JPH0750919A - 穀物用貯溜槽の攪拌装置 - Google Patents

穀物用貯溜槽の攪拌装置

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JPH0750919A
JPH0750919A JP5197299A JP19729993A JPH0750919A JP H0750919 A JPH0750919 A JP H0750919A JP 5197299 A JP5197299 A JP 5197299A JP 19729993 A JP19729993 A JP 19729993A JP H0750919 A JPH0750919 A JP H0750919A
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carriage
storage tank
grain
trolley
side wall
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悟 赤田
Setsuo Sasaki
節夫 笹木
Kenji Usui
賢志 臼井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 台車の走行駆動機構や傾斜検出手段に故障・
作動不良等が生じた際に、それを合理的かつ確実に検知
して警報を発する等の故障対策を自動的に講じることが
できるようにされ、もって、貯溜穀物が攪拌されないま
ま長時間放置されてしまうような事態等が起こらないよ
うにして装置の信頼性を向上させることができるように
された、穀物用貯溜槽の攪拌装置を提供すること。 【構成】 攪拌具23,24を貯溜槽1内で直交する2
方向に同時に又は選択的に往復動させながら貯溜穀物を
攪拌するようにされたもとで、第1の走行駆動機構30
により往復動せしめられる第1の台車10が貯溜槽1に
設定された検出地点81を通過した後、設定時間以上経
過しても上記検出地点81に戻ってこないとき、警報を
発する等の故障対策を講じるようにされてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、角ビンと呼ばれる角型
の穀物用貯溜槽内に貯蔵されている穀物を等しく上下方
向に攪拌することができる攪拌具を持つ攪拌装置に係
り、より詳細には、攪拌具を貯溜槽内で直交する2方向
に同時に又は選択的に往復動させながら貯溜穀物を攪拌
するようにされたものに関する。
【0002】
【従来の技術】穀物、特に、米や麦は収穫後に所定の水
分まで乾燥させた後貯溜及び貯蔵することが食味等の品
質を維持し劣化をおさえるために必要であり、そのため
に多くの処理施設が提案され利用され、また各種の穀物
用貯溜槽が用いられている。それらのうち、比較的小容
量の角型の穀物用貯溜槽は、従来、単に予備乾燥あるい
は一次貯溜槽として用いられているに過ぎなかったが、
最近、かかる比較的少容量の角型の穀物用貯溜槽で主乾
燥等をも行い得るようにすべく、該貯溜槽に貯溜穀物を
むらなく均一に攪拌することができる攪拌装置を設置す
ることが強く要望されてきた。
【0003】このような要望に応えるべく、本願の出願
人は、先に、例えば特願平4−315155号等に所載
のように、上記角型の穀物用貯溜槽に好適な攪拌装置を
提案した。この攪拌装置は、貯溜穀物を上下方向に等し
く攪拌できるオーガー(オーガースクリュー)と呼ばれ
る攪拌具を角型の穀物用貯溜槽内で直交する2方向に同
時に又は選択的に往復動させるようにしたもので、基本
的には、角形の貯溜槽における左右の側壁部間を橋絡す
るように該両側壁部上に走行可能な状態で乗架された第
1の台車と、該第1の台車に横移動可能な状態で搭載さ
れた第2の台車と、該第2の台車に取り付けられた状態
で上記穀物用貯溜槽内に鉛直に挿入されて回転せしめら
れる攪拌具と、上記第1の台車を上記穀物用貯溜槽にお
ける前後の側壁部間を横切る方向に往復動させる第1の
走行駆動機構と、上記第2の台車を上記左右の側壁部間
を横切る方向に往復動させる第2の走行駆動機構と、を
具備するものであり、通常は無人で自動運転される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような攪拌装置
にあっては、第1の台車を貯溜槽の前後方向に往復動さ
せるための第1の走行駆動機構は、例えば、動力源とし
てのモーター、動力伝達用(台車牽引用)のチェーン、
このチェーンと台車とを連結する連結具(アームやチェ
ーン等)等を具備して構成されるが、それらには、貯溜
槽内に挿入されて回転せしめられる攪拌具に作用する貯
溜穀物の抵抗が第2の台車及び第1の台車を介して付加
されることもあって、第1の走行駆動機構を構成する部
材に故障、例えば、動力伝達用のベルトやチェーンある
いは連結具の切断、モーターの焼きつき等、が生じるこ
とが無いとは言えない。
【0005】上記のような故障が生じると、例えば、台
車が槽内に転落したり、破損部品や油が貯溜穀物に紛れ
込んだりするという問題の他、台車が停止し、攪拌具も
移動しなくなるので、貯溜槽内の穀物のうちの特定箇所
にあるもののみが攪拌されて他の大部分の穀物は長時間
攪拌されないまま放置されることなり、その結果、貯溜
穀物の乾燥が進行せず、その品質が著しく低下してしま
うという問題が生じる。
【0006】また、前記した特願平4−315155号
等に所載の攪拌装置のように、例えば、上記第1の台車
における車輪支持部に対して、上記攪拌具を上記第2の
台車及びそれが搭載された上記第1の台車の本体部と共
に、上記第1の台車の走行方向に沿って揺動し得るよう
になすとともに、上記攪拌具が鉛直面に対して所定角度
以上傾斜したこと及び該傾斜した状態から鉛直面に沿う
姿勢に復元したことの両方を検出する水銀スイッチ等か
らなる傾斜検出手段を設け、この検出手段から得られる
信号に基づいて、上記攪拌具が鉛直面に対して所定角度
以上傾斜したことが検出されたとき、上記第1の台車及
び第2の台車の走行を停止させ、その後、上記攪拌具が
鉛直面に沿う姿勢に復元したことが検出されたとき、上
記第1の台車及び第2の台車の走行を再開するように構
成したもの等では、次のような不具合を生じるおそれが
ある。
【0007】すなわち、上記水銀スイッチ等からなる傾
斜検出手段に作動不良が発生した場合、特に、攪拌具が
鉛直面に対して所定角度以上傾斜し、傾斜検出手段が例
えば「ON」状態から「OFF」状態へと動作状態が切
り換わり、台車の走行が停止せしめられるまでは順調に
推移したが、その後、攪拌具が鉛直面に沿う姿勢に復元
したにもかかわらず、傾斜検出手段が「OFF」状態の
ままで「ON」状態に復帰しないような作動不良が発生
した場合には、台車が継続して停止せしめられたままと
なり、攪拌具も移動しないので、前記走行駆動機構の故
