JPH06141668A - 穀物用貯溜槽の攪拌装置 - Google Patents

穀物用貯溜槽の攪拌装置

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Publication number
JPH06141668A
JPH06141668A JP4302698A JP30269892A JPH06141668A JP H06141668 A JPH06141668 A JP H06141668A JP 4302698 A JP4302698 A JP 4302698A JP 30269892 A JP30269892 A JP 30269892A JP H06141668 A JPH06141668 A JP H06141668A
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carriage
trolley
storage tank
side wall
grain storage
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JP4302698A
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Satoru Akata
悟 赤田
Setsuo Sasaki
節夫 笹木
Kenji Usui
賢志 臼井
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Hokoku Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Hokoku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 穀物の乾燥及び貯溜を主目的として使用する
比較的小容量の角型の穀物用貯溜槽において、台車の走
行態様を貯留穀物の性状や堆積高さ等に応じて実質的に
可変にしかつ全体を簡素で合理的な構成とすることによ
り装置コストの低減化を図り、小規模経営の農家におい
ても無駄なく施設を利用することが可能な穀物用貯溜槽
の攪拌装置を提供する。 【構成】 角型の穀物乾燥貯蔵庫1において、第1の台
車10における車輪支持部10fに対して、攪拌具23
が単独で、又は第2の台車20と共に、あるいは第2の
台車20が搭載された第1の台車10の本体部10Aと
共に、上記第1の台車10及び又は第2の台車20の走
行方向に沿って揺動し得るようにされるとともに、第1
の台車10及び第2の台車20の少なくとも一方が前後
及び左右の側壁部2〜5に最接近した位置を含むそれら
の側壁部2−3、4−5間において複数回停留せしめら
れるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、穀物用貯溜槽の攪拌装
置に関し、特に槽内に収容されている穀物を等しく上下
方向に攪拌することができる攪拌具を持つ穀物用貯溜槽
の攪拌装置に関する。
【0002】
【従来の技術】穀物、特に、米や麦は収穫後に所定の水
分まで乾燥させた後貯留及び貯蔵することが食味等の品
質を維持し劣化をおさえるために必要であり、そのため
に多くの処理施設が提案され利用され、また各種の穀物
貯留槽が用いられている。その一つとして、図11に示
すような大容量の貯溜槽いわゆる丸ビンが知られてい
る。これは全体形状が屋根を有する円筒形であり、断面
が円形である大型容器501の底部近傍には床部材51
3を有し、該床部材513には多数の通気孔が形成され
ている。また、該床部材513の中央部には穀物排出口
514が設けられている。床部材513の下方には送風
機560等を介して、温風あるいは湿度と温度が適宜制
御された空気が送られる。
【0003】容器501内には、容器の中央部を中心と
して適宜の駆動手段により水平に回転するよう容器50
1の上部に支持された支持部材524が設けられてお
り、外支持部材524に対して複数本の第1の攪拌具
(オーガー)530、530が垂直方向にかつ該支持部
材524に対して横移動可能に装着されている。床部材
513上には、前記穀物排出口514を中心として放射
方向に第2の攪拌具(アンローダ)540が複数本水平
状態に設けられている。
【0004】乾燥あるいは貯蔵の時点で必要に応じてオ
ーガー530、530を駆動することにより槽内に収容
された穀物は全体として上下方向に攪拌され、上下の層
を積み替えることにより品質の劣化を極力防止してい
る。ところが、このものではアンローダ540があるた
めに床部材513からアンローダ540の高さまでが攪
拌されないという不都合がある。
【0005】従来のこの種の丸ビンにおいて、第2の攪
拌具に相当するアンローダ540は槽内の穀物の自然排
出の後に残った穀物の排出を目的に設けられているもの
であり、自然排出が停止した時点でアンローダ540を
駆動して、残留穀物を穀物排出口514に向けて移動さ
せる。穀物排出孔514から穀物は床部材513の下面
に設けた排出コンベア515により機外に搬出され図示
しない適宜のコンベア手段により容器501の上方に移
送されビン投入コンベア516により再び容器501内
に投入されるか槽外に搬送される。
【0006】穀物貯留槽のもう一つの形態として図12
に示す角ビンが知られている。これは通常火力乾燥装置
の前工程に設けられるものであり、荷受量の変動を平均
化したり、初期水分を多少低下させて火力乾燥装置の負
担を低減する目的で用いられる。この構造は、鉄板によ
り立方体状に組付けられた角ビン660の床下から一定
高さの所に通気床661を設け、その通気床661に多
数の通気孔662、662を形成すると共に該通気床6
61の一方の端部には内部の穀物を外部に排出するため
の穀物排出口664を設けている。この多数の通気孔6
62、662は穀物排出口664に向けて形成されてお
り、排出はアンローダを使用しないで、方向性を持たせ
た風で穀物を移動させて行うようになっている。
【0007】また、ビン660の側壁には送風口665
を設け、適宜の燃焼装置からの熱風を床下と通気床66
1との間に送気するようにして、堆積高さを変えること
によって荷受量の変動に対応しながら多少の乾燥も行え
るようになっている。これは比較的少量の貯溜槽であ
