
導入を停止し水素ガスのみを流し続けてプラズマ処理を
行うことにより、第1のダイヤモンド層1の表面近傍に
水素化領域1aを形成する。なお、第1のダイヤモンド
層1の成長時の基板温度は、例えば800℃、ガス圧力
は、例えば50Torrである。
【0039】次いで、フォトリソグラフィにより、水素
化されたアンドープの第1のダイヤモンド層1上に厚さ
が、例えば約200Åの金製の第1の電極3を形成す
る。
化されたアンドープの第1のダイヤモンド層1上に厚さ
が、例えば約200Åの金製の第1の電極3を形成す
る。
【0040】次に、低抵抗Si基板5の裏面に銀ペース
トを使用して銅板を電極として張り付けた。この場合
に、銅板からなる電極を接地電極とし、金製の第1の電
極に電圧を印加して、薄い金電極(第1の電極)を透過
してくる発光を観測したところ、順方向に42Vの電圧
を印加し5mAの電流を流した時に、245nmの波長
付近の紫外域にピークを有する明瞭な発光スペクトルが
得られた。図3はこの時に得られた発光スペクトルを示
すグラフ図である。なお、ここでの順方向とは、水素化
領域1a直上の金電極に負の電圧を印加する方向をい
う。
トを使用して銅板を電極として張り付けた。この場合
に、銅板からなる電極を接地電極とし、金製の第1の電
極に電圧を印加して、薄い金電極(第1の電極)を透過
してくる発光を観測したところ、順方向に42Vの電圧
を印加し5mAの電流を流した時に、245nmの波長
付近の紫外域にピークを有する明瞭な発光スペクトルが
得られた。図3はこの時に得られた発光スペクトルを示
すグラフ図である。なお、ここでの順方向とは、水素化
領域1a直上の金電極に負の電圧を印加する方向をい
う。
【0041】ここで、これに対してアンドープのダイヤ
モンド層表面が水素化されていない発光素子における発
光スペクトルの測定結果について説明する。
モンド層表面が水素化されていない発光素子における発
光スペクトルの測定結果について説明する。
【0042】先ず、一辺の長さが4mmの正方形板状の
IIa型単結晶ダイヤモンド基板の(100)面上に、
マイクロ波プラズマ気相合成法により、CH4ガス:
0.3体積%、水素ガス:99.7体積%の雰囲気中で
11時間30分Bドープダイヤモンド薄膜をエピタキシ
ャル成長させた。この時のガス中のB/C比は6667
原子ppmであり、基板温度は875℃、ガス圧力は5
0Torrとした。
IIa型単結晶ダイヤモンド基板の(100)面上に、
マイクロ波プラズマ気相合成法により、CH4ガス:
0.3体積%、水素ガス:99.7体積%の雰囲気中で
11時間30分Bドープダイヤモンド薄膜をエピタキシ
ャル成長させた。この時のガス中のB/C比は6667
原子ppmであり、基板温度は875℃、ガス圧力は5
0Torrとした。
【0043】その後、選択成長技術によりアンドープダ
イヤモンド薄膜をBドープダイヤモンド薄膜上にエピタ
キシャル成長させた。この際の雰囲気は、CH4ガス:
0.3体積%、酸素ガス:0.15体積%、水素ガス希
釈とした。また、成膜時の基板温度は800℃、ガス圧
力は50Torr、成膜時間は1時間とした。
イヤモンド薄膜をBドープダイヤモンド薄膜上にエピタ
キシャル成長させた。この際の雰囲気は、CH4ガス:
0.3体積%、酸素ガス:0.15体積%、水素ガス希
釈とした。また、成膜時の基板温度は800℃、ガス圧
力は50Torr、成膜時間は1時間とした。
【0044】次いで、クロム酸及び王水洗浄によってア
ンドープダイヤモンド層表面の酸化処理を実施すること
により、アンドープダイヤモンド層の表面に存在する水
素化領域を除去した。
ンドープダイヤモンド層表面の酸化処理を実施すること
により、アンドープダイヤモンド層の表面に存在する水
素化領域を除去した。
【0045】次に、フォトリソグラフィにより、アンド
ープダイヤモンド層及びBドープダイヤモンド層上に金
電極を形成し、ダイヤモンド発光ダイオードを完成させ
た。そして、このダイオードに順方向に36Vの電圧を
印加し10mAの電流を流したが、紫外領域での発光は
観測されなかった。また、順方向に100Vのパルス電
圧を印加した場合には、紫外領域での僅かな発光を観測
することができた。
ープダイヤモンド層及びBドープダイヤモンド層上に金
電極を形成し、ダイヤモンド発光ダイオードを完成させ
た。そして、このダイオードに順方向に36Vの電圧を
印加し10mAの電流を流したが、紫外領域での発光は
観測されなかった。また、順方向に100Vのパルス電
圧を印加した場合には、紫外領域での僅かな発光を観測
することができた。
【0046】このように、アンドープダイヤモンド層表
面近傍に水素化領域を設けない場合には、単結晶ダイヤ
モンドを使用しても良好な紫外線領域での発光を観測す
ることはできなかった。