障と同様に、貯溜槽内の貯溜穀物の大部分が攪拌されな
いまま長時間放置され、その品質が著しく低下してしま
う。
【0008】ここで、上記した走行駆動系の故障は例え
ばモーターが回転しているか否か、あるいは動力伝達用
のチェーンが切断しているか否か等を直接検出すること
により比較的容易に対策を講じることができるが、上記
傾斜検出手段の作動不良によって第1の台車が長時間停
止したままとなった場合はそれを検出するのが難しく、
従来においては、それに対する有効な対策が講じられて
いなかった。
【0009】かかる点に鑑み本発明は、攪拌具が装備さ
れた第1の台車及び第2の台車を貯溜槽内で直交する2
方向に同時に又は選択的に往復動させながら貯溜穀物を
攪拌するようにされたもとで、台車の走行駆動機構に加
えて傾斜検出手段に故障・作動不良等が生じた際にも、
それを合理的かつ確実に検知して警報を発する等の故障
対策を自動的に講じることができるようにされ、もっ
て、貯溜穀物が攪拌されないまま長時間放置されてしま
うような事態等を防止して装置の信頼性を向上させるこ
とができるようにされた、穀物用貯溜槽の攪拌装置を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成すべ
く、本発明に係る穀物用貯溜槽の攪拌装置は、基本的に
は、角型の穀物用貯溜槽における左右の側壁部間を橋絡
するように該両側壁部上に走行可能な状態で乗架された
第1の台車と、該第1の台車に横移動可能な状態で搭載
された第2の台車と、該第2の台車に取り付けられた状
態で上記穀物用貯溜槽内に挿入されて回転せしめられる
攪拌具と、上記第1の台車を上記穀物用貯溜槽における
前後の側壁部間を横切る方向に往復動させる第1の走行
駆動機構と、上記第2の台車を上記左右の側壁部間を横
切る方向に往復動させる第2の走行駆動機構と、が備え
られ、上記第1の走行駆動機構により往復動せしめられ
る上記第1の台車が上記穀物用貯溜槽に設定された第1
の検出地点を通過した後、設定時間以上経過しても上記
第1の検出地点又はそれとは別に上記穀物用貯溜槽に設
定された第2の検出地点に到達しないとき、警報を発す
る等の故障対策を講じるようにされていることを特徴と
している。
【0011】そして、より具体的な構成例としては、上
記穀物用貯溜槽の第1の検出地点に、上記第1の台車に
取り付けられた操作手段により動作状態が切り換えられ
る検出手段が設けられ、この検出手段から得られる信号
に基づいて上記第1の台車が上記第1の検出地点を通過
した時点を検知するようにされているものが挙げられ
る。なお、上記とは逆に、台車側に検出手段を設け、貯
溜槽側に操作手段を設けてもよいことは勿論である。
【0012】また、操作手段並びに検出手段は、例えば
穀物投入時に台車を穀物投入部位から外れた位置にて待
機させるために設置されているもの等、既設のものを利
用できる。
【0013】
【作 用】上述の如くの構成とされる本発明に穀物用貯
溜槽の攪拌装置においては、第1の走行駆動機構や傾斜
検出手段等に故障や作動不良が生じていない場合には、
第1の台車が第1の検出地点を通過した後、上記第1の
検出地点に戻って来るまでの所要時間、あるいは、第1
の検出地点から第2の検出地点に到達するまでの所要時
間は多少ばらつきはあるものの、一定時間内に収まるは
ずである。
【0014】そこで、この点に着目して、本発明の攪拌
装置では、上記所要時間のうちの最長のものより長い時
間、例えばその時間の2〜3倍の時間を設定時間として
制御ユニットに記憶させておく。例えば、第1の台車が
第1の検出地点を通過した後そこに戻って来るまでの通
常の所要時間が10〜20分程度であるのなら設定時間
を40〜50分前後とする。なお、水分を含んだ貯溜穀
物は攪拌されないまま半日〜一日程度放置されるとその
品質に影響が出始めるが、1〜2時間程度なら問題はな
い。
【0015】そして、例えば、第1の台車が上記穀物用
貯溜槽に設定された各検出地点に到達すると、第1の台
車に設けられた操作手段(操作ロッド,発光器等)によ
って貯溜槽側に設けられた検出手段(スイッチ類,受光
器等)の動作状態が例えば「OFF」状態から「ON」
状態へと切り換えられるようになし、その検出手段から
得られる信号により制御ユニットに備えられたタイマー
をセットしてその後の経過時間を計測するようになす。
【0016】同様に、第1の台車が次の検出地点(同じ
検出地点に戻って来る場合も含む)に到達したときに
も、そこに設けられている検出手段の動作状態が切り換
えられ、その検出手段から得られる信号に基づいて、例
えば、タイマーにより計測されている先の経過時間をリ
セットするとともに、そのタイマーを新たにセットして
その後の経過時間を計測するようになす。
【0017】この場合、第1の台車が正常に走行してい
るとき、言い換えれば、第1の走行駆動機構や傾斜検出
機構等に故障や作動不良が生じていないときには、第1
の台車が検出地点間を走行するのに要する時間は上記制
御ユニットに記憶された設定時間より短くなるので、そ
のまま通常の攪拌作業が自動的に行われるのに対し、第
1の走行駆動機構や傾斜検出機構等に故障や作動不良が
生じたときには、第1の台車が長時間停止したままとな
るので、一つの検出地点を通過した後、タイマーにより
計測されている経過時間が上記設定時間より長くなる。
そこで、本発明の攪拌装置では、上記経過時間が設定時
間を越えたとき、警報を発する等の故障対策を講じる。
それにより、直ちに故障箇所の修復作業が行われ、再び
攪拌具を回転させながら台車を走行移動させる攪拌作業
が開始される。
【0018】このようにされることにより、台車の走行
駆動機構だけでなく傾斜検出手段に故障・作動不良等が
生じても、それが合理的かつ確実に検知され、貯溜穀物
が攪拌されないまま長時間放置されてしまうような事態
等が防止され、装置の信頼性が向上する。
【0019】
【実施例】以下においては、まず、本発明に係る穀物用
貯溜槽の攪拌装置の一実施例の基本構成及び動作(前記
した特願平4−315155号等と実質的に同じ)を説
明し、続いて本発明の特徴部分である故障・作動不良対
策について説明する。
【0020】〔基本構成〕図1〜図12 図1及び図2は概略的に示される本実施例の攪拌装置1
00は、図3に示される如くの、横断面が正方形(ここ
では縦横がそれぞれ4m程度)の角型の穀物用貯溜槽1
上に設置される。穀物用貯溜槽1は、前後の側壁部2、
3(仕切り壁部)と左右の側壁部4、5と底壁部6とか
らなっている。底壁部6は、穀物取出口8が設けられる
とともに、例えば目の細かいメッシュ部材が用いられる
等して図示は省略されているが、乾燥用の気体(空気
等)を吹き出す無数の細孔状の通気孔が穀物取出口8に
その吹き出し口を向けるようにして形成されており、穀
物排出時は方向性を持った風流で穀物を上記穀物取出口
8に集めて排出するようになっている。