り、通常刈り取り直後の高水分穀物はできるだけ薄く堆
積して予備乾燥を行い、予備乾燥が終了したものは他の
角ビンへ移動させながら徐々に高積みして満杯にしてい
き最終的に必要な量の荷受けを行うようにして用いられ
る。ところが、角ビン660はビン間の入替作業、入替
えのための空ビンが必要であり、上下層の水分ムラが発
生する不具合がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のような穀物貯溜
槽において、大容量の貯溜槽いわゆる丸ビンは垂直方向
に位置する複数本の上下攪拌用のオーガーを有しかつ各
オーガーは槽の径方向に移動可能に装着されていること
から、槽内の殻粒は等しく該上下オーガーの作用を受け
て攪拌されることができ、容器内壁近傍に位置する殻粒
であってもまた中央部に位置する殻粒であっても必要な
上下の層の積み替えが行われる。しかしながらこの貯溜
槽装置は大型でかつ高価であることからその使用規模も
自ずと制限があり、小規模経営の農家等においてこの施
設を設置することは事実上困難であった。しかも、この
丸型のものはそれを複数基前後左右に並置するとデッド
スペースを生じ、占有設置面積に対して穀物貯蔵量がそ
のデッドスペース分だけ少なくなる不都合を有してお
り、さらには、アンローダ部分が攪拌されないという不
具合もある。
【0009】そのために比較的小規模の施設においては
角ビンタイプの貯溜槽が火力乾燥装置と共に用いられる
ことが多い。ところが、従来の角ビンタイプの貯溜槽は
攪拌装置を有していないので、乾燥中に貯溜穀物の上層
と下層との水分差が生じてしまい、火力乾燥機内での穀
物の水分ばらつきが大きくなることから、上記したよう
にこの設備は乾燥が主目的で用いられることはなく、そ
の設置数も一日の最大荷受量によって決定されるのが普
通であった。
【0010】本発明者は、比較的少容量の角ビンの持つ
上記のような不都合を解消して単に予備乾燥あるいは一
次貯溜槽としてではなく、主乾燥も行えかつ貯溜槽とし
ての機能を果たし得る角ビンを開発すべく、攪拌具を角
ビン内の直交する2方向に同時に又は選択的に往復動さ
せるようにした攪拌装置を製作した。この攪拌装置は、
基本的には、角ビンにおける左右の側壁部間を橋絡する
ように該両側壁部上に走行可能な状態で乗架された第1
の台車と、該第1の台車に横移動可能な状態で搭載され
た第2の台車と、該第2の台車に取り付けられた状態で
上記穀物用貯溜槽内に鉛直に挿入されて回転せしめられ
る攪拌具と、上記第1の台車を上記穀物用貯溜槽におけ
る前後の側壁部間を横切る方向に往復動させる第1の走
行駆動機構と、上記第2の台車を上記左右の側壁部間を
横切る方向に往復動させる第2の走行駆動機構と、を具
備するものであり、この攪拌装置を角ビン上に設置して
実験を行ったところ、角ビンの中央部に位置する殻粒は
上下方向に十分に攪拌され、下層の殻粒と上層の殻粒と
を積み替えることができ、槽の下方から通気することに
より乾燥むらのない高品質の殻粒を得、かつ貯溜するこ
とができた。しかし、槽の内壁面に近接して位置する殻
粒は攪拌が十分でなく下層の殻粒と上層の殻粒との積み
替えが必ずしも完全とはいえなかった。
【0011】そこで、より研究を継続することにより、
上記のような角ビン、すなわち角型の穀物用貯溜槽の攪
拌装置においては、特に以下に述べる事柄に対して格別
の配慮が望まれることを見出した。 貯溜槽の前後方向及び左右方向にそれぞれ台車を走行
移動させるようにする場合、攪拌具、台車、走行駆動機
構の構造やレイアウトに多くの制約が課せられるととも
に、2台の台車の走行方向で見た先端は貯溜槽の内壁面
の手前までしか移動させ得ず、しかも、台車と共に移動
する攪拌具は、その上端部付近が台車に軸支されて片持
ちの状態で貯留槽内に挿入されるので、貯留穀物の抵抗
によりその下端に遅れが生じて撓み、撓曲した状態で回
転せしめられることになるが、この攪拌具の撓み量は、
貯留穀物の性状(水分含有度等)や堆積高さ等によって
は無視できない大きさとなる。そのため、攪拌具(特に
その下端部)を貯溜槽の内壁面に近接させることが難し
く、その結果、かかる内壁面近傍に位置する穀物が充分
に攪拌されず、その部分に乾燥遅れが生じ易い。したが
って、貯溜槽の内壁面近傍に位置する穀物をも充分に攪
拌することができる手段ないし方策が必要となる。
【0012】攪拌具は、上記のように台車にその上端
部付近が片持ち支持されて撓曲した状態で回転せしめら
れることから、この攪拌具の軸受部や取り付け部に偏心
荷重が連続的に繰り返して加えられることになり、その
軸受部や取り付け部あるいは攪拌具自体が金属疲労等に
より破損し易い。したがって、このような不具合の発生
を確実に回避できる手段ないし方策が必要となる。
【0013】攪拌具が貯留穀物の抵抗によって撓んだ
りその全体が傾斜したりすると、この攪拌具の下端と貯
留槽の底壁部との間に大きな隙間が生じ、底壁部付近
(最下層)の穀物に攪拌具が届かなくなってそこの穀物
が上層に積み替えられなくなり、貯留穀物の攪拌が不均
一となってムラを生じ、製品品質が低下する。したがっ
て、貯留槽の最下層の穀物をも充分に攪拌できる手段な
いし方策が必要となる。
【0014】攪拌具に作用する抵抗は、貯留穀物の性
状や堆積高さ等に応じて増大するとともに、その攪拌具
の移動速度に応じても増大する。また、貯留穀物の乾燥
という点からみれば、例えば、水分含有度の高い穀物を
貯留する際は薄積み(低く)堆積し、水分含有度の低い
穀物を貯留する際は高積み堆積するのが普通であるが、
薄積みの場合はできるだけ短時間で全体を攪拌すること
が望まれるのに対し、高積みの場合は全体をムラなく攪
拌することに重点がおかれる。したがって、攪拌具の移
動速度、言い換えれば台車の走行速度は、前記、で
述べた事項に加えて、貯留穀物の性状(水分含有度等)
や堆積高さ等が必ずしも一定ではないということを勘案
すれば、可変にすることが望まれる。しかしながら、台
車の走行速度を可変にするには台車走行用のモーター等
の回転数を変えるための制御手段や変速手段等が必要と
なり、装置コストが高いものとなる。また、走行速度を
可変にすることだけでは、上記〜で述べた問題を根
本的には解消し得ない。
【0015】かかる点に鑑み本発明は、穀物の乾燥及び
貯溜を主目的として使用することができる比較的小容量