面近傍に水素化領域を設けない場合には、単結晶ダイヤ
モンドを使用しても良好な紫外線領域での発光を観測す
ることはできなかった。
【0047】一方、前述の第1の実施例のように、アン
ドープダイヤモンド層の表面近傍に水素化領域を設けた
場合には、結晶として欠陥の多い多結晶ダイヤモンド薄
膜を使用しても、良好な紫外線発光を観測することがで
きた。
ドープダイヤモンド層の表面近傍に水素化領域を設けた
場合には、結晶として欠陥の多い多結晶ダイヤモンド薄
膜を使用しても、良好な紫外線発光を観測することがで
きた。
【0048】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。第2の実施例においては、発光する第2のダイヤ
モンド層と第2の電極との間に第3のダイヤモンド層が
設けられている。図4は本発明の第2の実施例に係るダ
イヤモンド電子素子を示す断面図である。なお、図4に
示す第2の実施例において、図1に示す第1の実施例と
同一の構成要素には、同一符号を付してその詳細な説明
は省略する。
する。第2の実施例においては、発光する第2のダイヤ
モンド層と第2の電極との間に第3のダイヤモンド層が
設けられている。図4は本発明の第2の実施例に係るダ
イヤモンド電子素子を示す断面図である。なお、図4に
示す第2の実施例において、図1に示す第1の実施例と
同一の構成要素には、同一符号を付してその詳細な説明
は省略する。
【0049】第2の実施例には、発光する第2のダイヤ
モンド層2と第2の電極4との間に第3のダイヤモンド
層6が接合されている。第3のダイヤモンド層6には、
例えばBがドーピングされており、第1のダイヤモンド
層1よりも抵抗が低いp型半導体となっている。
モンド層2と第2の電極4との間に第3のダイヤモンド
層6が接合されている。第3のダイヤモンド層6には、
例えばBがドーピングされており、第1のダイヤモンド
層1よりも抵抗が低いp型半導体となっている。
【0050】このように構成された第2の実施例におい
ては、高抵抗の第1のダイヤモンド層1に形成された水
素化領域1aが電子供給源となり、低抵抗の第3のダイ
ヤモンド層6が正孔供給源となる。
ては、高抵抗の第1のダイヤモンド層1に形成された水
素化領域1aが電子供給源となり、低抵抗の第3のダイ
ヤモンド層6が正孔供給源となる。
【0051】なお、発光層となる第2のダイヤモンド層
2に発光中心を形成する不純物元素が導入されていても
よい。また、第3のダイヤモンド層が導電性基板上に形
成され、その基板の裏面に電極が形成された構造をとっ
てもよい。
2に発光中心を形成する不純物元素が導入されていても
よい。また、第3のダイヤモンド層が導電性基板上に形
成され、その基板の裏面に電極が形成された構造をとっ
てもよい。
【0052】また、第1の実施例における発光する第2
のダイヤモンド層2及び第2の実施例における第3のダ
イヤモンド層には、高濃度でBがドーピングされている
ことが好ましい。この場合、特に前記第2及び第3のダ
イヤモンド層中のB原子濃度が1×1020cm-3以上で
あれば、紫外線等の種々の波長を有する光線の発光が可
能でありより一層好ましい。
のダイヤモンド層2及び第2の実施例における第3のダ
イヤモンド層には、高濃度でBがドーピングされている
ことが好ましい。この場合、特に前記第2及び第3のダ
イヤモンド層中のB原子濃度が1×1020cm-3以上で
あれば、紫外線等の種々の波長を有する光線の発光が可
能でありより一層好ましい。
【0053】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
第1のダイヤモンド層の水素化された領域からの電子放
出を発光する第2のダイヤモンド層内部へ引き起こすこ
とが可能であるので、従来実用化が困難とされていた発
光強度の大きな紫外線領域の発光を発光ダイオード等で
得ることができる。
第1のダイヤモンド層の水素化された領域からの電子放
出を発光する第2のダイヤモンド層内部へ引き起こすこ
とが可能であるので、従来実用化が困難とされていた発
光強度の大きな紫外線領域の発光を発光ダイオード等で
得ることができる。
【図1】本発明の第1の実施例に係るダイヤモンド電子
素子を示す模式図である。
素子を示す模式図である。
【図2】本発明の実施例に係るダイヤモンド電子素子を
製造する方法を示す断面図である。
製造する方法を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例から得られる発光スペクトルを
示すグラフ図である。
示すグラフ図である。
【図4】本発明の第2の実施例に係るダイヤモンド電子
素子を示す断面図である。
素子を示す断面図である。
【図5】ダイヤモンドのバンド図であって、(a)は順
方向に電圧が印加された場合のバンド図、(b)は逆方
