JP3254885B2 - 抵抗体の製造方法 - Google Patents
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Description
抗率を安定に保つことができる抵抗体及びその製造方法
に関するものである。
i:H)は、一般にプラズマCVD法又は反応性スパッ
タリング法等により形成される。例えば、プラズマCV
D法によってn型の水素化アモルファスシリコンを形成
する場合には、モノシラン(SiH4 )又は高級シラン
とホスフィン(PH3 )を原料ガスとし、これらを高周
波(RF)放電によって分解して温度200〜300℃
に保持された基板の上に堆積させている。
モルファスシリコンの中には、水素が10〜20atm
%程含まれており、この水素が水素化アモルファスシリ
コンの性質の決定に重要な影響を与えている。この水素
化アモルファスシリコン中に含まれる水素は、ダングリ
ングボンドを除去する直接的な役割を持っている。それ
だけでなく、水素化アモルファスシリコンの膜を形成す
る際の表面プロセスにおける役割や、ネットワークの構
造緩和剤としての役割も持ち、これらの役割による効果
が基板の温度による熱的効果と相まって、間接的にもダ
ングリングボンドを減少させている。
i−H結合が、不安定なダングリングボンドを減少させ
て構造機敏性を実現させ、P(リン、V族)、B(ホウ
素、III族)によって結晶Siと同様な置換型ドーピン
グによるpn接合を実現する。水素化アモルファスシリ
コンにおける水素のこのような性質は、ダイオードやト
ランジスタへの水素化アモルファスシリコンの応用を可
能にする応用上重要な性質である。
造した水素化アモルファスシリコンを加熱していくと、
通常250〜350℃で膜中から水素が離脱し始める。
かかる水素の拡散は、Si−H結合からのHの離脱を意
味し、これと同時にその周辺においてSi−Si結合の
再配列が起こっていることを示しており、その結果とし
てダングリングボンドやフローティングボンド等の異常
電子配置つまり構造欠陥が発生する。
熱すると、構造欠陥によって抵抗率が上昇する等、その
性質が著しく変化してしまう。水素化アモルファスシリ
コンは、電界放出形陰極を電子源に用いた蛍光表示管
(電界放出形蛍光表示管)において、陰極導体側に抵抗
体層として用いられている。しかしながら、このような
熱に対する不安定性があるため、電界放出形蛍光表示管
に水素化アモルファスシリコンを抵抗体として設けた場
合には、電界放出形蛍光表示管の製造工程に含まれる各
種熱処理工程の条件(加熱条件等)が制約されてしまう
という問題があった。
の製造方法によれば、電界放出形蛍光表示管を安定して
動作させるために十分で適当な抵抗体の層を安定して再
現性よく製造することができなかった。
定に保つことができる抵抗体及びその製造方法を提供す
ることを目的としている。
は、抵抗率を制御するための不純物を含む水素化アモル
ファスシリコンを基板上に堆積させる抵抗体の製造方法
において、前記堆積時に窒素ガスを原料物質であるSi
H 4 とPH 3 の50%以上150%以下添加し、前記堆
積時の基板を200〜300℃の温度に保持することを
特徴としている。
制御するための不純物を含む水素化アモルファスシリコ
ンからなる抵抗体において、窒素ガスを原料物質である
SiH 4 とPH 3 の50%以上150%以下添加して2
00〜300℃の温度に保持した無アルカリガラスの基
板に堆積させたことを特徴としている。
アモルファスシリコンは、熱処理によって構造欠陥が緩
和されて生じる抵抗率の変化が安定している。窒素等の
熱的に安定した元素を含有する水素化アモルファスシリ
コンの熱処理前の抵抗率は、堆積時の処理温度によって
決まる。
明する。図1は、本発明の一実施例において用いるプラ
ズマCVD装置の構造を示す。気密に構成された反応室
1の内部は、メカニカルブースターポンプ2及びドライ
ポンプ3を介して排気され、プロセス時には0.6〜
1.0Torrの圧力に設定される。排気の一部は除害装置
4を介して排気される。図中APCは圧力制御装置であ
る。
ー電極)と下部電極6が設けられている。両電極は高周
波電源RFに接続されている。その表面に水素化アモル
ファスシリコンが成膜される基板10は下部電極6の上
に載置される。下部電極6には加熱ヒータ7が設けら
れ、載置される基板10を所定の温度に保持する。
接続連通されている。該配管8は、反応室1の気密を保
って導出され、複数の原料ガス(反応ガス)をそれぞれ
収納した複数の容器9,9…にそれぞれ流量制御弁9
a,9a…を介して接続されている。
う水素化アモルファスシリコンの製造工程について説明
する。水素化アモルファスシリコンを堆積させる基板1
0は、無アルカリガラスの板を用いる。また、本実施例
で利用する原料ガスは、モノシラン(SiH4 )、ホス
フィン(PH3 )、熱的に安定させる元素である窒素の
各ガスである。各原料ガスは、前記各容器9にそれぞれ
収納する。なお、本実施例で用いたホスフィンは、窒素
で1%に希釈したガスである。
載置する。反応室1内を排気し、加熱ヒータ7によって
基板10を200〜300℃の温度に保持する。反応室
1内に前記各原料ガスを所定の流量で導入する。上部及
び下部電極5,6に所定周波数の高周波を印加して高周
波(RF)放電を生じさせ、前記各原料ガスを高周波
(RF)放電で分解して前記基板10上に堆積させる。
合計量に対する窒素ガスの量を0%、25%、50%、
75%、100%の各%とし、それぞれ別々の基板上に
水素化アモルファスシリコンを堆積させた。堆積速度は