の角型の穀物用貯溜槽において、内壁面近傍に位置す
る穀物をも充分に攪拌することができ、攪拌具の軸受
部や取り付け部あるいは攪拌具自体に過大な荷重が加え
られることを未然に防止できてそれらが破損し難くで
き、底壁部付近(最下層)の穀物をも充分に攪拌する
ことができ、かつ、台車の走行態様を貯留穀物の性状
や堆積高さ等に応じて実質的に可変にできて全体を簡素
で合理的な構成となし、もって、装置の信頼性が高めら
れるとともに装置コストの低減化を図り、比較的安価に
乾燥及び貯溜施設を設置することができて、小規模経営
の農家においても無駄なく施設を利用することを可能に
し得る、穀物用貯溜槽の攪拌装置を提供することを目的
とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成すべ
く、本発明に係る穀物用貯溜槽の攪拌装置は、基本的に
は、角型の穀物用貯溜槽における左右の側壁部間を橋絡
するように該両側壁部上に走行可能な状態で乗架された
第1の台車と、該第1の台車に横移動可能な状態で搭載
された第2の台車と、該第2の台車に取り付けられた状
態で上記穀物用貯溜槽内に挿入されて回転せしめられる
攪拌具と、上記第1の台車を上記穀物用貯溜槽における
前後の側壁部間を横切る方向に往復動させる第1の走行
駆動機構と、上記第2の台車を上記左右の側壁部間を横
切る方向に往復動させる第2の走行駆動機構と、が備え
られる。
【0017】そして、上記第1の台車における車輪支持
部に対して、上記攪拌具が単独で、又は上記第2の台車
と共に、あるいは上記第2の台車が搭載された上記第1
の台車の本体部と共に、上記第1の台車及び又は第2の
台車の走行方向に沿って揺動し得るようにされるととも
に、上記第1の台車及び第2の台車の少なくとも一方が
上記前後及び左右の側壁部に最接近した位置を含むそれ
らの側壁部間において複数回停留せしめられるように構
成されてなる。
【0018】本装置においては、第1の台車における車
輪支持部に対して攪拌具、第2の台車、及び第1の台車
の本体部のうちのいずれか一つ以上を走行移動方向に沿
って揺動させるようになせばよく、例えば、第1の台車
を揺動可能とした場合には、この第1の台車を必要に応
じて前後の側壁部に最接近した位置を含むそれらの側壁
部間において複数回停留させるようになせば足りる。こ
の場合は、第1の台車の走行スピードを第2の台車及び
攪拌具の移動スピードより速く設定することははわめて
望ましい。
【0019】また、台車の停止位置、停留期間等を制御
するには、例えば、貯留穀物の性状(乾燥度合い等)や
堆積高さ等に応じて、タイマー計測を行いながら台車走
行用のモーターを所定期間駆動した後、所定期間停止さ
せて間欠駆動する、台車を所定の距離(例えば1m)走
行させて所定期間停止させる動作を台車が側壁部に達す
るまで何回か行う、あるいは、攪拌具(の取り付け部)
に作用する穀物の抵抗を例えばストレインゲージ等を用
いて検出し、その抵抗が設定値を越えたときに台車を停
止(モーター等を停止)し、抵抗が0付近になったとき
走行を再開する等、適宜の方法を採用できる。
【0020】
【作 用】上述の如くの構成とされる本発明に穀物用貯
溜槽の攪拌装置においては、攪拌具、第2の台車、及び
第1の台車の本体部のうちのいずれかが走行移動方向に
沿って揺動し得るようにされていることから、その揺動
可能部分は、その走行移動時に攪拌具が受ける貯留穀物
の抵抗に応じて揺動する。
【0021】そのため、走行移動時には、攪拌具の軸受
部や取り付け部に過大な荷重が加えられるより先に攪拌
具が単独で、又は第2の台車、第1の台車と共に走行移
動方向とは逆方向に揺動し、鉛直面に対して傾斜せしめ
られるので、その軸受部や取り付け部あるいは攪拌具自
体に作用する外力が緩和され、その結果、それらが破損
し難くなり、装置の信頼性が向上する。
【0022】また、第1の台車及び第2の台車の少なく
とも一方が前後及び左右の側壁部に最接近した位置を含
むそれらの側壁部間において複数回停留せしめられこと
により、該停留時に、貯留穀物の抵抗を受けて上記のよ
うに傾斜した状態にある攪拌具は、回転しながら貯留穀
物をかき分けるように揺動して復元し、鉛直面に沿う姿
勢となる。したがって、台車が貯留槽の側壁部に最接近
した位置で該台車を所定の期間停留させるようになせ
ば、攪拌具(特にその下端部)を貯溜槽の内壁面に近接
させること可能がとなり、その結果、かかる内壁面近傍
に位置する穀物が充分に上下方向に攪拌されることにな
る。
【0023】また、台車を側壁部間の途中で適宜停留さ
せるようになせば、台車が走行移動している際には、攪
拌具が貯留穀物の抵抗によって揺動して傾斜した状態に
あって、この攪拌具の下端と貯留槽の底壁部との間に大
きな隙間が生じていても、上記のように台車停留時に攪
拌具が回転しながら鉛直面に沿うように復元するので、
攪拌具が傾斜した状態では届かない底壁部付近(最下
層)の穀物をも上層に積み替えることが可能となり、貯
留穀物の攪拌を均一に行うことができる。
【0024】そして、台車の停止位置、停留期間を適宜
調整することにより、台車走行用のモーター等の速度を
変えることを要しないで、攪拌具を側壁部間において貯
留穀物の性状や堆積高さ等に応じた速度で移動させるこ
とができ、台車の走行移動速度を可変にした場合と実質
的に同じ効果が得られる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。図1は本発明に係る穀物用貯溜槽の攪拌装置
の一実施例を概略的に示し、この攪拌装置100は、図
2に示される如くの、横断面が正方形(ここでは縦横が
それぞれ4m程度)の角型の穀物用貯溜槽1上に設置さ
れる。穀物用貯溜槽1は、前後の側壁部2、3(仕切り
壁部)と左右の側壁部4、5と底壁部6とからなってい
る。底壁部6は、穀物取出口8が設けられるとともに、
例えば目の細かいメッシュ部材が用いられる等して図示
は省略されているが、乾燥用の気体(空気等)を吹き出
す無数の細孔状の通気孔が穀物取出口8にその吹き出し
口を向けるようにして形成されており、穀物排出時は方
向性を持った風流で穀物を上記穀物取出口8に集めて排
出するようになっている。
【0026】上記攪拌装置100は、一対の車輪10a
が両端に取り付けられた狭幅枠形の第1の台車10を有