【0021】上記攪拌装置100は、一対の車輪10a
が両端に取り付けられた狭幅枠形の第1の台車10を有
している。この第1の台車10は、穀物用貯溜槽1の左
右の側壁部4、5間を橋絡するように、側壁部4、5上
に設置された枠状のレール付きフレーム12における左
右一対のレール部14、15に走行可能な状態で乗架さ
れている。この第1の台車10においては、図8の正面
図をも参照すればよくわかるように、左右両側端に一対
の車輪10a、10aが設けられた左右で一対のL字形
の車輪支持部10fと本体部10Aの両端に設けられた
支持壁部10dとを貫通するように後述するスプロケッ
トホイール53、54の回転軸53a、54aがベアリ
ング75、76を介して挿通せしめられており、この第
1の台車10の本体部10A全体が上記回転軸53a、
54aを枢軸として走行方向に沿って揺動し得るように
されている。
【0022】また、第1の台車10には、それに設けら
れた前後一対のレール部18、19に第2の台車20が
走行可能な状態で搭載されており、この第2の台車20
の走行方向で見た両端には一対の車輪20a、20aが
設けられるとともに、その両端近傍には、該槽1内の穀
物を上下方向に攪拌するための2本のオーガー23、2
4が配されている。このオーガー23、24は自然状態
では穀物用貯溜槽1内に鉛直に垂下されて軸受ブラケッ
ト17(図4)の軸受部17aに軸支された状態で該第
2の台車20に搭載された攪拌用のモーター21、22
によりベルト・プーリ式動力伝達機構28、29を介し
て回転駆動されるようになっている。
【0023】そして、本実施例においては、第1の台車
10を穀物用貯溜槽1における前後の側壁部2、3間を
横切る方向に往復動させる第1の走行駆動機構30と、
第2の台車20を上記左右の側壁部4、5間を横切る方
向に往復動させる第2の走行駆動機構40と、が備えら
れている。第1の走行駆動機構30は、フレーム12に
おける、穀物用貯溜槽1の左側壁部4両端上隅部上に配
された一対のスプロケットホイール31A、32A及び
それに巻き架けられて前後方向に回転(循環移動)する
ようにされた無端環状の走行用チェーン33とからなる
左側巻掛伝導装置30Aと、この巻掛伝導装置30Aを
チェーン式動力伝達機構49を介して駆動するギアード
モーター36と、フレーム12における、穀物用貯溜槽
1の右側壁部4両端上隅部上に配された一対のスプロケ
ットホイール31B、32B及びそれに巻き架けられて
前後方向に回転(循環移動)するようにされた無端環状
の走行用チェーン34とからなる右側巻掛伝導装置30
Bと、左右のスプロケットホイール32A−32Bを連
結するドライブシャフト48と、走行用チェーン33、
34と第1の台車10の両側部とを連結する第1のター
ンアーム45、46と、からなっている。
【0024】上記第1のターンアーム45、46は、同
一構成とされており、左側面(図1のA矢視図)を表す
図4及び右側面(図1のB矢視図)を表す図5〜図7を
参照すればよくわかるように、一端側寄りに長穴42が
形成されてこの長穴42に第1の台車10に固定された
ピン44が遊挿されるとともに、他端側が走行用チェー
ン33、34の特定ヶ所に相対回転可能にピン47で連
結され、上記ピン44を支点にして旋回可能とされると
ともに、該ピン44に案内されて長手方向に沿ってスラ
イドできるようにされている。
【0025】なお、上記走行用チェーン33、34は、
その上半分(往路部分)がチェーンガイド73により支
承案内されるとともに、第1の台車10の前記した車輪
支持部10fに回転可能に配されたアイドラー38、3
9と動力取出用のスプロケットホイール53及びアイド
ラーとされるスプロケットホイール54(いずれも後
述)にも掛け回されており、一定の張力が得られるよう
にされている。
【0026】一方、第2の走行駆動機構40は、前記し
た図8をも参照すればよくわかるように、第1の台車1
0の左端側において上記車輪支持部10f及び支持壁部
10dを貫通するように配されて左側の走行用チェーン
33に噛合し、それとの相対速度差に応じて回転せしめ
られるようにされた動力取出用のスプロケットホイール
53〔この回転軸53a(図9,図10参照)が前記の
ように本体部10Aの支軸となる〕と、このスプロケッ
トホイール53が継手を介して連結された入力軸55及
びこの入力軸55のトルクが伝達される出力軸56を有
する、第1の台車10の左端部に設けられた台座部10
c上に設置された減速用のギヤボックス57と、上記出
力軸56に固定されたスプロケットホイール51及び第
1の台車10に取り付けられたブラケット10eに回転
可能に軸着されたスプロケットホイール52、59とそ
れらのスプロケットホイール51、52、59に巻き掛
けられて穀物用貯溜槽1の左右方向に回転(循環移動)
するようにされた無端環状の横移動用チェーン58とか
らなる第2の巻掛伝導装置40Aと、一端側が第2の台
車20(の仕切りガイド板67)に相対回転可能に連結
され、他端側が横移動用チェーン58の特定ヶ所に相対
回転可能に連結された第2のターンアーム65と、から
なっている。
【0027】なお、上記ギヤボックス57の出力軸56
の位置、すなわちスプロケットホイール51の位置は第
2の台車20の左端部近傍とされているが、もう一方の
スプロケットホイール52は第1の台車20の中央部、
すなわち穀物用貯溜槽1を左右に2分割する縦断面上に
位置するようにされている。また、第2の台車20にお
ける第2のターンアーム65と横移動用チェーン58と
の間には仕切りガイド板67が配設されており、この仕
切りガイド板67には、第2のターンアーム65の中央
部近傍に突設されたピン68が挿入された円弧状の長穴
69が形成されおり、この長穴69は、第2のターンア
ーム65の第2の台車20側の連結部を支点とする上下
方向の揺動を規制する役目を果たす。
【0028】〔傾斜検出手段及び制御系の構成〕図9〜
図12 以上のような構成に加えて、本実施例の攪拌装置100
においては、第1の台車10の本体部10Aに搭載され
た第2の台車20に傾斜検出機構60が設けられてい
る。この傾斜検出機構60は、図9,図10を参照すれ
ばよくわかるように、第2の台車20の幅方向に橋架さ
れた取付板63にボルト63a、63bにより固定され
た一対の水銀スイッチ61、62を備えている。この水
銀スイッチ61、62は、底面が内側に凹む低い山形状
とされてそれぞれに2つの溜部61A、61B及び62
A、62B(図11に水銀スイッチ62を代表して示
す)を持つ容器66A、66Bを有し、この容器66
A、66Bが前記した第1の台車10の本体部10Aの
揺動支軸とされるスプロケットホイール53、54の回
転軸53a、54aの中心を通る鉛直面gを挟んで対称
的にかつ互いに対向する側が下側となるように水平面に
対して若干傾斜した状態で配され、それらの容器66