毎分0.1μmであり、0.5μmの膜状に形成した。
なお、窒素ガス0%は従来の方法に相当する。
コンの抵抗率を測定する。また、各条件で堆積した水素
化アモルファスシリコンを、異なる2つの条件下でそれ
ぞれ独立にアニールし、その後のそれぞれの抵抗率を測
定する。第1のアニール条件は、450℃で1時間であ
る。第2のアニール条件は、550℃で1時間である。
に対する窒素ガスの量と、形成された水素化アモルファ
スシリコンの抵抗率との関係を示した。同図中に、各水
素化アモルファスシリコンを2つの条件でそれぞれアニ
ールした後の抵抗率を示す。
アモルファスシリコンの抵抗率は、窒素ガスの混合量が
増えるにつれて増大する。各水素化アモルファスシリコ
ンに450℃で1時間のアニールを行うと、全ての条件
下で各水素化アモルファスシリコンの抵抗率は減少す
る。特に窒素混合量25%以上においては、抵抗率の減
少量はほぼ一定となっている。このようにアニールによ
って抵抗率が減少するのは、堆積時には不完全であった
ネットワークが熱によって再配列され、構造欠陥が緩和
されるためであると考えられる。
素混合量が0%や25%と少ない条件下においては抵抗
率が上昇する。ところが、50%以上窒素を混合した各
場合においては、550℃で1時間のアニールによっ
て、450℃で1時間のアニールによって得られたのと
同様な抵抗率を得ることができた。
る場合には、窒素混合量や熱処理の条件に係わらず、熱
処理後に抵抗率が一定値だけ低下する。
リコンの熱処理前の抵抗率は、堆積時の温度によって変
化する。図3は、窒素を含まない水素化アモルファスシ
リコンの堆積において、基板温度を250℃、280
℃、350℃、430℃の各温度に変化させた時の水素
化アモルファスシリコンの抵抗率を示す。同図に示すよ
うに、堆積時の基板温度が上がるにつれて、抵抗率は減
少していく。
と、堆積時の窒素ガス混合率とを上述したように組み合
わせて選択することにより、熱安定性に優れた上述した
抵抗率を有する水素化アモルファスシリコンの抵抗体を
形成することが可能である。
リコンの層を抵抗層として有する電界放出形蛍光表示管
の電界放出形陰極を示す断面図である。基板100の上
にはカソード導体101が形成され、その上には前記水
素化アモルファスシリコンからなる層状の抵抗体102
が形成されている。抵抗体102の上には絶縁層103
とゲート104が順に積層されている。絶縁層103と
ゲート104にはホール106が形成され、ホール10
6内の抵抗体102の上には電子を放出するコーン形状
のエミッタ105が形成されている。
放出形陰極に対面して透光性の前面板が設けられる。前
面板の内面には発光表示部としての陽極が設けられてい
る。該陽極は、透光性の陽極導体と、該陽極導体に設け
られた蛍光体層からなる。
は、陽極の蛍光体に射突してこれを発光させる。蛍光体
の発光は、透光性の陽極導体及び前面板を介して外から
観察される。
101とエミッタ105の間に抵抗体102を有してい
るので、ショートした時にもエミッタ105には過大電
流が流れず、またショート等によってエミッタ105が
破壊した時にも、破壊されるエミッタ105の範囲を最
小限度にすることができる。
程においては、外囲器の封着工程、基板の焼成工程等、
加熱工程が多く、かかる加熱工程においては300℃以
上の熱処理が必要になる。本実施例の水素化アモルファ
スシリコンを用いた抵抗体によれば、その抵抗率が熱に
対して安定しているので、電界放出形蛍光表示管として
の表示性能が安定するという効果がある。
明したが、反応性スパッタリング法を利用することもで
きる。その場合には、窒素等の熱的に安定させる元素を
放電ガス中に適当量混合しておく。また、窒素等の熱的
に安定させる元素は、水素化アモルファスシリコンを堆
積させていく工程において添加してもよいが、水素化ア
モルファスシリコンを堆積させた後、これに窒素等をイ
オン注入法等によって打ち込んでもよい。その際の注入
密度は、例えば1018〜1020cm-3程度であった。
ば、熱処理に対して抵抗率が安定しているという効果が
ある。
おける抵抗体として使用されている際に発生する熱に対
し、高い信頼性を得ることができる。
堆積させた基板から剥離してしまうこともあるが、製造
時に窒素等の混合ガスの流量を制御することにより、堆
積される水素化アモルファスシリコンの内部応力を制御
することができる。
とにより原料ガスの総量が増加し、これによって堆積時
に安定した放電が得られ、水素化アモルファスシリコン
の特性が安定した。
置の構成図である。
フィンの合計量に対する窒素ガスの量と、形成された水
素化アモルファスシリコンの抵抗率との関係を示すグラ
フである。
堆積において、基板温度を変化させた時の水素化アモル
ファスシリコンの抵抗率を示す。
体として有する電界放出形蛍光表示管の一部を示す断面
図である。
Claims (2)
- 【請求項1】抵抗率を制御するための不純物を含む水素
化アモルファスシリコンを無アルカリガラスの基板上に
堆積させる抵抗体の製造方法において、前記堆積時に窒
素ガスを原料物質であるSiH 4 とPH 3 の50%以上
150%以下添加し、前記堆積時の基板を200〜30
0℃の温度に保持することを特徴とする抵抗体の製造方
法。 - 【請求項2】抵抗率を制御するための不純物を含む水素
化アモルファスシリコンからなる抵抗体において、 窒素ガスを原料物質であるSiH 4 とPH 3 の50%以
上150%以下添加して200〜300℃の温度に保持
した無アルカリガラスの基板に堆積させた抵抗体。
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