している。この第1の台車10は、穀物用貯溜槽1の左
右の側壁部4、5間を橋絡するように、側壁部4、5上
に設置された枠状のレール付きフレーム12における左
右一対のレール部14、15に走行可能な状態で乗架さ
れている。この第1の台車10においては、図7の正面
図をも参照すればよくわかるように、左右両側端に一対
の車輪10a、10aが設けられた左右で一対のL字形
の車輪支持部10fと本体部10Aの両端に設けられた
支持壁部10dとを貫通するように後述するスプロケッ
トホイール53、54の回転軸53a、54aがベアリ
ング75、76を介して挿通せしめられており、この第
1の台車10の本体部全体が上記回転軸53a、54a
を枢軸として走行方向に沿って揺動し得るようにされて
いる。
【0027】また、第1の台車10には、それに設けら
れた前後一対のレール部18、19に第2の台車20が
走行可能な状態で搭載されており、この第2の台車20
の走行方向で見た両端には一対の車輪20a、20aが
設けられるとともに、その両端近傍には、該槽1内の穀
物を上下方向に攪拌するための2本のオーガー23、2
4が配されている。このオーガー23、24は自然状態
では穀物用貯溜槽1内に鉛直に垂下されて軸受ブラケッ
ト17(図3)に軸支された状態で該第2の台車20に
搭載された攪拌用のモーター21、22によりベルト・
プーリ式動力伝達機構28、29を介して回転駆動され
るようになっている。
【0028】そして、本実施例においては、第1の台車
10を穀物用貯溜槽1における前後の側壁部2、3間を
横切る方向に往復動させる第1の走行駆動機構と、第2
の台車20を上記左右の側壁部4、5間を横切る方向に
往復動させる第2の走行駆動機構と、が備えられてい
る。第1の走行駆動機構は、フレーム12における、穀
物用貯溜槽1の左側壁部4両端上隅部上に配された一対
のスプロケットホイール31A、32A及びそれに巻き
架けられて前後方向に回転(循環移動)するようにされ
た無端環状の走行用チェーン33とからなる左側巻掛伝
導装置30Aと、この巻掛伝導装置30Aをチェーン式
動力伝達機構49を介して駆動するギアードモーター3
6と、フレーム12における、穀物用貯溜槽1の右側壁
部4両端上隅部上に配された一対のスプロケットホイー
ル31B、32B及びそれに巻き架けられて前後方向に
回転(循環移動)するようにされた無端環状の走行用チ
ェーン34とからなる右側巻掛伝導装置30Bと、左右
のスプロケットホイール32A−32Bを連結するドラ
イブシャフト48と、走行用チェーン33、34と第1
の台車10の両側部とを連結する第1のターンアーム4
5、46と、からなっている。
【0029】上記第1のターンアーム45、46は、同
一構成とされており、左側面(図1のA視図)を表す図
3及び右側面(図1のB視図)を表す図4〜図6を参照
すればよくわかるように、一端側寄りに長穴42が形成
されてこの長穴42に第1の台車10に固定されたピン
44が遊挿されるとともに、他端側が走行用チェーン3
3、34の特定ヶ所に相対回転可能にピン47で連結さ
れ、上記ピン44を支点にして旋回可能とされるととも
に、該ピン44に案内されて長手方向に沿ってスライド
できるようにされている。
【0030】なお、上記走行用チェーン33、34は、
その上半分(往路部分)がチェーンガイド73により支
承案内されるとともに、第1の台車10の前記した車輪
支持部10fに回転可能に配されたアイドラー38、3
9と動力取出用のスプロケットホイール53及びアイド
ラーとされるスプロケットホイール54(いずれも後
述)にも掛け回されており、一定の張力が得られるよう
にされている。
【0031】一方、第2の走行駆動機構は、前記した図
7をも参照すればよくわかるように、第1の台車10の
左端側において上記車輪支持部10f及び支持壁部10
dを貫通するように配されて左側の走行用チェーン33
に噛合し、それとの相対速度差に応じて回転せしめられ
るようにされた動力取出用のスプロケットホイール53
(この回転軸53が前記のように本体部10Aの支軸と
なる)と、このスプロケットホイール53が継手を介し
て連結された入力軸55及びこの入力軸55のトルクが
伝達される出力軸56を有する、第1の台車10の左端
部に設けられた台座部10c上に設置された減速用のギ
ヤボックス57と、上記出力軸56に固定されたスプロ
ケットホイール51及び第1の台車10に取り付けられ
たブラケット10eに回転可能に軸着されたスプロケッ
トホイール52、59とそれらのスプロケットホイール
51、52、59に巻き掛けられて穀物用貯溜槽1の左
右方向に回転(循環移動)するようにされた無端環状の
横移動用チェーン58とからなる第2の巻掛伝導装置4
0と、一端側が第2の台車20(の仕切りガイド板6
7)に相対回転可能に連結され、他端側が横移動用チェ
ーン58の特定ヶ所に相対回転可能に連結された第2の
ターンアーム65と、からなっている。
【0032】なお、上記ギヤボックス57の出力軸56
の位置、すなわちスプロケットホイール51の位置は第
2の台車20の左端部近傍とされているが、もう一方の
スプロケットホイール52は第1の台車20の中央部、
すなわち穀物用貯溜槽1を左右に2分割する縦断面上に
位置するようにされている。また、第2の台車20にお
ける第2のターンアーム65と横移動用チェーン58と
の間には仕切りガイド板67が配設されており、この仕
切りガイド板67には、第2のターンアーム65の中央
部近傍に突設されたピン68が挿入された円弧状の長穴
69が形成されおり、この長穴69は、第2のターンア
ーム65の第2の台車20側の連結部を支点とする上下
方向の揺動を規制する役目を果たす。
【0033】上述の如くの構成とされた本実施例の攪拌
装置100においては、それをセットする際、例えば、
第1の台車10を前側壁部2に最も近い位置に寄せると
ともに、第2の台車20を第1の台車10の最も左端に
寄せておき、第1のターンアーム45及び第2のターン
アーム65のチェーン33、58側の軸着部をそれぞれ
例えばスプロケットホイール32A、32B及び51に
おける側端付近に位置させておく。このようにすると、
第2の台車20に配されたオーガー23、24は、初期
位置が図8において符号S、S’で示される如くに、前
側壁部2の左コーナー部付近と貯溜槽1を左右に2分割