A、66Bにおいて下側に位置する溜部61A、62A
に水銀64が溜められている。そして、充填された水銀
64の側部に接するように第1の電極61a、62aが
設けられるとともに、水銀64の底面に接するように上
記第1の電極61a、62aから離隔して第2の電極6
1b、62bが設けられている。
【0029】この水銀スイッチ61、62は、オーガー
23、24が鉛直状態にあるときには、図11Aに示さ
れる如くに、溜部62A(61A)が溜部62Bより若
干下側となるように取り付けられているので、水銀64
は溜部62A側に位置し、この状態は、鉛直面gに対す
る容器66A、66Bすなわちオーガー23、24及び
それが取り付けられた第2の台車20を含む第1の台車
10の本体部10A全体の傾斜(揺動)角度θが所定の
値(例えば15°)に達するまで続く(図11B、図1
1C)。このように傾斜角度がθが所定値未満のときに
は、水銀64が第1の電極61a、62a及び第2の電
極61b、62bの両方に接し、この第1の電極61
a、62aと第2の電極61b、62bとがそれぞれ水
銀64を介して電気的に接続(ON)される。それに対
し、図11Dに示される如くに、上記傾斜角度θが所定
値以上となったときには、水銀64が溜部62A(61
A)から溜部62B(61B)へ移動し、電極62a−
62b(61a−61b)間が電気的に遮断(OFF)
される。このように電極間が遮断された状態は図11
E、図11F、図11Aに示される如くに、再びオーガ
ー23、24を含む第1の台車10の本体部10Aが鉛
直状態に復元するまで続くようなっている。
【0030】そして、図12に簡略に示される如くに、
台車走行用のモーター36及びオーガー23、24駆動
用のモーター21、22への電力供給を行う制御ユニッ
ト50に、上記水銀スイッチ61、62の第1の電極6
1a、62aがそれぞれ配線69a、69bにより接続
されるとともに、第2の電極61b、62b相互が配線
69cにより接続されている。この接続形態は、言い換
えれば、水銀スイッチ61、62が電源を含む制御ユニ
ット50に対して直列に配置されていることになる。
【0031】したがって、それらの水銀スイッチ61、
62の両方がON状態のときには、制御ユニット50か
らの信号(電流)が順次配線69a、水銀スイッチ61
の第1の電極61a、容器66A内の水銀64、水銀ス
イッチ61の第2の電極61b、配線69c、水銀スイ
ッチ62の第2の電極62b、容器66B内の水銀6
4、水銀スイッチ62の第1の電極62a、配線69
b、を通って流れ、水銀スイッチ61、62の少なくと
も一方がOFF状態のときには上記信号電流が遮断され
ることになる。
【0032】なお、ここでは水銀スイッチ61、62が
取付板63に水平面に対して若干傾斜した状態で取り付
けられているが、その取付角度は上記ボルト63a、6
3bを緩めて容器66A、66Bを回転させることによ
り適宜変更することができ、それによって、該水銀スイ
ッチ61、62がON状態からOFF状態に切り変わる
傾斜角度θ及びOFF状態からON状態に復帰する角度
を任意に設定できる。上記のような水銀スイッチ61、
62を備えた傾斜検出機構60から得られる信号(のO
N−OFF)に基づいて、制御ユニット50は台車台車
走行用のモーター36への電力供給を選択的に断接する
ようにされている。
【0033】〔基本動作、作用、効果〕図13〜図15 上述の如くの構成とされた本実施例の攪拌装置100に
おいては、それをセットする際、例えば、第1の台車1
0を前側壁部2に最も近い位置に寄せるとともに、第2
の台車20を第1の台車10の最も左端に寄せておき、
第1のターンアーム45及び第2のターンアーム65の
チェーン33、58側の軸着部をそれぞれ例えばスプロ
ケットホイール32A、32B及び51における側端付
近に位置させておく。このようにすると、第2の台車2
0に配されたオーガー23、24は、初期位置が図13
において符号S、S’で示される如くに、前側壁部2の
左コーナー部付近と貯溜槽1を左右に2分割する縦断面
上に位置することになる。
【0034】そして、準備が整ったら、走行用のモータ
ー36及び攪拌用のモーター21、22を起動する。そ
うすると、図1及び図4(図1のA視図)に示される如
くに、第1の巻掛伝導装置30A、30Bが作動し、第
1の台車10が第1のターンアーム45、46を介して
走行用チェーン33、34に引っ張られて該チェーン3
3、34と同じ速度で前後の側壁部2、3間を横切る方
向に走行(前進)するとともに、オーガー23、24が
回転して貯蔵穀物の攪拌作業を行いつつ第1の台車10
及び第2の台車20と共に移動する。
【0035】このときには、第1のターンアーム45、
46と走行用チェーン33、34との連結部がチェーン
33、34の上半分(往路部分)の位置にあるので、動
力取出用のスプロケットホイール53は、チェーン3
3、34の往路部分と下半分(復路部分)とが逆方向に
移動している関係上、第1の台車10の前進速度にチェ
ーン33、34の移動速度を加算した回転速度、すなわ
ちチェーン33、34の移動速度の2倍の速さで回転せ
しめられる。
【0036】動力取出用のスプロケットホイール53が
回転すると、そのトルクがギヤボックス57を介して第
2の巻掛伝導装置40に伝達され、図8に示される如く
に、第2の台車20が第2のターンアーム65を介して
横移動用チェーン58の上半分(往路部分)に押されて
該チェーン58と同じ速度で左右の側壁部4、5間を横
切る方向に走行(横移動)する。この場合、第2の台車
20の横移動速度は、動力取出用のスプロケットホイー
ル53の回転がギヤボックス57で大きく減速されるの
で、第1の台車10の走行速度よりかなり遅くされる。
【0037】このようにして、第1の台車10が走行用
チェーン33、34の往路部分に引っ張られているとき
には、第2の台車20に配されたオーガー23、24の
軌跡は上から見ると左右の側壁部4、5に対して第1の
台車10と第2の台車20との速度比に応じた傾斜角度
をもつものとなる(図13参照)。そして、上記のよう
に第1の台車10が走行しているとき(上記往路と後述
の復路のいずれも)には、オーガー23、24に走行方
向とは逆向きに貯溜穀物の抵抗が作用し、この抵抗に応
じて、第1の台車10の本体部10Aが、図4(鎖線)
及び図10に示される如くに、第2の台車20及びオー
ガー23、24を伴った状態で動力取出用のスプロケッ
トホイール53及びアイドラーとされるスプロケットホ
イール54の回転軸53a、54aを枢軸として進行方
向で見てオーガー23、24の下端が遅れるように揺動
して鉛直面に対して傾斜し、本体部10Aが傾斜した状
態で第1の台車10及びそれに搭載された第2の台車2
0が走行することになる。
【0038】なお、第1の台車10の本体部10Aに