向に電圧が印加された場合のバンド図である。
方向に電圧が印加された場合のバンド図、(b)は逆方
向に電圧が印加された場合のバンド図である。
1、6;ダイヤモンド層 2;発光するダイヤモンド層 1a;水素化領域 3、4;電極 5;Si基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮田 浩一 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 井上 憲一 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 Fターム(参考) 5F041 AA03 AA04 AA12 CA06 CA23 CA33 CA49 CA50 CA57 CA65 CA77 CA82 CA83 FF01 FF14
Claims (9)
- 【請求項1】 第1のダイヤモンド層と、この第1のダ
イヤモンド層に接合され発光する第2のダイヤモンド層
と、前記第1及び第2のダイヤモンド層に夫々接する第
1及び第2の電極と、を有し、前記第1のダイヤモンド
層の抵抗は前記第2のダイヤモンド層の抵抗よりも高
く、前記第1のダイヤモンド層の前記第1の電極と接す
る表面の少なくとも一部の領域は水素化されていること
を特徴とするダイヤモンド電子素子。 - 【請求項2】 第1のダイヤモンド層と、この第1のダ
イヤモンド層に接合され発光する第2のダイヤモンド層
と、この第2のダイヤモンド層に接合された導電性基板
と、前記第1のダイヤモンド層及び前記導電性基板に夫
々接する第1及び第2の電極と、を有し、前記第1のダ
イヤモンド層の抵抗は前記第2のダイヤモンド層の抵抗
よりも高く、前記第1のダイヤモンド層の前記第1の電
極と接する表面の少なくとも一部の領域は水素化されて
いることを特徴とするダイヤモンド電子素子。 - 【請求項3】 前記第1のダイヤモンド層は、アンドー
プダイヤモンドからなり、前記第2のダイヤモンド層は
ボロンがドーピングされたp型半導体ダイヤモンドから
なることを特徴とする請求項1又は2に記載のダイヤモ
ンド電子素子。 - 【請求項4】 前記第2のダイヤモンド層におけるボロ
ン原子濃度は、1×1020cm-3以上であることを特徴
とする請求項3に記載のダイヤモンド電子素子。 - 【請求項5】 第1のダイヤモンド層と、この第1のダ
イヤモンド層に接合され発光する第2のダイヤモンド層
と、この第2のダイヤモンド層に接合された第3のダイ
ヤモンド層と、前記第1及び第3のダイヤモンド層に夫
々接する第1及び第2の電極と、を有し、前記第1のダ
イヤモンド層の抵抗は前記第3のダイヤモンド層の抵抗
よりも高く、前記第1のダイヤモンド層の前記第1の電
極と接する表面の少なくとも一部の領域は水素化されて
いることを特徴とするダイヤモンド電子素子。 - 【請求項6】 第1のダイヤモンド層と、この第1のダ
イヤモンド層に接合され発光する第2のダイヤモンド層
と、この第2のダイヤモンド層に接合された第3のダイ
ヤモンド層と、この第3のダイヤモンド層に接合された
導電性基板と、前記第1のダイヤモンド層及び前記導電
性基板に夫々接する第1及び第2の電極と、を有し、前
記第1のダイヤモンド層の抵抗は前記第3のダイヤモン
ド層の抵抗よりも高く、前記第1のダイヤモンド層の前
記第1の電極と接する表面の少なくとも一部の領域は水
素化されていることを特徴とするダイヤモンド電子素
子。 - 【請求項7】 前記第1のダイヤモンド層は、アンドー
プダイヤモンドからなり、前記第3のダイヤモンド層は
ボロンがドーピングされたp型半導体ダイヤモンドから
なることを特徴とする請求項5又は6に記載のダイヤモ
ンド電子素子。 - 【請求項8】 前記第2のダイヤモンド層には発光中心
を形成する不純物元素が導入されていることを特徴とす
る請求項1乃至7のいずれか1項に記載のダイヤモンド
電子素子。 - 【請求項9】 前記水素化は、水素プラズマ処理により
行われたものであることを特徴とする請求項1乃至8の
いずれか1項に記載のダイヤモンド電子素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8473599A JP2000277798A (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | ダイヤモンド電子素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8473599A JP2000277798A (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | ダイヤモンド電子素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000277798A true JP2000277798A (ja) | 2000-10-06 |