する縦断面上に位置することになる。
【0034】そして、準備が整ったら、走行用のモータ
ー36及び攪拌用のモーター28、29を起動する。そ
うすると、図1及び図3(図1のA視図)に示される如
くに、第1の巻掛伝導装置30A、30Bが作動し、第
1の台車10が第1のターンアーム45、46を介して
走行用チェーン33、34に引っ張られて該チェーン3
3、34と同じ速度で前後の側壁部2、3間を横切る方
向に走行(前進)するとともに、オーガー23、24が
回転して貯蔵穀物の攪拌作業を行いつつ第1の台車10
及び第2の台車20と共に移動する。
【0035】このときには、第1のターンアーム45、
46と走行用チェーン33、34との連結部がチェーン
33、34の上半分(往路部分)の位置にあるので、動
力取出用のスプロケットホイール53は、チェーン3
3、34の往路部分と下半分(復路部分)とが逆方向に
移動している関係上、第1の台車10の前進速度にチェ
ーン33、34の移動速度を加算した回転速度、すなわ
ちチェーン33、34の移動速度の2倍の速さで回転せ
しめられる。
【0036】動力取出用のスプロケットホイール53が
回転すると、そのトルクがギヤボックス57を介して第
2の巻掛伝導装置40に伝達され、図7に示される如く
に、第2の台車20が第2のターンアーム65を介して
横移動用チェーン58の上半分(往路部分)に押されて
該チェーン58と同じ速度で左右の側壁部4、5間を横
切る方向に走行(横移動)する。この場合、第2の台車
20の横移動速度は、動力取出用のスプロケットホイー
ル53の回転がギヤボックス57で大きく減速されるの
で、第1の台車10の走行速度よりかなり遅くされる。
【0037】このようにして、第1の台車10が走行用
チェーン33、34の往路部分に位置せしめられたとき
には、第2の台車20に配されたオーガー23、24の
軌跡は上から見ると左右の側壁部4、5に対して第1の
台車10と第2の台車20との速度比に応じた傾斜角度
をもつものとなる(図8参照)。そして、上記のように
第1の台車10が走行しているとき(上記往路と後述の
復路のいずれも)には、オーガー23、24に走行方向
とは逆向きに貯留穀物の抵抗が作用し、この抵抗に応じ
て、第1の台車10の本体部10Aが、図3において鎖
線で示される如くに、第2の台車20及びオーガー2
3、24を伴った状態で動力取出用のスプロケットホイ
ール53及びアイドラーとされるスプロケットホイール
54の回転軸53a、54aを枢軸として進行方向で見
てオーガー23、24の下端が遅れるように揺動して鉛
直面に対して傾斜し、本体部10Aが傾斜した状態で第
1の台車10及びそれに搭載された第2の台車20が走
行することになる。
【0038】なお、第1の台車10の本体部10Aに
は、該第1の台車10の本体部10A全体の重量(第2
の台車20やオーガー23、24の重量を含む)に加え
て、オーガー23、24が貯留穀物を下層から上層へ移
し替えるように攪拌していることから、その攪拌作用の
反作用が第2の台車20を介して加えられ、本体部10
Aには鉛直下向きに比較的大きな荷重が与えられるの
で、貯留穀物の抵抗が小さい場合には、第1の台車10
はさほど傾斜しない。また、第2の台車20の横移動の
スピードは上記のように遅くされているので、オーガー
23、24に作用する貯留穀物の抵抗のうち、第2の台
車20の横移動方向とは逆方向に作用する成分は極めて
小さく、無視しても差し支えない。
【0039】そして、第1のターンアーム45、46と
走行用チェーン33、34との連結部が図4及び図5
(図1のB視図)の右側面図で代表して示される如く
に、スプロケットホイール31A、31Bにおける側端
付近まで来ると第1の台車10にチェーン33、34の
引っ張り力が作用しなくなるので第1の台車10は停止
する。この場合、第1の台車10は停止してもチェーン
33、34は移動しているので、第1のターンアーム4
5、46は、該チェーン33、34に引っ張られて、図
5において一点鎖線で示される如くに、長穴42がピン
44に案内されて下向きスライドしつつピン44を支点
にして旋回し、次いで上向きスライドしつつ旋回して、
図5において実線で示される如くに、再び第1の台車1
0がチェーン33、34に第1のターンアーム45、4
6を介して引っ張られる状態となる。
【0040】このように第1のターンアーム45、46
のみがチェーン33、34に引っ張られて第1の台車1
0が停止している期間は、オーガー23、24は、後側
壁部3近傍から離れることはない。従って、かかる第1
の台車10の停留期間には、オーガー23、24により
貯溜槽1の後側壁部3に位置する穀物がその停留時間に
応じて上下方向に充分に攪拌されることになる。
【0041】続いて、第1のターンアーム45、46が
図5において実線で示される位置まで旋回して、長穴4
2の底部がピン44に当たると、第1の台車10が第1
のターンアーム45、46を介してチェーン33、34
の下半分(復路部分)に引っ張られてその走行方向が反
転し、前側壁部2方向に走行する。このときには、チェ
ーン33、34の移動速度と第1の台車10の移動速度
は同一であるので、動力取出用のスプロケットホイール
53とチェーン33、34との相対速度差が0となり、
動力取出用のスプロケットホイール53は回転しないの
で、第2の台車20は横移動せず、停止したままとな
る。それにより、第2の台車20に配されたオーガー2
3、24の軌跡は上から見ると左右の側壁部4、5に対
して平行な直線を描くことになる(図8参照)。
【0042】そして、第1の台車10が上述とは反対側
のスプロケットホイール32A、32B近傍まで来る
と、図6に示される如くに、第1の台車10に第1のタ
ーンアーム45、46を介してのチェーン33、34の
引っ張り力が作用しなくなるので、前記した場合と同様
に、第1の台車10は停止する。この場合も、第1の台
車10は停止してもチェーン33、34は移動している
ので、第1のターンアーム45、46は、該チェーン3
3、34に引っ張られて、図6において一点鎖線で示さ
れる如くに、長穴42がピン44に案内されて下向きス
ライドしつつピン44を支点にして旋回し、次いで上向
きスライドしつつ旋回して、図6において実線で示され
る如くに、再び第1の台車10がチェーン33、34に