は、該第1の台車10の本体部10A全体の重量(第2
の台車20やオーガー23、24の重量を含む)に加え
て、オーガー23、24が貯溜穀物を下層から上層へ移
し替えるように攪拌していることから、その攪拌作用の
反作用が第2の台車20を介して加えられ、本体部10
Aには鉛直下向きに比較的大きな荷重が与えられるの
で、貯溜穀物の抵抗が小さい場合には、第1の台車10
はさほど傾斜しない。また、第2の台車20の横移動の
スピードは上記のように遅くされているので、オーガー
23、24に作用する貯溜穀物の抵抗のうち、第2の台
車20の横移動方向とは逆方向に作用する成分は極めて
小さく、無視しても差し支えない。
【0039】上記に加え、本実施例においては、オーガ
ー23、24(第2の台車20及び第1の台車10の本
体部10A)の鉛直面gに対する傾斜角度θが例えば1
5°以上になったときには、前記したように水銀スイッ
チ61、62のいずれかがOFF状態となり、それが制
御ユニット50に検知されて、制御ユニット50から台
車走行用のモーター36への電力供給が所定の期間停止
されて第1の台車10及び第2の台車20がその位置で
停留するするようにされる(この点については後で詳し
く説明する)。
【0040】そして、走行用チェーン33、34と第1
の台車10とを連結する第1のターンアーム45、46
とチェーン33、34との連結部が図5及び図6(図1
のB視図)の右側面図で代表して示される如くに、スプ
ロケットホイール31A、31Bにおける側端付近まで
来ると第1の台車10にチェーン33、34の引っ張り
力が作用しなくなるので第1の台車10は停止する。こ
の場合、第1の台車10は停止してもチェーン33、3
4は移動しているので、第1のターンアーム45、46
は、該チェーン33、34に引っ張られて、図6におい
て一点鎖線で示される如くに、長穴42がピン44に案
内されて下向きスライドしつつピン44を支点にして旋
回し、次いで上向きスライドしつつ旋回して、図6にお
いて実線で示される如くに、再び第1の台車10がチェ
ーン33、34に第1のターンアーム45、46を介し
て引っ張られる状態となる。
【0041】このように第1のターンアーム45、46
のみがチェーン33、34に引っ張られて第1の台車1
0が停止している期間は、オーガー23、24は、後側
壁部3に最接近した位置から離れることはない。従っ
て、かかる第1の台車10の停留期間には、オーガー2
3、24により貯溜槽1の後側壁部3の近傍に位置する
穀物がその停留時間に応じて上下方向に充分に攪拌され
ることになる。
【0042】続いて、第1のターンアーム45、46が
図6において実線で示される位置まで旋回して、長穴4
2の底部がピン44に当たると、第1の台車10が第1
のターンアーム45、46を介してチェーン33、34
の下半分(復路部分)に引っ張られてその走行方向が反
転し、前側壁部2方向に走行する。このときには、チェ
ーン33、34の移動速度と第1の台車10の移動速度
は同一であることから、動力取出用のスプロケットホイ
ール53とチェーン33、34との相対速度差が0とな
り、動力取出用のスプロケットホイール53は回転しな
いので、第2の台車20は横移動せず、停止したままと
なる。それにより、第2の台車20に配されたオーガー
23、24の軌跡は上から見ると左右の側壁部4、5に
対して平行な直線を描くことになる(図13参照)。
【0043】そして、第1の台車10が上述とは反対側
のスプロケットホイール32A、32B近傍まで来る
と、図7に示される如くに、第1の台車10に第1のタ
ーンアーム45、46を介してのチェーン33、34の
引っ張り力が作用しなくなるので、前記した場合と同様
に、第1の台車10は停止する。この場合も、第1の台
車10は停止してもチェーン33、34は移動している
ので、第1のターンアーム45、46は、該チェーン3
3、34に引っ張られて、図7において一点鎖線で示さ
れる如くに、長穴42がピン44に案内されて下向きス
ライドしつつピン44を支点にして旋回し、次いで上向
きスライドしつつ旋回して、図7において実線で示され
る如くに、再び第1の台車10がチェーン33、34に
第1のターンアーム45、46を介して引っ張られる状
態となる。
【0044】このように第1のターンアーム45、46
のみがチェーン33、34に引っ張られて第1の台車1
0が停止いる期間は、動力取出用のスプロケットホイー
ル53が回転せしめられるので、第2の台車20はわず
かに横移動するが、オーガー23、24は、前側壁部2
に最接近した位置からは離れるはことない。従って、か
かる場合も台車10の停留期間には、オーガー23、2
4により前側壁部2の近傍に位置する穀物が上下方向に
充分に攪拌されることになる。
【0045】そして、第1の台車10及び第2の台車2
0は、引き続き上述と同様に走行移動するので、オーガ
ー23、24は、図13に示される如くに左右方向にジ
クザク状の軌跡を描いて移動する。この場合、第2のタ
ーンアーム65と横移動用チェーン58との連結部が第
1の台車10の中央部に配されたスプロケットホイール
52の側端まで来ると、その連結部が横移動用チェーン
58の下半分(復路部分)に位置することになるので、
第2の台車20が第2のターンアーム65を介して押さ
れる状態から引っ張られる状態に変化し、第2の台車2
0の移動方向が反転する。この反転時には、オーガー2
3、24は、例えば図13において符号e、e’で示さ
れる如くに、貯溜槽1の中心と右側壁部5中央に近接し
た部位に位置し、以後は図の一点鎖線で示される如く
に、それまでの軌跡(実線)に対して対称的な軌跡を描
いて移動することになる。
【0046】なお、本実施例においては、オーガー2
3、24は、図13に示される如くに、左右の側壁部
4、5に対しては距離La、Lb(約20cm程度)ま
で近づけられ、前後の側壁部2、3に対しても距離L
c、Ld(約20cm程度)まで近づけられてそこで前
記のように停留せしめられ、また、第1の台車10が前
側壁部2と後側壁部3との間を横切る方向に走行する間
に距離Le、Lf(30cm程度)だけ左右方向に移動
せしめられる。なお、かかる軌跡は一例であってオーガ
ー23、24の移動パターンは貯蔵穀物の乾燥状態等に
応じて適宜変更できる。
【0047】このような構成を有する本実施例の攪拌装
置100においては、第1の台車10を走行させる第1
の走行駆動機構30に備えられるモーター36の動力の
一部が動力取出用のスプロケットホイール53を介して
第2の台車20を横移動させる第2の走行駆動機構40
に伝達されるので、第1の台車10と第2の台車20を
相互に直交する方向に走行させ得、動力源の共用化が図
られる。従って、単一の動力源36で第2の台車20に
設けられたオーガー23、24を貯溜槽1の前後方向に
移動させながら左右方向にも移動させることができ、貯