Family
ID=13838965
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8473599A Pending JP2000277798A (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | ダイヤモンド電子素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000277798A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006066556A (ja) * | 2004-08-25 | 2006-03-09 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 窒化物半導体素子およびその製造方法 |
JPWO2005027172A1 (ja) * | 2003-09-16 | 2006-11-24 | 住友電気工業株式会社 | ダイヤモンド電子放出素子およびこれを用いた電子線源 |
WO2008023592A1 (fr) * | 2006-08-25 | 2008-02-28 | National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology | Élément électroluminescent aux ultraviolets et semi-conducteurs, à transition indirecte et forte efficacité |
WO2010047623A1 (ru) * | 2008-10-24 | 2010-04-29 | Федеральное Государственное Учреждение "Texнoлoгичecкий Институт Сверхтвердых И Новых Углеродных Материалов " | Светоизлучающий диод (варианты) |
JP5158777B2 (ja) * | 2005-02-16 | 2013-03-06 | 独立行政法人物質・材料研究機構 | ダイヤモンド半導体整流素子 |
-
1999
- 1999-03-26 JP JP8473599A patent/JP2000277798A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2005027172A1 (ja) * | 2003-09-16 | 2006-11-24 | 住友電気工業株式会社 | ダイヤモンド電子放出素子およびこれを用いた電子線源 |
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WO2008023592A1 (fr) * | 2006-08-25 | 2008-02-28 | National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology | Élément électroluminescent aux ultraviolets et semi-conducteurs, à transition indirecte et forte efficacité |
JP2008078611A (ja) * | 2006-08-25 | 2008-04-03 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 高効率間接遷移型半導体紫外線発光素子 |
US8592824B2 (en) | 2006-08-25 | 2013-11-26 | National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology | High efficiency indirect transition semiconductor ultraviolet light emitting device |
WO2010047623A1 (ru) * | 2008-10-24 | 2010-04-29 | Федеральное Государственное Учреждение "Texнoлoгичecкий Институт Сверхтвердых И Новых Углеродных Материалов " | Светоизлучающий диод (варианты) |
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