第1のターンアーム45、46を介して引っ張られる状
態となる。
【0043】このように第1のターンアーム45、46
のみがチェーン33、34に引っ張られて第1の台車1
0が停止いる期間は、動力取出用のスプロケットホイー
ル53が回転せしめられるので、第2の台車20はわず
かに横移動するが、オーガー23、24は、前側壁部2
近傍から離れることはない。従って、かかる場合も台車
10の停留期間には、オーガー23、24により前側壁
部2の近傍に位置する穀物が上下方向に充分に攪拌され
ることになる。
【0044】そして、第1の台車10及び第2の台車2
0は、引き続き上述と同様に走行移動するので、オーガ
ー23、24は、図8に示される如くに左右方向にジク
ザク状の軌跡を描いて移動する。この場合、第2のター
ンアーム65と横移動用チェーン58との連結部が第1
の台車10の中央部に配されたスプロケットホイール5
2の側端まで来ると、その連結部が横移動用チェーン5
8の下半分(復路部分)に位置することになるので、第
2の台車20が第2のターンアーム65を介して押され
る状態から引っ張られる状態に変化し、第2の台車20
の移動方向が反転する。この反転時には、オーガー2
3、24は、例えば図8において符号e、e’で示され
る如くに、貯溜槽1の中心と右側壁部5中央に近接した
部位に位置し、以後は図の一点鎖線で示される如くに、
それまでの軌跡(実線)に対して対称的な軌跡を描いて
移動することになる。
【0045】なお、本実施例においては、オーガー2
3、24は、図8に示される如くに、左右の側壁部4、
5に対しては距離La、Lb(約20cm程度)まで近
づけられ、前後の側壁部2、3に対しても距離Lc、L
d(約20cm程度)まで近づけられてそこで前記のよ
うに停留せしめられ、また、第1の台車10が前側壁部
2と後側壁部3との間を横切る方向に走行する間に距離
Le、Lf(30cm程度)だけ左右方向に移動せしめ
られる。なお、かかる軌跡は一例であってオーガー2
3、24の移動パターンは貯蔵穀物の乾燥状態等に応じ
て適宜変更できる。
【0046】このような構成を有する本実施例の攪拌装
置100においては、第1の台車10を走行させる第1
の走行駆動機構に備えられるモーター36の動力の一部
が動力取出用のスプロケットホイール53を介して第2
の台車20を横移動させる第2の走行駆動機構に伝達さ
れるので、第1の台車10と第2の台車20を相互に直
交する方向に走行させ得、動力源の共用化が図られる。
従って、単一の動力源36で第2の台車20に設けられ
たオーガー23、24を貯溜槽1の前後方向に移動させ
ながら左右方向にも移動させることができ、貯留槽1内
の穀物を全域にわたって等しく上下方向に攪拌すること
が可能となる。
【0047】また、第1の走行駆動機構が第1の台車1
0を前後の側壁部2、3近傍にて所定の期間停留させる
ようにされているので、オーガー23、24を近づける
ことが難しい貯溜槽1の内壁面の近傍に位置する穀物を
も充分に攪拌することができる(これについては、後で
さらに詳述する。) さらに、第1の台車を巻掛伝導装置30A、30Bと特
定形態のターンアーム45、46とを用いて構成するこ
とにより、リミットスイッチ等の制御部品を使用するこ
となく、第1の台車10を側壁部2、3近傍にて所定の
期間停留させることができるとともに、2つの台車1
0、20の走行移動方向を反転することができるので、
上記動力源の共用化を図れることと相まって全体が簡素
で合理的な構成となり、装置コストの低減化が図られ
る。
【0048】そして、上記したように、本実施例の攪拌
装置100にあっては、第1の台車10の本体部10が
第2の台車20及びオーガー23、24を伴った状態で
走行方向に沿って揺動し得るようにされていることか
ら、オーガー23、24の軸受部17a(図3、図7)
等に過大な荷重が加えられるより先に第1の台車10が
進行方向とは逆方向に揺動し、鉛直面に対して傾斜せし
められるので、その軸受部17a等やオーガー23、2
4自体に作用する外力が緩和され、その結果、それらが
破損し難くなり、装置の信頼性が向上する。
【0049】また、第1の台車10が前後の側壁部2、
3に最接近した位置で停止せしめられるが、かかる停止
時点では、前記したように第1の台車10の本体部10
A、第2の台車20及びオーガー23(24)は図9の
実線で示される如くに鉛直面に対して傾斜した状態にな
っている。しかし、第1の台車10は所定の期間、側壁
部2に最接近した状態で停留せしめられるので、この停
留期間中にオーガー23、24は回転しながら自重によ
り図の白抜き矢印Pで示される方向に貯留穀物Kをかき
分けるようにして図の一点鎖線で示される如くに鉛直線
に沿うように復元する。
【0050】従って、上記実施例のように第1の台車1
0を側壁部2、3近傍にて所定の期間停留させるように
したもとでは、オーガー23、24の下端と側壁部2、
3との離間距離Gは極めて小なるものとされる。それに
対し、第1の台車10を停留させずに直ちに反転走行さ
せるようにした場合には、図の二点鎖線で示される如く
に、オーガー23、24の下端側はさほど移動せず、上
端側のみが白抜き矢印Qで示される方向に移動し、オー
ガー23、24の下端と側壁部2、3との離間距離Hは
極めて大なるものとされる。
【0051】このことから、上記実施例のように側壁部
2、3近傍にて所定の期間停留させるようにした場合に
は、直ちに反転走行させるようにした場合に比して、オ
ーガー23、24全体(特に下端部)を側壁部2、3に
より近接させることができ、乾燥遅れの生じやすい側壁
部2、3近傍に位置する穀物Kを確実かつ充分に上下方
向に攪拌することが可能となる。
【0052】さらに、上記のように第1の台車10の本
体部10A、第2の台車20及びオーガー23、24が
傾斜した状態で台車10、20が走行すると、オーガー
23、24の下端と貯留槽1の底壁部6との間に大きな
隙間が生じる。そこで、本実施例においては、貯留穀物
からオーガー23、24が受ける抵抗を勘案して、第1
の台車10を前後の側壁部2、3間で適宜所定の期間停
止させるようにされる。このようにされることにより、
台車10の停止時にオーガ23、24が上記側壁部2、
3近傍にあるときと同様に鉛直線に沿うように復元する