溜槽1内の穀物を全域にわたって等しく上下方向に攪拌
することが可能となる。
【0048】また、第1の走行駆動機構30が第1の台
車10を前後の側壁部2、3近傍にて所定の期間停留さ
せるようにされているので、オーガー23、24を近づ
けることが難しい貯溜槽1の内壁面の近傍に位置する穀
物をも充分に攪拌することができる(これについては、
後でさらに詳述する。)さらに、第1の走行駆動機構3
0が巻掛伝導装置30A、30Bと特定形態のターンア
ーム45、46とで構成されているので、リミットスイ
ッチ等の制御部品を使用することなく、第1の台車10
を側壁部2、3近傍にて所定の期間停留させることがで
きるとともに、2つの台車10、20の走行移動方向を
反転することができ、動力源の共用化を図れることと相
まって全体が簡素で合理的な構成となり、装置コストの
低減化が図られる。なお、ターンアーム45,46に代
えてチェーン等の連結具を用いても同様な作用効果が得
られる(特願平5−186207号参照)
【0049】そして、上記したように、本実施例の攪拌
装置100にあっては、第1の台車10の本体部10が
第2の台車20及びオーガー23、24を伴った状態で
走行方向に沿って揺動し得るようにされていることか
ら、オーガー23、24の軸受部17a(図4、図8)
等に過大な荷重が加えられる以前に第1の台車10が進
行方向とは逆方向に揺動し、鉛直面に対して傾斜せしめ
られるので、その軸受部17a等やオーガー23、24
自体に作用する外力が緩和され、その結果、それらが破
損し難くなり、装置の信頼性が向上する。
【0050】また、第1の台車10は上記のように前後
の側壁部2、3に最接近した位置で停止せしめられる
が、かかる停止時点では、第1の台車10の本体部10
A、第2の台車20及びオーガー23(24)は図14
の実線で示される如くに鉛直面に対して傾斜した状態に
なっている。しかし、第1の台車10は所定の期間、側
壁部2に最接近した状態で自動的に停留せしめられるの
で、この停留期間中にオーガー23、24は回転しなが
ら自重と攪拌作用の反作用により図の白抜き矢印Pで示
される方向に貯溜穀物Kをかき分けるようにして図の一
点鎖線で示される如くに鉛直線に沿うように復元する。
【0051】従って、上記実施例のように第1の台車1
0を側壁部2、3近傍にて所定の期間自動的に停留させ
るようにしたもとでは、オーガー23、24の下端と側
壁部2、3との離間距離Gは極めて小なるものとされ
る。それに対し、第1の台車10を停留させずに直ちに
反転走行させるようにした場合には、図の二点鎖線で示
される如くに、オーガー23、24の下端側はさほど移
動せず、上端側のみが白抜き矢印Qで示される方向に移
動し、オーガー23、24の下端と側壁部2、3との離
間距離Hは極めて大なるものとされる。
【0052】このことから、上記実施例のように側壁部
2、3近傍にて所定の期間停留させるようにした場合に
は、直ちに反転走行させるようにした場合に比して、オ
ーガー23、24全体(特に下端部)を側壁部2、3に
より近接させることができ、乾燥遅れの生じやすい側壁
部2、3近傍に位置する穀物Kを確実かつ充分に上下方
向に攪拌することが可能となる。
【0053】それに加えて、本実施例では、オーガー2
3、24の鉛直面gに対する傾斜角度θが所定値以上に
なったとき、水銀スイッチ61、62のいずれかがOF
F状態となってそれが制御ユニット50により検知さ
れ、水銀スイッチ釦61、62が再び共にON状態とな
るまでの期間、モーター36への電力供給が停止されて
第1の台車10及び第2の台車20が停留せしめられ
る。このときには、図15の実線で示される如くに、台
車10、20が走行移動している際には、オーガー2
3、24が貯溜穀物Kの抵抗によって揺動して傾斜した
状態にあってオーガー23、24の下端と貯溜槽1の底
壁部6との間に大きな隙間hが生じていても、台車10
の停留時に、上記側壁部2、3に最接近したときと同様
にオーガー23、24が回転しながら自重と貯溜穀物を
上下方向に積み替える際の攪拌作用の反作用を受けて図
の鎖線で示される如くに貯溜穀物をかき分けるように鉛
直面に沿う姿勢となるまで揺動して復元し、それに合わ
せて水銀スイッチ61、62も自動的にON状態に復帰
する。そのため、オーガー23、24が傾斜した状態で
は届かない底壁部6付近(最下層)の穀物をも上層に積
み替えることが可能となり、貯溜穀物の攪拌を均一に行
うことができる。
【0054】ここで、オーガー23、24が鉛直面gに
対して所定角度以上傾斜したこと及び鉛直状態に復元し
たことが水銀スイッチ61、62により自動的に検出さ
れ、制御ユニット50により第1の台車10及び第2の
台車20の走行停止及び走行再開が自動的に行われるの
であるが、この場合、オーガー23、24が傾斜した状
態から鉛直に復元するまでに要する時間は貯溜穀物の性
状や堆積高さ等に応じたものとなる。そのため、最適な
台車停留期間がタイマー計測等を必要としないで自動的
に定められることになる。このことは、オーガー23、
24が所定角度以上傾斜した状態から鉛直に復元するま
での時間、すなわち、台車10、20を停留させておく
べき期間を別途に貯溜穀物の性状や堆積高さ等を勘案し
て設定しておく必要がないことを意味しており、しか
も、台車停留期間を別途に設定することは貯溜穀物の性
状や堆積高さ等が一様ではなくそれらを正確に把握する
ことが現状では極めて難しいことを考慮すると、上記の
ように最適な停留期間が自動的に得られることは、貯溜
穀物の攪拌性が向上するだけでなく装置の信頼性が著し
く高められることになる。
【0055】それに加えて、オーガー23、24が鉛直
面に対して所定角度以上傾斜したことが水銀スイッチ6
1、62を備えた傾斜検出機構60により検知されて、
台車10、20の走行停止−走行再開が自動的に行われ
ることから、上記のように下層の穀物の未攪拌量を低減
できる他、台車10、20の過剰揺動により生じる不整
走行や脱輪等も防止でき、水銀スイッチ61、62を備
えた傾斜検出機構60や制御ユニット50が安全装置と
しても働く。
【0056】なお、水銀スイッチ61、62のいずれか
一方がON状態からOFF状態となる傾斜角度θ及びO
FF状態からON状態となる角度の値、すなわちオーガ
ー23、24の許容最大揺動角度や台車10、20の停
留時間等は、水銀スイッチ61、62の取り付け角度を
調整することで任意に設定することができ、それによ
り、台車走行用のモーター36の速度を変えることを要
しないで、オーガー23、24を側壁部2、3間におい
て貯溜穀物の性状や堆積高さ等に応じた速度で移動させ
ることができ、台車10の走行速度を可変にした場合と
実質的に同じ効果が得られる。
【0057】〔走行駆動系等の故障・作動不良対策〕図
2、8、12、16〜18 上述のようにして自動的に攪拌作業が行われるようにさ