ので、オーガー23、24が傾斜した状態では届かない
底壁部6付近(最下層)の穀物をも上層に積み替えるこ
とが可能となり、貯留穀物Kの攪拌を均一に行うことが
できる。なお、台車の停止位置、停留期間等の制御は、
例えば、貯留穀物の性状(乾燥度合い等)や堆積高さ等
に応じて、タイマー計測を行いながら台車走行用のモー
ター36を所定期間駆動した後所定期間停止させて間欠
駆動する、台車10を所定の距離(例えば1m)走行さ
せて所定期間停止させる動作を台車が側壁部に達するま
で何回か行う、あるいは、オーガー23、24(の軸受
部17aや取り付け部)に作用する穀物の抵抗を例えば
ストレインゲージ等を用いて検出し、その抵抗が設定値
を越えたときに台車10を停止(モーター36等を停
止)し、抵抗が0付近になったとき走行を再開する等、
適宜の方法が採用される。
【0053】そして、台車10の停止位置、停留期間を
適宜調整することにより、台車走行用のモーター36の
速度を変えることを要しないで、オーガー23、24を
側壁部2、3間において貯留穀物の性状や堆積高さ等に
応じた速度で移動させることができ、台車10の走行速
度を可変にした場合と実質的に同じ効果が得られる。な
お、上記した実施例においては、オーガーを2本備えた
ものを示したが、貯留槽の大きさによっては1本でもよ
く、当然ながら任意に選定できる。
【0054】また、上記実施例においては、第1の台車
10と第2の台車20の走行移動を一つのモーター36
で行うようにされているが、2つのモーターを使用して
それらの台車10、20を個別に走行移動させるように
してもよく、さらに、第1の台車10だけでなく、又は
それに代えて、第2の台車20もしくはオーガー23、
24を揺動させるようにしてもよい。
【0055】図10は、第1の台車10と第2の台車2
0とを個別に走行移動させるとともに、第1の台車10
に加えてオーガー23を揺動させるようにした他の実施
例の正面図を概略的に示す。この他の実施例において
は、前述した図1に示される実施例の各部に対応する部
分には同一の符号を付してそれらの詳細な説明を省略
し、以下に簡単に説明する。この例の攪拌装置110
は、第1の台車10の車輪支持部10fを貫通するよう
に配された左右一対の車輪10aの車軸85が、第1の
台車10の本体部10Aの左右の支持壁部10に挿通せ
しめられ、この車軸85を枢軸として第1の台車10の
本体部10Aがその走行方向(図の手前方向及び背面方
向)に沿って揺動するようにされている。なお、第1の
台車10は、図示されていないが前述の実施例と同様に
モーターで駆動されるチェーン式の巻掛伝導装置により
走行するようになっている。
【0056】一方、第1の台車10の本体部10Aに搭
載された第2の台車20には、走行用のモーター80が
搭載されており、このモーター80により車輪20aが
ベルトもしくはチェーン式の動力伝達機構82を介して
回転せしめられ、それによって、第2の台車20が貯留
槽の左右の側壁部間を横切る方向に移動するようになっ
ている。なお、第2の台車20が第1の台車10の両端
まで(貯留槽の左右の側壁部に近接した位置まで)移動
すると、リミットスイッチ91、92の操作端が押し込
まれ、そのリミットスイッチ91、92からの信号に基
づいて、直ちに、あるいは所定の停留期間をおいてモー
ター80の回転方向が逆方向に変えられ、第2の台車2
0の移動方向が反転せしめられ、それによって、第2の
台車20が左右の側壁部間を往復するようにされる。
【0057】そして、上記第2の台車20には、オーガ
ー23が該第2の台車20の横移動方向に沿って揺動し
得るように取り付けられている。すなわち、第2の台車
20には、揺動アーム86が支持ピン87により軸着さ
れて揺動可能に垂下されており、この揺動アーム86の
下部にモーター21によりベルト−プーリー式の動力伝
達機構86を介して回転駆動されるオーガー23が軸受
部17aで回転自在に保持されて取り付けられている。
【0058】このような構成を有する攪拌装置110に
おいては、モーターが2つ必要であることを除いて前述
の実施例と略同様な作用効果が得られることに加えて、
第2の台車20及びオーガー23を含む第1の台車10
の本体部10全体がその走行方向に沿って揺動し得ると
ともに、オーガー23が単独で第2の台車20の横移動
方向に沿って、すなわち第2の台車20の揺動方向とは
逆方向に揺動し得るようにされているので、台車10、
20の走行移動時におけるオーガー23の軸受部17a
等に作用する荷重が前述の実施例のものよりさらに緩和
されることになり、その結果、その軸受部17a等の破
損を一層招来し難くなる。
【0059】また、この例においては、台車10、20
が独立して個別に走行するようにされていることから、
それらの台車10、20の走行移動速度の比を任意に変
えることができ、貯留穀物の性状や堆積高さ等に応じて
台車10、20の走行移動速度をより自由に設定するこ
とが可能となる。なお、前述の実施例で述べたように、
台車10、20を両側壁部に最接近した位置を含む側壁
部間で停留させてオーガー23を鉛直に復元させるよう
になす場合には、オーガー23は走行移動スピードの速
い方の台車の走行移動方向に沿ってより大きく傾斜(揺
動)するので、台車10、20のうち走行移動スピード
の速い方のみを停留させれば足りる。図10はオーガー
が1本の場合を示したが複数本の場合も同様である。
【0060】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発
明に係る穀物用貯溜槽の攪拌装置は、穀物の乾燥及び貯
溜を主目的として使用することができる比較的小容量の
角型の穀物用貯溜槽において、内壁面近傍に位置する穀
物をも充分に攪拌することができ、また、攪拌具の軸受
部や取り付け部あるいは攪拌具自体に過大な荷重が加え
られることを未然に防止できてそれらが破損し難くで
き、さらに、底壁部付近(最下層)の穀物をも充分に攪
拌することができ、かつ、台車の走行態様を貯留穀物の
性状や堆積高さ等に応じて実質的に可変にできて全体を
簡素で合理的な構成にでき、その結果、装置の信頼性を
高めることができるとともに、装置コストの低減化を図
れ、比較的安価に乾燥及び貯溜施設を設置することがで
きて、小規模経営の農家においても無駄なく施設を利用