れたもとで、本実施例の攪拌装置100では、第1の走
行駆動機構30や傾斜検出機構60に故障・作動不良が
生じて第1の台車10が長時間停止したままとなる事態
を防止すべく、穀物投入時に第1の台車10を穀物投入
部位から外れた位置にて待機させるために設置されてい
る検出手段を利用して、第1の台車10が正常な走行状
態にあるか長時間停止しているかを判別して故障対策を
講じるようにされており、以下にこの点について詳細に
説明する。
【0058】すなわち、上記した貯溜槽1では、図2に
おいて一点鎖線で示される如くに、槽中央部が穀物投入
部位Tとされており、この穀物投入部位Tに槽1の上か
ら図示されていないパケットコンベア等の搬送投入手段
によって穀物が投入されるようになっている。そして、
貯溜槽1の一方の側壁部4の上部の、該貯溜槽1の前後
方向で見て前記した穀物投入部位Tの前後端と前後の側
壁部2,3との間に位置する部位にそれぞれ検出手段と
しての定位置停止スイッチ(リミットスイッチ)81,
82が取り付けられ、さらに、第1の台車10の側壁部
4側の車輪支持部10fには操作手段としての操作ロッ
ド83が垂設されており(図8も参照)、上記定位置停
止スイッチ81,82の操作端81a,82aはそこを
第1の台車10と共に上記操作ロッド83が通過すると
き該操作ロッド83によって揺動せしめられるようにな
っている。すなわち、図16に示される如くに、第1の
台車10と共に操作ロッド83が定位置停止スイッチ8
1,82の操作端81a,82aに当たると、該操作端
81a,82aが図の実線位置(中立位置=OFF状
態)から一点鎖線又は二点鎖線で示される位置(ON状
態)へと切り換わり、その後操作ロッド83が離れると
該操作端81a,82aが中立位置に戻るようにされて
いる。
【0059】従って、第1の台車10が図2において実
線及び一点鎖線で示される如くの、操作ロッド83が定
位置停止スイッチ81,82の操作端81a,82aに
当たってそれを揺動させることになる、穀物投入部位T
の前後端近傍に位置する部位まで走行して来たときに
は、上記定位置停止スイッチ81,82から検出信号が
発せられてそれが前記した図12に示される制御ユニッ
ト50に供給される。
【0060】上記制御ユニット50には、穀物を追加投
入すべきときに押圧操作される投入モードスイッチ90
が付設されるとともに、タイマーが内蔵されており、制
御ユニット50は、投入モードスイッチ90の操作状態
と上記定位置停止スイッチ81,82からの検出信号と
に基づいて、攪拌用のモーター21,22、台車走行用
のモーター36への出力制御及びブザー94等の警報装
置の出力制御を図18のフローチャートで示される如く
のプログラムに従って行う。
【0061】すなわち、既に貯溜槽1に穀物が投入され
ていてオーガー23,24による攪拌作業が行われてい
るときに穀物を追加投入する場合には、制御ユニット5
0に付設されている投入モードスイッチ90を押圧操作
する。このときには、穀物は未だ追加投入されておら
ず、第1の台車10及び第2の台車20が継続して走行
移動せしめられるとともに、オーガー23,24も回転
せしめられている。
【0062】そして、第1の台車10に設けられている
操作ロッド83が定位置停止スイッチ81,82のうち
の一方の操作ロッド81a又は82aに当たってそれを
揺動させる位置まで来たとき、定位置停止スイッチ81
又は82はOFF状態からON状態へとその動作状態が
切り換わり、それから制御ユニット50に検出信号が発
せられる。この検出信号を受けて制御ユニット50は、
オーガー23,24駆動用のモーター21,22、第1
の台車10及び第2の台車を走行させるためのモーター
36への電力供給を停止してオーガー23,24の回
転、並びに第1の台車10及び第2の台車20の走行移
動を停止させる(図18のフローチャートのステップ2
01〜206)。
【0063】このようにして、オーガー23,24,第
1の台車10及び第2の台車20が停止せしめられた
後、パケットコンベア等の搬送投入手段が作動せしめら
れて貯溜槽1の穀物投入部位Tへ穀物が必要量だけ追加
投入される。この追加投入時には、第1の台車10が図
2において実線又は一点鎖線で示される如くの、貯溜槽
1の前後方向で見て穀物投入部位Tの前後端近傍にて停
止しているので、追加投入時に穀物が攪拌装置100に
当たることが回避される。
【0064】一方、上述した穀物投入時以外は、上記定
位置停止スイッチ81,82のうちの一方(ここでは定
位置停止スイッチ81の方)からの検出信号を利用し
て、第1の台車10が正常な走行状態にあるか長時間停
止しているかを判別して故障対策を講じるようにされる
(図18のフローチャートのステップ207〜21
1)。すなわち、第1の走行駆動機構30や傾斜検出機
構60等に故障や作動不良が生じていない場合には、第
1の台車10がその検出地点となる上記定位置停止スイ
ッチ81を通過した後、再びそこに戻って来るまでの所
要時間は多少ばらつきはあるものの、一定時間内に収ま
るはずである。
【0065】そこで、この点に着目して、本例では、上
記所要時間のうちの最長のものより長い時間、例えばそ
の時間の2〜3倍の時間(ここでは40〜50分)を設
定時間Txとして制御ユニット50の内蔵メモリに記憶
させている。かかるもとで、第1の台車10の操作ロッ
ド83が上記検出地点(定位置停止スイッチ81の位
置)に到達すると、前記したように第1の台車10に設
けられた操作ロッド83によって定位置停止スイッチ8
1の動作状態がOFF状態からON状態へと切り換えら
れ(ステップ207)、それからの検出信号が制御ユニ
ット50に供給される。それにより、制御ユニット50
はそれに備えられたタイマーをセットして(ステップ2
08)、その後の経過時間Tを計測する(ステップ20
9)。
【0066】そして、第1の台車10が上記定位置停止
スイッチ81が位置する検出地点に戻って来たときに
も、タイマーにより計測されている先の経過時間Tをリ
セット(T←0)するとともに、そのタイマーを新たに
セットして(ステップ208)、その後の経過時間Tを
計測する(ステップ209)。この場合、第1の台車1
0が正常に走行しているとき、言い換えれば、第1の走
行駆動機構30や傾斜検出機構60等に故障や作動不良
が生じていないときには、第1の台車10が定位置停止
スイッチ81の位置する部位を出てから戻って来るまで
に要する時間(経過時間T)は上記制御ユニット50に
記憶された設定時間Txより短い(T≦Tx)ので、そ
のまま通常の攪拌作業が自動的に行われる(ステップ2
10、202、203、207、209)。それに対
し、第1の走行駆動機構30や傾斜検出機構60等に故
障や作動不良が生じたときには、第1の台車10が長時
間停止したままとなるので、タイマーにより計測されて
いる経過時間Tが上記設定時間Txより長く(T>T
x)なる。
【0067】このように経過時間Tが設定時間Txを越
えたときには、本例では、ステップ210からステップ
211、206に進み、管理室等に設置された警報ブザ
ー94を鳴らす、警告ランプ92を点灯させる等の警報
を発するとともに、穀物投入時と同様に全モーター2
1,22,36を停止させる。それにより、直ちに故障
箇所の修復作業が行われ、再びオーガー23,24を回
転させながら台車10,20を走行移動させる攪拌作業
が開始される。
【0068】このようにされることにより、第1の台車
10の走行駆動機構30だけでなく傾斜検出機構60に
故障・作動不良等が生じても、それが合理的かつ確実に
検知され、貯溜穀物が攪拌されないまま長時間放置され
てしまうような事態等が防止され、装置の信頼性が向上
する。なお、上記した実施例においては、定位置停止ス
イッチ81,82が貯溜槽1の前後方向で見て穀物投入
部位Tの前後端と側壁部4,5との間にそれぞれ配され
ているが、必ずしもそれを2箇所に配する必要はなく、
それを1箇所だけ、例えば側壁部4近傍に配してもよ
い。また、故障対策用に定位置停止スイッチ81,82
のうちの一方だけを利用しているが、それら両方を利用
してもよく、この場合は、各スイッチ81,82の動作
状態が切り換わる毎に経過時間Tを計測し、それらの経
過時間Tに基づいて上記と同様にして第1の台車10が
正常に走行しているか、長時間停止しているかを判別す
るようになせばよい。
【0069】さらに、上記実施例では操作手段及び検出
手段として操作ロッド83とリミットスイッチ81,8
2が用いられているが、その他、操作手段及び検出手段
として例えば図17に示される如くに、発光器85を第
1の台車10にブラケット84を介して取り付けるとと
もに、受光器87を側壁部4とに取り付けて用いるよう
にしてもよい。
【0070】なおまた、上記実施例においては、チェー
ン駆動式ものを例示したが、攪拌装置としては、それに
限られることはなく、例えば、本出願人が先に提案して
いる円筒フレーム式のもの(特願平5−22806号)
や第1の台車及び第2の台車をそれぞれモーターで個別
に駆動するようにしたもの(例えば特願平4−2280
5号)等、種々の構成のものを使用できる。また、上記
した実施例においては、オーガーを2本備えたものを示
したが、貯溜槽の大きさによっては1本でもよく、当然
ながら任意に選定できる。
【0071】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発
明に係る穀物用貯溜槽の攪拌装置は、攪拌具が装備され
た第1の台車及び第2の台車を貯溜槽内で直交する2方
向に同時に又は選択的に往復動させながら貯溜穀物を攪
拌するようにされたもとで、台車の走行駆動機構や傾斜
検出手段に故障・作動不良等が生じた際に、それを合理
的かつ確実に検知して警報を発する等の故障対策を自動
的に講じることができるので、貯溜穀物が攪拌されない
まま長時間放置されてしまうような事態、言い換えれ
ば、貯溜穀物の品質低下を招来するような事態を可及的
に低減でき、装置の信頼性を向上させることができると
いう優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る穀物用貯溜槽の攪拌装置の一実施
例の斜視図。
【図2】実施例の穀物用貯溜槽の攪拌装置の平面図。
【図3】実施例の攪拌装置が設置される穀物用貯溜槽を
示す斜視図。
【図4】実施例の攪拌装置の左側面図(図1のA矢視
図)。
【図5】実施例の動作説明に供される部分右側面図(図
1のB矢視図)。
【図6】実施例の動作説明に供される部分右側面図(図
1のB矢視図)。
【図7】実施例の動作説明に供される部分右側面図(図
1のB矢視図)。
【図8】実施例の攪拌装置の構成及び動作説明に供され
る正面図。
【図9】実施例の傾斜検出手段の構成の説明に供される
図。
【図10】実施例の傾斜検出手段の動作の説明に供され
る図。
【図11】図9に示される傾斜検出手段の水銀スイッチ
の動作説明に供される図。
【図12】実施例の制御系を簡略に示す図。
【図13】実施例のオーガーの移動パターンの一例を示
す図。
【図14】実施例において台車が側壁部近傍にあるとき
におけるオーガーの作用の説明に供される図。
【図15】実施例において台車が側壁部間で停留せしめ
られた際のオーガーの作用の説明に供される図。
【図16】実施例の操作手段(操作ロッド)と検出手段
(定位置停止スイッチ)の説明に供される図。
【図17】操作手段と検出手段の他の例(発光器と受光
器)の説明に供される図。
【図18】実施例における穀物投入及び故障・作動不良
対策用の制御プログラムを示すフローチャート。
【符号の説明】
1−穀物用貯溜槽 2,3−前後の側壁部 4,5−左右の側壁部 10−第1の台車 20−第2の台車 23、24−オーガー 30−第1の走行駆動機構 36−ギアードモーター 40−第2の走行駆動機構 50−制御ユニット 60−傾斜検出機構 81,82−定位置停止スイッチ 83−操作ロッド 90−投入モードスイッチ 92−警告ランプ 94−警報ブザー 100−攪拌装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 角型の穀物用貯溜槽における左右の側壁
    部間を橋絡するように該両側壁部上に走行可能な状態で
    乗架された第1の台車と、該第1の台車に横移動可能な
    状態で搭載された第2の台車と、該第2の台車に取り付
    けられた状態で上記穀物用貯溜槽内に挿入されて回転せ
    しめられる攪拌具と、上記第1の台車を上記穀物用貯溜
    槽における前後の側壁部間を横切る方向に往復動させる
    第1の走行駆動機構と、上記第2の台車を上記左右の側
    壁部間を横切る方向に往復動させる第2の走行駆動機構
    と、が備えられ、 上記第1の走行駆動機構により往復動せしめられる上記
    第1の台車が上記穀物用貯溜槽に設定された第1の検出
    地点を通過した後、設定時間以上経過しても上記第1の
    検出地点又はそれとは別に上記穀物用貯溜槽に設定され
    た第2の検出地点に到達しないとき、警報を発する等の
    故障対策を講じるようにされてなる、穀物用貯溜槽の攪
    拌装置。
  2. 【請求項2】 上記穀物用貯溜槽の第1の検出地点に、
    上記第1の台車に取り付けられた操作手段により動作状
    態が切り換えられる検出手段が設けられ、この検出手段
    から得られる信号に基づいて上記第1の台車が上記第1
    の検出地点を通過した時点を検知するようにされてな
    る、請求項1記載の穀物用貯溜槽の攪拌装置。
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