することを可能にすることができるという、極めて優れ
た効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る穀物用貯溜槽の攪拌装置の一実施
例の斜視図。
【図2】実施例の攪拌装置が設置される穀物用貯溜槽を
示す斜視図。
【図3】図1の実施例の攪拌装置の左側面図。
【図4】実施例の動作説明に供される部分右側面図。
【図5】実施例の動作説明に供される部分右側面図。
【図6】実施例の動作説明に供される部分右側面図。
【図7】実施例の攪拌装置の構成及び動作説明に供され
る正面図。
【図8】実施例のオーガーの移動パターンの一例を示す
図。
【図9】実施例の攪拌装置におけるオーガーの作用の説
明に供される図。
【図10】他の実施例の構成並びに動作説明に供される
図。
【図11】従来の丸ビンタイプの穀物用貯留槽及び攪拌
装置の一例の説明に供される概略図。
【図12】従来の角ビンタイプの穀物用貯留槽の一例の
説明に供される概略図。
【符号の説明】 1−穀物用貯溜槽 2−前側壁部(仕切り壁部) 3−後側壁部(仕切り壁部) 4−左側壁部 5−右側壁部 10−第1の台車 10d−支持壁部 10f−車輪支持部 20−第2の台車 23、24−オーガー 30A、30B−巻掛伝導装置 33、34−走行用チェーン 36−ギアードモーター 40−巻掛伝導装置 45、46−第1のターンアーム 53−動力取出用のスプロケットホイール 57−ギヤボックス 58−横移動用チェーン 65−第2のターンアーム 80−モーター 86−揺動アーム 100−攪拌装置(第1実施例) 110−攪拌装置(第2実施例)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 角型の穀物用貯溜槽における左右の側壁
    部間を橋絡するように該両側壁部上に走行可能な状態で
    乗架された第1の台車と、該第1の台車に横移動可能な
    状態で搭載された第2の台車と、該第2の台車に取り付
    けられた状態で上記穀物用貯溜槽内に挿入されて回転せ
    しめられる攪拌具と、上記第1の台車を上記穀物用貯溜
    槽における前後の側壁部間を横切る方向に往復動させる
    第1の走行駆動機構と、上記第2の台車を上記左右の側
    壁部間を横切る方向に往復動させる第2の走行駆動機構
    と、が備えられ、 上記第1の台車における車輪支持部に対して、上記攪拌
    具が単独で、又は上記第2の台車と共に、あるいは上記
    第2の台車が搭載された上記第1の台車の本体部と共
    に、上記第1の台車及び又は第2の台車の走行方向に沿
    って揺動し得るようにされるとともに、上記第1の台車
    及び第2の台車の少なくとも一方が上記前後及び左右の
    側壁部に最接近した位置を含むそれらの側壁部間におい
    て複数回停留せしめられるように構成されていることを
    特徴とする、穀物用貯溜槽の攪拌装置。
  2. 【請求項2】 上記第1の台車における車輪支持部に対
    して該第1の台車の本体部がその走行方向に沿って揺動
    し得るようにされるとともに、この第1の台車が上記第
    2の台車より速いスピードで走行するようにされている
    ことを特徴とする請求項1記載の穀物用貯留槽の攪拌装
    置。
  3. 【請求項3】 上記第1の走行駆動機構が、上記穀物用
    貯溜槽の前後方向に巻き掛けられた無端環状の第1の伝
    導部材を有する第1の巻掛伝導装置と、この第1の巻掛
    伝導装置を駆動するモーターと、一端側寄りに長穴が形
    成されてこの長穴に上記第1の台車に固定されたピンが
    遊挿されるとともに、他端側が上記第1の伝導部材の特
    定ヶ所に相対回転可能に連結され、上記ピンを支点にし
    て旋回可能とされるとともに、該ピンに案内されて長手
    方向に沿ってスライドできるようにされた第1のターン
    アームと、からなっており、 上記第2の走行駆動機構が、上記第1の伝導部材に係合
    し、それとの相対速度差に応じて回転せしめられる動力
    取出用の回転部材と、この回転部材が固定された入力軸
    及びこの入力軸のトルクが伝達される出力軸を有するギ
    ヤボックスと、上記第1の台車上にて上記穀物用貯溜槽
    の左右方向に巻き掛けられて上記出力軸により駆動され
    る無端環状の第2の伝導部材を有する第2の巻掛伝導装
    置と、一端側が上記第2の台車に相対回転可能に連結さ
    れ、他端側が上記第2の伝導部材の特定ヶ所に相対回転
    可能に連結された第2のターンアームと、からなってい
    て、 上記第1の台車における車輪支持部に対して上記第2の
    台車が搭載された本体部が該第1の台車の走行方向に沿
    って揺動し得るようにされるとともに、上記前後の側壁
    部間において上記第1の台車が必要に応じて停留せしめ
    られるように構成されていることを特徴とする、請求項
    1記載の穀物用貯留槽の攪拌装置。
  4. 【請求項4】 上記第1の走行駆動機構及び第2の走行
    駆動機構にそれぞれ個別に台車走行用の動力源が備えら
    れ、上記第1の台車における車輪支持部に対して上記第
    2の台車が搭載された本体部が該第1の台車の走行方向
    に沿って揺動し得るようにされるとともに、上記前後及
    び左右の側壁部間において上記第1の台車及び又は第2
    の台車が必要に応じて停止せしめられるように構成され
    ていることを特徴とする、請求項1記載の穀物用貯留槽
    の攪拌装置。
  5. 【請求項5】 上記第1の台車における車輪支持部に対
    して上記第2の台車が搭載された本体部が該第1の台車
    の走行方向に沿って揺動し得るようにされるとともに、
    上記第2の台車に対して上記攪拌具が該第2の台車の横
    移動方向に沿って揺動し得るようにされていることを特
    徴とする、請求項1に記載の穀物用貯留槽の攪拌装置。
JP4302698A 1992-11-04 1992-11-12 穀物用貯溜槽の攪拌装置 Pending JPH06141668A (ja)

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